信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

出揃った「バンタム」!!Undisputedを目指すそれぞれのチャンプに立ちはだかる挑戦者たち。

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7ヶ月。

井上尚弥がバンタム級の王座を返上したのが日本時間2023年1月13日だから、本当にちょうど7ヶ月です。

8/12(日本時間8/13)、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)がそのテクニックを遺憾なく発揮し、トップコンテンダーのメルビン・ロペス(ニカラグア)に何もさせずに完勝し、IBF世界バンタム級王者に輝きました。

思えば、ロドリゲスはプレスをかけつつカウンターをちらつかせ、結果ロペスに何もさせなかったわけで、そうなるとロペスが弱く見えたのも頷けます。

そんなわけでとうとう揃った世界バンタム級の王者たち。

井上尚弥に倣い、「王座統一」を次々と口ににする世界バンタム級王者たちをピックアップ。

 

いよいよ出揃った4人の王者「たち」

王者「たち」と言っても全然違和感がないのは不思議なことです。一つのスポーツに、王者がこんなにも存在するのは非常に珍しいものです。

そのことにもすっかり慣れた、というよりも私のようなオールドファンでさえ「王者」は複数いることが当たり前に育ってきたので、違和感がないのは当然のことです。

日本がWBA、WBCしか承認していなかった時代、王座を統一しようなんて日本人ボクサーはほとんどいませんでした。しかし今、4つのベルトをかけて次々と王者同士がぶつかり、まるで1960年代に戻ったかのようにナンバーワンを決めようとしています。

史上初の4団体統一王者となったのは2004年、バーナード・ホプキンス(アメリカ)。

そのホプキンスから4つの王座を奪ったジャーメイン・テイラー(アメリカ)をこのリストに加えるのはやや歯がゆく思う節もありますが、そこから3人目に至るまでは長いときが流れ、2017年までいかなければなりません。

 

2017年にテレンス・クロフォード(アメリカ)がスーパーライト級王座を統一してからこの流れは加速、翌2018年にはオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)、2021年にジョシュ・テイラー(イギリス)といったWBSS出場組が4団体を統一。

2021年にはたった11ヶ月でカネロ・アルバレス(メキシコ)がスーパーミドル級で4団体を統一、翌2022年にはジャーメル・チャーロ(アメリカ)がスーパーウェルター級で王座統一。この二人が9月に激突する、というのはフェアではないかもしれませんが、注目のマッチアップと言えるでしょう。

2022年は当たり年で、チャーロのほかにデビン・ヘイニー(アメリカ)、そして井上尚弥(大橋)がそれぞれ王座を統一。2023年はまたもテレンス・クロフォードが登場、スーパーライト級に続いてウェルター級王座も統一しています。

この4団体統一の流れは、明らかに加速していますね。

 

WBA王者:井上拓真(大橋)

18勝(4KO)1敗、このKO率は歴代日本人世界王者の中でもかなり低いほうではないだろうか、と思います。キャリアを終えてみるまでわかりませんが、現在は徳山昌守の生涯キャリアよりも低いKO率。

ただ、見ているとパワーレスには感じません。ただただ、倒すことができないのは、対戦相手がタフなのか、倒すタイミングを持っていないのか。不思議なものです。

この戦績には海外ファンは騙されるのでしょうが、日本のボクシングファンは騙されません。

「モンスターの弟」として常に比べられながらも、国内の強豪を次々と打ち破ってきたこの井上拓真というボクサーは、確かな実力を持っています。

井上尚弥ほどの圧倒的なパフォーマンスではないからなのか、それともやはり日本人だからなのか、とにかくバンタム級の日本人ボクサーたちはこの井上拓真を目指します。いわば日本人の頂点です。

自らの手で挑戦権をもぎ取った石田匠(井岡)は勿論のことですが、日本王者の堤聖也(角海老宝石)も井上拓真挑戦を目標に掲げます。そして、現在行われているバンタム級トーナメント優勝の暁には、選択防衛戦として井上拓真への挑戦が約束されているようです。

リベンジといえば栗原慶太(一力)も井上へ挑戦したいと思いますが、こちらは残念ながらWBAランキングには入っていませんね。

仮に拓真が防衛を重ねるとすると、石田→堤、みたいな感じで日本人挑戦者が続きそう。それはそれで、ちょっと萎えるものです。

 

WBC王者:アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)

ドネアを破る殊勲をあげたアレハンドロ・サンティアゴ。非常にエネルギッシュなボクシングをする27歳は、身長159cmと非常に小さく、それ故に素晴らしいフィジカルと回転力を持ったエンドレスファイターです。

レジェンド・ドネアから初タイトルをもぎ取ったとき、涙にくれる姿を見ると応援したくなりますね。

さて、WBCの動向はどうか。

どうやら1位のナワポーン・カイカンハ(タイ)と2位のビンセント・アストロラビオ(フィリピン)の間で挑戦者決定戦が行われる模様です。しかも日程は8/26、場所は鬼門、タイ。

アストロラビオってこないだマロニーに負けてなかったっけ。復帰戦で挑戦者決定戦とは。

ちなみにカイカンハもその前のWBO世界バンタム級挑戦者決定戦でマロニーに負けていますね。

ちなみにこの戦いが終われば、3位のペッチ・CPフレッシュマート(タイ)、4位の栗原慶太(一力)が繰り上がるのでしょうか。だとすれば、アツいですね。

 

IBF王者:エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)

抜群の巧さを発揮して、メルビン・ロペスに勝利したエマニュエル・ロドリゲス。

ロペスはロドリゲスのカウンターを超警戒、先手を取れる展開にできませんでしたね。逆にロドリゲスは、カウンターだけでなくプレスをかけて自ら攻めるという幅の広さ(もともとあるのは知っていましたが)を見せつけるとともに、序盤におそらくバッティングで痛めた右目をものともせず、フルラウンド戦い抜き、果てはロペスをストップ寸前まで追い込みました。

あれはストップで良かったんですけどね。ロドリゲスはいつも不憫。

ともあれ、勝利こそが絶対条件、エマニュエル・ロドリゲスは遠回りこそすれ元の鞘に収まりました。

このIBFの王座決定戦は、2位のロドリゲスvs3位のロペス、という構図だったようです。現在(ロドリゲスvsロペスの前)のランキングは、4位にレイマート・ガバリョ(フィリピン)、5位に西田凌佑(六島)。

西田は6位のクリスチャン・メディナ(メキシコ)に完勝、素晴らしい高レベルなボクシングを見せてくれています。

順調にいけば、半年とたたないうちにエマニュエル・ロドリゲスvs西田凌佑が、それも日本で、見られるのかもしれません。

ここは亀田ファウンダーの手腕に期待しつつ、ロドリゲスの来日を楽しみに待ちたいものです。

 

WBO王者:ジェイソン・マロニー(オーストラリア)

井上尚弥から黒星をつけられたあと、大きく沈み込んだエマニュエル・ロドリゲスに対し、このジェイソン・マロニーというボクサーは厳しい道を進みつつも、着実にレベルアップをしてきたという印象さえあります。

つまりは、ロドリゲスvsマロニー2が決まったとしても、前と同じ結果にならない可能性も大いにあるのではないか、と思うわけです。

井上戦での敗戦後、プロスペクトのジョシュア・グリア(アメリカ)とのサバイバル戦、井岡とも戦ったアストン・パリクテ(フィリピン)戦、ナワポーン・カイカンハ(タイ)との挑戦者決定戦を経て、王座決定戦はリゴンドーに勝ったビンセント・アストロラビオ(フィリピン)。これはなかなかのメンツでしょう。

非常にオーセンティックなボクサーファイターであるジェイソン・マロニーは、「大きな武器がない」とも揶揄されますが、その気持ちの良い性格を含め、真面目な好ボクサー。イギリスのボクサーの流れを組むようなクラシックスタイルは、誰が見ても好ましく映るものです。

最新のランキングでは、1位にレイマート・ガバリョ(フィリピン)、2位はロドリゲス、3位はロペスなので置いといて、4位にはゲイリー・アントニオ・ラッセル(アメリカ)。

通常、王座決定戦での獲得の場合は初防衛戦が指名挑戦試合となるわけですが、このタイミングで決まっていないのでどうなるのかはわかりません。

ちなみにマロニーが王座を獲得したのが2023年5月なので、井上拓真についで2番目のはず。そろそろ初防衛戦の声が聞こえてきても良さそうなものですが、どうなっているのでしょうね。(とか書いて、このブログが世にでた瞬間に決まっていたりするから怖い)

 

誰に注目!?

井上拓真、エマニュエル・ロドリゲス、ジェイソン・マロニー。ここにノニト・ドネアが加わっていれば、日本のライト層のファンにも届くレベルのバンタム級になったはずです。そうなると4つの団体の話もしやすかったかもしれませんね(笑)。

ともかく、この中で台風の目になりそうなのは、意外とアレハンドロ・サンティアゴではないでしょうか。

あの日のドネアは、加齢も含めて調子が良いとはいえず、無策で、横着をしていました。

それでも尚、そのドネアに勝つことすらも困難なはずです。

そこにしっかりと勝ちきってみせたサンティアゴは、自らの小ささを武器に戦うファイターで、他団体王者たちの洗練されたボクシングとは一味もふた味も違ったボクシングを展開してくれます。

 

最も意外性のあるのは、サンティアゴ。これは間違いないのではないでしょうか。

この4人の中では、最も評価が定まらず、どうしても低くせざるを得ないかと思うのですが、このアレハンドロ・サンティアゴがバンタム級をかき回してくれたら非常におもしろくなりますね。

さて、問題は、井上拓真にも、エマニュエル・ロドリゲスにも、ジェイソン・マロニーにも、長期政権を築いてもらいたい、と思うと同時に、井上尚弥の後をついで4団体を統一してほしい、と思うことなのです。

ということで、世界のバンタム級戦線において、これからを紐解く言葉を添えておくとすると、「みんながんばれ」ということになるのです。

 

 

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