さて、3連休。
だからといってゆっくり休めるわけではなく、きたる国体ブロック予選に向けてがんばらないといけません。なかなか平日に指導ができないので、土日は少しでも教え子たちに使いたい。
そんな中、やっぱりプロボクシングも見たいという中で、今週末は結構盛りだくさんですね。
8/11(山の日)は3150FIGHT。
世界タイトルマッチこそなくなりましたが、西田凌佑のIBF世界バンタム級挑戦者決定戦は興味深いし、福永宇宙の登場も見逃せません。
で、今日気づいたのですがメインは中川麦茶vs亀田京之介なんですね。その他にも試合順は(個人的には)超微妙、これが3150FIGHTの良いところなのかもしれません。一般的に注目されているファイトをメインにもってきた、という感じなのでしょうか。(どれぐらい話題になっているのか、情報とってないのでよくわかりませんが)
まあともあれ、個人的メインは西田。
ということで、今回のブログは8/11に行われた3150FIGHT(当然アーカイブ視聴)の観戦記。
8/11(金)3150FIGHT
スーパーバンタム級8回戦
福永宇宙(黒潮)12勝(6KO)無敗
vs
村井貴裕(名古屋大橋)18勝(6KO)10敗2分
「四国」というプロボクシング不毛の地から、彗星のごとくあらわれた福永宇宙。四国のプロボクシングジム所属として初の全日本新人王になった、非常にオーセンティックなボクサーファイター、これは応援せずにいられません。(私の出身が四国の端っこなので)
初回は静かな立ち上がり、まずは互いにジャブで距離を計ります。徐々に徐々にプレスをかけつつあるのは福永、フェイントをかけて前進。村井はノーモーションのジャブ、やや下がりつつの戦いです。
村井の方が身長、リーチともに勝るというところか、福永はジャブから右ボディストレート。遠くまで届くパンチを意識的に使っているように見えます。
2R、村井のジャブはよく伸び、長い距離でのアングルを変えての左フックも良い。この左で撹乱してカウンターを取ろう、という感じでしょうか。
対して福永は力強いジャブで踏み込み、右ボディストレートから顔面への左フック。
3R、互いに持ち味を出しつつも、なかなか見せ場を作ることはできない展開。福永の前進が大きくなり、村井の動きも大きくなる。福永はアグレッシブに前進するものの、ちょっと届いていない雰囲気で、村井は上手く回っています。
福永は相手の反撃をぐっと受け止めてインサイドで戦い続ける必要がありそうです。
4R、福永はプレスを強めます。村井の反撃に、これまでは下がっていたところをしっかりと受け止めてリターン。これは正解の戦い方のように思います。このラウンド後半、福永はインサイドでいくつかのパンチをヒット、村井も力強くリターン。
5R、福永のプレス、村井は快調にステップからのカウンター。中盤、ロープ近くで福永がコンビネーション。これの上下の打ち分けは素晴らしく、また非常にスムーズ。
後半には序盤体し続けているジャブからのボディストレート、村井も右カウンターをリターンと譲らず。
6R、このラウンドは福永がまた一つギアをアップしたのか、リングのカットオフが良くなります。どちらかというと「地方ジム」と聞くと基本をおろそかにしがちというイメージがいまだありますが、黒潮ジムは基本をしっかりやっていそう。
これには村井も危機感を感じたか、下がるばかりではなく前に出て対応。
7R、戦いは互角、と言っても良いでしょうが、ここまでの印象的にはパンチのインパクト的に福永のような気がします。このラウンドも福永のパワージャブは村井の顔面を弾いています。
後半は村井も福永も良いジャブを当て、その後右カウンターもヒット。福永は終盤村井を詰めてラッシュ、これはジャッジ泣かせですね。
ラストラウンドは大歓声でスタート。前半、福永がボディを交えた素晴らしいコンビネーション、村井もアッパーを交えたコンビネーションをそれぞれヒット。
中盤、村井は手数を出してポイントを奪いに来ますが、その後福永も印象的な右をヒット。
後半にも村井は前に出て押していき、福永をコーナーに詰める場面も。
ともに持ち味を発揮し合った技術戦、判定は77-75×2、78-74で福永宇宙。
やはり、これはどちらかというと前にでて常にしっかりとパンチを放っていた福永に軍配が上がりました。こうして互角の展開でポイントをとれる、というのは一つの利点。
四国の星のチャンピオンロードを応援していきたいと思います。
続いての試合は但馬ミツロが登場して初回TKO勝利。
IBF世界バンタム級挑戦者決定戦
西田凌佑(六島)7勝(1KO)無敗
vs
クリスチャン・メディナ(メキシコ)21勝(14KO)3敗
注目のセミファイナル(おそらく多くのボクシングファンにとってはメイン)、西田vsメディナ。明後日に控えるエマニュエル・ロドリゲスvsメルビン・ロペスの勝者への挑戦権をかけて激突です。
↓プレビュー
このメディナというボクサーがどんなボクサーかはわかりませんが、西田の挑戦権獲得に期待しましょう。
ということでゴング。
初回、まずはリング中央。西田は鋭いジャブから速いバックステップ、まずもって触らせない戦い。この中で西田は下がりすぎることがないので、メディナもさほど攻めてはいけません。
西田の調子は非常に良さそうで、身体のキレが素晴らしい。
2R、ボディジャブを散らす西田。メディナもギアアップ、パンチのキレ、身体のキレが前ラウンドよりもアップしています。
メディナは右のダブル、キレのあるダック、さすが世界ランカーという動きを見せています。
それでも西田には、特に顔面には全く当たらない、これは恐るべし西田凌佑。
3R、メディナは変則的な動きから西田の牙城に迫ります。西田はあくまでも冷静、距離感も抜群でメディナの攻撃を紙一重で躱します。
メディナとしてはボディから崩さなければいけませんし、場合によってはラフに行く必要がありそうです。中間距離からの踏み込みでは、西田にそのほとんどがバレている感じ。
4R、この中間距離の攻防というのは垂涎ものです。メディナにもパワーパンチという武器があり、西田には抜群の距離感があります。
果たして世界戦だと言われても遜色ないかもしれない戦いです。
5R、このラウンドは西田のワンツーがまっすぐに入りました。もしかするとここから大きく差がついてくるか、とも思いましたが、メディナもボディからのコンビネーションで反撃。
お互いにパンチの的中率が上がってきます。互いが、互いの戦い方に慣れてきたのでしょう。
6R、集中力を切らした方が終わり、と考えると、メキシカンよりも日本人に分があるのでは?と期待しています。
このラウンド、西田の左カウンターが冴え渡ります。相手が打ってくるところ、打ち終わり、そこに顔面、ボディへとキレのあるストレートをヒット。終盤には一瞬、メディナの動きが止まったように思います。
7R、インサイドに入りたいのはメディナですが、入ろうとする前にジャブをちらしてその前進を阻む西田。だから、試合を作っているのは西田に見えます。
西田の左はこのラウンドも冴えていましたが、終盤、メディナの右がとうとう西田の顔面にヒット。これは怖い。
8R、このラウンドも互いに持ち味を発揮、西田は素晴らしい距離感からのジャブ、カウンター。メディナは力強いパンチを振るいます。
メディナはいつからかサイドへのピボットを頻繁に使うようになっていますね。
9R、衰え知らずの西田のジャブとステップワーク。対してメディナはちょっとペースダウンか。パンチングパワーの衰えこそありませんが、少し正確性や打ち終わりのケアが雑になってきたか。終盤、西田が攻勢。
10R、メディナのボディがよく入りますが、やはりちょっとやや動きが緩慢になっているイメージ。相変わらず変わらないロボットのような西田は、美しい左ストレートをこのラウンドもヒット。
11R、ここはメディナがプレスを強めてチャージ。頭を振ってチャージするも、西田はリードを伸ばしてバックステップして対応。
このラウンドは西田はややディフェンシブに戦います。勝利を確信しているのか、それともこのラウンドだけはやり過ごそうとしているのか。ともかく、このディフェンシブな戦いの西田は本当に素晴らしい。
ラストラウンド、メディナはラフ目にチャージ!前半、メディナのショートの右が西田にヒットします。メディナはブンブン振り回しますが、パンチのキレはまだあります。正確性はちょっと諦めているか、それでもとにかく前進してきます。
西田は未だ集中力を完璧に保ち、右リードを効果的に使ってからの左ストレート。
そして規定の12Rが終了、勝負は判定へ。
判定は、116-112、117-111、118-110、3-0の判定で西田の勝利。
全体的に試合を支配していたのは西田、メディナに2ポイントしか入らなかったのはやや不憫に思いますが、これは致し方のないことかもしれません。
ともあれ、西田凌佑、見事IBFの世界挑戦権を獲得!!
これほどの素晴らしいボクシングを持っていても、「世界奪取確実」とは言えないところがあるのがIBF世界バンタム級王座決定戦に、エマニュエル・ロドリゲスが出場するからです。
ロドリゲスvs西田なんて、とんでもない技術戦になりそうです。
ロドリゲスvsロペスのIBF世界バンタム級王座決定戦は、U-NEXTで放映です!!
(試合終わったボクサーは早めに控室に帰してほしいですね。)
中川麦茶(一力)27勝(17KO)9敗2分
vs
亀田京之介(ハラダ)10勝(7KO)3敗1分
中川は非常に試合巧者、亀田京之介はなかなかのカウンターパンチャー。
くだらない煽りは本当にいらないので、私はちゃんとしたボクシングの試合だけ見れれば良い。
初回は中川が前進してフェイント、プレスをかけます。亀田は下がりつつカウンターを狙い、時折ビッグパンチ。まだ様子見段階ですね。
2R、中川のフェイント、プレスで下がる亀田ですが、亀田も右カウンター。先手をとるのは中川の方ですね。
3R、中川がプレス、というのは変わらないものの、このラウンドは亀田が先に攻める場面が目立ってきます。
中盤、クリンチから二人で倒れる場面があって以降、中川も攻めていきます。このラウンドは中川が亀田を詰めて連打を放つ場面もあります。その際、亀田も常にカウンターを狙っています。
4R、中川の右に対して左フックカウンターを狙う亀田。これは十分に気をつけていた中川でしたが、中盤、亀田はカウンターショットを右に変えてこれをヒット。
この後、中川はちょっと手数が控えめになってしまいます。
5R、展開としては同様で、中川も攻める場面を作りますが、亀田のカウンターも冴えています。中川もこれを首を捻っていなす等していますが、ちょっと見栄え的にもらっていると思われる可能性も。
6R、互いに警戒心があり、なかなかお見合いの時間が長い。中川は右オーバーハンド、ボディも含めて効果的なコンビネーションを打っていますが、亀田は右カウンターの一発のみ。一点突破ですね。
7R、前ラウンドで良い戦いができた中川が余裕を持ってプレス。中川は長いジャブ、からの右オーバーハンド。亀田は次の手立てを考えなくてはいけませんが、ちょっとやはり一辺倒。
ビッグパンチこそないものの、中川のジャブはコツコツと当たっています。
ラストラウンド、亀田が前に出てきます。近い距離での打ち合いともなりますが、出せばリターンが返ってくるカウンター合戦でもあります。
全体的にみて、非常にヒリヒリするような好試合だったと思いますが、無駄な煽りとかがあったせいで個人的にはあまり気持ちは上がらず。
規定の8Rを終え、判定は77-75中川、77-75亀田、76-76ドロー、ということで3者3様のドロー。良い試合ではありましたが、やはり西田がメインであるべきだったなと思います。
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