井岡一翔の次戦発表。
既に決定事項と思っていましたが、そういえば交渉中だったジョシュア・フランコvs井岡一翔の一戦が正式発表。
日程は6/24(土)、なのでちょうど2ヶ月前ですね。
これくらいの時期に発表してくれるのは素晴らしい事だと思います。
アンダーカードの発表はなかったですが、唯一のサプライズはABEMA.TVでの「PPVファイト」だということ。
ということで今回は、いよいよ地上波から消えたボクシング、フランコvs井岡のダイレクトリマッチについて。
6/24(土)大田区総合体育館
WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ
ジョシュア・フランコ(アメリカ)18勝(8KO)1敗3分
vs
井岡一翔(志成)29勝(15KO)2敗1分
日本人ボクサーで唯一の4階級制覇王者、井岡一翔。
もし日本にボクシングの殿堂があったならば、確実に殿堂入りする名王者です。
世界戦だけでも24戦目というのはものすごいキャリアで、わずか7戦目で世界王座を射止めたのは2011年2月の事ですから、もう12年以上も前の事です。
「大晦日の風物詩」として、日本ボクシング界に大晦日興行を定着させたのも井岡一翔であり、井岡が大晦日興行に登場したのは11度にものぼります。
その安定感のあるボクシングで、敗北する姿がなかなか想像できなかった井岡ももう34歳、まだまだ安定感こそあれど、ある程度の衰えはきっとあるはずで、体つきを見る限りでは井岡にはスーパーフライ級はやや大きい、と感じることもあります。
それでも歩みを止めない井岡は、前戦でドローとなったジョシュア・フランコとの再戦を希望、王座を返上してダイレクトリマッチに望みます。
WBO王座をなくし、フランコとの再戦という流れになった時、フランコとしてはメリットが非常に少ないようにも感じます。
それでも、フランコがこの試合を受けたメリットは、軽量級大国である日本のジャパンマネー、そして1度はPFPランキング入りを果たした4階級制覇王者に勝てる自信があるから、ということなのでしょう。
確かに、ここ最近の井岡はジョシュア・フランコやフランシスコ・ロドリゲスJrのようなガツガツと絶え間なく攻めてくるファイタータイプのボクサーを苦手としている節があります。
それは、強打を振るうボクサーというよりは、パンチとパンチのつなぎ目がなめらかで、流れるようにパンチを出してくる、スタミナがあり、タフネスを持っているボクサー。
おそらく今回も、井岡にとって厳しい試合になるかもしれません。
地上波のボクシングが終焉
さて、この発表での唯一のサプライズ。
それは、ABEMAのPPVファイトだということです。
いよいよこの時がきましたね。
これまでTBSで生放送、Paraviで配信、という流れになっていた井岡の試合。ParaviはU-NEXTに統合されたので、もしや今後はU-NEXTか、と思っていましたが、ABEMAでしたね。
とはいえ、これまでLIFE TIME BOXING興行はABEMA.TVで配信されてきた経緯もあるので、これだけではサプライズとは言えません。
やはり、このフランコvs井岡2がPPVファイト、というのがサプライズと言えるでしょう。
ここ最近、井岡の大晦日ファイトの視聴率は10%に届かない位ではありますが、これは健闘している数字だという認識です。
確かに、完全に玄人好みの井岡のボクシングを、有象無象の地上波視聴者層が見る、ということはあまり想像はできません。好んで見る、というよりも珍しくボクシングをやっているから見る、という感覚なのかもしれませんね。
さて、これがPPVとなるとどうなるか。
金額は来月発表ということで名言されていませんが、日本の基準からするとあまり高い金額はつかず、3,000円〜5,000円くらいの間のような気がします。
その金額になると、当然コア層のファンや、井岡ファンは購入すると思いますが、果たしてライト層のファンが購入するかどうか。
完全に主観ですが、ライト層のファンは井岡を評価している人は少なく、コア層のファンは井岡を評価している人が多いような気もします。
ABEMAはどれくらいの期待をかけて、この試合をPPVにするのでしょうか。是非とも、そこの部分の数値目標と実数を公表してもらいたいものです。
終焉とはじまり
このジョシュア・フランコvs井岡一翔2が、地上波放送なしということを受けて、地上波でのボクシング競技は完全に消滅。
おそらく今後、地上波でボクシングの試合を見る事はありません。
これで、「なんとなくテレビを付けていたらやっていたボクシングを見て、ボクサーを志す」事は完全になくなり、情報過多の社会の中で、どうにかしてボクシングと出会い、それに感銘を受けた者のみがボクシングを志す、という社会になるわけです。
ということは、これまで以上に大切になってくることは、「ボクシングの映像を見る」ということではなく、リアルな「ボクシング体験」ということになりますね。
ボクシングと出会う場が我々世代のような「映像」ではなく、フィジカル的な場、例えば公民館でやっていたボクシング教室、イベントでやっていたミット打ちイベント、という風になっていくのです。
なので、今後、ボクシング界をもりたてる、もしくはこのボクシングの灯火を絶やさないのは、ネットやAIやらとは逆行するかのようなリアルな場所。そしてその責任は、ボクシングの指導者やボクシングに関わったことのある人達、一人ひとりが担っていると言っても過言ではありません。
競技歴はないけど、ボクシングを長く見てきた人たち、そして大好きな人たち。そんな人たちは、是非とも後世に名勝負を伝えてもらいたいし、ボクシングの魅力を伝えてもらいたい。
そしてボクシングをかじった人たち、熱心に取り組んだ人たち、試合にはでてはいないけれども今もトレーニングしている人たち。そんな人たちは、是非ボクシングの素晴らしさ、楽しさを地域に、職場に、学校に伝えていってもらいたい。
そんなわけで、地上波がなくなったことでよりリアルが重要になってくるであろう今後のボクシング界。今は、副業も認められる時代であり、起業のハードルだって低い。どのようにでも時間をつくって、個々が自分の体験したボクシングを伝えられる時代です。
これはある種のチャンスなのかもしれません。
ボクシングとの出会いは、素晴らしい世界タイトルマッチの映像でも、泥臭い4回戦の現場でも、フィットネスジムでも、フィットボクシングだって何でも良い。ボクシングが大好きな人たちは、是非とも自分のやり方で周りにボクシングの素晴らしさを伝えていきましょう。
。。。と、話がまさかの方向にいったところで、今日のブログは終わり(笑)
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ちなみに私は国立大学のボクシング部で教えてはいますが、当然報酬は無し。学校の先生ならば勤務時間なのでしょうが、私の場合は100%ボランティア。どころか、遠征費の一部を出したり、送り迎えをしたり、練習用具を買ってあげたり、サンドバッグや練習スペースを借りてあげたりと大赤字です。あと連盟に払う団体登録料も自腹、大会があれば土日は拘束されます。年間50万円以上使っています。拘束時間を私の時給に換算すれば、100万円は悠に超えます。
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