今週末は久々にBoxingRaiseで生配信があるようです。
最近のBoxingRaiseは他媒体に押され気味で、録画配信もすでに他のプラットフォームでライブ配信されたものが多い。まあ、ビジネスというよりもボクシングファンや選手たちのためにやってくれているようなプラットフォームなので、それも致し方ありませんが。
新人王戦なんかもU-NEXTに引き継いだ感じですしね。
ともあれ、週末のBoxingRaiseはG.O.A.T MATCH、日中友好親善試合。これは非常に興味深いマッチアップ、というか出る日本側のボクサーがなかなかのラインナップで興味深い。
大橋ジムホープの金子虎旦、歴戦の雄渡邉卓也、痛烈なKO負けから復帰3連勝の辻本純兵、馬場龍成を破った苗村修悟。この興行に噛ませは出ないでしょうから、これら日本の強豪ボクサーに合わせ、どのようなボクサーが来日するのかは非常に楽しみですね。
なんせ中国側のボクサーのことを何にも知らないので、プレビューを書くことはできませんが。
そしてそれが過ぎれば、今月最後の注目ファイト、フェニックスバトル。
イレギュラーなタイトル戦も含みつつも、そのメインイベントは圧巻の好マッチメイク。
ということで今回のブログは、10/31(火)に予定される、フェニックスバトルの観戦記。
10/31(火)フェニックスバトル
日本スーパーバンタム級タイトルマッチ
下町俊貴(グリーンツダ)17勝(11KO)1敗2分
vs
石井渡士也(RE:BOOT)6勝(4KO)1敗1分
少し気の早い話ではあるものの、この試合の勝者は「井上尚弥蹂躙後のスーパーバンタム級」において、世界戦戦に食い込んでくるかもしれません。
それほど、今や王者となった下町の存在感は輝いていると言えるでしょう。
この階級にモンスターがいなければ、次期世界王者候補と言われてもおかしくない下町俊貴というボクサーは、179cmという長身のサウスポー、同じく関西の六島ジムに所属する西田凌佑とほんの少しイメージが被ります。
長身サウスポーであり、ジャバーであり、この前の手は素晴らしいアングルをつけて対戦相手を痛めつけます。
2015年にプロデビューした下町の唯一の敗戦は2016年の新人王トーナメントのものであり、4回戦時代。そこから6年以上にわたり無敗をキープしている下町は、2017年には全日本新人王に輝き、2019年には日本ユースタイトルを獲得しています。
2020年にはそのユースタイトルの防衛戦で当時無敗の英洸貴(カシミ)とのホープ対決を制して名をあげ、2022年には世界ランカー、ジョー・サンティシマ(フィリピン)に判定勝利を挙げて世界ランクを手にしています。
そして前戦では評価の高い大湾硫斗(志成)を完封して日本王者となり、その名をファンの間に轟かせました。
「獲るより難しい」とも言われる初防衛戦で迎えるは、またも難敵の石井渡士也。
非常に力強さのあるパンチャーである石井は、B級デビューであるが故にまだプロキャリアこそ浅いですが、アマでは名門花咲徳栄出身、インターハイ準優勝、国体3位などの輝かしい実績を持つボクサーです。
プロデビューから2戦目でバンタム級のユース王座決定トーナメントに出場、初戦で富施郁哉(ワタナベ)、決定戦で石川春樹(RK蒲田)を破ってユース王座を獲得しています。
井上尚弥(大橋)のスパーリングパートナーにも呼ばれたことでも評価された石井は、デビューからわずか4戦目でチャレンジマッチ、現在のWBA世界バンタム級指名挑戦者、石田匠(井岡)へアタック。
この戦いは素晴らしいチャレンジでしたが、石田のキャリア、レンジコントロールの前に惜敗、初黒星を喫します。
再起戦は南出仁(当時セレス)とのハードマッチメイクに勝利、その後も井上尚弥のアンダーカードに2度登場して再起後3連勝を記録。
前戦こそ無敗ホープの池側純(角海老宝石)とドローを演じているものの、非常に地力の高いボクサーであることは間違いありません。
この戦いは、距離をキープしようとする下町と、距離を詰めて強打を打ち込もうとする石井、という構図に貼るはずです。
長身サウスポー、という文字だけでもすでにやりにくさを感じるような下町のボクシングを、石井は崩せるか。
この時、どうしても頭をよぎってしまうのは石田vs石井の戦いでもあり、石井はこの下町を超えることであの時の自分を超えることになるのでしょう。
下町にとっては、すでにIBFで5位まで上がった世界ランク。このランクを維持してさえいれば、井上尚弥挑戦も夢ではなく、それが叶わなくとも井上尚弥返上後のタイトル戦線には間違いなく加われれる位置。
下町がランクを死守するのか、それとも石井がかつての自分を超えてベルトを奪取するのか。
いずれにしろ、どちらが自分のボクシングを貫くことができるのか、という勝負になりそうです。
WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級タイトルマッチ
テレンス・ジョン・ドヘニー(オーストラリア)24勝(18KO)4敗
vs
ジャフェスリー・ラミド(アメリカ)11勝(4KO)無敗
アイルランド人とアメリカ人がWBOアジアパシフィックタイトルを争う。
というとなかなかにあり得ないシチュエーションではあるものの、TJドヘニーの現在のホームタウンはオーストラリアであり、前戦で王者の中嶋一輝(大橋)から王座を奪取。WBOアジアパシフィックタイトルというのは、結構範囲が広く、アジア全域とオセアニア地域をカバーしています。(対してOPBFは東アジアとオセアニア、こちらには中央アジア等は入りません)
で、気になるジャフェスリー・ラミド。こちらのresidence(住居の意ですが、ホームタウン、主戦場みたいな意味)はBoxRecによるとヨコハマ、カナガワ、ジャパンです
ラミドが横浜に住んでいるわけはないのですが、大橋プロモーションの計らいか何かなのでしょう。
以前、大手との契約の機会を伺っている、と言われたラミドは、もしかすると日本に落ち着くのかもしれません。
ともあれ、人種がどうあれ、この地域タイトルというのは「ここが私のホームタウンですよ」と言ったもん勝ちなところがあると思われ、つまりこのタイトル戦は違和感はあれど、問題はないのです。知らんけど。
ということで、外国人同士のタイトル戦ながらも、どちらも日本では有名なボクサーだけにこれは大変興味深い戦いです。
元王者、TJドヘニーは2018年に岩佐亮佑(当時セレス)からIBF世界スーパーバンタム級タイトルを奪い、アメリカはニューヨークで高橋竜平(当時横浜光)を相手にそのタイトルを防衛したボクサー。
岩佐戦ではドヘニーのニックネームである「Power」は感じませんでしたが、高橋戦、そして前戦の中嶋一輝戦ではそのパワーは大いに感じましたね。
岩佐から奪ったタイトルはダニエル・ローマン(アメリカ)との統一戦で奪われ、その後もマイケル・コンラン(アイルランド)との同国人対決でもダウンを奪われての判定負けを喫し、すでに終わったものと思われていたドヘニーは前戦で大復活。
戦いの場を大西洋から太平洋に移し、WBOアジアパシフィックタイトルを獲得、WBOの上位ランクを獲得してホープ、ジャフェスリー・ラミドを迎えます。
もしも万が一、ドヘニーが勝つようなことがあれば、このTJドヘニーが井上尚弥への優位な挑戦権を獲得できるのかもしれません。
とはいえ、相手はあのジャフェスリー・ラミド、その可能性は非常に薄いと言って良い。
ラミドはややパワーレスに感じますが、速く、そして巧い。
その速さ、巧さは現時点でマイケル・コンラン以上のように思われ、ドヘニーはついていくことすら叶わないのではないか、とも思います。
36歳のドヘニーと23歳のラミド。ドヘニーは勝利に向かい、この年齢差、そしてキャリアの差を存分に活用しなければいけません。ラミドは普通にやれば勝てると思いますが、その若さゆえ、何かしらの気負い、コンディショニングをミスしないとも限りません。
ボクシングはやってみないとわからない、ラミドがこれまでどのようなボクサーたちと戦ってきたか、というのを全て追っているわけではありませんが、岩佐に続き元王者を撃破となれば、すでに世界タイトルへのウェイティングサークルに入る、とも言えますね。
こちらも目指すは井上尚弥後のスーパーバンタム級タイトルか。
そうなると、このメインの勝者との対戦も大きな確率でありそうですね。
配信情報!!
この興行は、NTTdocomo presents Leminoで生配信。
日程は10/31(火)、17:30からの配信開始のようです。今回もまた無料で配信してくれるようなので、これはありがたいですね。
見逃し配信も当日23:00から可能ということなので、ライブ視聴できなくてもすぐにアーカイブが出そうですね。
「Leminoプレミアム」という月額料金の発生する有料プランもありますが、正直イマイチこの有料プランのメリットはよくわかりません。今年12月の井上尚弥vsマーロン・タパレスの特別映像とかはプレミアムプランに入らないと見れないのかな?まあ、あんまり興味ないんですけど。
もしフェニックスバトル以外のコンテンツもみたい、ということであればLeminoプレミアムにご登録ください。ボクシングだけなら、無料プランで十分です。
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