2月ももう終わりですね。
寒さは徐々に和らぎ、日は少しずつ高くなり、春をもうすぐそこまで感じる日々。
嫌なニュースが大きすぎて、良いニュースにも心から喜べない、そんなマインドになってしまう時もありますが、どのような状況でも今を精一杯生きる、自分にできることを一生懸命やっていく、それに注力したいものです。
できることしかできないので、ウクライナの難民のための募金だけはしておきました。それが、どれくらい困っている人の役に立つのかはわかりませんが。
さて、意味不明な前段を書いてしまいましたが、今回のブログは月末に予定されているフェニックスバトルのプレビューです。
2/28(月)フェニックスバトル
日本・WBOアジアパシフィック・スーパーライト級タイトルマッチ
平岡アンディ(大橋)18勝(13KO)無敗
vs
アオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)16勝(11KO)8敗2分
世界を窺う日本のホープ、平岡アンディ。
2013年にスーパーフェザー級でデビュー、翌2014年の新人王戦はライト級でエントリーして東日本新人王となりました。
全日本新人王決定戦は棄権するも、その後もキャリアを積み、初代日本ユース・スーパーライト級タイトルを獲得しました。
その後も順調にキャリアを積み、2019年には世界挑戦経験者で元日本及びWBOアジア・パシフィック王者だった近藤明広(一力)を退けて名を上げ、トップランクと契約してラスベガスのリングにも立ちました。
その強さゆえに敬遠され、なかなか対戦相手が決まらない、という時期もありましたが、2021年に日本・WBOアジアパシフィックの王座決定戦のチャンスが巡ってきます。
大幅に体重超過した佐々木尽(八王子中屋)の強打を空転させ続け、11RTKOの完勝で見事戴冠。
キャリア序盤、線も細く、やや心配になるようなボクシングのときもありましたが、近藤との試合やラスベガスの試合、そして佐々木戦は力強さを増し、様々な経験を経て本当にたくましくなったと思います。
ガーナの血が入っている平岡は、日本人としてのサムライの魂、距離やボディムーブ等を駆使してディフェンスから組み立てる、アメリカナイズドされたといえるボクシング、多国籍な戦いをするボクサー。
そのボクシングは本場のリングでも全く遜色のない、まさに日本のホープ。
対してアオキ・クリスチャーノというボクサーは、ブラジルの血の入った闘争本能溢れるファイター。
2006年のプロデビュー、強豪との対戦を避ける事なく突き進んできた叩き上げのボクサーは、敗戦こそ多いもののその相手は細川バレンタイン、岡田博喜、井上浩樹、永田大士といずれもトップクラスが多いです。
角海老宝石ジムに移籍してからは5勝(4KO)1敗と好調で、特に前戦で近藤明広(一力)からダウンを奪い、下馬評不利という中勝ちきったのは非常に大きな事。
この勢いを駆って、非常に評価の高い平岡アンディに挑みます。
平岡は日本、WBOアジアパシフィックというふたつの地域タイトルを保持しているほか、世界ランクも持っています。
更に上を目指しても良いとは思いますが、ここでアオキの挑戦を受けるというのは「王者」としてのプライドに満ちていると思います。
あくまでも平岡の戴冠は「決定戦」であり、防衛戦をこなしてからこそ王者と呼べます。
さて、アオキは調整試合の相手とするにはなかなか危険な相手。このボクサーは、安定的に力を発揮するタイプというよりも、そのモチベーションによって大きく強くなれるボクサーのようにも思います。
今回の平岡戦は、アオキにとっては非常に大きなモチベーションを作る事が容易い相手。勝てば、全てが手に入ります。
そんなアオキはフィジカルとパワーを頼りに初回からガンガン行くのでしょうから、平岡は序盤は特に一瞬も気を抜いてはいけません。
佐々木尽よりもキャリアを持ち、戦術面において優れているであろうアオキのプレスを、また平岡がかわし、いなし、後半にかけてポイントを奪っていくという展開になるのだと思いますが、そうはいってもやはり序盤は怖いところです。
逆にアオキは序盤勝負、ラウンドが進むにつれて不利になっていくことが予想されますので、初回から勝負をかけなければいけないかもしれません。
インタビューを見る限り、アオキは平岡に恐れを抱いておらず、当然勝つ気は満々。
これまでのパフォーマンスを見る限り、平岡の敗北という想像はつきにくいものの、アオキも侮れません。これは非常に楽しみな一戦です。
OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチ
古谷昭男(六島)9勝(3KO)4敗
vs
橋詰将義(角海老宝石)18勝(11KO)無敗2分
福永亮次(角海老宝石)が3冠王者として君臨していましたが、福永が井岡挑戦のためにすべてのタイトルを返上したがゆえに決まった王座決定戦。
確か当初はOPBF王座のみの決定戦でしたが、そこにWBOアジア・パシフィック王座ものっかり、2冠の王座決定戦となりました。
正直、王座は一つで良かった気がします。
が、これも非常に興味深い一戦です。
古谷昭男というボクサーは、つい最近までさほど注目されるようなボクサーではなかったと思います。
しかし、前々戦で元OPBF王者の中山佳祐(ワタナベ)を、前戦で元日本王者の奥本貴之(グリーンツダ)をいずれも僅差の判定で破り、大金星を上げるとともい一気にランキングを奪い、今回の決定戦に出場することになりました。
中山戦前はランク外だった日本ランキングは現在3位、ランク外だったOPBF、WBOアジアパシフィックにも入り、更にはIBFの世界ランキングまで獲得。一攫千金とはこのことです。
この中山戦、奥本戦の勝利は、決してフロックではないはずです。
六島ジムというところは、本当にアップセットを起こしまくっているジム。勿論、本人たちは勝算があって臨んでいるのでしょうから、アップセットとか金星とか言うと失礼にあたってしまうのでしょうが、やはり経歴やら持っている武器やらを見てみるとアップセットと言いたくもなります。
古谷というボクサーは、プロデビューから4勝4敗、しかも湊義生(JM加古川)には二度も負けています。そこから5連勝、決してきれいな戦績ではないものの、何かを起こしてくれる期待感というものがこのボクサー「にも」あります。六島ジムのボクサーはみな、そういう雰囲気を持っています。
とにかくこの古谷は、スタミナと根性、ハートのあるボクサー。光り輝く、美しいセンスの持ち主ではないからこそ築き上げられた、愚直で、努力の集大成のようなボクシング。
対して橋詰は無敗で、基本に忠実でキレイなボクシングをする巧いボクサー。
基礎がしっかりと出来上がっている、つまりは穴の少ないボクシングであって、このボクサーが無敗をキープできていることも頷けます。
2018年に奥本貴之の持っていた日本王座に挑むも、ドローで獲得ならず。
ブランクを作って角海老宝石ジムへ移籍、初戦は2021年7月に湊義生を最終回(8R)TKOで退けています。
両者の持っている武器を比較すれば、橋詰の勝利は固いようにも思えます。
しかし、相手は「あの」六島ジムの、「あの」古谷昭男です。
古谷の快進撃がまだ続くのか、それとも橋詰が2度目のタイトル挑戦で王座を獲得し、角海老宝石ジムにあったベルトを奪還するのか。
熱戦に期待です。
ライト級8回戦
保田克也(大橋)8勝(5KO)無敗
vs
仲里周磨(ナカザト)10勝(7KO)2敗3分
これもまた、素晴らしいマッチアップ。
素晴らしいマッチアップというよりも、ともに冒険しすぎな程だと感じます。
元・中央大学ボクシング部主将である保田は、言わずと知れた元アマエリート。ここまで全勝できています。
対して仲里は、あの仲里繁の息子であり、前戦では吉野修一郎(三迫)の持っていた日本タイトルに挑戦したボクサー。
父同様に好戦的な仲里がプレスをかけていき、どちらかというとボクサータイプの保田がカウンターを狙う、という展開にはなりそうですが、これはなかなか予想のしづらい一戦ではないかと思います。
心情的にはやはり父の代から見ている仲里を応援したいです。
その他に6回戦が1試合、4回戦が2試合と全6試合での興行です。
放送・配信
このフェニックスバトル興行は、今回はひかりTVでの生放送が決まっています。
ひかりTVに加入していない方でも、「ひかりTV」のエントリープラン(350円/月)に申し込めばライブ配信を視聴することが可能です。
ひかりTVアプリ/スマホで推し活はじめるなら、見たいが見つかるひかりTV | ひかりTV
ちなみに注意点としては、あくまでもライブ配信、ということです。
FODプレミアムのように、追っかけ再生や見逃し配信の機能はありません。
アーカイブは、試合から1週間たたなければ上がってこないので、この興行をライブで見れない場合、一週間待たなければ映像を見る事はできません。
ここは何とかしてほしいところですね。18:00に仕事が終わってからだと、全試合は見れませんから。
尚、興行開始は18:00〜なので、放送開始もそれくらい(少し前くらい)だと思います。