先週末、世界のスーパーライト級で行われた大変興味深い一戦。
それは、WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ、ジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペスの一戦でした。
元4団体統一王者vs元3団体統一王者、という構図のこの一戦は、両者ともにいっときよりも評価を落としての戦いだったからか、日本での注目度はいまいちだったように思います。
この試合、テオフィモ・ロペスは集中力のあるパフォーマンスを発揮し、テイラーに完勝。
その後引退も考えている、とか、ファイトマネー次第だとかお騒がせしていますが、その辺は本人の判断に任せるしかありません。何せ、ロペスというボクサーはそのパフォーマンスがモチベーションに大きく左右されるボクサーだと思います。
ともあれ、その翌週にも世界スーパーライト級タイトルマッチ。これは続けてこの階級に注目セざるを得ませんね。
ということで今回のブログは、目前に迫ったアメリカ・ニューオリンズの興行、WBC世界スーパーライト級タイトルマッチ、レジス・プログレイスvsダニエリト・ソリージャに付いてのプレビュー記事。
↓テイラーvsテオフィモの観戦記はこちら
6/17(日本時間6/18)アメリカ・ニューオリンズ
WBC世界スーパーライト級タイトルマッチ
レジス・プログレイス(アメリカ)28勝(24KO)1敗
vs
ダニエリト・ソリージャ(プエルトリコ)17勝(13KO)1敗
前戦、ホセ・セペダ(アメリカ)との王座決定戦を素晴らしい勝利で飾り、WBC世界スーパーライト級王座へと返り咲きを果たした「ルーガルー」プログレイス。
かつて王座統一戦を争ったライバル、ジョシュ・テイラー(イギリス)はテオフィモ・ロペス(アメリカ)に負けてしまいましたが、いつの間にかテイラーとの評価は逆転しているようにも感じますね。
おそらく前政権よりも力を増しているプログレイスは、個人的にはこの階級最強ではないかと思っています。
非常にリラックスした状態から、一瞬にして緩を急にし、相手に襲いかかる。その様はまさにオオカミで、パンチだけでなくダッキングやウィービングのキレは以前にも増して素晴らしい。
テイラーに敗れてからも4戦して全勝全KO、戦うごとに凄みを増しているようなイメージですね。
34歳、全盛期と思われる王者に、死角はないように思います。
さて、挑戦者のダニエリト・ソリージャ。このボクサーも悪くはないのですが、やはりプログレイスと比べてしまうと見劣りしてしまうのは仕方のないことでしょう。
KO率の高い、思いっきり振るタイプのパンチャーで、非常に怖さのあるボクサーではありますが、かつてアーノルド・バルボサJr(アメリカ)にほぼ完封された様を見ると、「巧さ」に対して苦手なタイプのボクサーではなかろうかと思ってしまいます。
ボクシング自体を比べると、バルボサの足元にも及ばなかったようにみえたソリージャ。終盤、バルボサをピンチに陥れることができましたが、それは10Rにわたり振り続けた結果であり、あのまま完璧にバルボサがアウトボックスしてもおかしくない展開でした。
あの後半に当てる、というのはそれはそれですごいことなのですが、バルボサ戦のようにパンチをもらってしまうと、後半までは持たないでしょう。今度の相手は、狼男です。
バルボサ戦で初黒星を喫したのが2022年7月なので、まだ1年も経っていません。2023年3月、初回TKOで再起してこの一戦を迎えます。
本来、決定戦で王座戴冠したプログレイスには、指名挑戦試合が用意されるはずでした。
しかし、指名挑戦権を得ていたホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)は指名挑戦試合を辞退(報酬の配分が理由だそうです)、プログレイスは指名挑戦試合を免れ、選択防衛戦となったことでランキング下位のソリージャと戦うことになったのです。(ちなみにこのソリージャ戦の前はリアム・パロ戦が決定していました。この戦いは非常に興味深いものでしたが、パロが怪我により離脱しています。)
もし、プログレイスに付け入る隙があるとするならば、ここでしょう。間違いなくソリージャをイージーな相手として選んだプログレイス、おそらく次の試合でのビッグマッチを画策しており、ひょっとすると既に気持ちはそっちへ向かっているかも。
ソリージャも倒せるボクサーだけに、プログレイスがそのように考えているとするならば危険とも思えますね。ただ、やはり地力の違いもあり、きっとプログレイスが難なく勝ってくれるはず。
そしてこのスーパーライト級が統一戦線に進んでほしい、やはりこれがファンの期待ですね。
↓プログレイスの前戦、セペダ戦!
↓ゾリラ表記ですが、ダニエリト・ソリージャの初黒星
アンダーカード!
アンダーカードにはウェルター級プロスペクト、「ワンダーボーイ」シャフラム・ギヤソフ(ウズベキスタン)が登場です。この13勝9KO無敗のギヤソフと戦うのは、アメリカの同級プロスペクト、ハロルド・カルデロン。こちらは27勝18KO無敗というキャリアを誇り、おそらくセミファイナルとして行われるこの試合は、大注目のウェルター級の無敗プロスペクト対決です。これは楽しみですね。
ギヤソフは技巧派というイメージが強いですが、フィジカルが強いのはウズベクボクサーあるある。このカルデロンという強そう名前のボクサーがどの程度なのかはわかりませんが、層の厚いウェルター級でここまでの戦績を積み重ねてきたのはすごいこと。
両者にとって、試される一戦となりそうです。
放送・配信
この興行は、DAZNで生配信。これは嬉しいですね。
前回のスーパーライト級戦、ジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペス戦は日本で放送がありませんでしたが、このスーパーライト級は本当に今、面白い階級です。
ホセ・セペダほどの強豪が世界王者になれないという大混戦階級、その階級で最強の男をDAZNで見ることができます。
配信は、日本時間6/18(日)9:00〜開始。メインはおそらくお昼頃になろうかと思います。
DAZNはこの興行のほか、毎週のように中規模興行を配信してくれています。
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