正式発表!!!
かねてから噂のあった未来のPFP候補、シャクール・スティーブンソン(アメリカ)と日本ライト級最強・吉野修一郎(三迫)のWBC世界ライト級挑戦者決定戦が正式決定、本日トップランクから発表されました!!
LIGHTWEIGHT DEBUT 🍿@ShakurStevenson returns home to face Shuichiro Yoshino in a Lightweight title eliminator 🏆#ShakurYoshino | On-sale FRI FEB 10 pic.twitter.com/65FJ44K1x5
— Top Rank Boxing (@trboxing) 2023年2月4日
場所はアメリカ・ニュージャージー州のニューアーク、プルデンシャルセンターというところ。このニュージャージー州のニューアークというところは、シャクールの生誕地であり、どホームのど真ん中。
もし吉野修一郎のホームでやる、となると、栃木県鹿沼市のTKCいちごアリーナでこのWBC挑戦者決定戦を行う、というレベルのホームです。(しらんけど)
ということで勿論、会場はシャクールの応援一色となるはず。
当然、吉野にとっては厳しい戦いが予想されますが、我々にとってもまだ底を見せていない「吉野修一郎」というボクサーには期待しても良いのではないでしょうか。
ということで今回のブログは、まだ先の話ではありますが、正式発表を受けてシャクールvs吉野をプレビュー。
デビュー当初から「ネクスト・メイウェザー」と喧伝されたシャクールは、そのアプローチこそ違えどその謳い文句に恥じない(ほんとは一部恥じるべき)キャリアを歩んできています。
日程と場所、放送媒体
日程は4/8(土)アメリカとのことなので、日本では4/9(日)、いつもどおりお昼頃になるでしょう。
日程は4/8(日本時間4/9)、場所はシャクールの地元であるニュージャージー州ニューアーク。そして、シャクールをプロモートするトップランクの放送媒体であるESPNで生放送。
現在、海外ボクシングを日本で放送している媒体は、WOWOW、DAZN、U-NEXT、そしてFITE.TVと様々ありますが、この中でDAZNはマッチルーム、GBPの興行の放送、そしてU-NEXTはPBC系列の放送(U-NEXTはもっと頑張らないと、放送媒体として認められませんが。)。
FITEは最近ちょっと微妙ですが、突然復活したりするので要注意ですが、今回はおそらくWOWOWが日本での放送のメインとなるではないでしょうか。
というか逆にWOWOWがこの試合を放送しないというのは考えられません。
トップランクは帝拳とリレーションシップを構築しており、さらにWOWOWのエキサイトマッチというのは言うまでもなく帝拳プロモーション提供。エキサイトマッチはPBCやDAZNの試合、古くはHBOのワールドチャンピオンシップボクシング等々を放映してきましたが、ここ最近はやっぱりESPNが一番多いと思います。
ということでWOWOWさんに期待。というかほぼ確。
4/8(日本時間4/9)アメリカ・ニュージャージー
WBC世界ライト級挑戦者決定戦
シャクール・スティーブンソン(アメリカ)19勝(9KO)無敗
vs
吉野修一郎(三迫)16勝(12KO)無敗
WBC世界ライト級王座決定戦と銘打たれる一戦。
この試合の勝者は世界ライト級4団体統一王者、デビン・ヘイニーへの挑戦権を獲得することとなりますが、ウェイト面が厳しいとされるヘイニーは階級アップも予想され、もしかするとこれがダイレクトでWBC王座決定戦となる可能性もあれば、この勝者が王座決定戦への出場機会を得る、となる可能性も捨てきれません。
冒頭に書いたとおり、シャクールの超絶どホームで行われるこの試合は、そうでなくともシャクール優位なのに、それに輪をかけてオッズ、また会場の雰囲気はシャクールに傾く事が予想されます。
とはいえ、シャクールにも全く懸念事項がないか、というとそういうわけではないことを申し伝えておきたい。
その懸念事項で最も大きいものは、やはりウェイトの問題。この挑戦者決定戦こそが、シャクール・スティーブンソンにとってはライト級デビューの一戦となる、ということです。
ここまで超がつくほど盤石の安定感を誇ってきたシャクールですが、ライト級で戦うのはこれがはじめてのこと。
フェザー級でキャリアをスタートさせたシャクールは、2019年にWBO世界フェザー級王座決定戦を戦い、判定勝利でこれを戴冠。その後この王座の防衛戦をせずにスーパーフェザー級に転級したシャクールは、調整試合を二度戦ったあと、WBO世界スーパーフェザー級暫定王座を獲得、ジャメル・ヘリング(アメリカ)との団体内王座統一戦を経て、WBC王者のオスカル・バルデス(メキシコ)との王座統一戦に勝利、早々に2冠王者となります。
そして迎えたこの2冠王座の防衛戦でウェイトオーバー、王座を剥奪となっています。
ウェイト面でスーパーフェザー級をつくるのはキツい、というのは現実的な話だとは思いますが、それがつまり、ライト級で通用する要件ではないはずです。
対して吉野はウェルター級でプロデビュー。。。というのは(プロデビューまであったブランクを考えると)正直あまり関係ないとは思っているのですが、それでも少なくとも生粋のライト級。耐久力やパワー、フィジカルは、これまでにシャクールが戦ってきたどのボクサーよりも強靭なはずです。
これには、吉野がハーフ(母がフィリピン人)だということも関わっているかもしれません。ボクシングファンならご存知の通り、フィリピン人というのはパワーに秀で、そのパワーを生み出すためのフィジカルには定評があります。
吉野修一郎のボクシングは、フィリピン人特有の身体の柔らかさこそ見えにくいですが、マニー・パッキャオのような爆発力を生み出すフィジカルにより支えられ、そこに日本の合理的なテクニックが融合されたものと言っても良いと思います。
シャクールは非常にディフェンスがよく、パンチをもらわないボクサーではありますが、吉野の強いフィジカルについては圧力を感じるかもしれません。もしガードの上からでも当てる事ができれば、吉野のパワーに面食らってくれるかもしれません。
そして序盤や中盤に吉野のパンチが当たらず、シャクールのパンチがいくつも入ったとしても、きっと吉野は耐えられるでしょうから、後半までしっかりと逆転のための望みを繋いでくれると信じられます。シャクールにとっても、最後まで気の抜けない一戦となることが予想され、つまりは後半に入るまでにどれくらい吉野がシャクールを削れるか、がカギとなってきそうな感じがします。
正直、ややスロースターターとも思われる吉野に、序盤からシャクールのスピードを見切って、というのを期待する事はできないかもしれません。しかし、吉野が中谷正義戦並みの、もしくはこれを期待したいというのは中谷戦以上の集中力を持って臨めば、もしかすると「ただ重くなっただけ」のシャクールに対応できるかもしれません。
シャクールも決して万全の状態で上がってくるわけではない。ライト級でのテストマッチも済ませていない。(というかこれがテストマッチなのか)そう考えると、一筋の光明が見えてきそうなものなのです。
吉野としては、当然このシャクールの状況を願うのではなく、やるべきことをやって、リングに上がるはず。
そして、この吉野の入場前等の笑顔を見ていると、プレッシャーとは無縁のボクサーにも思えます。きっと、超絶どアウェイであったとしても、吉野のメンタルが変わらず、実力を出し切ってくれると信じています。ニュージャージー州で鳴り響く、その場をわきまえない「ガッツだぜ」、笑顔で入場する吉野の姿が目に浮かぶようですね。
至極順当にいけば
「全財産を賭ける」というレベルの順当な勝敗予想をするとすれば、シャクールの判定勝利が最もカタい。もしかすると、その次はシャクールのKO勝利がくるのかもしれません。
それでも、吉野に期待できるところは、古き良き日本人ボクサーらしく、追いかけて追いかけて決して諦めないファイティングスピリット、そして作戦遂行能力の高さと見た目にも明らかなフィジカルの強さ。
これらの融合体はシャクールの味わった事がないはずのものであるはず。
そして、吉野修一郎にとっては、「吉野修一郎」という単体のボクサーだけでなく、三迫ジム一丸となって臨む一戦であるはずで、これには戦略面立案に定評のある三迫ジムのトレーナー陣、そして小原佳太らの海外どアウェー戦での経験もきっと活きてくるはず。もう何だったら中谷正義にも経験を活かして手伝ってほしいレベル。
そして、これらを三迫陣営が考えてはいけないとは思いますが、いち観戦者としては、そこに「シャクールが転級初戦であること」、「ヨシノ?ダレソレ?」的な感じで舐めてきてくれること、そして計画的に身体をつくってきてないシャクールが、単にライト級のリミットにあわせただけという状態であること。。。等々が絡み合えば、チャンスがどんどん生まれてくるのではないか、と思います。
それにしても、日本時間の4/8(土)には寺地拳四朗vsジョナサン・ゴンサレスの統一戦もあるとの噂なので、このほぼ日程被りは三迫ジムにとっても大変なスケジュールですね。ただ、この前日の拳四朗王座統一(断言)が追い風になってくれる可能性もあります。
楽しみすぎる。
ということで、ガッツ石松、そしてロイヤル小林に次ぐ、栃木県出身の世界王者まであと2歩。吉野修一郎の勝利に期待しています。
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