信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】2022年全日本新人王決定戦「vol.1」ミニマム級〜スーパーバンタム級まで

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全日本新人王決定戦。

「年末の風物詩」でしたが、前年、前々年とトーナメント開始時期が遅れた事から、全日本新人王は2月の開催となっていました。

しかし今年、ようやく従来のスケジュールに戻ったこのトーナメントは、着々と試合をこなし、ようやく年末にこの全日本新人王決定戦を迎える事となりました。

まずは、タイトなスケジュールを戦い、この場に立ったボクサーたちに大きな拍手を送りたい。

ということで今回のブログは、全日本新人王決定戦vol.1ということで、ミニマム級〜スーパーバンタム級の戦いの観戦記を書いていきたいと思います。

 

ミニマム級5回戦

石井武志(大橋)vs池田雅史(ハラダ)

4勝(3KO)無敗の石井、6勝(3KO)5敗の池田。池田については、ボクモバを見ると4度目の新人王トーナメント出場、となっているのですが、これ4度目って良いんでしたっけ?私の記憶が確かならば、3度までだったと思うのですが、規約が変わったのでしょうか。

初回、池田がガードを固めて前進、上体の動きが非常に速く、バランスがしっかりしています。池田もそこにコンビネーションを打ち込む、等、さすが11戦のキャリアをいうキビキビとした動き。

前半、池田のジャブをかいくぐって左ボディをヒットした石井、その後もグイグイとプレスをかけて、中盤、池田がステップアウトする際に左手を置き去りにしてしまったところに、右クロス!これがクリーンヒット、池田はダウン!

立ち上がった池田に石井はガードを固めてプレス、左フックをヒットして2度目のダウンを奪取。立ち上がった池田を攻め立てる石田、その攻めは雑にならず、しっかりとしたブロッキングを根底としています。とにかく素晴らしいブロッキングから、当たるところで打ち返す、というスタイルの石井に、池田も積極果敢に手を出して応戦します!

終盤、近い距離で石井の右がヒット!池田はこのラウンド3度目のダウン!!レフェリーはストップ!

石井武志、1RTKO勝利!

 

KOタイムは1R2分59秒。見事に倒しきりましたね、見事です。

池田も気持ちを見せましたが、今回は石井が本当に素晴らしかったです。

ライトフライ級5回戦

服部凌河(横浜光)vs松江琉翔(JM加古川)

4勝(3KO)の服部、4勝(1KO)の松江。注目の全勝対決です。

初回、松江がステップワークと鋭いジャブ。前進してそのジャブをかいくぐろうとする服部ですが、この松江のジャブは非常に数も多く、そこからコンビネーションにも繋げてくるので非常に厄介です。

愚直に前進する服部ですが、被弾は多い。

2R序盤、服部が右から攻めたところに松江の見事な左カウンター。その後もステップワークとジャブ、そして随所で見せるコンビネーション着実にヒットしていきます。服部は近づく事ができず、非常に苦しい展開。

3R、ジャブ、ジャブ。ステップ、右ストレート、ステップ。これでもかというほど見事なアウトボクシングを展開する松江、追う服部もプレスは強く、フィジカルも強そうですが、ちょっと届きません。

松江はカウンターをヒットすると追撃をかける等、攻めるべきところでは攻めるという姿勢を持った、素晴らしい戦略を持っています。

 

4R、松江のジャブに距離を詰められない服部。ちょっとガードも下がってきてしまいます。ここまでポイントで劣勢と思われる服部は攻めなければいけませんが、それがすでに焦りにつながっているようにも見えます。

ラストラウンドも松江のジャブが冴えます。18歳の高校生とは思えない素晴らしいゲームメイク。ラストラウンドは前ラウンドよりも少し近い距離で戦う分、松江の被弾も増えてはいますが、ここでも松江は左ボディ等の印象的なパンチをヒット。

判定は、49-46×2、50-45で松江の勝利。

見事としか言いようがない、自分のボクシングをしっかりと貫いての勝利。これは今後非常に楽しみなボクサーですね。

なかなか関東のリングに登場することは少なそうですが、このボクサーの名前はしっかりと覚えておきましょう。

フライ級4回戦

長谷川優太(熊谷コサカ)vs二階堂迅(ディアマンテ)

3勝(2KO)1敗1分の長谷川、アフロが目印。対するは4勝無敗、二階堂。

初回、ふたりとも速い!二階堂が鋭い左、長谷川もそれをダックしてかわし、ステップで間合いをとるとこちらも鋭い左を返します。

 

中間距離での攻防は互角に近く、これは本当に4回戦の試合なのか、というハイレベルな攻防が繰り広げられます。

片方が出せばもう片方は必ずリターン、非常にハイテンポなボクシング。

2R、戦いは中間距離から接近戦へ。長谷川が手数を増やして左ボディから左フック。二階堂も近い距離でしっかりとガードを固めてリターン。これを長谷川はダックしてかわし、近い距離でもまた速く、ハイレベル。

後半、二階堂の打ち下ろしの右がカウンターとなってヒット、その後も二階堂が右を決めて優勢か。長谷川はその後下がる場面が見られ、ここぞとばかりに二階堂がチャージ。長谷川が力強いリターンを返すも、ダメージはありそうです。

3R、二階堂はガードを掲げてプレス。長谷川は応戦、こちらもダメージからは回復したか、しっかりと力強いパンチを打ち込みます。

後半まで続いた打撃戦、ここで押していくのは二階堂!二階堂はワンツーをヒットして長谷川からダウンを奪取!

立ち上がった長谷川に、チャンスとばかりにチャージ、レフェリーはストップ!

二階堂迅、3RTKO勝利!

両者ともに素晴らしいボクシングを見せてくれました。

展開は非常に速く、何度も言いますが非常にハイレベルなボクシング。

こんなボクサーが4回戦にいたら困りますね。。長谷川はまだ3勝なので、もう一戦4回戦を戦って勝つか引き分けをしなければB級に上がれませんが、これは対戦相手探しも大変ですね。

ともあれ、二階堂は素晴らしかった。

 

スーパーフライ級5回戦

五十嵐春輝(湘南龍拳)vs佐野遥渉(平石)

6勝(3KO)1敗1分の五十嵐、5勝(2KO)1分の佐野。五十嵐は東日本新人王の技能賞、佐野は西軍代表決定戦のMVPと、注目の対決です。

初回、サウスポー、五十嵐が速い前後のステップから攻め込む隙を窺います。しかし、それより一瞬速く動く佐野、中盤にワンツーをヒット。

その後も抜群の距離感の佐野は、攻めては鋭い踏み込みからのワンツー、守ってはバックステップからの右カウンター。

2R、中間距離でのヒリヒリした駆け引きから、一気に攻め込む五十嵐。佐野はそれをバックステップでしのぐと、中盤は接近してパンチをまとめます。

後半、遠い距離でほぼノーガードで構えた佐野は、五十嵐の入り際似右カウンター。

3Rに入ると五十嵐はガードを固めてプレス。中間距離では分が悪いと感じたか、接近戦を挑みます。しかし佐野は少し距離があくと右カウンター、スイッチしつつも軽く右を出したりと非常に器用なボクシング。

近い距離でもコンパクトなコンビネーションを五十嵐にヒットしています。

4Rも近い距離でのボクシング。ここでも佐野は上下へのコンビネーションをヒットしています。五十嵐も押し負けず、アッパー、フックをヒットしていき、両者譲らずの打撃戦。

 

ラストラウンド、両者ともに退かず、近い距離でのパンチの交換。5R目に来てもともにスタミナ、気力は衰える事なく、迫力十分の打撃戦です。

ともにハートをみせるも、クリーンヒットの面で佐野にやや分があるという内容か。佐野は打ち込んだときの頭の位置が非常によく、下から上へのコンビネーションもよくでています。

大きな拍手に包まれて、規定の5ラウンズが終了。

判定は、49-46、50-45×2で佐野。

これもまた、素晴らしい試合でした。ともに基本がしっかりとしており、反応もよく、本当に新人離れしています。

本当に、最近の新人王はレベルが高い。

そして、これで3戦連続で西軍代表が勝利しています。

バンタム級4回戦

熊谷祐哉(M.T)vs松本海聖(VADY)

4勝(2KO)1敗の熊谷、3勝(2KO)無敗の松本。

初回、熊谷は非常にリーチがあるように見えますが、松本は早々に熊谷のジャブに右クロスをあわせようとします。松本はプレス、ちょっとこのプレスに押されているふうに見える熊谷。

2R開始早々、熊谷はちょっと思い切った変則的な右。しかし冷静な松本は初回同様にプレス、近づいてコンビネーション。熊谷がでてくればスッと下がり、またプレス、非常にバランスが良いですね。

ちょっと押されている熊谷はこのままでは苦しい。

 

3R、前半から松本はプレスしてコンビネーション。ワンツーフックをヒットして、熊谷を後退させます。熊谷もコンビネーションで対抗しますが、ちょっとオープンブロー気味で、松本の強い体幹を揺らす事はできません。

松本は打ち込みながらもパンチセレクトもよく、中盤以降はアッパーもヒット。

その後も左ボディや右ストレートをヒット、後半には右をガードの上から当てて熊谷をぐらつかせ、終盤も右で熊谷はロープにふっとばされ、これがダウン判定。

ラストラウンドにも全く乱れない松本は、序盤に右をヒットして熊谷をコーナーまで飛ばします。配色濃厚な熊谷は、ここで特攻に打って出て、ワイルドに左右を振るっていきます。

これを冷静なブロッキングで対処した松本は、強いプレスからコンビネーション、下がる熊谷を追い、最後は右ストレートをヒットすると熊谷はダウン!レフェリーはストップ!

松本海聖、4RTKO勝利!

これは強いですね、松本海聖!熊谷もハートを見せましたが、及ばず。

とにかく攻守にバランスがよく、非常に冷静な頭を持っている松本海聖。これはまた、今後も楽しみなボクサーが出てきましたね。

 

スーパーバンタム級5回戦

星野凌(JBスポーツ)vs安村綺麗(ディアマンテ)

6勝(2KO)1敗、星野と5勝(2KO)無敗の安村。綺麗ってすごい名前ですね。

初回、そんな「綺麗」という名前の通り、美しいジャブをつく安村。ゴリゴリのファイターである星野はガードを固めて前進、なかなか手は出ず、それでもとにかく愚直に前進します。

しかし後半、踏み込んだ星野は左フック、右フックをヒット!手数こそ少ないですが、これはインパクトのあるパンチです。

2R、相変わらず素晴らしいジャブをテンポよく、リズミカルに出す安村綺麗。これになかなか攻め込めない星野は、大きく振ってしまった中盤に安村の右カウンターを被弾。

安村はその後も華麗なフットワークからワンツー、完全に主導権を掌握しています。

3R、ジャブをダブル、トリプルで出す安村に対し、踏み込むタイミングがなかなかつかめない安村。中盤、ワイルドに振っていった星野ですが、クリーンヒットは奪えません。

逆に後半、安村のアッパーをカウンターで浴び、更に左フックをクリーンヒットされ、かなり苦しい展開です。

 

4R、劣勢を意識してか、このラウンドでチャージをかける星野!しかしそのワイルドな攻撃は安村にいなされ、コーナーに詰めてもボディワークで回避されてしまいます。

安村綺麗、これは巧い。最後の最後までしっかりと攻め込んだ星野、この攻撃でいくらかでも安村を削れたようなら、最終ラウンドに望みを繋げられます。

が、インターバルの感じを見た限りでは、安村にも問題はなさそうです。

ラストラウンド、ガムシャラに前進する星野!あくまでも冷静な安村は、美しいジャブを起点としたボクシングでこれを寄せ付けず。

しかし、星野の一念が天に通じたのか、コーナーそばで星野の右オーバーハンドが安村にヒット!ダメージを被った安村でしたが、ここをクリンチでしのぎ、その後もステップワークとボディムーブ、クリンチを織り交ぜつつ、コンビネーションを発射して切り抜け、試合終了のゴングを聞きます。

判定は、48-47、49-46×2で安村綺麗!

最終ラウンド、意地を見せた星野も素晴らしかったですが、それを上回る安村のボクシング。素晴らしいジャバー、今回の全日本新人王決定戦には素晴らしいジャブを持つボクサーが多く登場しているような気がします。

最後のピンチも含めて、本当に面白い試合でした。

vol.2はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

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