正式発表となった、とんでもない超豪華興行。
これは果たして、サウジアラビアという場所でなければどれくらいの観客を集めるのだろうか、という興行ですね。
「メガファイト」という試合ではないかもしれませんが、試合の一つ一つがメインイベントを張れるマッチアップの目白押し、観光のためにここまでの投資というのはすごいものです。日本もやれば良いのに。
ということで今回のブログは、宣言通りにアメリカ時間の11/15(日本時間11/16)に発表され、「Day of Reckoning」(=「最後の審判」「公判日」)と題されたサウジアラビア、リヤドシーズンの興行について。
12/23(日本時間12/24)サウジアラビア
ヘビー級12回戦
アンソニー・ジョシュア(イギリス)26勝(23KO)3敗
vs
オット・ワリン(スウェーデン)26勝(14KO)1敗
これは以前にも書きましたが、はっきり言えば「ジョシュア、危うし」と見ています。
おそらくそういう意見は世界中に多いのではないか、とも思っています。
アンソニー・ジョシュアは素晴らしいボクサーですが、メンタル面でやや弱さを見せることもあり、逆にこのワリンはタフネスもハートも保持しているボクサーです。
ジョシュアは完璧な準備をして望まなければかなり危ない、と見ますが、如何に。
ヘビー級12回戦
デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)43勝(42KO)2敗1分
vs
ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)33勝(23KO)3敗
セミファイナルも超注目、ワイルダーvsパーカーの元王者対決です。
これも結構ワイルダーにとって危険な戦いではないかな、と思うのは、ワイルダーが前回ボクシングをしているように見えたから、というところです。
ヘレニウス戦のワイルダーは、初回ワンパンチKOという結果以外はあまりよくなかったのでは、と感じ、その理由は、ワイルダーが下手にボクシングをしようとしていたこと位あると思うのです。
どこまでも「一発当てればいいや」で突き進んでもらいたいデオンテイ・ワイルダー。
ここにきて上手さは必要ありません。
何にしろ、アンソニー・ジョシュア、デオンテイ・ワイルダー、それぞれがAサイドではありつつもかなり危険な戦いとも言えるこのマッチアップ。
これにそれぞれが勝利すれば、いよいよ「戦わざるライバル」だった二人がその称号を返上し、あい見える日が来るのかもしれません。
世界タイトルを奪われたもの同士のサバイバル戦、というのみならず、やはりイギリス、アメリカ、それぞれの象徴であるヘビー級が雌雄を決するところは、誰であれ見たいと願うところだと思います。というか今回やる、でも良いくらいだと思うのですが。
ヘビー級12回戦
ダニエル・デュボア(イギリス)19勝(18KO)2敗
vs
ジャレル・ミラー(アメリカ)26勝(22KO)無敗1分
前戦でウシクに善戦、敗れはしたものの株を上げる形となったダニエル「ダイナマイト」デュボア。
復帰戦の相手は無敗のジャレル・ミラーです。
ミラーは無敗とはいえ世界レベルの強豪とはぶつかっていない、というのが現状であり、ここはデュボアのKO復帰を見たいところ。
デュぼあは比較的安定性に欠けるボクサーだという印象も受けているのですが、ここは絶対に負けてはいけない戦い、かつ、勝ち方も問われる試合だということを自覚してリングに上がって欲しいところですね。
WBA世界ライトヘビー級タイトルマッチ
ドミトリー・ビボル(ロシア)21勝(11KO)無敗
vs
リンドン・アーサー(イギリス)23勝(16KO)1敗
本来、このようはド派手興行に呼ばれるボクサーではなかったドミトリー・ビボル。ただ、東大随一の人気ボクサーであるカネロを退けたことで、世界の人たちの多くはドミトリー・ビボルのテクニカルなボクシングを知ったのでしょう。
その後もヒルベルト・ラミレス(メキシコ)を退けるなどして絶好調のビボルはサウジアラビアのリングに登場し、マイナー団体の中で最も権威のあるIBO世界ライトヘビー級王者であるリンドン・アーサーを迎えます。
これはなかなか興味深い戦いではありますが、ビボルの負けは考えられないはず。
アーサーは初のメジャータイトル挑戦、善戦できれば存在感を示せるかもしれません。
IBF世界クルーザー級タイトルマッチ
ジャイ・オペタイア(オーストラリア)23勝(18KO)無敗
vs
エリス・ソロ(イギリス)17勝(7KO)無敗
クルーザー級最強王者(個人的主観)、ジャイ・オペタイアの2度目の防衛戦はエリス・ソロ!。。。誰?
ともあれ、当時クルーザー級最強と目されていたマイリス・ブリエディス(ラトビア)を見事攻略し、IBF王者となったオペタイアは、初防衛戦で無敗のジョーダン・トンプソン(イギリス)を4Rで破壊。2度目の防衛戦もイギリスからの刺客ですね。
さて、エリス・ソロというボクサーは現在知りませんが、WBOヨーロピアン王座の保持者のようです。結構ヒドいキャリアの持ち主で、ちゃんとしたボクサーと戦っているのはここ3戦くらいのもの。その他は負け越しのボクサーがほとんどで、他には1日に3試合戦っているという記録も残されています。(3R×3試合)
流石にこのボクサーには負けはおろか苦戦もしてほしくないですね。頑張れオペタイア。
おそらくここまでがメイン格という扱いであり、以下はいわゆるアンダーカードに部類されるものです。ただ、このアンダーカードも非常に興味深いですね。
アルスランベック・マフメドフ(ロシア)18勝(17KO)無敗
vs
アギット・カバイェル(ドイツ)23勝(15KO)無敗
ヘビー級の無敗対決で超注目のパンチャー、マフメドフが登場です。
マフメドフは17つのノックアウトのうち、12が初回KOという即効型のKOパンチャーです。ロシア出身ながらもカナダで戦い続けており、もしかするとベテルビエフと同じような道を辿っているのかもしれません。熊みたいなところも似ています。
カバイェル(読み方は違うかも)は見たことがありませんが、2017年にデレック・チゾラ(イギリス)に勝利した星が光ります。
ヘビー級の怪物がサウジアラビアで魅せるのか、はたまたドイツ人がアップセットを起こすのか。注目の無敗対決ですね。
フランク・サンチェス(キューバ)23勝(16KO)無敗
vs
ジュニア・ファ(ニュージーランド)20勝(11KO)2敗
出身がキューバだからなのか、その実力に見合ったマッチメイクができていないのではと感じるフランク・サンチェス。かつてエフェ・アジャグバ(ナイジェリア)との無敗対決を制したは良いですが、その後のキャリアはアジャグバの方が良い相手に恵まれている、と言えます。
このジュニア・ファも戦績こそ良いですが強豪と呼ぶには心許ないボクサーであり、ジョセフ・パーカーには簡単にあしらわれ、その初黒星からの復帰戦ですでにロートルと思われていたルーカス・ブラウン(オーストラリア)にまさかの初回KO負け。
この大失態から初回KOで再起を果たすも、相手は「無勝」のボクサーで、4回戦の試合。
サンチェスはここはあっさり倒して勝たなければいけませんね。
フィリップ・フルゴビッチ(クロアチア)16勝(13KO)無敗
vs
マーク・デ・モリ(オーストラリア)41勝(36KO)2敗2分
4戦連続で無敗対決を勝ち上がってきた「クロアチアの猛獣」フィリップ・フルゴビッチ。このフルゴビッチも非常に楽しみなボクサーですね。
モリというボクサーは戦績こそ立派ですが、ここ数年、ほぼ負け越しているボクサーとしか試合をしていません。一応勝ってきてはいますが。
2016年にデビッド・ヘイ(イギリス)に初回KO負けを喫してから連勝中で、11連勝(10KO)という素晴らしい記録ですが、戦ってきた相手はというと言及するに値しないボクサーばかり。しっかり戦績を作ってきたなという感じでしょうか。
こういう状態だからこそ、もちろんフルゴビッチの痛快KOを期待するわけですが、まあ、ボクシングとは何が起こるかわかりませんから、どの試合も楽しみですね。
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