信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ウェルター級全勝全KO、バージル・オルティスJrがGBP興行に登場!!!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

欧米人の平均的な体格の集まるウェルター級の周辺階級は、いつも激戦区。

その中で、現在は統一に向かう機運がありつつも、下からの突き上げもあって非常に楽しみの深い階級となっています。

そのウェルター級プロスペクト、パーフェクトレコードの持ち主であるバージル・オルティスJr.が、大病を患って以来のリング復帰です。

今回のブログでは、アメリカ・テキサスで行われたバージル・オルティスJr.vsマイケル・マッキンソン、DAZN放映のGBP興行の観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

  8/6(日本時間8/7)アメリカ・テキサス

DAZN本放送はベクテミル・メリクジエフ(ウズベキスタン)vs スラダン・ジャンジャニン(ボスニア)の8回戦。その前のアンダーカードはYoutubeで流れていましたね。

さて、このメリクジエフvsジャンジャニンは、初回からメリクジエフが強いプレス。初回早々にボディの相打ちでジャンジャニンはダウン、おそらくサウスポーのメリクジエフの左ボディによりレバーを打たれ、息も絶え絶え。

2Rに入っても容赦なく攻め立てるメリクジエフは、2R後半に下から上へのフックへとつなげ、ダウンを追加。とにかくサバイブすることしかできないジャンジャニン、亀になって必至に凌ぎます。

3R中盤にはまたも左ボディでダウンを追加、鬼です。鬼がいます。立ち上がったジャンジャニンには称賛の拍手(だと思います)が送られるものの、その後もメリクジエフは左右のボディを思いっきり打ってから上へ返し、全く手が出ないジャンジャニンを見てレフェリーはストップ。

 

これはもう、同しようもないほどの実力差がありましたね。。。

あのまま続けても残酷なショーが続くだけで、ストップも致し方なし、とも思います。

メリクジエフはやはり非常に硬質なパンチを持った、強いボクサー。ジャンジャニンは気持ちの強さ、勝利への執念だけは示せたと思います。

モーリス・フッカー(アメリカ)27勝(18KO)2敗3分

vs

ブレア・コブス(アメリカ)15勝(10KO)1敗1分

フッカーがウェルター級ウェイトを作れず、150ポンド(ウェルター級は147リミット)の契約ウェイトで行われる事になった一戦。なんじゃそら。フッカー大丈夫か。

初回、コブスの動きが非常に良い。体格ではフッカーのほうが勝っているように見えますが、ブレアは左右によく動き、上体もよく動かし、サウスポーの利点の一つであるノーモーションの左をよく突いていきます。

フッカーはゆったりした動きから、ちょっとコブスについていけていないように見えます。

 

後半、コブスは左ストレートから詰めより、右フックをクリーンヒット!これでフッカーはなんとダウン!!

コブスはその後も動いてはコンビネーション、強い左をヒットして優勢!フッカーは動きが緩慢です。

2R、やっぱり非常にワイルドなコブス、このラウンドも振り回すパンチで早々にダウンを追加!フッカーは早くもピンチ、この時にガードを固めて前に出て距離を潰し、コブスに気持ちよく打たせないのはさすが。

強引に行かないコブスは冷静で、フッカーに出てこさせて左カウンターを狙っています。意外と冷静です。

そして終盤、コブスのノーモーションの左ストレートでフッカーはこの試合3度目のダウン!!もう絶望的な展開。。。

3R、コブスはフッカーをしっかりと見て、深追いはしません。しかし中間距離から放つノーモーションの左、やや弧を描くように打つボラード気味のパンチは非常に迫力がありますね。このパンチをフッカーはもらってしまっています。

4R、このコブスというのは不思議なボクサーで、打つパンチこそ非常にワイルドですが、比較的ディフェンシブな部類のボクサー。フェイントをかけつつも相手に手を出させ、そこから勝負をかけるボクサーです。

フッカーはそのコブスを大いに警戒してしまい、劣勢ながらもなかなか手が出ません。いつもの遠くから撃つ非常に長いジャブは少し縮こまっている感じもします。

 

このラウンドもコブスの左ストレートからの大きな右フックをもらってしまうフッカー。一体どうしてしまったのか、同じパンチを幾度ももらってしまっています。

5Rに入るとようやく少し距離感を取り戻したのか、フッカーがちゃんとジャブを出すようになってきました。ただ、すでに残りのラウンドを全て取らなければいけない所まで来ています。

コブスはなかなか反応がよく、フッカーのジャブを外して左ストレート。この左に全くと言って良いほど対応できていない、フッカー。

6R、アクシデンタル・ヘッドバットでコブスが左眉付近を大きくカット。コブスとしてはこれで止まってしても良い、くらいかもしれませんね。

そうなると後がないのはフッカーで、途中で止まってしまうと敗北は免れられません。フッカーはこのラウンド、アグレッシブに攻めていきますね。

7Rも前に出て攻めていくフッカー、それに対応しつつ単発で強いパンチを放つコブス。8Rはまたもアクシデンタル・ヘッドバットで休憩。今回はカットはありませんね。再開後、コブスは明らかにエスケープスタイルのボクシングを展開。

9Rも同様に、動き回るコブスと、全然追いきれないフッカー。一体どうしてしまったのか、というフッカー、そして最高の滑り出しを見せた序盤にあぐらをかいたボクシングにも見えるコブス。

 

ラストラウンドも展開は変わらず、終了のゴング。コブスは足もよく動くし、ディフェンス勘も良いですね。待ちのボクシング、ディフェンシブなボクシングながらもパワーも十分で、この展開ではフッカーは苦しかった、というか無理でした。

判定は、97-90×2、96-91でコブスを支持。なんとも切ない。

WBA・WBC女子世界フライ級タイトルマッチ

マーレン・エスパルサ(アメリカ)12勝(1KO)1敗

vs

エバ・グスマン(ベネズエラ)19勝(11KO)1敗1分

日本のレジェンド、藤岡奈穂子を退けたマーレン・エスパルサ。統一王座の初防衛戦として、好戦績のエバ・グスマンを迎えます。しかし藤岡戦のときも思いましたが、エスパルサはでかい。

初回、ふたりとも非常に速い。キビキビとした動きで、様子見もなく中間距離からバチバチと始まります。両者ともに打ち気に逸っているようにも見えますが、ここはエスパルサの右カウンターが効果的でしょうか。

2R、やっぱりエスパルサの右クロスはタイミング、打ち終わりのケアともに素晴らしい。ともによく手数も出ますし、セミセミのフッカーvsコブスよりも好試合を展開しています。

3R、今度はエスパルサの左フック、左ボディが当たり始めましたね。グスマンも悪くない、というよりも素晴らしいボクサーですが、的中率はここまでエスパルサが上回っていると思います。

 

しかしエスパルサ、上体が異常に発達しており、グスマンの攻撃にもびくともしませんね。藤岡戦でもフィジカルが強いボクサーだ、と思いましたが、今日はそれとはまた別に、ステップワークも素晴らしい。

4R、プレスをかけて強いパンチで攻め入るエスパルサに対して、グスマンは回転力で勝負。ただ、エスパルサの体は強く、ガードは固く、見栄え的にはやっぱりエスパルサ。

5R、このラウンドは序盤からグスマンの左ボディが良い。手数はグスマン、素晴らしいコンビネーションを放ちますが、相打ちのときはガードをしていてもバランスを崩すのはグスマンなので、これはちょっともったいない。

6R、今度はグスマンの左ボディはガードされて当たりません。直ぐに対応できるところはさすが世界王者、エスパルサ。光明が消えてしまったエスパルサですが、このボクサーは細かなサイドステップを使いつつも、体格でまさるエスパルサを相手に一歩も引きません。ボクサーとして、素晴らしいマチズモを持っています。

7R、8Rも同様に、キビキビとしたボクシングを展開する両者。ここでも明確にクリーンヒットを奪うのがやや多いのはエスパルサ、だと思います。加えてやはりパワー差(これはパンチ力というよりもフィジカルの差)も大きく、やはりエスパルサの強い一撃でグスマンはふっとばされ気味。

更に、全体的にエスパルサは攻撃前後で頭の位置をずらしながら戦うため、致命的なクリーンヒットはもらっていないように見えます。

 

9Rも勇敢なグスマンは、壁のようなフィジカルを持つエスパルサにアタック。しかしこの壁はただ佇むのではなく、素早く動くがために強固でもありますね。

ラウンド終盤、グスマンは良い攻撃を見せましたが、ここまでのポイント的にはかなり厳しい状況でしょう。

ラストラウンド。こうなった時、女子ボクシングではなかなか逆転というのは難しいかもしれません。ましてや軽量級。

それでも、戦士グスマンはその前進をやめず、いやさらに苛烈にコンビネーションを出してエスパルサへ突撃。危険なタイミングでの被弾をしながらも一歩も退かず、終了ゴング。

いやいや、想像異常に素晴らしい試合でしたね。

判定は、98-92×2、99-91でエスパルサ。

ウェルター級12回戦

バージル・オルティスJr(アメリカ)18勝(18KO)無敗

vs

マイケル・マッキンソン(イギリス)22勝(2KO)無敗

バージル・オルティスJr、復帰なるか。そして、パーフェクトレコードの継続なるか。

マイケル・マッキンソンというボクサーは、いくつかの試合を見る限りはなかなか引き出しが多く、器用なボクサーだと思いますが、此処をしっかりと倒すことができるか、というのが今回の課題。そして、大病を患ったオルティスのコンディションは如何に。

注目のゴングです。

 

初回、まずは調子よく速いジャブを飛ばすのはマッキンソン。マッキンソンはやや固さがありそうですが非常に調子は良さそうです。

スピーディな攻撃で回転力のあるコンビネーションのマッキンソン、右ガードをしっかりと挙げて左で対応するオルティス。

中盤には互いに中間距離でヒットを奪い合いますが、この距離はマッキンソンにとって非常に危険な距離ではないでしょうか。もしかして、マッキンソンはこのオルティスに打ち勝とうとしているのか??

マッキンソンは遠い距離から、左ストレートで入るパターンは良さそうです。中盤以降はサークリングを多用し、後半には徐々に手数が減っていくマッキンソン。

終盤、アクシデンタル・ヘッドバットでオルティスが左目尻を出血。オーソドックスとサウスポーでは、やはりバッティングは気をつけなければいけません。

2R、オルティスがいよいよ本気になったか、ガードを固めてプレス。マッキンソンは右フックを打ってサイドに回り込みますが、これはなかなか巧い。特に左目付近から出血のあるオルティスには非常に効果的でしょう。

3R、オルティスはグイグイとプレス。序盤、マッキンソンはオルティスの左フックを浴びてマウスピースが吹っ飛びます。やはりオルティスは並ではありません。非常にうまく戦っていたマッキンソンですが、やはりオルティスのプレスに押され気味。ただ、気持ちはまだ折れていません。やや足が止まりがちなマッキンソンですが、最小限のサイドの動きでオルティスのプレスをいなします。

 

4R、パワー差が顕著ながらも、頑張るマッキンソン。しかし時間の問題にも思えますね。ダメージを徐々に蓄積していっているマッキンソンは、このダメージにより披露も蓄積していっていることでしょう。

オルティスはまだ仕留めには行かず、マイペース(の強振)。オルティスがもっと熱くなれば、マッキンソンにチャンスが生まれる可能性がありますが、オルティスはなかなか冷静です。

5R、展開は変わらず、強いプレスをかけるオルティスと、そこからエスケープを試みるマッキンソン。マッキンソンはポジショニング巧さでオルティスのベストショットを回避してはいるものの、このままではジリ貧です。そうなると、一発逆転のチャンスはカウンターにしかないように思います。もしくは、すでにサバイバルモードなのか。

6Rもオルティスのプレスが強い。マッキンソンもディフェンスは非常に良いですが、効果的なパンチは打ち込めず。オルティスはジャブも良いですね。

7R、オルティスはそろそろ決めに行ってほしい。ともにさほど手数は多くなく、マッキンソンは幾分か回復し、オルティスのパンチにも慣れて来ているように見えます。

8R、比較的リング中央で戦う事が多くなってきました。これはマッキンソンがうまくサイドに回れているということだと思います。もしかして、このスローペースで最後まで行くのか。

オルティスのペースではあるものの、やや攻めきれていない感もあります。

 

と、思っていたら、中盤以降はまたオルティスのパンチが届き始め、後半、オルティスのボディでマッキンソンはダウン!ここは何とかロープからロープへエスケープして終了ゴングを聞いたマッキンソンでしたが、限界は近いかもしれません。

9R、開始早々に前に出たオルティスは、左ボディ!早々にダウンしたマッキンソン!何とか立ち上がりますが、ここでマッキンソン陣営が棄権の意思表示をして試合は終了!

バージル・オルティスJr.、9RTKO勝利!

圧倒的なパワー差がありながらも、仕留めるのに非常に時間がかかった、という印象。ただこれは、マイケル・マッキンソンのディフェンシブな戦い方と、そのテクニックによるところが大きいでしょう。

全くのクリーンヒットの数は少なかったと思いますが、少ないクリーンヒットの中でダウンを奪い、ストップでの勝利はさすがのパンチングパワー。

クロフォードやスペンス、そしてジャロン・エニスと比べてしまうと、まだまだ穴が多く、そして完成されているとは言えませんが、やはりこのオルティスの良いところは倒し切る力にありますね。

今後も期待です。

 

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