信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】チャンピオン・カーニバル、屈指の好カード!大注目の日本フェザー級王座決定戦、佐川遼vs松本圭佑!!

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さて、プレビュー記事を書けなかった注目ファイト。

日曜日の時点で一瞬、Twitterでライブ配信がない、みたいな情報を見かけた気がしますが、FODのライブ配信は前日発表です。

これは非常に困る事ではありますが、基本的には偶数月のダイヤモンドグローブ、奇数月のフェニックスバトルは全試合ライブ配信のはず。これはちなみに事前にわざわざ問い合わせをしても「未定」と答えられるという意味不明な事が起こっているのが現状ですが、今後もFODを信じていきたいと思います。

ということで今回は、大注目の日本フェザー級王座決定戦の観戦記。

 

4/18(火)ダイヤモンドグローブ

メインの次に楽しみにしていたのは、第4試合のパンヤ・ウトック(タイ)vs鈴木雅弘(角海老宝石)。パンヤ・ウトックというとちょっとよくわかりませんが、このボクサーはプンルアン・ソーシンユー、赤穂亮(当時横浜光)を2RKOで破り、WBO世界バンタム級王者となったボクサーです。ライト級まで来てたんですね。。。

これは鈴木のパフォーマンスこそ楽しみにしていた試合ですが、キャリアのあるプンルアンをものともせずにボディを叩き、2R、左ボディから顔面への左フックでダウンを奪取。そのままカウントアウトで2RKO勝利。

やっぱりすごいタイミングを持っていますね、鈴木雅弘。

 

そしてセミファイナルの保坂剛(三迫)vs石井龍誠(金子)は素晴らしい試合でした。

初回からグイグイと距離を詰める保坂に対して、石井もしっかりと迎え撃ちます。スーパーフェザー級の日本ランカー、保坂に対して、フェザー級の日本ランカー石井という構図でしたが、初回に石井がダウンを奪取。2Rも石井が左で保坂を効かせたようにみえましたが、そこから保坂が盛り返す場面もあり、非常に盛り上がります。ともに攻撃的なボクシングを展開しますが、石井の方がパンチのアングルに優れ、そして自身の頭の位置やポジショニングもやや良い、という印象。ダメージを溜めつつも前に出る保坂ですが、石井の非常にキレがあり、アングルの良いパンチを幾度も浴びてしまいます。石井は的確にパンチを当て、4Rにもダウンを追加、そのままパンチをまとめてTKO勝利。

 

攻め時を見誤らなかった、素晴らしい勝利。これで金子ジム移籍後3連続KO勝利。移籍前、伴流ジムに所属していた時は、失礼ながら印象に残るボクサーではなかった石井龍誠。ここにきて、大きく華開いたのかもしれません。

これは次戦にも期待です。

日本フェザー級王座決定戦

佐川遼(三迫)12勝(7KO)2敗

vs

松本圭佑(大橋)7勝(7KO)無敗

前戦では元世界王者、久保隼(当時真正)を3R、見事なノックアウトで降した佐川。得意の右ストレートには磨きがかかっており、その健在ぶりをアピール。

これまでの2敗のうち、小坂烈(真正)にはリベンジを果たしているし、もう1敗は丸田陽七太(森岡)によるもの、更には先日IBFの世界挑戦権を獲得した阿部麗也(KG大和)を破っていることから、当然のことながらこの佐川は日本のトップボクサーの一人。

その強い元王者に「挑む」のがスーパールーキー、松本圭佑。

ミライモンスター、松本圭佑は3代続くボクシング一家。父、松本好二は世界にも挑んだ名ボクサー、その現役時代はまだまだ我々オールドファンの記憶に新しい。

 

言ってしまえば、松本圭佑というボクサーは違うレールに乗れば、こんなにも危険な元王者を選ばないようにキャリアを積み、王者にはなれるボクサーです。

しかし、大橋ジムはそういうジムではなく、敗北を恐れないマッチアップを好むジム。

父、松本好二が3度に渡り巻いたベルト、その奪取に挑みます。

初回、まずは静かな立ち上がり、互いに素晴らしいジャブを突きつつ、攻め時を伺います。中盤、先に右を当てたのは松本!KO率100%の拳が佐川にヒットします。

しかし冷静さ崩さない佐川、フェイントをかけつつジャブ。

前に出る佐川、松本はサークリング気味に対応し、後半にジャブフック、終盤にコンビネーションをヒット。佐川にとっては半歩遠い距離なのか、松本は上手く距離にコネクトして戦っている感じ。

 

2R、松本の距離感が素晴らしい。距離を詰めようとする佐川ですが、鼻先でかわし、非常に回転力のあるコンビネーション。

佐川の攻撃をかわして細かく当てるコンビネーション、素晴らしい反応。

終盤もコンパクトな右カウンターをヒットした松本!ここまで完璧な試合運びと言えます。

3R、松本のジャブがよく当たります。佐川のジャブは距離で外され、松本はしっかりとすぐにリターン。

ジャブから入るワンツー、右から入る逆ワンツー、時折出す右アッパー、全てが佐川にハマっています。これは佐川が苦しい展開。

4R、ほんの少し、距離が縮まったか。これは松本が佐川をもう一段階痛めつけにいっている、とも取れますし、佐川が少し距離を縮めた、とも言えます。

ただ、ここにきて松本の動きによりキレがでている気がします。鋭いジャブを起点として打って躱して打つ、という最小単位のヒット&アウェイ。

松本のコンビネーションはよくヒットしていますが、佐川のパンチも少しずつ当たり出し、後半には頭をつける場面も出てきます。

 

5R、松本はジャブを多用、距離を作ります。しかし佐川も強い踏み込みでパンチを繰り出し、松本もそれに応じるためかここで距離が縮まります。

近い距離で多彩なパンチを出す佐川、右アッパーをコンパクトに打って松本の顔面を跳ね上げます。松本は佐川の右に左フックをあわせるカウンターが良い。

松本も苦しくなってきました。が、前半のリードにより、途中採点は49-46×3で松本。しかし、今、勢いは佐川にありそうです。

6R、ポイントは優位でも油断できない松本、ここで踏ん張ります。前半、ワンツーをヒット、自身のプロ最長ラウンドに入ってもその集中力は切れません。

中盤に右と右が危険な相打ち!後半には松本の右がヒット!しかし佐川もしっかりと攻めきってこのラウンドが終了。

7R、松本は非常にコンパクトで回転力のある連打。次々と空いているところに打ち込んでいく連打、そしてそのハンドスピードで佐川を凌駕します。

そのコンパクトなパンチでヒットを稼ぎ、パワフルな右ストレートを打ち込む松本。

それでも佐川は引くことなく、左右を上下に打ち分けて松本に迫ります。

 

このプレッシャーは、キャリアの少ない松本を確実に削っているはずです。

ここまでのポイントこそ松本でしょうが、この消耗戦に慣れていないのも松本の方、もしかすると疲労は松本の方が上かもしれません。

8R、前へ、前へ迫る佐川。松本はステップとジャブ、ストレート、コンビネーションで佐川を突き放しますが、追いかけ続ける佐川。

松本は上手い。素晴らしい距離感と素晴らしい頭の位置、相手の右ストレートをブロッキングしたあとの左フックカウンター。更には佐川の右アッパーをブロックしてからの左フック。佐川の右パンチに対する対策は完璧です。

9R、ラウンド前半は松本の距離でスタートすることはここまでも多かったですが、このラウンドは中盤に入っても松本の距離。

松本は大きく距離を取り、カウンターを主武器として良い動き。

 

この苦しいラウンドにきて、頭のスタミナ、身体のスタミナを使ってこのステップワーク、これにより終盤にきてやや突進力の落ちた佐川の前進はなかなか届きません。

ラストラウンド、倒すしかない佐川。大きな右を振っていき、その後右のボディ。松本は距離を取りつつ、佐川が攻めてくるとコンビネーションをリターン。このリターンをコンビネーションで返せるのは素晴らしいところです。これだけパンチがあれば、1発に頼りそうなものですが、これは父の教えでしょう。

元王者としての意地を前面に押し出し攻めに攻め、その手を決して休めない佐川。その佐川のプレッシャーを時にしっかりと受け止め、時にいなしてリターンを決める松本、このフィジカルの強さと技術力の高さ、スタミナ、どれをとっても本当に素晴らしい。

佐川は佐川で、打たれながらも決して諦める事なく、弱気になる場面もなく10Rを戦い切りました。

判定は、98-92、99-91×2、3-0の判定で松本圭佑!

 

松本圭佑が日本フェザー級王座を初戴冠!!!

素晴らしい戦いを見せてくれた松本圭佑と佐川遼。まだ20代の佐川に対して「旧」というわけにもいきませんが、ある種の世代交代劇、といって良いと思います。

「採点以上に競った内容」と松本自身が語りますが、まさにその通りで、たしかにポイント差ほどの差はありませんでした。が、ラウンドマストシステム上、こうなってしまうことも理解できる事です。

さて、王座決定戦で戴冠した松本圭佑は、次戦が指名戦となります。

今月発表のランキングでは、1位佐川、2位に松本ですが、3位は丸田。ただ、丸田は転級のはずですから、4位のリドワン・オイコラ(平仲)が指名挑戦者となるのか。

本当に見たい、けど見たくない試合は、現在日本フェザー級6位の堤駿斗(志成)戦。

堤は5/31にOPBF東洋太平洋フェザー級王座決定戦への出場が決まっており、ここに勝ってともに防衛戦をクリアすれば、もしかすると来年あたりにそういうビッグマッチが巡ってくるのかもしれません。

やべえな、フェザー級。

 

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