さて、実は行ってきました、ダイナミックグローブ。
後楽園ホールに行くのはいつぶりだろうか。。。と考えると、全日本新人王決勝戦以来。
やはりある程度の期間、聖地から離れると禁断症状が出てきます。
今回のダイナミックグローブはディレイ放送。そして時間もあって有給も取れたので、折角なので上京。
ということで今回のブログは、ダイナミックグローブ、現地観戦記です。
↓プレビュー
9/3(土)ダイナミックグローブ
全4試合、という大変コンパクトな興行となった今回のダイナミックグローブ。
ともあれ、私はそんなに長時間の興行は好きではないので、これくらいでも良い。
フェザー級4回戦
眞下公翔(横浜光)デビュー
vs
岡田武智(長崎ハヤシダ)1勝無敗
横浜光ジム、石井一太郎会長の秘蔵っ子、眞下公翔(ましも・かける)。A-SIGNのYoutubeチャンネルの中では、石井会長がしきりに「おもしろい」と言っており、期待です。
アマ経験のない叩き上げ、運動能力は高いとのことで、人としての戦闘能力を感じるボクサーなのでしょう。
それにしてもこの眞下、まず体つきがものすごい。バッキバキ。
初回のゴングが鳴ると開始早々にワンツーを放ち、攻め込みます。ここで岡田も強気に撃ち合いましたが、近い距離で眞下の右フックがクリーンヒット、岡田はダウン!(ちなみに両者ともにサウスポー)
岡田は立ち上がり、試合再開かと思ったところで青コーナーから棄権の意思表示。あっけなく試合は終わってしまいました。
眞下公翔、初回TKO勝利!
非常に悔しそうなのは岡田。会場も「もっと続けさせてやれよ」というような雰囲気でしたが、後の祭りです。個人的にもちょっと早い棄権だったかな、とも思います。
陣営に戦う準備ができていなかったのか、何なのか。
ともあれ、ダウンを奪った眞下は「ニュートラルコーナーに行く」という事を知らなかったのかリング上で迷子になっていました。そこは4回戦、デビュー戦らしかった、という所なのですが、生まれて初めて上がった公式戦のリングで、なかなかの勝負度胸。今後に期待のルーキーです。
フェザー級8回戦
入口裕貴(横浜光)11勝(5KO)3敗1分
vs
大保龍球(神奈川渥美)8勝(5KO)5敗
さて、大注目の第二試合。大激闘、大激戦が予想される一戦です。
初回のゴング、大保の動きが非常にキレています。素晴らしく鋭いジャブが出て、コンビネーションにも繋げられています。
先に攻め入った大保に呼応するように入口はプレスをかけますがやや後手、ラウンド後半にようやくエンジンがかかってきた感じ。
2R、試合は期待通りの打撃戦へと発展していきます。入口のパンチは非常に力強く、見栄えも良いですが、大保のパンチの方がアングルが素晴らしく、クリーンヒットで上回っているように見えます。
3R、大保は内側からストレート、アッパーを放ち、そして外からフック。この内外の使い分けが非常に絶妙です。大保は前半に右オーバーハンドをヒット、これで入口の足が揃ってしまったように見えました。ポンポンとリズム良く手を出す大保に対して、入口はちょっと手が出ません。
4R、大保のワンツーが幾度となくヒット。外側から振り回すパンチ、ボディ等も打ちながらのまっすぐのパンチだからこそ、効果的なのでしょう。
大保は守り時も頭の位置がよく動き、足もよく動きます。対して、入口は顔の位置がそのままのため、大保のコンビネーションは的確に入口を捉えているように見えます。
5R、それでも諦めずに強いプレスをかけ続ける入口。リズムに乗った大保は、サイドステップを巧みに使い、細かなパンチを含めたコンビネーションを当てていきます。
6Rには余裕を持って戦う大保。しかし余裕を持ちすぎたのか、それとも後半に入って集中力が途切れたのか、このラウンドは序盤から入口の右がヒット!後半に入ってのこの展開は、ここから崩れかねません。
しかしここは持ちこたえた大保、後半には細かなパンチを織り交ぜたパンチで攻勢に出て、ペースを渡しません。
7R、後がない入口は強いプレス、相当な疲労とダメージを抱えているようにも見えますが、一分ほどのところで大保をロープに押し込んで連打!これは大保も効いたか、エスケープ!
しかし大保も後半、中間距離でコンビネーションをヒット!その後も入口は強い左ボディをヒットしますが、大保も左ボディを当て返して譲りません。
ラストラウンドも前に出続ける入口。大保もここは負けじと打ち返し、両者被弾しながらもしっかりと戦い抜いて試合が終了。
判定は、78-74、79-73×2、3-0の判定で大保龍球の判定勝利!
見事なボクシングを披露した大保。序盤から素晴らしいジャブとコンビネーションをしっかりとヒット、そしてサイドステップも使って入口を翻弄、被弾もありましたがしっかりと勝ちきった印象です。
強敵、入口に勝利したこの一勝は大きいでしょう。
ミドル級10回戦
竹迫司登(ワールドスポーツ)13勝(12KO)1分
vs
ニワット・コンカン(タイ)10勝(7KO)8敗
二ワット・コンカン。ラーチャーシー・シットサイトーンの方が馴染み深いですが、公式が二ワット・コンカンなので合わせます。
竹迫の入場、やっぱりガウンが良い。ローブタイプのガウンは、古き良きボクシング。我々のようなオールドファンは、このガウンにこそ憧れますね。
さて、初回は静かな立ち上がり。竹迫がグイグイとプレスをかけ、強いジャブを飛ばします。が、やや強引な感じがして、少し硬くも感じます。倒そうと力んでいるようにも見えます。
コンカンは非常に柔らかい動きで上体を動かし、竹迫のジャブにカウンターのジャブ。
早くもその曲者ぶりを発揮します。
2R、コンカンは非常に嫌なタイミングでワンツー。これはしっかりと反応できないともらってしまいそう。
しかし竹迫は強烈なボディ!上体がよく動き、柔らかなコンカンには非常に効果的です。
ラウンド中盤、距離が詰まったところで、竹迫のジャブがカウンターとなってヒット、コンカンはダウン!
立ち上がったコンカンに対して攻め入る竹迫、それでもやはりここもコンカンは柳のようです。このラウンド、竹迫は2度目のダウンを奪いますが、これは上から押し倒してしまった印象で、スリップで良かったと思います。ただ、ボディは確実に効いています。
3R、前ラウンドのダメージがあるからか、体をよせてくるコンカン。竹迫の顔面へのパンチは空を切る確率が非常に高いですが、これはコンカンのディフェンス能力を褒めるべきでしょう。
しかしここまで強烈なボディを何度も入れている竹迫は、ラウンド中盤、超強烈な左ボディをヒット、そこから右の打ち下ろしを振り抜き、コンカンはダウン!これでレフェリーはストップ!
おそらく効いたのは左ボディ、でしょう。
竹迫司登、3RTKO勝利!
初回を見た感じ、ちょっと時間がかかるのかな、と思ってしまいました。コンカンは非常に狡猾で、10Rをサバイブするために戦うのではないか、と思ったからです。
上に当たらないということで、下からしっかりと攻めることができた竹迫はさすがでしたね。後楽園ホールに響き渡るあのボディの打撃音は凄まじかった。
勝利者インタビューでは、「アジア統一」を「できれば今年中に」と語った竹迫。
WBOアジアパシフィック・ミドル級王座は、現在薬師寺ジムの能嶋宏弥が持っています。
竹迫が戦う相手は、この能嶋を除いては日本にはいません。どうかこの試合が叶い、来年には海外で戦える事を願います。
55.8kg契約10回戦
赤穂亮(横浜光)38勝(25KO)2敗2分
vs
エドリン・ダプドン(フィリピン)35勝(21KO)7敗1分
そして、メインイベント。
3度目の世界挑戦を目指す赤穂は、キャリアの最終段階に来ており、次戦に控えるであろうビッグマッチのためにも、ここでの停滞は許されません。
勝つべく試合をしっかりと勝つ、これを宿命づけられた一戦をいったいいくつクリアしてきたのか。ここは快勝で次戦につなげてもらいたいものです。
ダプドンは世界挑戦経験者ながらも、ここ最近のパフォーマンスは良いものではないでしょう。これまでKO負けが一つしかない、とはいえ、対戦相手の質は誇れるものではありません。
ということで、赤穂の快勝が期待される一戦のゴング。
初回、赤穂のジャブが非常に鋭い。スッとプレスをかけますが、距離感が抜群によく、陣営が「遠い距離から」と叫んでいますが、その指示通りの動き。遠い距離から素早い踏み込み(これも踏み込み過ぎず、丁度ジャブが当たる距離)でジャブをヒット、そこに時折左フックを混ぜてプレッシャーをかけていきます。
ダプドンは、赤穂の最初の左ジャブに右クロスをあわせようとした、という所は良かったですが、その後は赤穂の勢いに負けてほとんど手を出せず、ズルズルと下がっていきます。
ジャブ、飛び込みのフック、ボディとやりたい放題の赤穂は、中盤、右クロスを効かせます。
最後は近い距離、ともにちょっと動きが止まった状態から、自ら距離を作っての左フック一閃!ダプドンはダウン、そのまま10カウントで試合が終了。
赤穂亮、初回KO勝利!
力の差はありましたが、見事な快勝の赤穂。コンディションは非常に良さそうで、リードブローは非常に走っており、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。もっと長いラウンドを見たい、と思わせる程、調子が良さそうでしたね。
次戦はルイス・ネリ、ジョンリエル・カシメロと交渉中、との報。
ここからのスーパーバンタム級で世界王座を射止める事は大きな困難かもしれませんが、できるところまで見届けたい。
勝つべきボクサーが、スカッと勝ってくれた興行。入口vs大保は大激闘でしたが、その他はあっという間に終わりました。たまには良いものです。
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