信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ダイナミックグローブ!保田克也の初タイトル戦は、未知の強豪、アピチェット!

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毎月第一土曜日に行われるダイナミックグローブ。

日テレG+からU-NEXTに変更されてからもう3回目の開催となります。

前々回のメインは日本タイトル決定戦、前回はWBOアジアパシフィック王座の決定戦、そして今回もWBOアジアパシフィック王座の決定戦、という形で一応タイトル戦を噛ませてはあるものの、若干カードは弱い感じもしますね。

ただ、今回のWBOアジアパシフィック・ライト級王座決定戦に出場するBサイドのボクサーは要注目。

マッチメイカーを介さず、横浜光ジムの石井会長が見つけてきたというアピチェット・ペッチマネー(タイ)。対するは初のタイトル戦となる大橋ジムの保田克也。

 

そしてアンダーカードには、藤田拳児や福井勝也といった帝拳ホープが登場です。

福井は前回那須川天心(帝拳)とのスパーリングも務めましたが、2019年にプロデビューしてまだ4戦(4勝3KO)とは非常に寂しいですね。

フジチェンコこと藤田拳児は2021年にプロデビューして3勝(2KO)無敗、今回の相手は7勝(4KO)無敗という戦績のダニエル・ニコラス。前戦でWBOオリエンタルのユース王座をスプリット判定で獲得している23歳、これは強敵の可能性もありますね。ニックネームは「バケロ」、エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)と同じですね。似たようなボクサーなのでしょうか?

 

藤田、福井には早々にランキングの上の方で勝負をしてもらいたい気持ちもありますが、こういった未知のアジアの強豪となるかもしれないボクサーの登場も楽しみです。

ということで今回のブログでは、6/3(土)に行われたWho's Next Dynamic Gloveの観戦記。

 

6/3(土)ダイナミックグローブ

スーパーバンタム級8回戦

福井勝也(帝拳)vsスー・ハンビン(韓国)

初回から福井のスピーディなジャブ。ハンビンは頭を振り、ジャブから攻め込むボクサー。これは最近見なかったコリアンファイターか。しかし福井の速く多彩なリードになかなか近寄ることはできません。

2Rも福井のリードが素晴らしい。ハンビンも距離を詰めることができれば回転力のある連打。3R、少しリズムを変えた福井、余裕を持ったか少々距離が近くなり、ハンビンの回転力も活きてきます。ただ、ここでも福井は下がりながらのカウンター。

 

4Rもとにかく前進してくるハンビンに対して福井は時に打ち合い、時にカウンターをとって倒す気満々。ハンビンは一発を持ってはいませんがよく手が出て諦めないボクサーです。これは我々オールドファンが若かりし頃によく見た韓国人ボクサー、こういうボクサーに日本人が飲み込まれてしまうのは幾度となく目にしてきたイメージですね。

5Rは打撃戦。福井も一切退かずに打ち合い、この中でもそのパンチは的確で、コンビネーションは素晴らしい。実力差、というか技術の差は明白で、福井にとってはもうすぐストップに持っていけそうな展開。

6Rもリング中央、福井がダブル、トリプルで左を放つ中でもハンビンはその魂を見せつけて打ち返します。良いファイターですが、残念ながら残り5秒のところで2度目のドクターチェックが入り、試合はストップ。

右目はカットと腫れでおそらく視界はゼロ。それでも逆転を目指し、本当によく頑張っていました。

福井勝也、6RTKO勝利!

 

きれいに倒すことはできませんでしたが、高い技術を見せつけてのTKO勝利。ゴリゴリのファイター相手に華麗なボクシング、本当にお見事でした。

フェザー級8回戦

藤田拳児(帝拳)vsダニエル・ニコラス(フィリピン)

無敗というのは甘美な響き。ダニエル・ニコラスなるボクサーが強豪であることを望みます。

初回からグイグイくるニコラス。巧くは見えませんが、おそらくナバレッテ同様に妙なやりづらさがあるのでしょう。

が、藤田はニコラスの攻撃を躱しては打ち、問題にせず。

2R、序盤に一気に攻め入った藤田、ニコラスのやや荒いガードの間隙を縫ってパンチを滑り込ませ、怒涛のラッシュ。コーナーに詰まったニコラスにさらなる攻撃をかけると、ここでレフェリーが割って入ってストップ!

藤田拳児、2RTKO勝利!

 

これは強い勝ち方、藤田拳児。無敗のダニエル・ニコラスはその強さを我々の前に見せることはできませんでした。

一発効かせたあとの藤田のラッシュは見事でしたし、決めに行った時もリターンから効かせて入る等、詰めている時の冷静さもありましたね。

 

WBOアジアパシフィック・ライト級王座決定戦

保田克也(大橋)10勝(7KO)1敗

vs

アピチェット・ペッチマネー(タイ)15勝(5KO)無敗

そしていよいよメインイベント。保田の初のタイトル戦です。

初回、保田が距離を測るリードを伸ばしながら、プレスをかけます。ペッチマネーは高いガードでサークリング、まずは様子見か、攻めてくる気配はあまりありません。

両者とも得意な距離は中間距離か、ともに踏み込んだ際にどちらのパンチが先に、深く当たるのか、という戦いになりそうな雰囲気。終盤、保田の左とペッチマネーの右が交錯、こういう場面が今後幾度か訪れそうです。

2R、保田の打ち終わりにペッチマネーが大きな踏み込みを見せはじめます。保田の左ストレートの後に打ち返すペッチマネーの右ストレートは危険ですが、これを保田はしっかりとバックステップ。上手く戦えています。

 

3R、ペッチマネーのステップインワンツーは、やや振りが大きいものの迫力があり、その踏み込みは非常に鋭い。というか、どんどん鋭くなっているように見えます。

この右が保田を襲ったのが後半、これはちょっと危ない。

4R、しかしここは勿論この右を警戒する保田、バックステップが非常に速い。そして迎えた1分すぎ、この大きい踏み込みで攻め入ったペッチマネーに対して右フックでいなすと、バランスを崩したペッチマネーは膝をつき、ダウン!

 

これはダメージはないでしょうが、値千金のダウン奪取です。

当然立ち上がるペッチマネー、当然仕留めにはいかない保田。

ペッチマネーはその後も勢いが良すぎてキャンバスに膝を着く場面があり、このペッチマネーの打ち終わりは(バランスを崩しやすいため)狙い時ですねーと思った中盤、今度は保田の踏み込みに対してペッチマネーがまっすぐの右!弾け飛ぶように保田がダウン!!

ダウンとしてはこちらの方が危ない感じのダウンですが、ダメージを感じさせない保田はその後左ボディカウンター。ちょっと戦い方としては待ってリターンを狙う方が良い感じですが、今後の戦略面での陣営判断はどうか。

5R、保田がジャブで牽制、入る隙を伺うペッチマネーは踏み込み、そこで保田はカウンター。これが良い流れですね。

 

保田はペッチマネーの右を充分に警戒しており、ペッチマネーが入ってくる際の左のタイミングが良い感じになってきています。

6R、遠い距離から一気に踏み込むペッチマネー、これを保田が受け止める事によってもみ合いの展開も増えてきます。保田の左ボディカウンターは良く、クリーンヒットは少ない中でも保田の方が上手く戦っているように見えます。ただ、顔面の見た感じのダメージは保田の方が大きい。

7R、離れてフェイントをかけあい、一方が踏み込むと高確率で距離がつまりすぎて揉み合う。互いに相手の攻撃を警戒しているため、こういう展開になりがちです。

かなりもみ合いの頻度が多くなってきており、採点が難しいラウンドになっています。

8R、展開は変わらないですが、ここは保田の左カウンター、クリンチワークの中でもペッチマネーの脇に手を差し込み、そこからのボディでコツコツとヒットを重ねます。

 

ただ、クリンチで引き倒される場面も増えてきており、ちょっともしかすると保田は疲労が溜まってきたのか、やや手数も落ちてきている印象です。

9R、ペッチマネーはいきなりの右、保田はその右を躱しての左。互いの利き手を交互に交換するようなラウンドは、この単発の大砲を打ち合ってはクリンチする、というラウンドです。

こうしてスタミナを奪われているのはどちらか、それとも双方か。

しかし終盤、保田の左ボディカウンターがヒット、これはペッチマネー効いたかもしれません。

10R、ペッチマネーが右を決めると保田も左ボディをヒット。ペッチマネーも随分疲弊しているのか、バランスを崩して倒れてしまう場面も幾度かありますね。

 

11R、ここに来てもガンガン前進するペッチマネー。頭を低くしてくるのでバッティングの危険性もありますが、保田もこれをガチっと受け止め、クリンチ際の攻防です。

このもみ合いの中、後半には保田が押していく場面も多く、ちょっとペッチマネーは足に力が入らないのか。

ラストラウンド、開始早々にクリンチ際からペッチマネーが保田を投げ飛ばし。結構ちゃんと投げ飛ばしたあとは頭をつけてボディ、ボディ、そのあとも投げ飛ばし。これは結構アレですね、減点したほうが良いのでは、と思ったらやはり減点。

保田の顔は腫れが酷く、顔の形も変わっている状況で、顔面のダメージは保田の方がきついのでしょうが、これでポイント的には少し楽になったかもしれません。

その後もグイグイと攻めてくるペッチマネーに対して保田は下がりながらのカウンター、くっついた距離ではペッチマネーの方が良いように見えます。

 

最後の最後、フラフラになりながらもともに勝利を目指し、前に出続けた二人のアウトボクサー。これは互いに本意のボクシングではなかったでしょうが、大いに気持ちを見せた一戦となりました。

ラストラウンド終了のゴングを聞き、判定は115-113、116-111、119-109、3-0の判定で保田克也。

119-109というのはちょっとさすがに。。。とは思いますが、微妙なラウンドを保田に振ればそうなるのでしょうか?

ともあれ、中盤以降はかなりの数のクリンチ、というか揉み合いであり、序盤の空中戦めいた戦いが消えてしまったのは非常に残念。

ともあれ、日本のライト級はまだまだこれから盛り上がるはず。保田には、今日の勝利に満足することなく、国内強豪との戦いを見せてほしいですね。

 

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