これはまたすごいニュース。
この度、伊藤雅雪氏率いるTBプロモーションが韓国パラダイスシティホテルにて手がける第二弾興行、及びジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との複数戦契約を発表。
カシメロのことは予想できたことでしたし、ミドル級コンテンダーのメイリン・ヌルスルタン(カザフスタン)、そしてジャフェスリー・ラミド(アメリカ)との単発契約についてもすでに発表済みだったのですが、何せその相手が竹迫司登(ワールドスポーツ)と岩佐亮佑(セレス)というのは何とも期待以上。
ということで、今回のブログではガチ路線すぎるTBプロモーション発表について。
メイリン・ヌルスルタンvs竹迫司登!
そもそも日本のボクシングファンで、このメイリン・ヌルスルタンなるボクサーを知っている人はほとんどいなかったはず。もしここまでチェックしている人がいたら、本当に尊敬します。
BoxRecのアルファベット表記を見るとMeiirim Nursultanovとなっており、おそらく通常の日本語表記はメイリム・ヌルスルタノフとなりそうなものですが、とりあえずプロモーターに合わせておくのが良いでしょう。なので以下はヌルスルタン。
18勝(10KO)無敗のミドル級で、カザフスタンでは間違いなくゲンナディ・ゴロフキン、ジャニベック・アリムハヌリに次ぐ存在と言えると思います。
29歳という年齢はアリムハヌリと同い年で、身長もほぼ同じ、アマキャリアももちろんかぶっており、おそらくライバル関係だったはずなのですが、BoxRec上では対戦経験は確認できませんでした。(ただ、アマの場合同門でも試合をする場合は多いと思われます。)
リオ五輪に出たのはアリムハヌリで、アジア予選にもアリムハヌリが出ているので、どこかしらの選考段階で五輪出場の夢はついえたはずですが、しばらくはかつて旧AIBA(アマチュア国際ボクシング連盟)※現在のIBAが主催していたプロ競技、ワールドシリーズオブボクシングに参戦しています。(この伝え方で意味不明だと思う人はググってください。多分、もっと意味がわからなくなるはずです笑)
さて、ヌルスルタンの映像をチェックすると、ゴロフキンのような怪物的な硬質的なパワー&フィジカルとはまた違い、アリムハヌリのような冷徹マシーンのようなアグレッシブネスともまた違う。
どちらかというと柔らかな動きで、手打ちに似たパンチを放つようなボクサーで、基本的にはプレスをかける試合が多いですが、下がりながらのカウンターも良く打っているように見え、どちらかというとテクニシャンのような気がします。これは試合をかいつまんでみた感想なので、実際とはまた違うかもしれませんが。
当然世界レベルの強豪ではあるものの、「怪物ではない」と感じます。まあこれは実際竹迫とやってみないとわかりませんが、しっかりと対策を持って臨めば十分に勝機があるように感じます。
伊藤雅雪代表も言っている通り、ヌルスルタンが持つWBOインターナショナル王座というものは世界王座に直結するタイトルで、勝った方が世界タイトル戦へのウェイティングサークルに入れるというもの。竹迫には是非このチャンスを掴んでもらいたいですね。
ジャフェスリー・ラミドvs岩佐良佑!
「最終章」を掲げる岩佐亮佑の相手は、23歳のプロスペクト・ジャフェスリー・ラミド。以前から井上尚弥のスパーリングパートナーとして日本のボクシングファンの中でも有名なボクサーです。今回のスティーブン・フルトン対策としても来日予定。(というかもう来ているのか?)
10勝(4KO)無敗の戦績のフィリピン系のアメリカ人。
アマチュアでは全米王者となっていますが、東京五輪の予選では勝ち抜く事はできず、デューク・ラガンにその栄誉を譲っています。(ラガンは結果的に東京五輪で銀メダル)
最近はオスカー・デラ・ホーヤ率いるGBPのリングに上がっていましたが、どうやらプロモート契約を結んでいたわけではなく、どれも単発契約だったようです。もう少しキャリアを積んで、大型契約を結ぶという方針のようで、トレジャー・ボクシングとも単発契約。
非常にスピード豊かで距離感が抜群、素晴らしいカウンターを持っている上にスイッチヒッターということで相手にとってはやりづらい事この上ありません。
ただ、これは個人の感想ですが現在のところさほど怖さを感じないボクサーでもあります。
素晴らしいコンビネーションを持っていながらも、爆発力には欠ける印象。
正直、岩佐にとってめちゃくちゃやりづらい相手ではない(とは言っても、やりやすい訳はない)ことから、こちらも期待が持てる一戦ではないか、と思っています。
はっきり言ってラミドにパンチを当てるのは至難。
それでもムロジョン・アフマダリエフのように強いフィジカルとパワーでゴリゴリと前に出てくるわけでもなく、岩佐は落ち着いて中間距離で戦えるという利点があるような気がします。
そして、まだまだ少し線の細いラミドにとっては、年齢を重ね、キャリアを重ねた岩佐がうまく戦えば十分にチャンスもあると思います。岩佐にとって正念場であるこの一戦は、キレイに戦う必要は全くないので、どうにか勝ちをもぎ取ってもらいたい。
ラミドにとって岩佐は過去最大の強敵でもあり、きっと今までのようにはいかないはずです。
プロキャリアが浅く、年齢もまだ若いからこそ、いつのまにか大化けしそうな可能性もあるラミドに、是非ともここで試練を与えてもらいたい。
上記の2試合は、韓国のパラダイスシティ・ホテルで行われるトレジャー・ボクシングプロモーション第二弾興行で、日程は4/15(土)。おそらく放送は前回と同じくWOWOWさんがしてくれるはず。海外に向けては。。。DAZNとか?(てきとうです)
続報を待ちましょう。
ジョンリエル・カシメロとの複数戦契約を発表!
そしてジョンリエル・カシメロとの複数戦契約を発表したTBプロモーション、これはある程度予想できたことですが、カシメロにとって非常に良かったと思います。
カシメロは取り巻きに恵まれず、様々な妨害工作を受けてきましたが、ここに来て彼のボクシングキャリアはかなり上方に向いたのではないでしょうか。
伊藤代表、それを支えるA-SIGN、ともに非常に誠実に対応しているイメージで、条件面ではほぼ同じという中、このTBプロモーションをカシメロが選んだ事にも納得がいきます。
年間3試合やったとすれば、カシメロに1億円渡せるという伊藤代表のメッセージは、このTBプロモーションに強い後ろ盾がある事を明らかにし、氏の手腕には大きな期待を寄せるところでもあります。
今は昔という表現になってしまいますが、ボクシング興行におけるスポンサーというのはほとんど「テレビ曲の放映権料」、そしてゲート収入というのみでした。12/3の第一弾興行もそうでしたが、このTBプロモーションのやり方というのは、韓国のパラダイスシティホテル(及びカジノ)への集客装置としての興行でということなので、お金の流れは随分と変わっています。
今後、同様に世界中で興行を行っていくと思うのですが、今後も大いに期待できるビジネス・ケースですね。
フィリピン。。。とかは無理でも、アメリカや欧州各地、ドバイなんかでも興行を打てそうです。
ともあれ、ジョンリエル・カシメロという人気ボクサーを得たTBプロモーション。そしてそこに日本人を絡め、日本のボクシングをスケールアップさせようと考えてくれているであろうところも非常に楽しみ。
世界各地の興行で、大事な勝負をする日本人ボクサーたち。この構図をつくってくれるであろうTBプロモーションの今後に期待。
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