このシャクールvsサントスを日本時間11/16と勘違いして、昨日からガッツリと情報遮断していたマヌケは私。
アメリカの平日開催というのはいつもと違うので、忙しさもありちょっと混乱してしまいました。
ということで金曜日という忙しい日の仕事を終えてからの視聴になってしまったので、もちろんセミとメインのみの視聴。
ということで今回のブログは、シャクールvsサントス、ナバレッテvsコンセイサンの観戦記。
11/16(日本時間11/17)アメリカ・ラスベガス
WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)38勝(31KO)1敗
vs
ロブソン・コンセイサン(ブラジル)17勝(8KO)2敗
初回、ジャブの差し合いからスタート。ナバレッテはサークリングしつつ距離をとって様子見、コンセイサンはプレスをかけつつ挑戦者らしく積極的に行きます。
後半に入ろうかというところでナバレッテは強い右ボディ、そのリターンでコンセイサンは左フックからの右ストレート。試合は早くもヒートアップしつつあります。
2R、コンセイサンのジャブが非常に鋭く、その後につなげるコンビネーションも力強く、調子の良さを窺わせます。会場は「バケロ」(ナバレッテの愛称)コールも、今の所コンセイサンの方が良さそう。
コンセイサンは自ら攻めることを厭わず、ナバレッテの攻撃に対してのリターン反応とその手数も素晴らしい。
3R、このラウンドも先手はコンセイサン、ナバレッテの得意のアッパーは空振り、コンセイサンのブロッキングに阻まれます。この辺のナバレッテ対策はしっかりとやってきたようです。
ナバレッテは圧をかけるもコンセイサンはそれを受け止めて強いリターン、これも単発でないところが良いですね。
4R、互いに随分と動きが大きくなってきます。ナバレッテの大きなアッパーを大きくかわすコンセイサン、リターンもフルスイングです。ナバレッテのいきなりの右ボディにもコンセイサンが対応し始めたか、と思った後半、ナバレッテの左右の連打でコンセイサンはダウン!
ちょっと唐突に訪れたダウンシーン、ナバレッテのパワーはこの階級でも破格なのか、ここまででダメージが溜まっていたのかもしれません。
コンセイサンはその後大きなパンチで反撃も、終盤、足が絡んでバランスを崩したところでナバレッテがパンチをまとめたところでラウンドが終了。
5R、一気に流れが変わった前ラウンドを受けてもコンセイサンは怯まず、強打で攻め入ります。
中盤の打撃戦では互いに外側からの大きなパンチを振り回し、コンセイサンの左フックがヒット。
これはかなりのタフファイトです。
6R、コンセイサンは手数多く攻め入ります。ナバレッテはそれをブロッキングして前半をしのぎ、中盤頃から反撃。ここでいくつかのパンチをコネクトすると、ダメージを受けたコンセイサンは後退します。
パンチ力の差もあって、ダメージが深いのはコンセイサンで、おそらくスタミナも使っているのもコンセイサンという感じです。
7R、ちょっと足をもつれさせる場面が多いように感じるコンセイサン。うまく動かないほどダメージがあるのかもしれません。
それでも懸命にコンビネーションを繰り出すコンセイサンを応援したくなる展開です。
1分過ぎ、ナバレッテが右ボディで攻め込むとコンセイサンは膝をつき、これがダウン判定。
ナバレッテはだんだん動きが良くなってきた印象。
8R、諦めないコンセイサンは大振りながらもコンビネーションをしっかりと突き、ブロッキングしてもバランスを崩されつつもとにかく手が出ます。
9R、前半にコンセイサンの左フックでナバレッテの顔が跳ね上がります。コンセイサンは序盤からハイペースですが、このきついラウンドに入っても全く落ちず、素晴らしいスタミナです。
中盤にも4パンチコンビネーションをヒットしたコンセイサン、このラウンドは支配したのではないでしょうか。
10R、アグレッシブにパンチを振るっていくコンセイサン、ナバレッテはあまり手が出ません。
序盤にガードの上からのパンチでナバレッテのバランスを崩したコンセイサンは、ここからも手数を増やします。このままではまずいと思ったか、ナバレッテも手数を増やして応戦、後半にはナバレッテが追いかけていく展開となっていきます。
11R、ナバレッテは勝負をかけてきたか、回転力を伴って前進。しかしコンセイサンも意地で手数で応戦、力感は伴わないまでもハートの強さを感じます。
ナバレッテは距離を詰めてコンセイサンをガードさせることに成功すると、そこからパンチの雨霰。これはナバレッテのKOパターンです。
ラウンド後半、疲れの見えたナバレッテにコンセイサンがパンチを打ち込む場面も訪れつつ、最後はナバレッテが攻め込んでラウンドが終了。まさに死闘。
ラストラウンド、コンセイサンがジャブから攻め込むも、足がなかなか前に出ません。結果上体は流れますが、ナバレッテもラウンド前半は無理をせずリターンも控えめ。
ここにきてナバレッテも疲労なのか、バランスを崩す場面が見て取れます。限界が近い、もしくはすでに突破しているかもしれないコンセイサンですが、素晴らしい手数で攻め込み、ナバレッテも応戦。
コンセイサンが体で押し続けたところでゴング、12Rの死闘は完結しました。
トータルパンチスタッツはナバレッテ116/487、コンセイサン213/852と圧倒的にコンセイサン。ラウンドを支配した数もコンセイサンのような気がしますが、ダウンを2度も取られているのは大きい。
判定は、114-112ナバレッテ、113-113×2、ドロー!!
ナバレッテが防衛!!
コンセイサンはまたも悲願ならず。。。!!
気迫溢れるファイトで、コンセイサンの評価は私の中では上がりました。一方のナバレッテは変わらず。ダウンさえなければ、と悔やまれるところですね。
WBC世界ライト級王座決定戦
シャクール・スティーブンソン(アメリカ)20勝(10KO)無敗
vs
エドウィン・デ・ロス・サントス(ドミニカ共和国)16勝(14KO)1敗
そしてメインイベント。
間違いなくスペシャルなボクサーであるシャクール・スティーブンソン。対戦相手は、超がつくほど危険なパンチャーであるエドウィン・デ・ロス・サントス。
私の見てきた限りでは、サントスの勝ち目は非常に薄い。ですがサントスは当たれば倒せるパンチングパワーを持っているので、ある一定の期待ができそう、という感じでしょうか。
ということで注目のゴング。
初回、いきなり右フックを振るっていったサントス。サウスポー同士、勢いよく攻め入るサントスに対してシャクールはやはり警戒心が強いですね。こういうシャクールに当てられる気はしません。
サントスはサントスで素晴らしいハンドスピードを有していますが、シャクールも当然速い。ヒリヒリとした雰囲気の初回が終了です。
2R、いつでもバックステップの準備をしているシャクールに対し、サントスはどっしりとリング中央に構えます。サントスは一気に行っても届かないと感じているのか、比較的どっしりと構え、シャクールの入り際を狙うイメージ。時折サントスが鋭く攻めるも、シャクールはステップで躱しています。この試合展開は、非常につまらない試合になりそうな雰囲気です。
3R、ここまできても未だジャブの差し合い。このこう着状態というのはおそらくシャクールの手の内で、速攻型のパンチャーであるサントスを封じ込める作戦と言えるでしょう。
サントスは被弾覚悟で前に出たほうが良いのでしょうが、シャクールの反応の速さによってか一気に攻め込む姿は徐々に減ってきている気もします。「どうせ当たらない」という状態でも、アンダードッグのサントスはいかなければいけないはずです。
4R、サントスが出ようとしただけで細かなバックステップを踏むシャクール。シャクールはほぼ右ジャブのみ。これはお互いのパンチスタッツというものがある種楽しみになるような戦いです。戦いなのかどうかも怪しい。
5R、試合は早くも中盤戦に突入。流石にこの流れはまずいと思ったのか、シャクールが序盤にトリプルジャブ。サントスはまだまだどっしりと構え、迎え撃つスタイルを崩さず。シャクールが出てくればそのリターンで強い踏み込み、これもなかなかシャクールにはヒットせず。
とにかくジャッジ泣かせのラウンドばかりですね。映像でこの試合を見るのは随分マシな話で、もし会場の後ろの方で見ていたらもう地獄に近いでしょうね。
6R、一瞬の交錯のなかに非常にスピーディな展開が生まれます。共に身体能力が高く、ギリギリの中で戦っていることは非常によくわかります。ただ、ファンにアピールできる試合ではないでしょう。
この試合では、どっちが負けても判定に不満が残る試合になりそうです。
7R、あっという間に半分が過ぎました。このラウンドはサントスが一気に攻め入る場面を見せますが、後半にはシャクールがプレスをかける展開です。
8R、共にスピードがあり、反応速度が素晴らしく、テクニックもあります。それはわかりますが、この試合はボクシングの魅力を伝えるものとはならないでしょう。
互いに打たれないことを主軸においており、相手を打ち負かすことについては完全に二の次です。
9R、フェイントをかけ、ジャブを刺す。ステップで相手との距離は一定。これは「リードブローのみのマスボクシング」、その最上級のものなのかもしれません。
10R、もう時間も遅く、疲れているので後は睡魔との戦いです。非常にスピードのある二人の戦いは、本来見応えのあるものではありますが、兎角盛り上がりがなさすぎると辛いものです。
11R、驚くべきことに、何事も起こらず、遠目に見ると何の波風も立たずにチャンピオンシップラウンドに突入。
サントスが攻めようとするとシャクールは動くので、サントスは攻めることができず。かといってシャクールはほぼ攻める気がなく、攻めるとしてもジャブのみです。
ラストラウンド、ようやくサントスが強いプレスをかけます。しかし、時すでに遅し。シャクールはサントスの距離をしっかりと把握し、サントスの鋭い踏み込みに対しても余裕のサイドステップ。
結局サントスもほとんどスタミナを使っていないから、後半にパワーが落ちることもなく、シャクールはもちろんの事として二人とも初回の動きのままです。
会場は大ブーイング、そうこうしているうちに試合は終了。
驚くほどつまらない、「ファイト」とは呼べないシロモノが終了。
判定は、115-113、116-112×2、シャクール・スティーブンソン。
驚くほどつまらない試合でしたね。どちらも勇気に乏しく、勝とうというよりも負けないボクシング。シャクール・スティーブンソン、ここのところパワーもつけてきていたのだと思ったのですが、非常に残念です。
シャクール、サントス、そして観客、ボクシングファン。まあ、みんな負けです。
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