カシメロvs赤穂は非常に残念な結末でした。
「これから」というところでの試合終了というのは非常に残念な気持ちになりますね。しかし、真剣勝負だからこそ起こる、両者が本気で勝ちに来ているからこそ起こるこのトラブルは、これもまたボクシングというものです。
ということで気を取り直して、ダイナミックグローブを視聴。
↓プレビュー記事
12/3(土)ダイナミックグローブ
最初の3試合は都合で見れませんでしたが、4試合目から視聴開始。その4試合目、平野和憲vs山口臣馬は素晴らしい好試合でしたね。
元世界王者、山口圭司の息子、臣馬は素晴らしいセンスの持ち主ですが、平野もそれに負けていませんでした。新人王トーナメントを勝ち残ったボクサーはよく見ていますが、この平野がしばらく勝ち星から遠ざかっているというのはにわかに信じがたい。
初回にダウンを喫した平野でしたが、大きな身体を活かして長い右ストレート、そこからの左ストレートをヒット山口の顔を幾度も跳ね上げました。山口も顎が強い、というか非常に回復力がある、という感じでした。
3-0の判定で山口の勝利、ということで問題はないと思いますが、ポイント差以上に山口は大苦戦だったと思います。
続く内田勇気vs岡田真虎も意地と意地がぶつかり合う、大激闘。バランスのしっかりした岡田のパンチが幾度も内田を捉えますが、内田は決して諦めず、器用とは言えないボクシングで岡田に迫ります。とにかくものすごい、止まらない手数で岡田を攻め立てた内田でしたが、JBスポーツで鍛えられている岡田は流石でした。
スパルタで鍛えられているJBスポーツの選手だからこそ、この乱打戦に巻き込まれてもそのパフォーマンスが落ちる事はありません。次々と的確で強いパンチをヒットして、内田を引き離していきます。それにしても内田勇気、危険なくらいタフですね。
判定は2-0で岡田を支持、とてつもない試合でした。ん?ひとりドローは謎です。
ライトフライ級8回戦
安藤教祐(KG大和)11勝(5KO)3敗
vs
狩俣綾汰(三迫)8勝(4KO)1敗
初回、ジリジリとプレスをかけるのは狩俣。安藤は鋭いジャブ、狩俣はまずは様子見といったところか、手はあまりでません。
安藤は良いタイミングデジャブを打ちますね。狩俣が出るぞ、というところでストッピングジャブ、狩俣はまずこのジャブを外さなければいけません。
2R、変わらず安藤のジャブが冴え渡ります。ステップワークと相まって、またコンビネーションの最後にしっかり打ち、非常に硬そうなこのジャブが次々とヒット。
特に、狩俣が両の足をマットについてない瞬間に入るジャブは、狩俣のバランスを崩すのに役立ちます。
狩俣はなかなか追いきれず、幾度もジャブをもらって顔面が紅潮。
3R、このラウンドも安藤がジャブでコントロール、かと思いきや、序盤に狩俣の右がヒット!これでぐらついた安藤に狩俣は怒涛のチャージ!しかし安藤も打ち返しては動くというステップワークでのディフェンスを駆使、ロープからロープへエスケープする状態ではあるものの、この間でもジャブをヒット。
しかし2分頃のところで右へ逃げようとする安藤に、狩俣が左フックをヒット!安藤はダウン!
安藤は立ち上がり、なんとかエスケープ!歩くように攻める狩俣!最後は安藤がワンツーを返してラウンドが終了!
4R、狩俣は思い切った踏み込み!自信満々で踏み込みます。安藤は集中力を切らしてはいけません。
安藤はこの状況でもやはりジャブから、という基本をおろそかにせず、大きく動きながらジャブ。この大きく動くとき、ガードがルーズになるタイミングがあるので気をつけたい。
中盤、いくつかの狩俣のパンチが安藤にヒット、一発当てたあとの狩俣の攻め時の嗅覚は素晴らしい。力強いパンチで安藤に迫っていきます。
しかし終盤、ここで安藤がカウンター!狩俣がぐらついたのは、バランスが崩れたのかそれともダメージなのかはわかりませんが、大振りの打ち合いでラウンドが終了!
5R、このラウンドも一気に行く狩俣!しかしその入り際に安藤はきっちりジャブを入れます。
30秒ほどのところではしっかりと打ち合い、打ち合いのときにややガードがルーズになる安藤、打ち終わりに思い切りガードが空いてしまう狩俣、これは互角ともいえます。
ハーフ頃、ああんどうが攻め込んで狩俣を後退させると、狩俣もその後逆襲!
攻守がめまぐるしく入れ替わるこのラウンドが終了!この終了のゴングが鳴ったあと、狩俣の左フックがヒット!安藤は腰から崩れ落ちるダウン!!
これは。。。おそらくまずい状況になってしまいそうですね。。。
試合終了を告げるゴングの音。
試合裁定は、5R終了反則失格により安藤の勝利。
勝利、とはいえ、安藤としては納得のいく勝利とは言えません。そして敗れてしまった狩俣も、当然故意ではないでしょうから、これはいたたまれない結末ですね。
自分の足で歩いてリングを降りた安藤、ゴングが鳴った瞬間、ガードを解いて、おそらく身体に力が入っていないニュートラルな状態でもらってしまったあのビッグパンチ、これは心配ですね。どうか無事を祈ります。
日本・WBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチ
阿部麗也(KG大和)23勝(10KO)3敗1分
vs
前田稔輝(グリーンツダ)10勝(5KO)無敗
そしていよいよメインイベント。ここはもうなんだか「しっかりと決着がついてほしい」としか思わなくなりましたね。いや、そんな事はない。好試合を期待します。
ということで、ゴング。
初回、まずはリング中央、距離を確認しあうようにリズムを刻み、フェイントをかけ、ジャブ。
ほんの少し、プレッシャーをかけ始めたのは阿部の方か、頭、肩、グローブ、足、少しずつフェイントをかけつつジャブからストレートへと繋げていきます。
ヒリヒリとした緊張感の中、後半に入り、前田のジャブに左をあわせた阿部。その後前田が鋭いジャブで攻めるも、阿部は全てかわしています。
初防衛戦の硬さは、阿部にはないように見えます。
2R、前田がジャブからワンツー、攻め入ります。これは非常に長いですね。それも難なくかわす阿部はその後にプレス、右をヒット。
徐々に差がでてきたというイメージのこの空中戦、前田は得意の左をなかなか出せません。
しかし両者が交錯する瞬間、速すぎて何が何だかよくわかりませんね。
3R、このラウンドは序盤、意を決したのか前田の攻撃が鋭い。前田は前ラウンド中盤あたりから、ようやくコンビネーションがでてきたように見えます。
ただ、このラウンド中盤は阿部はジャブからワンツーをクリーンヒット。すると後半、前田が左フックをヒット!それでも、互いに後続打は続きません。
4R、更に展開が速くなっていきます。そんな中でも、やはり阿部の距離感は抜群。前田は自分から攻めなければ、阿部にパンチを当てる事は困難で、阿部の攻撃へのリターンを狙っているようだとちょっと難しい。
5R、やっぱりペースは阿部。阿部がプレスをかけてフェイント、ジャブを打って攻め、それに対応するのが前田。前田は阿部が近寄ってきたところにリターンを返す、というような感じですが、阿部は打ち終わりにしっかりと頭、もしくは身体ごと動かすのでこれはなかなか当たりません。
前田はとにかく下がってはいけないと思いますが、これは阿部のキャリアが上回っている、ということなのでしょう。
6R。そういえば今回は公開採点ないんですね。
やはり試合を作っているのは阿部で、このまま続けていれば阿部は負けません。ここを何とかしないといけないのは前田の方です。
後半、阿部の左がヒット。前田もワンツーをヒットするもこれは浅いか。阿部はもらったあと、しっかりとプレスをかけて前田を下がらせ、「効いてない」をパフォーマンスではなく、試合の状況でアピールしています。
7R、本来、パンチが当たる距離にいながらも、両者のステップワーク、阿部についてはボディムーブもあってなかなかクリーンヒットは生まれません。
後半、阿部の左のあとに前田の左がヒット!この前田の左で、阿部は右目上をカット!これは丸田戦でもカットした場所でしょうか???
8R、序盤に阿部は右フックをヒット。前田も阿部のカットにより攻め込む姿勢を見せたか、これまでよりもやや強引に前に出ます。
ここで前田は良い左を当てますが、距離が詰まる事でリスクも増し、お返しに阿部の左を浴びて後退!それでも前田は行かなければいけません。
阿部は生命線の右目、サウスポーの左ストレートが見えにくいのも事実なので、前田はオーバーハンド気味の左を使うとか、色々攻め方はありそうですが、ここの引き出しがキャリア10戦だと厳しいか。
9R、阿部のジャブはよく当たります。それでもやはり、自分から攻められない前田、これではちょっと厳しい。
中盤に入ると前田がややプレッシャーをかけ気味、ではありますが、まだまだ手数は足りません。
阿部はうまくフェイントで前田のパンチを出させ、すっと躱してみせますが、これを積み重ねる事で(当たらないと思わせ)前田の手数を減らしているのかもしれません。
10R、ラウンドのファーストヒットは必ずと言って良いほど阿部のジャブ。距離がつまったところでも上手く立ち回るのは阿部の方で、前田は一発に賭けるならそのように動かなければいけません。
非常に惜しい、良いタイミングでの左クロスを見せる事はありますが、それも阿部にクリーンヒットは難しく、阿部は上体を動かしてウィービング、からの左をヒット。これはもう盤石です。
11R、前田がプレスをかけ、鋭いワンツー!このように攻めなければいけません。しかしこうなると、阿部の得意パターンでもあるので、ここで阿部のカウンタージャブが冴えます。
もっと早くに攻め込んでいれば、もしかするとどこかで突破口を見つけられたかもしれませんが、ときはすでにおそしか。どんなに強引に攻め込んだとしても、たった2Rで、しかも後半に入って集中力を維持している阿部を捕まえるのは容易なことではありません。
ラストラウンド、前田はこれまでで一番強いプレス!ジャブを当て、左を出し、このグイグイ攻める感じは素晴らしい。
中盤、阿部の狙いすました左カウンター、その後も阿部は左ストレートをヒット。前田はラッシュでそれに応え、諦めずにプレス、阿部が守勢にまわれば左右のストレートを振り続ける連打!
やっぱり前田は素晴らしいボクサーですが、ちょっと火がつくのが遅かった。技術面で一段、いや二段上をイカれているようなイメージだったので、もっと早くにチャージしておくべきでした。
規定の12ラウンズを終了し、勝負は判定へ。
ジャッジは、114-114(!)116-112、117-111、2-0のマジョリティ・デシジョンで、阿部麗也の勝利。
ひとりドローはざわつきますね。
しっかりと採点をしているわけではありませんが、阿部の勝利は間違い無いと思いました。
さすがの阿部麗也は、ほぼ完璧なボクシングだったと思います。
敗れた前田は、ちょっとキャリア不足、セコンドのお父さんも含めてやや経験が足りなかったというイメージです。
ただ、たった一発で阿部の右目を切ったあの左ストレートには非常にロマンがありますし、最終回に行くに従って鋭くなっていった踏み込み、あの攻撃力は非常に魅力的です。
そして、距離感も本当に素晴らしかった。それでも、今回はちょっと相手が悪かったですね。
さて、現在のフェザー級、日本国内は混戦模様、そして世界のトップ戦線は大いにチャンスあり、と見ています。
是非とも阿部さんには、早々にこの世界トップ戦線に割って入ってもらいたい、と思いますが、2023年に勝負の年が来れば良いですね。
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是非覗いてみて下さい。
そしてもう2週間を切った、井上尚弥vsポール・バトラーの世界バンタム級4団体統一戦。
同じ時代に生まれたならば、必見である日本人初の4団体統一戦です。
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