8月に入ったらあっという間にお盆。
みなさんはお盆休みはありますか?私はガッツリあります笑。
最近は色々とあって、転職しようかな、などと考えているわけですが、大学でのボクシング指導も8月下旬でひと段落つくこともあり、転職活動を本格的にしていこうと思っています。
などという近況報告は置いておいて、お盆期間中も国内外で注目試合が盛りだくさん。
秋に行われるであろうビッグマッチへの中継ぎ期間である夏には、そのビッグマッチを戦わない多くの注目ボクサーが試合をする時期です。
そんなわけで、週末にはいよいよあの「テイクオーバー」テオフィモ・ロペスが復帰です。
8/13(日本時間8/14)アメリカ・ラスベガス
テオフィモ・ロペス(アメリカ)16勝(12KO)1敗
vs
ペドロ・カンパ(メキシコ)34勝(23KO)1敗1分
元ライト級3冠王者、テオフィモ・ロペス。
「テイクオーバー」テオフィモ・ロペスは、早くから世界王者を嘱望された期待のプロスペクトで、2019年7月、中谷正義(現帝拳)との挑戦者決定戦を経て、IBF世界世界ライト級王座へ挑戦。
中谷戦では、当時アメリカでは無名の日本人を相手に大苦戦を演じてしまったことから評価が下がった印象だったので、世界初挑戦となったリチャード・コミー(ガーナ)戦では「まだ早い」の声もちらほら。
しかし、結果的には素晴らしい右カウンターを決めて王者コミーを切って落とし、2RTKO勝利という快勝で見事世界王者となりました。
そこから8ヶ月後、ファイトマネーやコロナで色々と揉めたものの、ロマチェンコが譲歩する形で当時のWBAスーパー、WBO王者で、WBCのフランチャイズ王者だったワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)との統一戦が実現。
WBCのフランチャイズ王座というものが非常にわかりづらい王座であり、結果的に4団体統一戦とはならなかったものの、実質ライト級の最強決定戦でもありました。
この時の一戦は、慎重すぎるロマチェンコの戦い方、試合前から患っていたロマチェンコの怪我、そしてロペスの体格の利を活かした待ちのボクシング、強いプレッシャーという要因が様々な面で絡み合い、ロペスはアップセット(と言って良いと思います)での勝利を掴みます。
そして、見事3団体統一王者となったテオフィモ・ロペスでしたが、驕れるものは久しからず。幾度も延期をされた初防衛戦では、指名挑戦者であるジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)に敗れ、無冠となってしまいました。
この敗戦は、ロペスに大いに油断があった、とも言えますし、予想以上にカンボソスが良いボクサーだった、ということも言えると思います。ロペスのようなラテンのボクサーは、非常に勢いのある時は素晴らしいボクシングを展開しますが、一度落ちると地の底まで落ち切ってしまう、というイメージ。果たして、テオフィモ・ロペスの今後のキャリアは光り輝くのでしょうか。
そんなロペスは、そのカンボソス戦からの復帰戦に臨みますが、その相手はペドロ・カンパ。
このカンパの映像を検索すると、Youtube上で一番上に上がってくるのはハイライト映像です。このハイライト映像が見ていて非常に爽快で、これは素晴らしい攻撃力を持ったメキシコの戦士だとわかります。
PEDRO CAMPA HIGHLIGHTS HD - YouTube
頭を振って近づいて、ボラードをお見舞いしながら頭の位置を変えて、当たればそこから連打する。フルスイングのパンチが非常に多い、つまりはスタミナも十分で気が強く、パンチ力にも自信を持っている、ということなのでしょう。
これはロペスにとっても非常に危険な相手で、集中力をキープし続けなければいけません。
このカンパのボラードは、軌道も非常に良く、上下への打ち分けもできており、フルスイングであるがために非常に怖さもあります。反面、テンポとしては一定であり、一歩引いてみることができさえすれば、カウンターの格好の餌食ともなりそうです。
さて、テオフィモ・ロペスというパンチャーは、極上のカウンターパンチャーです。
上体をややスウェーしてから打つ右ストレート等、いわゆるプルカウンターを得意としているように思っています。なので、このカンパのようにアグレッシブで、パンチ力に自信を持ち、あまり駆け引きをせずにパワーでねじ伏せようとしてくるボクサーは、大好物なはず。
ペドロ・カンパは非常に危険なボクサーではあるものの、ロペスにとっては相性が良く、個人的には良い相手を選んだな、という印象です。
ロペスはここでまたBrutalなノックアウトを決め、スーパーライト級初戦を快勝で飾れるか。それとも、一度の敗戦で大きく崩れるのか。これは見ものです。
ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)13勝(9KO)無敗
vs
エリアス・エスパダス(メキシコ)22勝(15KO)4敗
おそらくセミファイナルに抜擢されたのが、ザンダー・ザヤス。
トップランクが大きく期待を寄せる19歳のプロスペクトが、プロ14戦目に臨みます。
これはザヤスが完全なAサイド、という試合であり、当然ザヤスのための試合。
ザヤスはまだキャリアを形成している途中段階であり、このエスパダスはザヤスにとっては過去最大のキャリアの持ち主です。
プロ26戦という集大成を、スーパープロスペクト相手にどのように示せるのか、がエスパダスにとっては非常に重要ですね。ここはザヤスが順当に勝ってくれるでしょう。
その他のアンダーカード!
アンドレス・コルテス(アメリカ)17勝(10KO)無敗
vs
エイブラハム・モントヤ(メキシコ)20勝(14KO)3敗1分
無敗のプロスペクト、25歳のコルテス。皆さんは、このボクサーのことを覚えているでしょうか。。。
2021年8月、ジェイソン・マロニー(オーストラリア)vsジョシュア・グリア(アメリカ)のアンダーカードに出場したコルテスは、ジェネシス・セルバニア(カシミ)と戦い、なんと初回KO勝利。
セルバニアの攻撃で効かされたところから打ち合いを挑み、逆にノックアウトしてしまうという戦慄のKO勝利でした。
その後は2連続でKO勝利、セルバニア戦を含めて3連続KO勝利ということで、その2試合は見ていないのですがあのセルバニア戦で何かを掴み、覚醒しているのかもしれません。
↓コルテスvsセルバニア!
なのでこの試合は非常に楽しみです。
対戦相手のモントヤは、前戦でガブリエル・フローレスJr(アメリカ)に0−2の判定で惜敗したボクサーであり、実力者です。
一筋縄ではいかないモントヤを相手に、コルテスはどのようなパフォーマンスを発揮するのでしょうか。アップセットの芽もある、注目ファイトですね。
このトップランク興行には、その他にも東京五輪フェザー級銀メダリストのデューク・ラガン(アメリカ)が登場したり、同じく東京五輪に出場したミドル級のトロイ・アイズリー(アメリカ)、そして大注目のチャーリー・シーヒー(アメリカ)等々、いつものようにトップランク・プロスペクトたちが大登場。
時間があれば全部見たいですが、まだまだこの辺りのボクサーたちは強豪を相手にしませんからね。お盆で暇があったら見てみようと思います。
【放送・配信】
この興行は、アメリカではESPNが生放送。
残念ながら、日本での放送はなさそうですね。。。
ESPNで放送される興行は、FITEあたりがやってくれることも多かったのですが、ここ最近はそれも控えめ。また生配信の情報が入り次第、お伝えしたいと思います。
《追記》
日本版FITE.TVでのPPVが決定していました。日時は8/14(日)AM9:00〜です。
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なかなか日本では手に入らないブランドを扱っていますので、是非とも覗いてみてください。