U-NEXTのアーカイブ配信は、時間がかかると思っていました。
どうしてもPBプロモーション興行はライブ視聴できなかったのですが、19:00頃に自宅に帰って開いてみると見逃し配信中とのことで、どうやらすぐに見れるようですね。
これはありがたい。
ということで今回のブログでは、メイリン・ヌルスルタンvs竹迫司登をメインに据えたTBプロモーションの第二弾興行の観戦記。
4/15(土)韓国・パラダイスシティホテル
今回のTBプロモーション興行は、Who's next Dynamic Gloveという名称の番組で配信されるんですね。まあ、興行名に拘る必要もないし、良しとしましょう。
↓プレビュー記事
ライト級8回戦
ジュン・ミンホ(韓国)14勝(4KO)4敗2分
vs
三代大訓(横浜光)12勝(4KO)無敗1分
平岡アンディ(大橋)とも戦ったジュン・ミンホ。思った以上に鋭いパンチを持つボクサーですが、三代はここでの負けは許されません。
吉野が世界の壁に阻まれた今、三代は次に期待される日本のライト級。
この試合の次には勝負の一戦を控えているという三代大訓、その戦いに期待です。
初回、いきなりジュンのジャブが浅くもヒット。これはびっくり。三代は落ち着いてお返しのジャブ、ジリジリとプレスをかけていきます。
しかしジュンは三代のジャブに右クロスをヒット、その後も三代がプレスをかける展開ながらも、ジュンは下がりながら時に力強く踏み込んできます。
終盤、バッティングで双方ともに右まぶた付近をカット。
2R、今日の三代は待ちのボクシングではなく、かなりアグレッシブ。自分からプレスをかけていきますが、これは海外での戦いを意識したものなのかもしれません。
このラウンドでドクターが双方のカットをチェック。カットの位置は三代の方が随分悪そうです。これはもしかすると早く終わってしまうかも。。。
ちょっと早めにポイントを稼いでいかなければいかず、ジュンも非常に積極的に打ってきます。ジュンは非常に回転力が良く、いつもよりも距離が近くなっている分、三代も結構もらっている気がします。
3R、プレスをかけるのは三代ですが、ジュンは下がりながらもやはり反撃、この攻めが非常に鋭く、パワフルです。
ガードしていてもカットした右まぶたの出血がひどい。
4R、右へ左へうごくジュン。追いかける三代、そのジャブの的中は素晴らしいのですが、ジュンのジャブもよくヒットしているようにみえ、更にジュンのパワーフックは見栄えが良い。
5R、よく動くジュン、三代は低い姿勢から入っていく事を試みます。しかし三代は近い距離でなかなかパンチを出せず、逆に離れ際にジュンのジャブがヒット。
中盤、この試合何度目かのドクターチェックが三代に入り、ドクターがストップ。
これはちょっとヤバいんじゃないか。。。
判定は、48-47、50-46、49-47、3-0の判定でジュン・ミンホ。
三代大訓、ここでまさかのプロ初黒星。これは。。。ちょっときっつい黒星ですね。。。
よく動くジュン・ミンホに対し、スタイルチェンジともいえるボクシングを展開した三代でしたが、近い距離ではジュンの左右フックの回転力が勝りました。
とにかくここは手痛い負けで、海外戦に向けて攻撃面を強化しなければいけないというのは十分に理解できますが、結果論としては今回は安全策でも良かったかもしれません。
ただ、これは本当に結果を見ての感想であり、100%結果論。
今戦は残念でしたが、三代の再起を待ちましょう。
一方のジュン・ミンホは大金星、平岡アンディ戦でもそうでしたが、心から勝利に渇望しているこのボクサーだからこそ勝ち得たものでしょう。
フェザー級8回戦
ジャフェスリー・ラミド(アメリカ)10勝(4KO)無敗
vs
岩佐亮佑(セレス)28勝(18KO)4敗
私はディレイ視聴なので早送りしましたが、結構な待ち時間でしたね。あとなんとかさんというEXILEのリングアナも登場のようです。
注目のセミファイナル、非常に評価の高いジャフェスリー・ラミドが初の元世界王者を迎えます。その相手は、岩佐亮佑。
初回、ともにサウスポースタンスに構え、落ち着いた立ち上がり。序盤が過ぎたころ、アクションが出始めますが、やはりラミドは速い。そして、バックステップが非常に大きい。
身体の動きも速いラミドに岩佐のパンチはなかなか当たりませんが、ラミドの速いパンチに岩佐も反応できています。
2R、少し距離が縮まると、ラミドは回転力のあるコンビネーション。遠い距離でも長いジャブや左、これをちょっともらい始めた岩佐、除々に顔が紅潮していきます。
距離を取る時はしっかりと取り、詰める時はあっという間に詰めるラミド、この距離に翻弄されて岩佐はなかなか手を出すことができません。
3R、ラミドのスピード、多彩なコンビネーションに翻弄されているようにみえる岩佐。ジリジリとプレスをかける岩佐ですが、攻め入ってもすっと距離を取られ、暖簾に腕押し状態。
ラミドの特徴はスピードだけでなく、その距離感の良さとやはりボクシングという競技をよくわかっている、というところにありそうです。
4R、ラミドはかなり余裕を持って戦っています。動き回るだけでなくカウンターもコンビネーションも素晴らしいラミドですが、岩佐も中盤、良いプレスをかけています。
もっともっと強引にいかなければラミドを捕まえる事は困難そうですが、徐々に岩佐も距離を詰められる様になってきたように見えます。
5R、しっかりと距離を取ろうとするラミド、動く途中でもしっかりとアングルを変えたパンチを繰り出し、岩佐にヒット。岩佐は強いプレスでラミドに迫りますが、距離が詰まると逆に身体を寄せて距離をつぶされ、そこからの攻撃をシャットダウンされてしまいます。これは非常に上手い。
6R、肩を入れて打つ長いジャブ、そして左ストレート。速い出入りでやりたい放題のラミド。岩佐は右耳から出血しているように見えます。
プレスをかけるも、なかなか手が出ない岩佐、出せたとしても1テンポ遅れています。
7R、ガードを固めて前進、距離を潰してから勝負、という雰囲気の岩佐。もらいながらでも前に出る、という気迫を感じますが、ラミドは非常にタイミングよくパンチを出して周ります。
2分になろうかというところ、岩佐の右フックがヒット、ラミドをロープに詰めますがここでもラミドが巧さを発揮してエスケープ。
後半、岩佐も懸命にパンチを出して追っていきますが、ここはいなされてしまっています。
ラストラウンド、序盤にラミドがサイドステップからの強い左。その後も左ストレートをヒットしたラミドは、ラストラウンドだからか非常に攻撃的。
こうなれば岩佐にもチャンスが訪れそうなものですが、ラミドは非常に反応もよく、打っては離れ、全く寄せ付けません。
1発にかける岩佐でしたが、結果、ラミドを捕まえきる事はできず。
終了ゴングを聞いた岩佐は、笑顔。敗北も致し方なし、このジャフェスリー・ラミドに次世代のバトンを渡せた事を良しとしたのか。
判定は、79-73×2、80-72、3-0の判定で勝者はジャフェスリー・ラミド。
見事な勝利でした、ジャフェスリー・ラミド。
勝利したラミドは、岩佐を持ち上げ、右手を掲げて観客へ御礼。岩佐は、これで公言していた通り引退なのでしょう。非常にスッキリした顔をしているようにも見えます。
そして現れた超新星、ジャフェスリー・ラミド。
これは期待しかありませんね。パンチはパワフル、というわけではありませんが、このスピードとテクニック、距離感、戦い方、これは非常に負けにくいボクサーですね。
岩佐亮佑に圧勝、次世代のスーパースターの時代が、もうそこまで来ているのかもしれません。
WBOインターナショナル・ミドル級タイトルマッチ
メイリン・ヌルスルタン(カザフスタン)18勝(10KO)無敗
vs
竹迫司登(ワールドスポーツ)15勝(14KO)無敗1分
そしていよいよメインイベント。
メイリン・ヌルスルタンの映像を見た限りでは、どちらかというとテクニシャンではありますが、怪物性はない、と見ています。なので竹迫にもチャンスは十分にあるはず。
当然、実績では大きく上回るヌルスルタンを倒す事は、竹迫にとって簡単な仕事ではありませんが、勝負はやってみないとわかりません。
これは竹迫の大きな飛躍に期待、そんな一戦です。
初回、まずはヌルスルタンのジャブ、から竹迫は踏み込んでのワンツー。のしのしとプレスをかける竹迫、やや下がりながら周りながら闘うヌルスルタンがロープ際に行くと、強い右を叩き込みます。
中盤、竹迫は強い右ボディをヒット、その後右を顔面に持っていきますが、ヌルスルタンもその後コンビネーションを返して譲りません。
ヌルスルタンはコンビネーションのつなぎが非常にスムーズで、ガードの間隙をよく見ています。
後半にも竹迫は良い右ボディを決めますが、その後ヌルスルタンもコンビネーションで反撃。やすやすとポイントを取らせてはくれませんね。
2R、ヌルスルタンがジャブを上下に散らし、数を打ちます。竹迫はジリジリとプレスをかけてヌルスルタンをロープ際に詰めていきます。
中盤、ヌルスルタンは下がった時にちょっと滑った、をアピールしようとしましたがここで竹迫が攻め入ります。集中力を切らしたところに攻め込む、良いタイミング。竹迫は非常に集中力が高い。
1発のパワーは竹迫が勝っているように見えます。しかしヌルスルタンのコンビネーションは竹迫の手を止める事ができ、そしてそのカウンターは驚異。この左フックカウンターを喰った竹迫、若干動きが止まったように見え、後半にはコンビネーションで顔を跳ね上げられてしまいます。
3R、ヌルスルタンは大きく動くようになります。そのステップは軽快ですが、竹迫はじっくりと見ながらヌルスルタンを追い詰めていきます。が、近い距離でヌルスルタンの左フックカウンター、これは危ない。ヌルスルタンはハンドスピードが速く、後出しでも竹迫の左に合わせられています。
その後、もっと危険な右カウンターをヒットしたヌルスルタンは、その勢いでラッシュ。ちょっと被弾が増えてきた竹迫は後退、右アッパーで顔を跳ね上げられます。
それでも打ち返すのを止めない竹迫ですが、顔面への被弾が多く、ちょっと足がふらついているか。鼻からの出血が見られる竹迫、これはレフェリーが日本人だから止めないが、通常の海外の試合だともう危ない。
4R、このラウンド、竹迫のジャブが良いように見えます。ヌルスルタンも休憩のラウンドなのか、決めにはきません。
中盤、ヌルスルタンの右カウンターはミス、これが当たっていたら終わっていたのでは、というほどのカウンター。しかしその後もコンビネーションでクリーンヒットを稼ぐヌルスルタン、竹迫は迫力あるパンチながらもちょっとミスブローが多いか。
5R、休まず攻める竹迫、ヌルスルタンは下がりながらの戦い。しかし時折発射される狙い済ましたカウンター、これが非常に怖い。
中盤、ロープに詰まるヌルスルタンですが、流れるようなコンビネーションで反撃して脱出。
後半、竹迫が接近戦に持ち込むも、ここでもヌルスルタンがショートのカウンター、長距離、中距離、近距離でもこの巧さが光ります。
6R、よく動き、良いジャブを打つヌルスルタンですが、竹迫はグイグイと追っていきます。竹迫はもっとボディを打ちたいですね。
7R、しつこく、しつこく追っていく竹迫!ヌルスルタンは休んでいるのか、ジャブぐらいしか出さずにステップを踏みますが、ここぞというときにカウンター、コンビネーションを放つ分、厄介です。
それでも竹迫は愚直に追い、どんどんヌルスルタンにプレス。ここでどれだけ削れるか、で終盤のラウンドが変わってくるかもしれません。
8R、竹迫はヌルスルタンの右を警戒してか、左ガードをこめかみ辺りから動かしません。その分、あまりジャブが出ないようになっており、右から入るパターンが多い。ただ、真ん中を抜かれてヌルスルタンの軽めのストレートコンビネーションを浴びてしまう場面も目立ちます。
中盤、ヌルスルタンの右カウンターが炸裂!これはずっと怖かったパンチで、この1発で終わってしまってもおかしくありませんが、竹迫はすぐさまリターンを返して粘ります。
が、ここを勝負所とみてヌルスルタンはチャージ!ダメージを被った竹迫は、足元がぐらつきながらも必死に堪えます!レフェリーは竹迫の様子を伺っています!
そして後半、苦し紛れに出した竹迫の右のリターンで、ヌルスルタンは右をヒット!これで竹迫はダウン!すぐさまセコンドがエプロンに上がり、試合はストップ!!
メイリン・ヌルスルタン、8RTKO勝利!!
吉野修一郎に続き、またも世界の壁に阻まれた日本のトップ。世界の壁、というよりも世界の壁の一歩手前。
ただ、この8RTKO負けという結果を持って、竹迫司登というボクサーが「世界に通用しない」とするのは間違いだと思います。
少なくとも、このヌルスルタンに竹迫のボクシングは通用はしていた、と思いますし、歯がたたなかったわけではありません。
ただ、やはりこのボクシング大国、カザフスタンの元トップアマ、メイリン・ヌルスルタンは強かった。そして勿論、このヌルスルタンが世界に届くかはまた別の話でもあります。
いずれにしろ、この世界トップクラスのボクサーを相手に、大いに善戦してくれた竹迫司登。またまたその戦いに感動をさせてくれた、日本人ボクサーに感謝です。
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