12月は毎週興味深い戦いがあって非常に嬉しい。
日本時間で12/4のライアン・ガルシアの登場に始まり、12/10はレジス・プログレイスvsデビン・ヘイニー、そして別会場でもロベイシー・ラミレスが登場です。
さらに12/17にはデビッド・モレル、そしてジェシー・ロドリゲスvsサニー・エドワーズ、翌週の12/24にはリヤドシーズンのヘビー級祭り。そのあとのことは、もう言わずもがな。
これらの戦いのうち、日本で視聴方法がないのがロベイシー・ラミレスvsラファエル・エスピノサによるWBO世界フェザー級タイトルマッチというのは少し寂しいですね。デビッド・モレルが登場するShowtime放映の最終興行は、無事にWOWOWでライブ配信が決まったようで良かったですが。
ということで今回のブログは、ESPNで放映されるロベイシー・ラミレスvsラファエル・エスピノサについて。
12/9(日本時間12/10)アメリカ・フロリダ
WBO世界フェザー級タイトルマッチ
ロベイシー・ラミレス(キューバ)13勝(8KO)1敗
vs
ラファエル・エスピノサ(メキシコ)21勝(18KO)無敗
ロベイシー・ラミレス。アマチュア大国キューバ出身のこのボクサーは、五輪連覇というアマチュア実績を持っている、というだけでなく、2012年のロンドン五輪では初戦で日本の誇る須佐勝明を破り、マイケル・コンラン、ツグスソグ・ニャンバヤルに勝利して金、2016年のリオ五輪ではムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、シャクール・スティーブンソン(アメリカ)を連覇するというとんでもない経歴を持っています。
キューバから亡命し、アメリカに渡ってプロとなった、というのはキューバン・ボクサーのある種正しい道のりではありますが、この大きな期待を背負ってのプロデビュー戦ではなんと敗北を喫するという波乱のプロキャリアスタートを切っています。
いまだに、この敗北は意味がわかりません。
その後、プロとしてはやや脆弱性を有するかに思えたラミレスは、戦うたびに力強さを増し、デビュー9戦目で地域タイトルを獲得、その後エイブラハム・ノバ(当時プエルトリコ)とのプロスペクト対決を最上の形で勝利、2023年にはアイザック・ドグボエ(イギリス)に完勝してWBO世界フェザー級王座を射止めています。
3ヶ月後の初防衛戦では清水聡を圧勝の5RTKO、日本のファンにもその強さを見せつけています。
現時点でいえば「井上尚弥最大のライバル」と言っても差し支えのないのがこのロベイシー・ラミレス。ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)というのも面白いですが、やはり現在のフェザー級の中でこのラミレスは頭ひとつ抜けているようにも思います。
とにかく上手いラミレスは、スピードもパワーも飛び抜けているわけではないですが、やはりボクシングという競技をよくわかっている、というようなイメージです。
デビュー戦の負けは都合よく無視するとして、このラミレスに勝てるボクサーはどんなボクサーなのか。
やはりその出自というものも考えると、一発があってボクシングの範疇から逸脱するようなボクサーではないか、と考えています。そういう意味で言うと、清水聡には期待していました。
しかし結果としては無残なもので、清水は何もできずに完敗。
そして2度目の防衛戦の相手が、180cmもの長身を誇る清水聡をさらに凌駕する、185cmの長身ボクサーだというのもなかなかのセレクトだと思います。
ラミレスの防衛戦の相手となるラファエル・エスピノサというボクサーは、とにかくでかい。やはりメキシカンらしく、アグレッシブファイトを好むボクサーであり、非常に長いボディブローを持っている等やりづらいボクサーでもあるでしょう。
パンチの出も清水と比べてスムーズで、強い弱いは置いておいて、清水よりもよりまとまったボクシングをするイメージ。
その分、はっきり言ってボクシングをさせるとラミレスに敵うとは思えない、というのも本音。はっきり言って仕舞えばラミレスの負ける姿は想像できませんが、このラファエル・エスピノサがボクシング的なものをかなぐり捨ててグイグイと前に出ていけば面白くなるのかもしれません。
このエスピノサ、今回が初めてメキシコ国外の試合だそうです。
ラミレスが決して安全な相手を選んだというわけではないでしょうが、ちょっと物足りなさを感じるマッチアップであることも事実。
というのが一般的な味方だと思われるので、だからこそ、エスピノサの奮闘に期待したい思いもあります。世界タイトルマッチを契機に化けるボクサーはいくらでもいるし、ちょっとキワモノ系(失礼)になりうるポテンシャルを秘めているだけに、ここで覚醒してくれるのも面白いかもしれません。
「いつもの」アンダーカード!!
トップランク興行における世界タイトルマッチといえば、プロスペクトたちがこぞって大したことない相手と戦うアンダーカードが主流なわけですが、今回もそんな感じ。
まずはザンダー・ザヤス(プエルトリコ)。トップランク期待の21歳はもう地域タイトル2冠王者というところまで来ています。来年はどこかでメイン抜擢なるのでしょうか。
他にはブルース・カリントン(アメリカ)、こちらの対戦相手はジェイソン・サンチェス(アメリカ)、オスカル・バルデス(メキシコ)への挑戦経験もあるボクサーですね。とはいえ、クリストファー・ディアス(プエルトリコ)、アダム・ロペス(アメリカ)といった中堅ボクサーに敗れている経緯があるので、ここで大きな飛躍があるわけではありません。
デランテ「タイガー」ジョンソン(アメリカ)も登場ですね。このタイガー・ジョンソンも非常に巧く、期待されているボクサーではありますが、若干シャクール化してきていそうなボクサーなので、ちょっと心配です。
そして個人的な「アメリカンヘビー級期待の星」と勝手に思っているリチャード・トーレスjr(アメリカ)も登場です。この大型化が進むヘビー級において、188cmの小兵がどのように挑んでいくのかを非常に楽しみにしています。
配信情報
ということで日本での配信情報は無し。
アメリカでは安定のESPNの放送で、日本時間のお昼くらいにメインイベント、というところでしょう。
私はESPNが見れる状況にはあるので、皆さんが見れないこの試合の観戦記はいち早く書き上げたい(誰も期待していないかもしれないですけどw)ところではありますが、あいにくとこの日は国公立大大会という年に一度のボクシング大会があり、それが終わって帰宅するとおそらく深夜の1時とか2時。
そこから試合を見始めると翌日に支障をきたすので、観戦記は早くても月曜日の夜になりそうですね。う〜ん、残念。
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