スーパーバンタム級に動きあり!
井上尚弥のスーパーバンタム級のキャリアは、転級早々にクライマックスを迎えることになるかもしれません。
すべては7/25(火)の試合に勝利してからの話であり、今はまだ絵に描いた餅ではあるものの、この動きは日本ボクシング史上最高傑作と呼ばれるボクサーにとって、そしてそのファンにとって非常に胸熱な展開ではないでしょうか。
今回のブログは、スーパーバンタム級、加速する統一ロードについて。
↓WBAの発表についての記事
WBAはタパレスに王座統一戦を許可!
BoxingSceneが報じたところによると、WBAは王者、マーロン・タパレス(フィリピン)の次戦の対戦相手候補として、フルトンvs井上の勝者と戦うことを許可した、とのこと。
元々タパレスには「議論を呼ぶ判定」で勝利した前王者、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)とのダイレクトリマッチが持ち上がっていました。
アフマダリエフの共同プロモーター、ワールド・オブ・ボクシングとマッチルームは、アフマダリエフにリマッチの機会を与えるようにWBAに請願しましたが、これは受け入れられず、代わりにアフマダリエフは亀田和毅(TMK)とのファイナル・エリミネーションバウトをオーダーしたとのこと。
このことによりタパレスは、指名挑戦者であった亀田和毅との一戦、そしてアフマダリエフとのダイレクトリマッチ両方を回避、上手くいけば年内の4団体統一戦のリングに上がることができるようになったようです。
WBC・WBO世界スーパーバンタム級王者、スティーブン・フルトン(アメリカ)は、7/25(火)に日本の有明アリーナで挑戦者で前世界バンタム級4団体統一王者、井上尚弥(大橋)の挑戦を受けることが決まっており、この勝者とタパレスが激突すると考えると間違いなく年内。フルトンが勝てばアメリカ、井上が勝てば日本、いずれにしろロード・ウォリアーであるフィリピン人、タパレスにとっては敵地となりますが、開催地によるディスアドバンテージを感じるようなボクサーでないことだけは明白です。
もしここでタパレスが勝って4団体統一王者になろうものなら、彼の人生は映画です。
割を食った亀田和毅
このニュースは、フルトンvs井上で井上尚弥がかなりの確率で勝利すると信じている日本のファン(Me too)にとっては朗報で、バンタム級で4年半かかった4団体王座統一をたった半年ほどで成し遂げられるなら、これは非常に嬉しいことです。
そしてスーパーバンタム級で幾度かの防衛ののち、更に未知なる階級フェザー級に挑んでもらいたい、というのが大方のファンの夢でしょう。
ただ、割りを食ったのが亀田和毅、これは思いっきりWBAに振り回されていて可哀想。
元WBO世界バンタム級王者、元WBC世界スーパーバンタム級暫定王者である亀田和毅は、2021年12月に次期挑戦者決定戦でヨンフレス・パレホ(ベネズエラ)に判定勝利。
ちょっとこの挑戦者決定戦は個人的に微妙に思っており、パレホがこの挑戦者決定戦に出場する資格(ランキングも当時二桁)のあったボクサーだったか、と問われるとそうではなかったと思っているクチです。が、当時WBAがオーダーした試合であり、それを反古にするにはなんともさすがWBA、という他ありません。
亀田はその後、強豪ウィリアム・エンカルナシオン(ドミニカ共和国)に久々のストップ勝ちをしており、その力はしっかりと示しています。最新試合は2023年2月、ルイス・カスティージョ(メキシコ)戦で、こちらも5RTKO勝利、連続KO勝利で好調をキープしています。
そしてあとは挑戦を待つだけ、だった亀田に降り掛かってくるのが、ムロジョン・アフマダリエフ戦だというのは何とも笑えません。これはかなり厳しい戦いになりそうです。
アフマダリエフはさほど速いわけではないので、亀田がスピードでかき回す可能性もなくはありませんが、あの強烈なフィジカルによって押される可能性の方が高いか。ただ、亀田もこれまでKO負けはなく、アフマダリエフの強打もやり過ごすことができればチャンスはあるはずですね。まあ、たぶんMJを応援するんですけど。。。
「割りを食った」とはいえ、このアフマダリエフvs亀田の勝者は、4団体統一王者に挑戦できることになります。これはこれで、メリットの無い戦いとは言えません。
IBFはエリミネーター
WBAは、自分のところの指名試合よりも4団体王座統一戦となる試合を優先しました。では、IBFはどうでしょうか。
実はマーロン・タパレスはもともとIBFの指名挑戦者としてアフマダリエフ戦に臨みました。なので、IBFでは次の指名挑戦者を決める戦いが起こるのはこれからです。
それは既に目前に迫っており、6/17(日本時間6/18)ライース・アリーム(アメリカ)vsサム・グッドマン(オーストラリア)の間でIBFの指名挑戦権が争われます。
これに勝利したボクサーに対して、IBFが指名挑戦試合をオーダーする可能性は高くはありません。おそらくこちらも、この勝者は(順番的にWBAの次くらいになりそうですが)4団体統一王者への挑戦権が与えられる、ということになるのではないでしょうか。
WBCとWBOはどう動く
WBC、WBOのスーパーバンタム級ランキング、現在のトップコンテンダーはともに井上尚弥です。この両団体の指名挑戦者として、井上尚弥は7/25にリングに上がります。
なので普通に考えれば、どちらが勝利したにせよすぐさま指名挑戦試合が指令される可能性は低い。
ちなみにWBCの2位はルイス・ネリ(メキシコ)、WBOの方は2位以下がアリーム、ネリ、グッドマン、カシメロとなっているため、もし井上尚弥がフルトン、タパレスを倒して4団体統一をした暁には、いくつもの大変興味深い戦いが見られそうですね。日本でも有名なボクサーも多く(日本のリングから永久追放されているのも含め)、スーパーバンタム級でもまだまだ楽しめそうですね。
ともあれ、勿論これは7/25に井上が勝利することが絶対条件であり、ここで井上尚弥が負けてしまえばライト層のボクシングファンにとっては一気に興味を失う戦いになってしまいます。井上尚弥のいるうちに、一人でも多くのボクシングファンをつくってもらいたいこともあり、モンスターのスーパーバンタム級統一に期待です。
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