どうやら本当にやるらしい。
世界ウェルター級4団体統一戦、エロール・スペンスJr.vsテレンス・クロフォード。
幾度となく噂が流れてはたち消えたこの一戦は、アメリカ時間で6/2(金)AM10:00からチケット販売がスタート。これはさすがに、やるのでしょう。
初回のゴングが鳴るまではこの一戦が行われるかどうかは信じられない、そんなファンもいるのでしょうが、流石にここまでくれば期待してしまいます。
そして、同時に話題になったことがスティーブン・フルトンvs井上尚弥だということは、日本のボクシングファンにとっては非常に喜ばしい事です。
ということで今回のブログは7月の終盤、同じ週に行われるスペシャルボクシングウィークについて。
スペンスとクロフォード、待望のライバル対決
アメリカでは、基本的には土曜日の夜にビッグマッチは行われます。
このスペンスvsクロフォードは7/29、日本時間では7/30(日)が開催日程です。
場所は数々のビッグマッチが行われてきたT-mobileアリーナ、このメガマッチに相応しい場所です。
現役最強とも言われる二人のボクサーが対峙する、奇跡にも近い一戦。これはどちらが勝つにせよ、伝説的な一戦となり得ます。
ちょっとだけげんなりするのは、二人共が負けた場合にリマッチの条件を取り付けている事。
なのでほぼ間違いなく、このあえて「初戦」という7/29の戦いのあと、来年春位(?)を目安にダイレクトリマッチが行われるのでしょう。そこでもし1勝1敗なんてなった場合は、ラバーマッチが来年の夏か秋頃でしょうか。
エロール・スペンスJrは2017年5月、ケル・ブルック(イギリス)を11RKOで屠り、IBF世界ウェルター級王座を獲得。その後、防衛を重ねながらショーン・ポーター(アメリカ)からWBC王座を奪い、さらにヨルデニス・ウガス(キューバ)からWBA王座を奪い、現在は3冠を手中に収めています。
強い王者から王座を奪い、更に防衛戦ではちゃんとした強敵を次々に退けてきたエロール・スペンスJr。映画や漫画の主人公のようなキャリアを築いています。
そして、このウェルター級の強敵たちを退ける中で、王者、元王者たちからも頭ひとつ抜け出している事を示したエロール・スペンスJr。とりわけ、前戦のヨルデニス・ウガス戦は見事の一言で、フィジカルモンスターのウガスを相手にインファイトで勝利、ストップを呼び込みました。
大事故からも復帰し、力強さを増している感もあるスペンスですが、やはり前戦から1年超のブランクはやや気にかかるところでしょうか。
対してテレンス・クロフォードは、長くトップランクに飼い殺し状態にされ、ここ数年は1年に1度のリング登場でした。
ライト級で初めて世界を獲り、スーパーライト級では4団体統一王者となったクロフォードは、満を持してウェルター級に進出。このクロフォードがWBOウェルター級王者となった2018年以来、スペンスvsクロフォードというのは取り沙汰されてきたわけですから、実に5年の歳月が経過しようとしています。
こちらもウェルター級の強豪たちを退けてきていますね。
ホセ・ベナビデス(アメリカ)、エギディウス・カバラウスカス(リトアニア)、ケル・ブルック(イギリス)、ショーン・ポーター(アメリカ)。
スペンスのようにタイトルコレクションこそしていませんが、このレジュメはスペンスにも勝るとも劣りません。なにせここまでのウェルター級のキャリアは、7戦して7勝、しかも7KO。誰一人として、クロフォードと相対して12Rを戦い抜いたボクサーはいないのです。
ほかのウェルター級ボクサーにとっては何たる悲劇、このスペンスとクロフォードという双璧がいるからこそ、基本的に常に遠くにあるウェルター級の王座が更にもっともっと遠くなってしまいます。
こんなふたりの激突だからこそ、当然注目度が高いのです。
ちなみに現在のオッズは、bet365によるとスペンスが+120、クロフォードが-150。スペンスに100ドル賭けてスペンスが勝てば120ドルが戻ってくる、クロフォードに賭けて100ドル儲けようとすると150ドル賭けなければいけない、という表記なので、クロフォードが若干有利と出ています。
他のブックメーカーを見ると、一番競っているところではスペンスが+104、クロフォードが-114とこんなものは賭けの対象にもならなそう。
ちなみにチケット価格は一番安い席で205ドル(約28,700円)という価格。たとえどんなに高額だろうとも、さすがにこのチケットは即刻完売するのでしょうね。
同列に語られるフルトンvs井上尚弥
このスペンスvsクロフォードが発表されたのち、盛り上がったのが同じ週にあるスティーブン・フルトンvs井上尚弥の一戦。
アメリカではESPNで放送されるこのカードは、タイミング的にも、実績を残しているボクサー同士の無敗対決としても比べられて然るべき、というものです。
スペンスvsクロフォードは待たされた試合であるがゆえに、辛辣な一部のファンからは「退職金ファイト」とも揶揄されてもいます。これはメイウェザーvsパッキャオになぞらえての言葉ではあるものの、はっきり言ってそれはお門違い。スペンスもクロフォードもまだ衰えを見せてはいませんから。
ともあれ、アメリカで比べられる、ということだけでもすごいことですが、いかにスティーブン・フルトンというフィリーの評価が高いということ、そして同時に井上尚弥の評価が高いということがわかるようなトピックですね。
ちなみにこちらのオッズは現在のところbet365ではフルトンが+215、井上が-285。ほかのもっと競っているオッズだとフルトンが+200、井上が-250といずれも井上の勝利が支持されています。
このオッズの開きは、井上尚弥としては過去最低のもので(ドネア2の時ももっと開いていた)、だからこそ勝ち方次第で井上の評価が更に上がる試合でもありますね。
簡単にはいかないでしょうが、良い形で勝利を収めてくれる事を信じます。
ビッグウィークの過ごし方
さて、皆さんはこのビッグウィークをどう過ごしますか?
もう1週間まるまる休みたいレベルですが、まっとうな社会人としてそういうわけにもいきません。
私は7/25(火)に有明アリーナで現地観戦、水、木は働き、その週の金曜日にはフジロックフェンスティバルに行かなければならないので、金曜日に有給。
スペンスvsクロフォードは苗場スキー場で見る事になりそうです。どうか苗場に雨が降りませんように。
とりあえずあと2ヶ月、何があっても生きなければ。
皆さんも人生のマイルストーンとしてこの7月最終週を設定し、どんなにつらい事(例えばフランコvs井岡のPPV料金が思ったより高い、とか)があっても乗り切りましょうね!ww
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