いよいよ、いよいよ!
日本が世界に誇るPFPファイター、井岡一翔の防衛戦です。
あまり話題にのぼっていないのはおそらく井岡が絶対優位であり、「勝敗予想」にならないからだと思います。(それでも話題になってしまうモンスター井上尚弥はまた更に別格。)
前戦で田中恒成を見事な形で退けた4階級制覇王者には、死角が見当たりません。
試合は、どんな形で井岡が力の差を見せつけてくれるのか、という事が焦点であり、本当に安心して、そして全力で井岡を応援できる一戦は、久々地上波生放送。
しかも、アンダーカード2試合も有り難い事に生配信してくれるようです。
500円+システム利用料220円、合計720円のようです。私は勿論、バッチリ購入済み。
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アンダーカードもこうして配信してくれるのは本当にありがたい。セミファイナルは非常に気になっていた試合でしたので。
会員登録してチケットを購入すれば良いのですが、ちょっと分かりづらい。。。
まあ、井岡勝利は揺るがない(とは言っても、何が起こるかわからないのがボクシングですが)と思うので、今回のブログではスーパーフライ級の状況をおさらいしておきましょう。
今回のブログでは、今回の防衛戦のパフォーマンスを見た上で、次に井岡がどのような道に進んでいくのかを妄想していきたいと思います。
各団体の王者
WBAスーパー/WBCフランチャイズ王者
ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)
IBF王者
ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)
WBO王者
井岡一翔(志成)
WBC王者は現在空位。というのも、エストラーダvsロマゴン2終了後、WBAスーパー・WBCの統一王者となったエストラーダに対し、WBCはフランチャイズ王者へ格上げ(?)。
これは、このエストラーダvsロマゴンの勝者に挑む予定だったシーサケット・ソールンビサイ(タイ)への配慮措置です。
好試合&微妙な判定を受けて結局エストラーダvsロマゴン3のラバーマッチを先に行うこととなり、待たされているシーサケットをこれ以上待たせないために、ということですね。だったら先にエストラーダvsシーサケットをやればいいんですが、WBC王座を空位にして、ここにWBC王座決定戦としてシーサケットvsカルロス・クアドラスというカードをぶち込んできました。
とにかく狡猾なWBCは、まだまだこのスーパーフライ級のタイトルをこのトップ選手たちだけで回す気満々なわけです。
エストラーダvsロマゴン3の勝者と、シーサケットvsクアドラスの勝者が戦う、というのがWBCの書いた筋書き。
そこで割を食うのは統一を目標として掲げているWBO王者の井岡であり、この輪の中に入れてもらえないIBF王者のジェルウィン・アンカハスであり、一向にタイトル戦がまわってこない他のボクサーたち。
エストラーダvsロマゴンⅢ
1勝1敗、正真正銘のラバーマッチとして行われるエストラーダとロマゴンの3戦目。
1戦目、2戦目ともに大激闘、どちらが勝っていてもおかしくない内容で、2012年11月の1戦目はロマゴンに、そして2021年3月の2戦目はエストラーダに凱歌が上がっています。
それぞれの年代で、より評価の高かったボクサーが僅差の判定を物にした、というある種順当な勝利ではあるものの、両者の力の差は8年の時を経て互角のまま、とも言えます。
3戦目は2021年10月16日(現地時間)で行われる公算が高いようで、おそらく今回も差がない、大激闘が繰り広げられると思います。もしくは、一方がもしコンディション等のミスがあったならば、それが如実に現れる結果となるのかもしれません。
エストラーダは、現在このスーパーフライ級でナンバーワンの評価。リングマガジン王者であり、リングマガジンのPFPランキングでも8位に位置しています。ただ、ロマゴンとの間に実力差はなく、ロマゴンが勝利すればそのまま入れ替わる可能性だってあります。(2021年8月現在、ロマゴンはランク外)
シーサケットvsクアドラス
そしてそのエストラーダvsロマゴンのラバーマッチのアンダーカードに、このシーサケットvsクアドラすのWBC世界スーパーフライ級王座決定戦が組み込まれるとの噂。
両者は2014年5月に、当時シーサケットが持っていた同王座にクアドラスが挑戦する形で戦い、負傷判定ながらクアドラスが勝利しています。
こちらもリマッチ。
2020年に2度(8月と10月)、2021年に1度(3月)リングに上がっているシーサケットに対して、2020年10月にエストラーダとのダウン応酬の大激闘以来の一戦となるクアドラス。
エストラーダ絶対優位という中、かなりのハイペースで試合を進めたクアドラスは、非常に良いボクシングをしていましたね。最終的に捕まってしまったものの、あのボクシングを続けられればシーサケット相手にアップセットを起こすことは可能な気もします。
この一戦も非常に楽しみな一戦ですね。
WBCのトーナメントとWBAの指名戦
このシーサケットvsクアドラスの勝者が、エストラーダvsロマゴンの勝者に挑む、というのがWBCの筋書きです。
しかし、それに待ったをかける動きがあるのがWBA。
WBAは、先日、暫定王者の廃止と、王座の一本化という宣言をし、各階級の暫定王者たちは指名挑戦者、もしくは挑戦者決定戦への出場機会を得るということになりました。
その改革が進むWBAは、このスーパーフライ級ではレギュラー王者であるジョシュア・フランコ(メキシコ)を指名挑戦者として、WBAスーパー王者、つまりはこのエストラーダvsロマゴンの勝者に挑ませる、という指令を下しました。
なので現在のところ、エストラーダvsロマゴンの勝者には、WBCからシーサケットvsクアドラスの勝者、そしてWBAからレギュラー王者であるジョシュア・フランコと、2つの指名戦をオーダーされる事態となりそうなのです。
エストラーダvsロマゴンの勝者はどうする?
エストラーダvsロマゴンの勝者の選択は、一つずつ指名挑戦者の挑戦を受けるのか(その場合、いずれかの挑戦者を待たせることになるので、指名戦の期限がどうなるか、です)、WBAスーパー、WBCの王座のどちらかを放棄するか、というのが選択肢。
もしくは両方とも返上し、階級を上げるか。これはもしエストラーダが勝利すれば、ありそうなことではあります。
いずれかの王座を返上したとすれば、返上された側の団体は、その時の王者を認定すれば良いだけなので問題もありません。
なので、どのような選択肢もありそうなエストラーダvsロマゴンの勝者。いずれにしろ、お互いに手の内がわかっており、簡単に行かない相手だということは重々承知のことだと思いますので、まずは目の前の試合に集中、というところでしょう。
井岡一翔とジェルウィン・アンカハス
上記の通り、WBA、WBC王座および、長年トップ戦線を任されているビッグ4、エストラーダ、ロマゴン、シーサケット、クアドラスの4人の間に割って入るタイミングはまだまだ先になりそうです。
そして、井岡一翔が前々から統一戦を臨んでいること、そしてアンカハスも連続防衛中の安定王者であることを考えると、やはりここは井岡vsアンカハスというIBF・WBO世界スーパーフライ級王座統一戦というのが現実的な流れであり、待望されていることでしょう。
井岡、アンカハスがより評価を高めるので有れば、やはりここは締結すべきでしょうね。
アンカハスは2021年4月、1年5ヶ月ぶりにリングに立ち、9度目の防衛を成功させています。なかなかコンスタントに試合ができる環境に恵まれていないようなので、9月の試合を井岡がノーダメージでクリアできれば、年末にこの2人がぶつかる、という青写真も描けるような気がしますね。
リングマガジンのスーパーフライ級ランキング
リングマガジンのスーパーフライ級のランキングを見てみます。(8月21日発表)
王者:ファン・フランシス・エストラーダ(メキシコ)
1位:シーサケット・ソールンビサイ(タイ)
2位:ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
3位:井岡一翔(志成)
4位:ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)
5位:ジョシュア・フランコ(メキシコ)
6位:カリド・ヤファイ(イギリス)
7位:フランシスコ・ロドリゲスJr(メキシコ)
8位:カルロス・クアドラス(メキシコ)
9位:ドニー・ニエテス(フィリピン)
10位:アンドリュー・マロニー(オーストラリア)
個人的には、井岡の防衛戦の相手であるフランシスコ・ロドリゲスJrの評価が高すぎるような気がしますが、本場では高いんですね。とすると、井岡が良い形で勝利することができれば(十分に可能だと思っています)、更にランキングが上がるかもしれません。
そんな井岡に黒星をつけた、ドニー・ニエテスの動向は非常に気になりますね。
ランク外、そして期待の日本人ボクサー
さて、このランキングに入っていないボクサーで気になるボクサーは、ミーシャ・アロイヤン(ロシア)。2021年に入って2戦戦っていますね。現在はWBAのゴールド王者、WBSSセカンドーシーズンに出場し、当時のWBO世界バンタム級王者、ゾラニ・テテ(南アフリカ)に挑戦(判定負け)したオリンピック2大会連続出場した元オリンピアンです。
そして、田中恒成(畑中)。
今後もスーパーフライ級で戦っていくであろう日本期待の3階級制覇王者は、昨年末の井岡戦以来復帰戦の情報はまだ聞こえてきません。
できれば年内に復帰してもらいたい、とも思いますが、なかなか相手は見つからないのでしょうね。
そして、日本、OPBF、WBOアジアパシフィックという3冠タイトルを持つ和製パッキャオ、福永亮次(角海老宝石)。
スペクタクルなKO劇を度々見せてくれる、この昭和の雰囲気を感じさせるボクサーは、10月2日、帝拳ジムの無敗ホープ、梶楓を迎えて防衛戦を行う予定です。正念場を迎える35歳、ここに勝利できれば世界戦線へ挑んでもらいたい。
そして、まだ語るには早いかもしれませんが、先日、天才肌の冨岡浩介(REBOOT.IBA)との対戦では、とてつもないノックアウトを見せつけてくれた、高山涼深(ワタナベ)も非常に楽しみなボクサー。最短距離で地域タイトルに突き進んでしかるべきボクサーだとも思うので、次は日本ランカーとのテストマッチに臨み、誰しもが認める形で何らかの王座に挑んでもらいたいですね。
この秋、国内外ともにスーパーフライ級が大きく動く
ということで、スーパーフライ級は国内、国外ともに10月に何かしらの動きがありそうです。
エストラーダvsロマゴンの結果がどう出るか、シーサケットvsクアドラスの結果がどう出るか。
国内でも、強敵である梶を迎える福永は王座交代劇の可能性も孕み、なかなか気が抜けない10月。
井岡、ロドリゲスともにPCR検査は陰性、そして計量ももちろん問題なくクリアされたことで、この試合は挙行されることが決まりました。
せめて、これらのスーパーフライ級戦線の試合たちが無事に開催されることを祈り、そして願わくば、我らがボクシングの教科書、井岡一翔が次のモチベーションに向かっていけるような試合が締結されることを祈ります。
最後に、この記事とあまり関係がないのですが、井岡一翔も所属する志成ジム、に所属する比嘉大吾、のトレーナーの野木丈司氏、の奥様、野木紀子さん。
キックボクシングサロン開設のため、CAMPFIREでクラウドファウンディングをされています。
リターンに比嘉大吾のサイン、野木丈司トレーナーによるボクシングセミナー等、ボクシングファンでも支援できるのもあるので、皆さんも是非。