U-NEXTにプラットフォームを代え、ダイナミックグローブからリニューアルしたWHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE。
4/1に続いての第二回は、ダブルWBOアジアパシフィックタイトル戦です。
その中でも注目はやはりメインで、元世界王者山中竜也に安藤教祐が挑むという一戦、下馬評としてはおそらく山中が大いに優位。ただ、どうしても「迎え撃つ側」となる山中と、決定戦ながらも間違いなく気持ちがチャレンジャーである安藤、モチベーションの違いはあるのではないでしょうか。そして西岡利晃氏いわく、「チャレンジャーの実力はいつもの3割増」。
ということで今回のブログは、5/6(土)に行われた、ダイナミックグローブの観戦記。
↓プレビュー記事
5/6(土)ダイナミックグローブ
視聴開始できたのは19:40、ちょうどこれから金子虎旦(帝拳)vsジェイソン・ブエナオブラ(フィリピン)のファイナルラウンドが始まるところでした。
3者ともに80-72、フルマークの判定勝利で3連勝(2KO)を決めた金子。ブエナオブラ相手ならば、やっぱり倒しきってほしかったというところが大きいですね。ただ、まだたった3戦。これから群雄割拠のフェザー級でどのように存在感を示していけるか。
ちなみに同時刻、アマチュアボクシングの世界選手権では岡澤セオンが見事緒戦を突破。世界チャンピオンだからなのか、ユニフォオームの背面の文字がゴールド。判定が発表される前にハンガリー選手は拍手をしているように見えましたね。このまま突き進んでもらいたい。
WBOアジアパシフィック・ミニマム級タイトルマッチ
小林豪己(真正)5勝(3KO)無敗
vs
ロスラン・エコ(フィリピン)10勝(7KO)無敗
初回、いきなりガンガン振ってくるエコ。スピードは大してないものの、かなりパンチは固そう。小林がしっかりと距離を大事に戦えば安全に思えますが、このペースでくるならちょっと危険か。
小林は大きく足を使って冷静に戦い、ジャブから右ストレート、そして左ボディ。それでもエコは恐れずに振ってきますね。かなり力んでいるようにも見えるので、フルラウンド戦う気はないかもしれません。
2Rもとにかくグイグイくるエコ。いや〜、これは嫌なボクサーです。非常に危険な大振りが小林を襲いますが、小林はここをブロッキングで対応、そして上手く左ボディをヒットします。
このラウンド後半に小林が右をヒットするとエコはやや足元が怪しくなり、その後左フックもヒット。エコは踏み込みが浅くなり、もともと足運びがうまいとはいえませんでしたが、さらに良くなくなっています。ダメージを感じますね。
3R、このラウンドに入ってもエコが大きく踏み込んできますが、もうこのエコの動きを小林は見切っているかのように左ボディ。
それでもエコは諦めず、追いかけて追いかけて右の強打。これをしっかりとブロッキングで防ぐ小林、これさえもらわなければ安心して見ていられます。
後半には小林のボディが効いてきたか、随分と動きが落ちたエコ。最後はカメ状態でなんとかサバイブ。
4R、エコはハートの強いボクサーで、ここでもやはり先手。しかしかなりボディにダメージがあるのでしょう、小林の左ボディに対して過剰反応。
その後、小林の攻めに対して防戦一方のエコ、パンチをもらったわけではないのですがここで後退。小林がカメになったエコを攻め続けたところで、突如レフェリーが試合をストップ。
どうやらエコ陣営が棄権したようです。
小林豪己、4RTKO勝利!
思った以上に危険なボクサーだったロスラン・エコ。足運びやボクシング技術は置いといて、危険な強さを持ったボクサーでしたね。小林の対応力は素晴らしく、そのエコに大してしっかりしたブロッキングで対応からのしっかりとダメージを与えるパンチを打ち込み、果てはTKO勝利とこれは素晴らしい。
小林豪己、今後も期待のボクサーですね。
WBOアジアパシフィック・ライトフライ級王座決定戦
山中竜也(真正)18勝(6KO)3敗
vs
安藤教祐(KG大和)12勝(5KO)3敗
さて、メインイベント。元世界王者の山中竜也、初のタイトル戦に臨む安藤。
初回、両者ともに右ガードをしっかりと挙げ、前手を細かく動かしつつ牽制。やはり山中のジャブの方がスピードが豊かで、テンポが良い。ちょっと見る時間の長い安藤、力強いジャブで反撃します。
中盤、山中のボディジャブが突き刺さるも、少し反応が遅れる安藤。安藤のボディジャブは山中のステップワークで当たらず。ジャブの差し合いは距離感やテンポも含め、やはり山中が一枚上手。
2R、山中がフェイントをかけつつ速いジャブ。当たっても当たらなくても常に出し続けるようなジャブ、非常に良いリズム。
安藤はやや後手に回っているイメージですが、ここで焦ってはいけません。
中盤以降、徐々に右も使い始めた山中。それに応じてやや距離が近くなる場面もありますが、山中のハイペースに遅れを取る安藤はちょっと手が出なくなっています。
3R、序盤に安藤が良いワンツーを打ちます。タイミングは素晴らしいですが、ちょっと浅かったか。その後も右を使い始めた安藤でしたが、ここで山中の左がヒット、安藤はダウン!ダメージはなさそうですが、タイミングですね。
離れた距離から一瞬の交錯で危険なパンチが交わります。全体的に山中がハイペースで試合を引っ張り、安藤はまだ戸惑いの中にいるイメージです。
4R、安藤が攻め気となりますが、ここで山中は身体の動きのペースを上げ、右をヒット。ちょっと翻弄され始めている安藤、山中は完全に自分のボクシングを徹底。まるでシャドーボクシングをやっているかのようにバランスを崩さず、後半にはジャブをヒットしたあときれいなワンツーをヒット。
安藤はかなり苦しい展開、山中を崩すいとぐちもつかめない状態です。
5R、ジャブで距離が縮まったところで安藤の右アッパー。これは狙っているのか、空振りでも期待が持てるパンチです。
ただ、ここまで完璧に試合を支配している山中、中盤にはまたワンツーをヒット。その後もジャブで安藤の顔面を跳ね上げる等優勢を保ち、決して崩れる事なくこのラウンドを終えています。
6R、序盤に安藤の右ボディストレート。挽回するには、行かなければいけません。
山中は変わらず調子の良いリズムからジャブ、ワンツー。安藤はまだまだ手があまり出ない状態ではありますが、右ボディストレートは非常に良い。
ただ、強くジャブで踏み込む時のガードの下がり方は気になるところ。
安藤はやや強引に振っていく場面もあり、これで良いと思うのですがもっといきたい。
7R、安藤にとっては山中の顔面は遠く見えるのか、右ボディストレート。ここから上に返す右を見せますが、まだ、攻撃面が足りません。
山中のジャブは本当によく当たり、安藤の顔を跳ね上げます。後半、危険な右の交錯、のあと安藤はプレスを強めます。
しかし終盤には山中が同じタイミングで右をヒット、その後パンチをまとめて優勢です。
8R、プレスを強めた安藤。ジリジリと前に出て、ワンツー。山中のジャブは相変わらず快調ですが、ここに来て安藤のジャブも届き始めています。
9R、もう安藤はなりふり構わずいかなければいけません。しかしペースをあげたのは山中の方か、快調なジャブの他、右も積極的に使っています。
全く乱れのない山中のボクシング、非常に走るジャブ。安藤が踏み込んでくるのと同時に山中からも踏み込んで当てるジャブ、ふとしたタイミングで出すジャブ。そのジャブは決して軽いジャブではなく、幾度となく安藤の顔を跳ね上げます。
山中竜也、これは巧い。タコニン戦でも思いましたが、やはり復帰前よりも安定感が増しています。
10R、行ききれない安藤、逆にハイペースでジャブを飛ばす山中。一瞬の交錯のタイミングで安藤は振り回しますが、これを自分からいきたい。
それでも完璧な試合運びの山中を捕まえるのは容易ではなく、おそらく安藤が攻めようかというタイミングで先に動き、ジャブを当てる山中。
11R、前半、山中の右クロスがヒット。安藤は諦める事こそありませんが、やはり大きく攻めに転じられないのは、これこそが山中の巧さなのかもしれません。
中盤、歩くように強引に振り回す安藤!これで良いのです!!
強振、その後に山中のリターンをもらいこそすれ、この勝負を投げない姿勢は素晴らしい。
ラストラウンドに入ってもペースが全く崩れない山中。安藤は大きく強いパンチを振るいつつプレッシャーをかけて山中を追っていきます。中盤、やや浅いながらも安藤の右オーバーハンドがヒット。それでも最後まで集中力を切らさない山中竜也、安藤のプレッシャーをしっかりといなしてラウンドが終了。
判定は117-110、118-109、120-107、3-0で山中竜也。
タイトル初挑戦となった安藤教祐、初の12ラウンズに不安も多かったでしょうが、しっかりと戦い抜きました。そして元世界王者として迎え撃った山中、改めて素晴らしい安定したボクシングを見せてくれました。
層の厚い日本のライトフライ級。今後のライトフライ級が更に楽しみになりましたね。
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