あっという間に9月になりました。
今年も残すところ4ヶ月を切り、あと1/3ですね。
2023年は前半からメガマッチが開催され、7月にはボクシング史に残るような1週間。
そしてその流れから、年末にかけても大変興味深い戦いが繰り広げられようとしています。
ということで今回のブログは、8月末〜9月頭のウィークデイに発表された、年内のファイトニュースについて
テレンス・クロフォードvsエロール・スペンスJr.2
ある種の規定路線だった戦いは、スペンス側が再戦条項を行使する、との情報がリーク。この情報はクロフォードのトレーナーがリークしたもので、つまりはすでに交渉に入っていることが予想される分、非常に信憑性の高いものです。
7/29(日本時間7/30)に行われた第一戦は、クロフォードの圧勝。この結果を持って、文句なしで念願のPFPキングに上り詰めたクロフォードは、その後カネロへの対戦要求を出す等、ぶっ飛んだ情報が出てきています。
この再戦については、減量苦とされるスペンスがウェルター級超のキャッチウェイトを要求、それについてもクロフォードは呑むでしょうから、スーパーウェルター級かその近辺での対戦が予想されます。
スペンスの惨敗が、ウェイトによるものだったのか。
それは、この再戦を見てみれば明らかにはなりますが、果たしてあの試合内容であればたとえウェイトがスペンス優位に働いたとしても結果は変わらないような気もします。
カネロもクロフォードとの対戦可能性を示唆
クロフォードがカネロに対戦要求、というニュースは驚きのものですが、スペンスにあの勝ち方をしてしまったクロフォードには、周辺階級に敵がいないのは事実。
言うまでもなく、ウェルター級4団体統一王者であるテレンス・クロフォードは147lbs(約66.68kg)の王者であり、スーパーミドル級4団体統一王者であるカネロ・アルバレスは168lbs(約76.20kg)の王者、ここには10kg近くの開きがあります。
仮にクロフォードがスーパーウェルター級でスペンスと戦い、1戦目と同様に素晴らしいパフォーマンスを見せて圧勝したとしても、それは154lbs(約69.85kg)でのパフォーマンスであり、カネロの待つスーパーミドル級との開きは6kg以上のものです。
ミドル級にはもう落とせないであろうカネロとしても、ウェルター級から飛び越えてきたクロフォードを倒したとしても評価されるような試合にはならなそうで、負けようものならカネロの評価は地に落ちる(まではいかないかもしれませんが、急降下)でしょう。これはカネロにとっては絵に描いたようなハイリスク・ローリターンの戦いであり、しかも敗北のリスクもしっかりと考えておかなければいけない戦いでもあります。
ウェイト差という絶対的なものを、スキルが凌駕する戦いが見られるのか、それとも「やはりボクシングは体重性の競技なのだ」を再認識させられる結果になるのか。
カネロは9/30(日本時間10/1)に行われるチャーロ戦、クロフォードは12月開催と噂されるスペンスとの再戦をクリアした後、5月、シンコ・デ・マヨ興行で行われることが予想されます。
いずれにしろ、2024年もメガマッチが行われる可能性がありますね。
井上尚弥はフェザー級へ!
さて、12月といえば井上尚弥vsマーロン・タパレスの世界スーパーバンタム級4団体統一戦。交渉中というニュースが流れ、早ければ来週には発表されそう、とのこと。ただ、この発表というのはおそらく海外ニュースからのリークであり、日本での正式発表は来月くらいじゃないでしょうか。しらんけど。
そして9/4(月)にWOWOWでスティーブン・フルトンvs井上尚弥の放送がありますが、その収録後の取材の際、井上尚弥が自身の今後のキャリアについて言及。
その内容は、スーパーバンタム級での4団体統一後のファイトプランを明かしたもので、タパレスのあとはカシメロ、ネリ、アフマダリエフをターゲットにしている、とのこと。
タパレスを含めてこの4人のファイターのことを、「スーパーバンタム級にいる限り、トップ戦線で避けられない相手」として挙げた井上尚弥。確かにこれらのボクサーを打ち倒せば、もう何も思い残すことなくスーパーバンタム級を卒業でき、フェザー級で新たな戦いを始められるでしょう。
おそらくネリやカシメロと戦わなかったとしても、「井上尚弥が逃げた」と言われるのはかなりの少数意見だとは思います。
ただ、ここまで遺恨を残しているカシメロとの対戦は純粋に楽しみではあるし、ルイス・ネリについても実力者で、非常に強いボクサー。個人的にはカシメロ戦は日本で良いのですが、ネリとはアメリカとかでやって欲しいですね。このために、JBCがネリの永久追放措置を解除する、みたいな流れになるのはあんまりいただけません。
そしてムロジョン・アフマダリエフ(以下MJ)。フルトンをあのような形で倒してしまった後では残念ながらMJに期待することはできないのかもしれませんが、MJはフルトンと全く違ったタイプのボクサーであり、「MJの方がフルトンよりも危険」という認識については今も変わりません。
中央アジアのボクシングスタイルは、井上尚弥がプロでは体験したことのないスタイルであり、フィリピンやメキシコのスタイルとも異なる攻撃的ボクシングです。
おそらくタパレスへの勝ち方次第(負ける想定はさすがに無し)で、カシメロ戦、ネリ戦は何となく見えると思うのですが、MJのファイトスタイルだけは別。なのでこのスーパーバンタム級ではMJ戦が個人的には一番楽しみです。
MJは挑戦者決定戦で無敗のケビン・ゴンサレスと対戦予定。ここはMJの圧勝を期待したいですね。
これらの試合を2024年に3試合で片付けられれば、一番早くて2025年の春、フェザー級へ。
すでにカネロ的立ち位置におり、「戦いたい相手と戦える」権利を手に入れているであろう井上にとっては、プロモート次第ではありますがさほど難しい道ではないはずです。
あと数年の現役生活、テンポよく進んでもらいたいですね。
フライ級にも動きあり!
私個人がまだかまだかと待ち続けるニュースは、アルテム・ダラキアンvsユーリ阿久井政悟のWBA世界フライ級タイトルマッチ。
WBAの指名挑戦者であるユーリ阿久井は、WBC、IBF、WBOでも世界ランク4位という上位世界ランカー。WBAのダラキアン戦を蹴ったとしても、まもなく世界挑戦が訪れそうなものですが、強敵であるダラキアンに挑むその意気や良し、ですね。
ダラキアンはほとんど自国をでずに戦う王者ではありますが、現在のウクライナ情勢、そしてユーリ阿久井のバックアップに誰が就いてくれるのかはわかりませんが、ジャパンマネーを考慮すると日本開催も夢ではないと感じます。是非この試合は日本で見たい。というか、タイミング的には井上vsタパレスのアンダーとかに組み込んでほしい。井上拓真vsジェルウィン・アンカハスのアンダーでも良い。
さて、話がそれましたが、フライ級の動きのあったニュースというのはIBF世界フライ級挑戦者決定戦のニュース。
このIBFのエリミネーション・バウトは、元IBF世界ライトフライ級王者、フェリックス・アルバラードvsアンヘル・アヤラの間で争われるようです。
1位、2位が空位のIBFでは、最上位があるバラード。本来は(現在9位となってしまった)クリストファー・ロサレスとの戦いを司令されましたが、ロサレスがファイトマネーの関係でこれを辞退、次点のユーリ阿久井は上述の通りダラキアン戦に進む予定で、5位のデーブ・アポリナリオもこれを回避したとのことで、アンヘル・アヤラにお鉢が回ってきたようです。
このアヤラはロサレスに勝利してWBCの挑戦権を有している状態ではありますが、混迷を極めるWBCを見限り、IBFでの挑戦権奪取に向かうようです。
IBFの王者はサニー・エドワーズですが、エドワーズは12月にWBO王者、ジェシー「バム」ロドリゲスとの王座統一戦に臨みます。なのでこのアルバラードvsアヤラの勝者が2団体王者に挑戦する形になりそうです。
ちなみにWBCは(もはやどうでも良いのですが)正規王者フリオ・セサール・マルティネスと暫定王者マック・ウィリアム・アローヨが団体内王座統一戦の予定。あくまでも予定で、予定は未定という意味不明な状況に陥っています。
ともあれ、今年12月を皮切りに統一戦の機運も高まるフライ級。WBCはまとめるならまとめる、まとめないなら暫定剥奪等の措置を行い、とにかくこの流れを切らないでほしいものですね。
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