ファン・フランシス・エストラーダvs井岡一翔。
「エストラーダと戦いたい」と言い続けてきた井岡一翔にとって、自身最大のモチベーションで臨める試合ではないでしょうか。
この戦いのステータスは「交渉中」とのことで、情報の発信源はESPNのサルバドール・ロドリゲス氏。タイミング的にも、この戦いが日本の大晦日に起こる戦いであろうことは容易に想像ができます。
ということで今回のブログは、井岡一翔のキャリアの集大成、ファン・フランシス・エストラーダ戦について。
↓ニュース
WBA・WBC世界スーパーフライ級王座統一戦
ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)44勝(28KO)3敗
vs
井岡一翔(志成)30勝(15KO)2敗1分
詳しくプレビューをするのは当然試合が近くなってから、というか決まってからなのですが、アグレッシブなファイタータイプであるエストラーダと、インテリジェンスあふれる技巧派の井岡の戦いは、きっと好試合になるであろうことが予想されます。
エストラーダにしても井岡にしても、バランスが非常に良く、穴が少ないタイプのボクサーであり、その中でも攻撃力はエストラーダに、対応力には井岡に分がありそうに感じます。
長らくスーパーフライ級で最強の座を保持してきた2階級制覇王者、エストラーダと、日本人初の4階級王者の試合は、非常に見応えのある試合となるでしょうし、どちらにとってもキャリアの集大成と言える戦いとなるはずです。
予想としては50-50、もしくはアメリカ大陸で実績を残し続けてきたエストラーダ優位となろうかと思いますが、それでも実力的にはどちらに転んでもおかしくありません。更に、モチベーションがより高いのは井岡の方でしょうし、(おそらく)ホームという利もあります。
SUPER FLY
今はなきHBOが仕掛けたSUPERFLYという、軽量級にスポットをあてた興行がありました。
ちなみに「SUPERFLY」というのは「素晴らしい」という意味らしい。
当時、ローマン・ゴンサレスをはじめ、ファン・フランシス・エストラーダ、カルロス・クアドラス、シーサケット・ソールンビサイ、そして井上尚弥といったボクサーたちがこの階級に集まり、軽量級に注目が集まったこと、そしてHBOが資金不足から資金的に安価で済む軽量級に手を出したこと、様々が相まって始まった興行です。
ときは2017年9月9日、このSUPERFLYと銘打たれた興行の第一弾は始まりました。
この日のメインイベントは、シーサケット・ソールンビサイ(タイ)vsローマン・ゴンサレス(ニカラグア)2。
第一戦は2017年3月に行われ、当時PFPキングだったロマゴンがシーサケットにまさかの僅差判定負け、それでもこの判定は大いに議論を呼ぶものであったため、再戦が組まれた格好だったと思います。
ちなみに初戦でロマゴンが勝利していさえすれば、ロマゴンvs井上の対決が目前だったことを考えると、ロマゴンとしては相当痛い負けだったし、井上にとっても非常に運のない結果でしたね。
そして迎えたSUPERFLY興行、ここでロマゴンはこれまたまさかの4RKO負け。「ローマン・ゴンサレスの終焉」を目の当たりにした試合だったとも言えますが、それでもまだまだロマゴンが第一線で戦えているのはすごいの一言ですね。
このSUPERFLYにはファン・フランシス・エストラーダvsカルロス・クアドラス(メキシコ)、井上尚弥(大橋)vsアントニオ・ニエベス(アメリカ)も組まれており、まさにスーパーフライ級の祭典。特に井上尚弥はここがアメリカデビュー、全世界へのお披露目的な試合でしたね。
この興行は衝撃的な結末もあり、それなりの評価を手にしたようで、SUPERFLY2という興行が開催されたのは2018年2月。
メインはシーサケットがエストラーダを迎え撃つ一戦で、ほかのスーパーフライ級戦ではマックウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ)vsカルロス・クアドラスのWBCシルバータイトル戦。
ほかにもアルテム・ダラキアン(ウクライナ)vsブライアン・ビロリア(アメリカ)、ドニー・ニエテス(フィリピン)vsファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)といったフライ級のタイトル戦も組まれており、日本のボクシングファンからすると大変に興味深い興行でしたね。
ちなみにこの興行では、シーサケットはエストラーダに判定勝利をして防衛成功、アローヨが空位のシルバー王座を獲得、ダラキアンがWBA世界フライ級タイトルを獲得、ニエテスがIBF世界フライ級王座を防衛しています。
このSUPERFLYの「顔」はシーサケットでは力不足だったのか、2018年9月に行われたSUPERFLY3のメインイベントはノンタイトル戦のファン・フランシス・エストラーダvsフェリペ・オルクタ(メキシコ)。この戦いで勝利したエストラーダは、次の試合も勝利してシーサケットへの雪辱戦に挑み、ここで勝利して2019年4月、WBC世界スーパーフライ級王者となるわけですが、それはまた別の話です。
このSUPERFLY3には、ドニー・ニエテスvsアストン・パリクテ(フィリピン)によるWBO世界スーパーフライ級王座決定戦、マックウィリアムス・アローヨvs井岡一翔によるWBCシルバー王座戦といったメインより興味深い戦いがセットされていましたが、メインがメインだけに視聴数は奮わず、その後HBOはボクシング中継から撤退しています。
最後のSUPERFLY
そこから、もう5年の歳月が経ちました。
エストラーダは防衛を重ね、なんやかんや言われながらもいまだスーパーフライ級最強の座まで上り詰めています。
この階級でのハイライトは、シーサケットにリベンジを果たしてタイトルを獲得試合はもちろん、クアドラスに劇的なTKO勝利を挙げた試合、ローマン・ゴンサレスへのリベンジマッチとラバーマッチと枚挙に暇がありません。
対して井岡一翔は、SUPERFLY3で新たなキャリアをスタート、アストン・パリクテに素晴らしいTKO勝利を挙げてWBOタイトルを獲得後、ジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)、田中恒成(畑中)、フランシスコ・ロドリゲスJr(メキシコ)、ドニー・ニエテスといった強敵、難敵を次々と退け、夢だった統一戦に辿り着きます。
WBA王者のジョシュア・フランコ(アメリカ)戦では初戦ドローも、再戦では体重超過のフランコに完勝、いよいよ目指していたエストラーダ戦へ駒を進めています。
ロマゴン、シーサケット、クアドラスそれぞれに勝利したエストラーダは、紛れもなくこの「SUPERFLY」世代最強のボクサーであり、それとは別口で上がってきた井岡一翔と雌雄を決する。この試合こそが、「SUPERFLY」最後の戦い、決勝戦です。
SUPERFLYのトーチ
このエストラーダvs井岡のあと、勝者と敗者は一体どこへ向かうのか。
敗者はグローブを吊るす可能性は十分にあり、たとえ勝者で合ってもその可能性はゼロではありません。それは、エストラーダにとってこれ以上稼げる試合はほぼないと言って良いでしょうし、井岡にとっても目標を達成するということになるのですから、その後のモチベーションの維持は難しいように思います。
その後、このSUPERFLYのトーチを受け取るのは、間違いなく中谷潤人(M.T)。
この階級にさほど長くいれない、というこの王者は、せめてもう一つくらいタイトルを獲得してほしいものです。
となると、このエストラーダvs井岡の王座統一戦を見越して、組まれるという噂のWBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦、カルロス・クアドラスvsペドロ・ゲバラの勝者との統一戦、なんていうのは割とアリかもしれません。
エストラーダにしろ、井岡にしろ、この試合のあともキャリアが続くのであれば、もうビッグマッチのみに注力していくのでしょう。
その場合、やはり統一戦であり、そうなるとvs中谷潤人の可能性も出てきます。
2023年、12月31日。
もし叶うなら、HBOのSUPERFLYよろしく、ここでスーパーフライ級の戦いをこれでもかと組んでほしいもの。
それは、メインにエストラーダvs井岡を置いて、スケジュールはちと厳しいが(いけると思うので)セミに中谷潤人の防衛戦を入れ、セミセミにクアドラスvsゲバラを入れる。志成ジムと帝拳プロモーションが組めば、いけるはず。は、夢物語か。。。
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