信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】3150FIGHT!!福永宇宙vs山下賢哉の大激闘!但馬ミツロ、力石政法が強さの証明!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

ボクシング興行の配信が非常に多かった8/14(日)。

朝からテオフィモ・ロペス、昼からは中日本新人王決勝戦とREAL SPIRITS、そして夕方からは3150FIGHT。

この全てを見る事は困難なので、私は情報遮断の上、ディレイでピックアップして視聴。

今回のブログでは、3150FIGHTの観戦記。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 


8/14(日)大阪府 3150FIGHT

56.5kg契約8回戦

福永宇宙(黒潮)10勝(5KO)無敗

vs

山下賢哉(JBスポーツ)14勝(11KO)5敗

この興行で、私的メインイベントは間違いなくこの試合。

四国の星、福永宇宙。全日本新人王を獲得後、凱旋試合をこなし、今回の一戦を迎えます。対するは3年ぶりのリング、山下賢哉。これは50-50の一戦であり、二人の選手の背景、そしてその試合内容への期待、どれをとっても楽しみです。

初回のゴング。まず積極的にジャブを打つのは山下。福永は当たらない位置をキープ、ワンツーから左ボディ。

この左ボディをアッパーに変えてみたり、右ストレートをボディに変えてみたりとこの非常にオーセンティックな戦い方が素晴らしい。

中盤、山下がグイグイとプレスをかけ、福永はそれに応じて近い距離での打撃戦。

山下は肩をしっかりと入れてジャブを打つ分、このジャブが非常に伸びます。リーチ自体がどちらにあるかわかりませんが、伸びはこの山下の方がありそうです。

 

2R、中間距離、かっちりとしたスタイルの福永、山下は比較的自由に動く分、パンチの出どころは分かりづらい。ともにジャブは届く距離、右も左も当たる距離で、浅くながらもヒットを奪い合うラウンド。

3R、福永がよりジャブを丁寧につき、ストレート系のコンビネーション。山下の大きな飛び込みの左フックはしっかりとダックで外し、ボディ。これは良い攻撃です。

とにかく左をよく突く福永、このジャブは山下も外したいところですがまっすぐで、脱力されたジャブは外しにくい。

残り1分ほどのところで山下は右のショートをヒット、少し動きが止まったように見えた福永でしたがここは近い距離で反撃。しかしこの近い距離では山下の回転力が上回り、左右のフックを浴びてダウン!

ラッシュをかける山下、福永はクリンチを駆使してなんとかサバイブ!!!

このフックが当たる距離では回転力に勝る山下に分がありそうで、福永としては何とか回復してストレートの距離で戦いたい。

4R、やはりここは山下がチャージ、これに福永も応戦!福永は良い左右をヒットしますが、山下の方が回転力において上回り、ロープに押し込まれます。山下はボンボンと手を出し、福永も辛くも打ち返します。

しかし山下の回転力も徐々に落ちてきて、手数こそ少ないものの福永が少し押し返し始めたか。ハーフタイムを過ぎようかというころ、山下の動きがガクンと落ちます。ここで福永がアッパーで山下の顔を跳ね上げます!こうなると元気になるのは福永!力強い左右、今度は徐々に福永の手数が上回り始めます。

完全な我慢比べ、福永の右で山下が後退!頭をつけての打ち合いは、今度は福永がやや打ち勝ったか、という内容で終了!!!

完全に決めに行って決めきれなかったのは痛い山下ですが、このインターバルでどれほど回復するか。

福永宇宙は、想像以上のハートの強さを示してくれました。

 

5R、疲れからかやや粗さのある山下。福永は乱れないので、ここは山下の打ち終わりを狙って欲しい。しかし後手に回ってもいけない、という思いからか、やはり我慢比べの打ち合いへ。

互いに披露もダメージもある中で、一歩も退かない大激闘!ともに、あと一発、なのかもしれません。

ガードポジションから連打が出る福永、耐えに耐えて強いパンチを返す山下。

どちらも譲りません。頑張れ、福永!!これは本当にまばたきすら出来ません!

これはジャッジはどういうふうにつけるのでしょうか。。。

6R、このラウンドはジャブからスタート。山下がフリッカー気味のジャブをいくつもヒット、目がふさがってきている福永にとっては、この下から上に伸びてくるジャブはキツい。こうなると、福永は距離を潰した方が良いかもしれません。

ハーフが過ぎたところで福永はノーモーションの右をヒット!その後は距離が近くなるタイミングもあり、ここでは福永のアッパーも良い。ただ、離れるとやはり山下がジャブで優位、これもまた難しいラウンド。

 

7R、ここにきて、ワンツーからのスタンダードなコンビネーションを素早く出せるのは練習の賜物でしょう。福永箱のラウンド勝負をかけているか、旺盛な手数で山下に攻め入ります。山下も応戦、こちらは軽いパンチながらも最後に打つジャブが秀逸。

1分過ぎ、福永のワンツー左アッパーが山下のガードの間隙を突いてヒット!山下はダメージを受けたか後退、追う福永!

山下は後退するもジャブが良く、福永の追撃を許さず。

ここで行きたい福永ですが、今度は山下が右を効かせて福永が後退!ロープにもたれかかり、ともすればダウンかという程効かされたように見えましたが、このラッシュに対しても打ち返した福永は、サイドへまわりながらも右をヒット!リング中央まで押し戻します!!

素晴らしいど根性ボクシングを見せた二人の勇者は、いよいよ最終ラウンドに向かいます。

ラストラウンド、先に右を当てたのは福永!アッパーも交えたコンビネーションでその後も攻め立てます。山下の攻撃は少しキレがなく、ガードの間を福永のアッパーカットがすり抜けます。しかし距離が開くと今度は山下のジャブが当たるという展開。

 

中盤以降はまた距離が詰まっての打ち合い、ここでは手数で福永。山下は押されて、弱気になったか後退、福永はここに来てもまだ旺盛な手数を維持。残り10秒の拍子木の頃にも顎を跳ね上げられた山下、このラウンドは福永のラウンドかと思います。

これはスイングラウンドだらけ、大いにジャッジ泣かせでしょう。

採点は、76-75、76-75、77-74、3-0で勝者は福永宇宙!!!!

これは嬉しい嬉しい勝利、ですね。福永はなんとか勝ちを拾った、という内容ですが、個人的にはジャッジの仕事に文句はありません。これは応援していた選手が勝ったから、というわけではなく、スイングラウンドだらけだったために、どう転んでもおかしくなかったからです。

前半山下、後半は福永が追い上げた、というところでしょう。

まあ、この判定に文句を言いたい人もいるのだろうな、というのは容易に想像できます。

山下はブランクからか前半飛ばしすぎたということなのか、後半にやや落ちてしまったことが悔やまれますね。

福永は初回〜ラストまで、しっかりとしたボクシングを展開できたことが勝利につながったことだと思います。そして3Rのあの痛烈なダウン、あのダメージ、あそこからサバイブして盛り返す事ができる、というのは本当にすごいこと。これは覚悟や、地方ジムを背負う責任感からくるものなのかもしれません。

なにはともあれ、本当に素晴らしい試合でした。

 

58.0kg契約8回戦

大沢宏晋(オール)37勝(21KO)5敗4分

vs

ジョー・サンティシマ(フィリピン)21勝(18KO)4敗

さて、もう一試合見ただけで疲れてしまいました。。。以降、ちょっと軽めにいきます。

初回、大沢のジャブの伸びが素晴らしい、と思えばサンティシマのジャブも良く伸びます。まず、左の差し合いでは大沢が上回った印象で、ポジショニングが良いですね。

2R、サンティシマが力強いコンビネーション。ちょっと大沢は後退か。

その後も力強く、鋭く振り回すサンティシマに対して、少し気後れしてしまった風の大沢はロープに詰まります。ここを脱した大沢ですが、その後もサンティシマのボディでやや腰が折れたようにも見えました。

サンティシマは必要以上にはチャージをしませんが、一発一発は非常に強そう。後半にはサンティシマは右もヒット、大沢は顔色こそ変えませんがダメージは如何に。

 

3R、グイグイと攻めるサンティシマに対して応戦した大沢、しかしボディから顔面に返したサンティシマの左を喰らい、ダウン!

ここでチャージするサンティシマ、大沢も打って押し返します。

4R、ここで大沢はプレスをかけ、サンティシマを下がらせます。この辺のゲームメイクは流石としか言いようがありません。大沢のジャブにはあまり対応ができないサンティシマは必然的に下がらされますが、後半にはこのジャブのリターンで右クロスをヒットします。

5R、大沢のまっすぐの左は非常に素晴らしく、幾度もサンティシマの顔を跳ね上げてはいるものの、このジャブのリターンには気をつけなければいけません。

よくあたってはいるものの、ジャブだけでは厳しいな、と思っていたところに、今度は大沢のジャブのカウンターとしてサンティシマの左フック!!大沢はダウン、ロープに頭をぶつけたのでしょうか?レフェリーはこの試合をストップ!

ジョー・サンティシマ、5RTKO勝利!

 

サンティシマは世界にこそ届いていませんが、強豪であり、大沢にとってはちょっと厳し目のマッチメイクだと思っていました。ただ、大沢はこのタイミングでこのサンティシマを超えなければ、年齢的にも世界は見えてきませんでした。

守りに入らない、本気で世界を取りに行くための挑戦的なマッチアップ。素晴らしい挑戦だったと思います。サンティシマが良いボクサーだというのは、ボクシングファンは知っていたはず。この事が、一般の人にもっと伝わっていれば嬉しい。

 

フライ級8回戦

宮崎亮(KWORLD3)26勝(16KO)2敗3分

vs

アサエル・ビラール(パナマ)18勝(14KO)1敗3分

強敵の予感がするアサエル・ビラール。リングに立ってみると、やはりひょろ長く、柔軟そうで嫌な感じのするボクサー。

初回、まずは距離の探り合いからスタート。ちょっと大きいビラールに対して、入りづらそうな宮崎。ビラールは徐々にプレス、宮崎はジリジリと下がっていますが、全く手が出ません。初回は見るだけという作戦なのか、あまりにも遠すぎるのか。

後半、ビラールは右ストレートを宮崎のガードの上に当て、左フック。この左が宮崎のガードの隙間に入り、宮崎は後退。そこからビラールはラッシュ!宮崎は全く反撃出来ません。クリンチに逃げようとするも上手くはいかず、そのままストップ。

アサエル・ビラール、初回TKO勝利!

 

宮崎はちょっと見ているうちに終わってしまいましたね。ビラールは詰め時にしっかりと詰められましたね。まだ、ビラールも本領を発揮する前だったと思いますが、折角のフライ級のボクサーなら、また日本に登場する可能性もありますね。

ヘビー級4回戦

石井慧(クロアチア)デビュー

vs

高山秀峰(スパイダー根本)1勝(1KO)無敗

クロアチア人、石井のプロデビュー戦。対戦相手は、1戦1勝の高山。

柔道がルーツの石井はやはりフィジカルが強いでしょうね。高山はボクシングで上回りたい。

初回、高山が旺盛な手数でヒットアンドアウェイ。石井は重戦車のようにジリジリと詰めて強振、これは嫌な戦い方。

後半、石井のガードの空いたところに高山のショートの右がヒット、高山は良い戦い方です。

 

2R、石井はほとんどパンチを出せません。出したとしても、単発であり、あまりキレのあるパンチではないように見えますね。

石井の左ストレートをしっかり外し、右オーバーハンドやストレートを打ち込む高山。

3R、ここは早々に距離が詰まり、打撃戦。ここでは石井も手が出てきます。が、高山が接近戦を受けてたったのは、石井のパンチを耐えられると判断したからなのか、それとも足が終わったのか。

石井のパンチはまだボクサーのそれではなく、高山はしっかりとトレーニングしているボクサー。ただ、このフィジカル勝負だと高山の方が疲れてしまうのではないでしょうか。

ラストラウンド、グイグイと前に出る石井。ここでは比較的力のこもったパンチを打てているように見えます。最初からこの戦い方ができていれば違ったのではないでしょうか。

高山はディフェンスのときに顔をそむけてしまうのがあまり良いとは言えません。

中盤、石井は高山をコーナーに詰めてラッシュ。逃げ場の無いところで石井の左ストレートが高山を襲います。後半は高山も打ち返して終了。

判定は38-38、39-37、40-36、2-0で石井。フルマーク。。。?は驚きますが、致し方ありませんね。初回、2Rについてはほとんど石井は手を出せていませんでしたが。。。

 

OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ

力石政法(緑)11勝(6KO)1敗

vs

トムジュン・マングバット(フィリピン)15勝(12KO)3敗1分

OPBF王者、力石の初防衛戦。ここは力の差を見せつけてもらいたい。

初回、まずは距離の探り合いから力石がナイスジャブ。マングバットもなかなか大きいですね。中盤には早々に距離が詰まる場面もありますが、ちょっと距離的には噛み合わないか。

終盤は力石が良い左を当て、距離感があったかというイメージ。

2R、力石は内側から突き刺すように打つジャブが良い。そこから左につなげ、その後は距離をとったりクリンチしたり。打ち終わりのケアが良いですね。

マングバットはジリジリとプレスをかけながら、攻める時は荒々しく一気にくる、というかなり怖さのあるボクサー。気をつけなければいけません。

後半、中間距離でワンツーをヒットした力石、この距離をキープすればペースは渡さないと思います。

 

3R、力石が距離感を把握したか、力づよい攻めを見せ始めます。初回のように距離がつまりすぎない、ちょうど良いところでコンビネーション!ここで右をヒット、マングバットは後退!ラッシュをかける力石ですが、まだマングバットも力を残している序盤、ここはマングバットの反撃にあい仕切り直し。力石は冷静です。

その後も前手のアッパー、左ストレートをヒットした力石ですが、マングバットは気持ちが強く、前進をやめません。しつこくしつこく攻めてくるマングバット、これで気持ちを折るのがマングバットの戦い方、なのでしょう。

4R、マングバットはジリジリプレスをかけますが、力石は中に入り込ませません。素晴らしいステップワーク。完璧な距離のコントロールでサイドへまわり、ところどころでカウンターを取る中で、マングバットの入り際に左アッパーをクリーンヒット!

素晴らしいタイミングで思い切り顎に入ったアッパーでダウンしたマングバット、これでレフェリーはストップ!

力石政法、4RTKO勝利!

素晴らしいノックアウト勝利でしたね、力石。このボクサーは非常に距離感に優れ、そしてタイミングに優れたボクサーです。最後の左アッパーはフックのカウンターになっていたようですね。返しの右フックがあたっていたら、事故が起こっていたかも知れません。。。

ともあれ、素晴らしい勝利。マングバットも良いボクサーでしたね。

 

日本ヘビー級王座決定戦

但馬ミツロ(KWORLD3)1勝(1KO)無敗

vs

イ・ソンミン(韓国)7勝(2KO)2敗1分

いよいよ、という気があまりしないメインイベント。日本ヘビー級王座決定戦、と銘打たれてはいるものの、これはやはり但馬ミツロにとっての試合。この試合を最後に、ミツロにはアメリカで戦ってもらいたい。

さて、初回。やっぱりミツロは力士のような体型で、ヘビー級は重すぎるように見えますね。

まずはイがコンビネーション。ミツロはブロッキングでグイグイ前に出て、距離を詰めていきます。1分頃に左フックを放ったミツロ、ボディからコンビネーション、右アッパーでイの頭をかち上げ、そのコンビネーションでストップ。

但馬ミツロ、初回TKO勝利。

 

まあ、そうなりますよね。ストップは早かったかもしれませんが、あのまま続けていても結果は明らかでしょう。

どうしても韓国のヘビー級王者、といっても、実績はないに等しいもの。

ミツロはやはりヘビー級ではなく、もっと真剣勝負をできるところで腕を磨かなければ行けないと思います。今、彼は「勝つためのトレーニング」ができているのでしょうか。「落とさないため」のトレーニングしかできていないのではないでしょうか。

今後、日本でトレーニングしていても良い事はないと思います。どうかどうか、この日本の宝を腐らせず、正しい方向性で育ててもらいたい。それには、挫折も必要だと思いますから。

 

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