先週末は、想像以上の大激闘となったWBC世界ヘビー級タイトルマッチ、タイソン・フューリーvsデオンテイ・ワイルダー。
結果的には予想通り、フューリーがTKO勝利となりましたが、ワイルダーの想像以上の根性により、一進一退の好ファイトとなりましたね。
↓観戦記
そしてこの週末も、注目興行があります。
まずは現地時間10/15(金)に予定されるナバレッテvsゴンザレス。
↓プレビュー記事
先日までFITE.TVのPPVで見れる予定だったのですが、本日10/13にサイトを見たら外れていました。VPNをアメリカ、イギリスに設定して試してみましたが、出てきませんでしたので、FITEでの配信をやめてしまったのかもしれませんね。。。
なのでWOWOWを楽しみに待ちましょう。
そしてもう一つ、翌日の現地時間10/16(土)に行われる、マイキー・ガルシア登場のDAZN興行です。
今回のブログでは、マイキー・ガルシアの1年半以上ぶりのリング登場、そして軽量級を語るに重要なアンダーカードのプレビュー記事です。
10/16(日本時間10/17)アメリカ
メインイベント
ウェルター級10回戦
マイキー・ガルシア(アメリカ)40勝(30KO)1敗
vs
サンドール・マーティン(スペイン)38勝(13KO)2敗
マイキー・ガルシアのデビューは2006年。もう40戦以上を経験している、息の長いボクサーですね。
今年34歳になるボクサーですが、まだまだ衰えとは無縁の存在だと思います。
2013年1月にWBO世界フェザー級王者となったことを皮切りに、同年11月、WBO世界スーパーフェザー級を制して2階級制覇します。
しかしその後、当時契約していたトップランクを提訴、試合が組まれない状況が続いてしまいます。それが和解となってFAとなり、リング復帰した時には2年半ものブランクを作ってしまっていました。
復帰後は2戦目でWBCライト級王座を獲得、4戦目でIBF世界スーパーライト級王座を獲得してあっという間に4階級制覇。ちなみに3戦目もWBCスーパーライト級のダイヤモンド王座戦で、エイドリアン・ブローナー(アメリカ)を相手に勝利を得ています。そういえばブローナーはまた逮捕されたそうですね。
その後はまたライト級でリングに上がり、IBF王者ロバート・イースター(アメリカ)との統一戦を制してライト級2冠統一王者となります。
そしてその次の試合、ライト級からは一気に2階級を上げてエロール・スペンスJr(アメリカ)に挑戦、ここは速く、大きいスペンすに届かず、フルマークの判定負けを喫します。
ここでようやく初黒星となったガルシアですが、2020年2月、復帰戦でWBC世界ウェルター級ダイヤモンド王座をジェシー・バルガス(アメリカ)と争い、僅差の判定勝利。
このコロナの間、ニュースの写真で見たガルシアはかなり大きくなっていました。いや、太っていた、という方が正しいかもしれません。
元々フレームがかなり大きいのかもしれませんが、どんどんと階級を上げてきたガルシア、世界王者となって以降は勢力的にリングに上がっている、とは言いづらいですね。
美しいノックアウトパンチャーだったガルシアですが、2017年にライト級で戦って以降、KO勝利には恵まれていません。これは対戦相手が大きくなっていくに従って、というところであり、いわゆる階級の壁。決してガルシアが衰えた訳ではない、と思っています。
このガルシアは、本当に美しく、個性的な右ストレートを持っています。あのただ棒を伸ばしたような予備動作なしの美しい右ストレートは、見ていて本当に惚れ惚れしますね。
そしてその右を当てる距離感に優れているガルシア、久々のKO勝利が見たいものです。
さて、対戦相手のサンドール・マーティン。
この2011年プロデビューのスペイン人ボクサーも、非常に立派な戦績を持っていますね。ただ、世界レベルか、といえばそうでもありません。獲得したタイトルはヨーロッパの地域タイトルに留まります。
2017年9月に(イバン・バランチェク、ロランド・ロメロと世界タイトルを争った)アンソニー・イギット(スウェーデン)に判定負けを喫して以降、9連勝中。
前戦も2021年4月に戦っており、今回はビッグネーム・マイキー・ガルシアとの一戦ということでかなりモチベーションは高いのではないでしょうか。
ガルシアは久々の試合で、調整ぶりが不安なところではありますが、ここは難なく勝利を手にしてもらいたいものですね。
セミファイナル
WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ
エルウィン・ソト(メキシコ)19勝(13KO)1敗
vs
ジョナサン・ゴンザレス(プエルトリコ)24勝(14KO)3敗1分
セミファイナルには、京口紘人(ワタナベ)との統一戦の噂のあったエルウィン・ソトが登場です。
今年に入ってから(だったと思いますが)マッチルームと契約したソトは、マッチルーム初戦で高山勝成(寝屋川石田)を迎えて防衛戦。
手数も運動量も多い高山に対して強打で対抗し、9RTKOで勝利して3度目の防衛に成功しています。
↓しかもカネロの前座で全世界にアピール!
下から2番目という軽量級ながら、ノックアウトを狙って強打を撃ち放っていくメキシカンスタイル、非常にエキサイティングな王者ですね。
2019年6月、アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)を最終回TKOで降し、世界初戴冠したソトですが、防衛戦はなかなかの苦闘続き、あまり良いパフォーマンスは見せられていないような気もします。
いずれにしろ、まだ評価が定まらない王者、という印象で、アコスタ戦を超えるパフォーマンスを期待したいものです。
挑戦者のジョナサン・ゴンザレスは、2度目の世界挑戦となります。
2019年8月、田中恒成(畑中)のもつWBO世界フライ級タイトルへ挑んだゴンザレスは、田中を苦戦させた、と言っても良いでしょう。一応、微妙なものでしたが田中からダウンを奪ってもいます。
あの頃の田中はまだまだ非常にムラがあり、あの日はなぜだかあまり手数も出ませんでした。それがゴンザレスの巧さなのかもしれませんが、今度のソトは手数が減ることがなさそうな気もします。
ゴンザレスに頑張ってもらいたい、とも思いますが、田中戦で見せたあの打たれ脆さは、ファイタータイプであるソトに対しては相性は良くなさそうです。うまく距離で捌ければ良いですが、それもまた、難しそうです。
ライトフライ級10回戦
ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)13勝(9KO)無敗
vs
ホセ・アレハンドロ・ブルゴス(メキシコ)18勝(15KO)4敗1分
世にも珍しい(?)アメリカのライトフライ級プロスペクト、ジェシー・ロドリゲス。このボクサーは帝拳プロモーションと契約しています。これはなかなか好判断だと思います。
非常に整ったボクシングをするロドリゲス、いかに「帝拳」という感じがするボクサーでもあります。軽量級が盛り上がる日本のリングで、このロドリゲスを見れる日が来るかもしれません。21歳のサウスポーの才能に疑いはなく、ライトフライ級ランキングを眺めてみても、非常に驚異、だと思いますね。
そして今回は、WBAレギュラー王者のエステバン・ベルムデス(メキシコ)に挑戦予定でしたが、WBAがこの試合を承認しなかったために破談となったようですね。WBAは王者削減を目指しており、レギュラー王者のベルムデスに対してはスーパー王者、京口紘人との団体内統一戦をオーダーしていました。今後、京口vsベルムデスが再度締結に向けて動き出す可能性はありますね。
ということで割りを食ったロドリゲスは、今回は残念ながら無冠戦。
ブルゴスの戦歴を見ると、ここ4戦(2020年1月のジョシュア・フランコ戦以降)で1勝2敗1分と振るわず、ロドリゲスにとっては調整試合の相手です。いずれにしろ、ベルムデスが降ろされてからの相手なので、ブルゴスにとってはオーダーも急だったことが予想されます。
ここはロドリゲスに圧倒的な力の差を見せつけて勝ってもらわなければいけません。日本中に「京口、矢吹、拳四朗、危うし」と戦慄が走るような圧勝劇を期待します。
ということで、今回のブログは10/16(日本時間10/17)に行われるマッチルーム興行のプレビュー記事でした。
DAZNで生配信です。
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先日、WOWOWがアツい!という記事を書きましたが、今後、DAZNもアツい。
フューリーへの挑戦権をかけて、ディリアン・ホワイトvsオット・ワリンもありますし、11月に入ってもハイメ・ムンギアvsガブリエル・ロサド、デメトリアス・アンドレーデvsジェイソン・クイッグリーが控えています。
今後のボクシングも楽しみですね!