信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】元統一王者、ジョージ・カンボソスのカムバック戦とキーショーン・デービスの登場!

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アメリカはオクラホマ州、シャウニーのファイアー・レイク・アリーナ。

7/22(日本時間7/23)、さほど話題には登っていませんがジョージ・カンボソスJr.(オーストラリア)の復帰戦です。

テオフィモ・ロペス(アメリカ)を抜群のボクシングで破り、世界ライト級3団体統一王者に輝いたカンボソスでしたが、続くデビン・ヘイニー(アメリカ)との世界ライト級4団体統一戦では何も出来ずに判定負け。この再戦にも敗れ、ここから仕切り直しとなります。

「世界ライト級3団体統一王者」というものすごい肩書を持つオセアニアのボクサーは、未だその実力は疑問視されていると思います。

が、私はオーストラリア人の勤勉なタイプのボクシングは大好きであるし、忘れられないのは初防衛戦でロマチェンコを指名していたこと。この侠気あふれるボクサーを応援せずにはおれません。

ということで今回のブログは、ESPNで放送されたジョージ・カンボソスJr.vsマキシ・ヒューズ(イギリス)をメインに据えた、トップランク興行の観戦記。

 

7/22(日本時間7/23)アメリカ・オクラホマ

ジョバニ・サンティリャン(アメリカ)vsエリック・ボーン(エクアドル)

ウェルター級30勝(16KO)無敗のプロスペクト、ジョバニ・サンティリャン。対するは27勝(14KO)6敗のエリック・ボーンということで、調整試合とも取れる試合。

ただ、今回このエリック・ボーンが非常に頑張り、最初から最後までほぼ互角の戦い。

サンティリャンの旺盛な手数に負けない手数とスタミナを披露したボーンは、前半ややサンティリャンにリードを許すも、5Rあたりから挽回しはじめ、8Rを終えてのパンチスタッツでも完全にならんでいます。

そして終盤の9R、10Rもしっかりと打ち合った両者は、規定の10Rを終えるとともに手を掲げて勝利をアピール。

トータルパンチスタッツは、サンティリャンが213/692、ボーンが224/591ということでヒット数はほぼ同じ、

果たして判定は、98-92、97-93×2でサンティリャン。もっと競っていたとは思いますが、サンティリャンの方がよりアクションが多かったことから、こういう結果だったのかもしれません。初回、7R、8Rあたりがボーンのラウンドだったのかな、という感じですね。

 

キーショーン・デービス(アメリカ)vsフランセスコ・パテラ(ベルギー)

8勝(6KO)無敗、期待のプロスペクトキーショーンがセミファイナルに登場です。対してパテラは28勝(10KO)3敗。ライト級の世界ランカー対決、キーショーンはもうここまで上がってきていたのですね。

WBCのUSAタイトル、WBOのインターコンチネンタルタイトルがかかるこの一戦、もしかするとキーショーンが勝ってカンボソスが勝てば、アラムはカンボソスvsキーショーンを画策しているのかもしれません。

そろそろ、キーショーンは元王者を相手にしても良いレベルに来ているかもしれず、そうなると世界ランカーとはいえどもパテラを相手に苦戦は許されないところ。

初回、リラックスした状態からプレスをかけるキーショーン。パテラは早々に下がり、サークリング、しっかりとしたファイティングポーズを持っており、オーセンティックなヨーロピアンスタイルのボクサーに見えます。

余裕の表情でパンチを打つことなくプレスをかけ、時折鋭いジャブ、そして相手がでてくればバックステップとボディワーク、そしてブロッキングのキーショーン。

2R、初回の後半からペテラもややプレス気味、リング中央でのボクシングを心がけます。キーショーンにとってはきっとこの方がやりやすく、相手に手を出させてカウンターのタイミングを測っているようにも見えます。

 

品定めをしているようなキーショーンは時折コンビネーション、パテラの攻撃を見きっては身体を寄せて被弾を回避。

3R、中間距離で敵わじとみたパテラはプレスをかけてチャージ。これは良い判断。

ですがやはりキーショーンは素晴らしい距離感、ディフェンス技術を持っており、パテラのパンチは絶望的なほど当たりません。非常に遠くに届くはずのボディジャブですら、キーショーンはステップバックで外してしまいます。

4R、どうにかがんばってキーショーンに拳を当てようとするパテラの努力は実らず、キーショーンの独壇場。キーショーンのヒット数もさほど多くはないものの、パテラのヒットはゼロではないか、と思うほど。いや、終盤にペテラの左フックがヒットしたように見えたから、1かも。

5R、キーショーンもインサイドで戦おうとしているのか、このラウンドはしばしば距離が詰まります。が、詰まりすぎるというイメージで、密着状態となりパテラの攻撃はあまり効果を持てません。

6R、キーショーンは大きく足をつかってサークリング。追いかけるパテラですが、キーショーンには当たりません。当たりません、なんですけどキーショーンはほぼジャブのみをコツコツと当て、1ラウンドにつき2〜3度のコンビネーションという状態。

観客も非常に静かに見守っており、エキサイトするような面白い試合ではありません。。。

 

7R、このラウンドは序盤にキーショーンの右クロスがヒット、その後もキーショーンは右ショートフックをヒットしています。

このあたりのパンチセレクトはさすがのものですね。

パテラは徐々にダメージを溜めてきたのか、キーショーンのジャブで押され、下がります。

8R、キーショーンの攻撃が力強くなってきました。が、ここは逆にチャンス到来のパテラも激しい抵抗。

ロープを背負いつつもフルスイングのパンチをリターンするパテラでしたが、残り1分のところでキーショーンの右カウンターが炸裂!パテラはダウン!!

立ち上がったパテラを攻め立てるキーショーン、パテラはブロッキングとフルスイングで乗り切り、このラウンドをサバイブ。

素晴らしいカウンター、よくメイウェザーがやる右手を伸ばすだけ、タイミングだけのカウンターですね。

9R、ここまでくるとパテラは最後まで立っていられるか、キーショーンは倒しきれるかの勝負。ですがパテラはまだ諦めてはおらず、やはり攻めてくるキーションの攻撃を耐えてのリターンを狙っています。それでもこのリターンをしっかりと警戒し、雑にはならないキーショーンに当てるのは至難です。

 

ラストラウンド、パテラはエネルギッシュに攻め込み、キーショーンは躱して打つ。ここもさほど盛り上がる場面はないまま終了、勝負は判定へ。

判定結果は、100-89×2、99-90でキーショーン。

力の差が歴然だっただけに、倒して勝利をしてほしかったですね。パテラがタフだったというよりは、キーショーンの手数は少なすぎたとも言えます。勿論倒すことが全てではありませんが、やはりここまで圧倒していればストップ勝ちを目指してほしいものです。

ジョージ・カンボソスJr(オーストラリア)20勝(10KO)2敗

vs

マキシ・ヒューズ(イギリス)26勝(5KO)6敗2分

本日のパフォーマンス次第では、正直キーショーンの方が評価が高くなってしまうのでは、と思うほどいまいち評価の定まらない元ユニファイド王者、ジョージ・カンボソスJr。

マキシ・ヒューズというボクサーは、イギリス国内どまりのボクサーではありましたが、コロナ禍以降はなぜか調子がよく、地域タイトルの獲得やIBOの世界タイトル獲得、そして前戦ではそのタイトルを元IBF世界スーパーフェザー級王者、キッド・ガラハッド(イギリス)から防衛しており、現在絶好調と言えます。

いずれにしろ、カンボソスが素晴らしいパフォーマンスを見せて、「さすが元統一王者」という雰囲気になってもらいたい、というのが個人的願望。

 

さて、ゴング。

ヒューズはハイガードのサウスポースタイル、カンボソスは柔らかなスタンスから鋭いジャブ。カンボソスは非常にキレていますが、ヒューズもそのカンボソスにしっかり反応してリターン。

カンボソスは右足を前に出しながら右をダブルで打って踏み込みますが、これがヒューズの格好の的のようで、このとき、ヒューズのリターンは浅くながらもヒットしているように見えます。

2R、カンボソスがリードを伸ばしてヒューズを牽制。そこから右に繋げますが、この右はなかなか当たりません。ヒューズはあまり手を出さないですが、良い距離感を保っているように見えます。中盤、ヒューズの左ストレートがカンボソスを押し、のけぞらせます。その後、カンボソスもヒューズの入り際に右をヒットして互角の展開です。

3R、中間距離での攻防、ヒューズのアッパーが怖い。ちょうどカンボソスが右を打った後に出てくるヒューズの左アッパーのいくつかがヒット、カンボソスは攻め方を変えなければいけません。ヒューズはこのパンチ、狙っていそうです。

4R、カンボソス、思っていた以上にハンドスピードが速いですね。ただ、サウスポーが苦手なのか奥手の距離感があまりあっていないようにみえます。

ヒューズはカンボソスにハンドスピードで劣りますが、反応はしっかりとできており、カンボソスの攻めに対しては小さなバックステップで被弾を回避しています。

 

5R、踏み込みもなかなか鋭いカンボソス、内側からえぐるようなジャブを多用。なので必然、ヒューズの前足の内側に踏み込むような格好となりますので、やはり右は打ちにくいか。

1分すぎ、踏み込んだカンボソスにヒューズの右がヒット!一瞬動きが止まったように見えたカンボソスにヒューズは襲いかかります。ここをファイトすることでサバイブするカンボソスですが、左目付近からは鮮血が。

これはカンボソスにとっては結構まずいペース、ヒューズの左ストレートは結構当たりますが、カンボソスの右は一向に当たる気配がありません。これは定石通り、前足を外側に出すべきではなかろうか。

6R、カンボソスは気合の表情。ただ、パンチスタッツのヒット数、ヒット率はどんどん離れていそう。

先手をとるのはカンボソスが多いですが、ヒューズのリターンは徹底されており、カンボソスも攻めづらそう。その中で、ヒューズが稀に攻めると、この左ストレートがカンボソスにヒットします。

が、ヒューズも左目付近をカットしてしまったようです。これは、バッティングかもしれません。

7R、手を出すも届かないカンボソス、手を出さずとも稀に出したパンチを当てるヒューズ。

ヒューズのカットは眉間近くの位置のようで、血が止まってないのが嫌な感じですね。このラウンドは後半、カンボソスが効果的な攻撃を見せます。非常に余裕を見せるカンボソスですが、ポイント的にはそんなに余裕はないはずです。後半は巻き返していかなければいけません。

8R、ハンドスピード、踏み込みスピードは速いのに当たらないカンボソスのワンツー、それを躱してヒューズのワンツーはヒット。アクションの多さもカンボソスですが、ヒューズはいぶし銀のようなポジショニングと距離感で十分すぎるほどに太刀打ちできています。

 

実況も同じような試合展開に飽きているのか、フルトンvs井上をガンガン宣伝しています。せめてラウンド中は試合の実況しろや。

9R、カンボソスもリターンを警戒して攻め込めず、ヒューズは基本距離をキープして待ちのボクシング。

クリーンヒットが少ない展開の中で、交錯するタイミングでの攻防です。

こういう展開はどちらに流れてもおかしくないラウンドではありますが、前半から中盤くらいにかけてヒューズにポイントが流れていそうなので、カンボソスは残り3R、行かなければいけないのではないでしょうか。

10R、トータルパンチスタッツが出ました。カンボソス64/344、ヒューズ73/260。思ったより競っていましたね。4Rくらいだったか、単体でのパンチスタッツは非常に大きな差が生まれていましたが、どうやらカンボソスは少しずつ巻き返してきていたようです。

試合開始からずっと打っていたカンボソスの右のダブルが浅くながらもようやくヒット。しかしその後の交錯のタイミングではヒューズの左ストレートがヒット、どちらも譲りません。

 

そして、エキサイティングとはいえないこの中間距離の、ともにやや慎重な試合内容に観客は完全に座ったまま、響き渡るのは陣営や関係者の声。

11R、チャンピオンシップラウンドに入っても全く展開は変わらず、カンボソスは相変わらずのハンドスピードでジャブ、そしてワンツー、ツー。ヒューズはカンボソスが入ってくるところを躱して左アッパーカットを顔面、ボディへちらして右フック。

カンボソスの攻めは素早さこそありますが画一的なパターンであり、ヒューズはリターンにワンツーを選択したりとややバリエーションがありますね。

ラストラウンド。もはやヒューズは思い切ってクリンチに行く等の戦法を取っています。そして実況はというと、「イノウェイ」「イノウェイ」と言っており、一生懸命次の放送の宣伝をカマしています。アメリカではAM4:30からの放送だそうです。がんばれ、アメリカのボクシングファン!

試合に戻ると、残り時間が少なくなるにつれ両者とも強振しはじめます。が、決定的な場面は訪れないまま12Rが終了。

ラストラウンド終了のゴングがなると、両者ともに勝利をアピール。ヒューズはセコンドに肩車されてもいます。

果たして判定は、114-114、117-111、115-113でなんとジョージ・カンボソスJr。

114-114という採点が発表されたとき、露骨に嫌な顔をしたヒューズ。3人のジャッジの採点が発表されたあとはさっさと帰ろうとして呼び止められ、カンボソスと挨拶しているときも非常に不満気な表情。これは。。。可哀想ですね。。

 

ちなみにESPNによる非公式採点は、117-111でヒューズ。

実際、映像で見るのと現地、しかもジャッジ席で見るのはまた違ってみえることは事実としてあります。が、それにしてもここまで真逆というのはなかなか珍しいものですね。

カンボソスが優遇されるボクサー(カネロ的)なのか、というとそうは思えないので、これはジャッジからの見え方と俯瞰しての見え方で随分違ったのかもしれません。

まあ、とにかく後味は悪いですね。ヒューズはうまく戦いましたが、残念。ちょっと消極的すぎたのかもしれません。(それにしたって3Rしか取れていないというのは異常に思います。)

せめて、マキシ・ヒューズにもう一度、米国でのチャンスが訪れることを願います。

 

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