信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ロベイシー・ラミレス陥落は絶望ではなく、ラファエル・エスピノサというニュースター誕生という希望。

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時間が全然なかった週末が終わり、月曜日の仕事をなんとか早めに切り上げて週末の試合を視聴。

デビン・ヘイニーvsレジス・プログレイスに関しては、開いてしまったネットニュースにヘイニーがプログレイスを殴っている写真が載っていたので、察する。

ということで情報遮断をすること24時間超、1試合しか見る時間がないことを考えるとロベイシー・ラミレスvsラファエル・エスピノサです。

ラミレス優位は全く揺るがないものの、規格外の長身ファイターであるエスピノサに大化けしてもらいたい、みたいな気持ちもあるWBO世界フェザー級タイトルマッチ、今日のブログはその観戦記。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

12/9(日本時間12/10)アメリカ・フロリダ

WBO世界フェザー級タイトルマッチ

ロベイシー・ラミレス(キューバ)13勝(8KO)1敗

vs

ラファエル・エスピノサ(メキシコ)21勝(18KO)無敗

ラミレスはめちゃくちゃ速いわけでも、めちゃくちゃパンチがあるわけでもありません。ただ、ボクシングという競技を理解しており、先を読むことができるボクサーなのだと思います。

対してエスピノサ、まだ試されていない部分もありますが、とにかく規格外のサイズを持つフェザー級で、アグレッシブさはメキシカン。

駆け引きをさせればラミレス優位は動きませんが、この超長身メキシカンがここで化けないとも限らない、そんな戦いであるはずです。

初回からジャブを放って前進するのはエスピノサ。長い長いジャブ、農地終わりにラミレスが軽く左フックをヒット。これは浅いですが、まずはラミレスはしっかり見ていく感じですね。

エスピノサ、自分のストロングポイントをよくわかっており、とにかくジャブをよく打てます。しかしこのエスピノサの長い攻撃の打ち終わりにラミレスはリターンを返し、長身であるが故にバランスを崩すのはエスピノサ。

エスピノサも思った以上にステップワークがよく、リードを伸ばしつつのバックステップは誰も近寄ることができなくなりますね。やっぱり清水よりも非常にスムーズです。

2R、エスピノサはとにかく手数が多い。このまま休むことなく打ち続けるのでしょうか。エスピノサは常にジャブを出し続けており、これはダメージングブローとはなり得ませんが、同時打ちのカウンター、ゼロタイミングのリターンブローはこれで防げているかもしれません。これをナチュラルでやっているなら、この長身も合わせて意外と隙が少ないボクサーなのかもしれません。

それでもラミレスはさすがで、少ない隙を狙ってしっかりと踏み込んでのカウンター。距離が遠いエスピノサにクリーンヒットは難しいか、当たりは浅い。

 

3R、エスピノサは長い左ボディも良いですね。この左ボディ、サウスポー相手にはなかなか距離が近すぎて難しいパンチですが、エスピノサの場合は非常に遠くから、つまりラミレスの反撃がさほど怖くないところから当てることができています。

全然遠いところから届いてしまうエスピノサの攻撃、これをラミレスはブロッキングしますがこの手数に削られてしまわないか。

このラウンドは中盤打撃戦、非常にエキサイティングな展開になっていきます。

4R、やや押され気味と感じたのか、それとも様子見が終わったのか、ここでラミレスが強い踏み込み。パンチスタッツはラミレス19/87、エスピノサ36/257というとんでもないもので、エスピノサはこのままいけば今日1,000発以上のパンチをだそうです。

ラウンド前半は上手くカウンターを合わせたように見えたラミレスですが、後半にいくに従ってエスピノサの手数が上回る。このエスピノサ、手数だけでなく打ち下ろすようなパンチは非常に固そうで、もしやラミレス結構ピンチじゃなかろうか。

ESPNの非公式採点では、ここまでフルラウンドエスピノサ。これは仕方のないことでしょう。

5R、エスピノサの手数は止まることを知りませんが、これがただ左右を出すだけのようなものではなく、上下の打ち分けはもちろんアッパーも織り交ぜたアングルも豊かなものであり、このラファエル・エスピノサというボクサーはそのサイズにあぐらをかかず、日々の研鑽を積み重ねてきたボクサーだと見ることができます。

後半踏み入ったエスピノサは素晴らしい右アッパーをヒットし、左フックをフォロー。ラミレスはロープに詰まり、これはもうマジのピンチ。

と思った終盤、ラミレスが飛び込みの右フックをエスピノサにヒット、なんとこれでエスピノサがダウン!!!

ちょっと見た目通りの打たれ脆さがあるかエスピノサ、あのタイミングで顔面とは思っていなかったのか、完全にガードは空いていました。

ちょっとロープに後頭部を打ちつけたようにも見えますが、果たして大丈夫か。

 

6R、ラミレスは決めてしまおうと思っているのか結構な大振り。しかしこれはナチュラルにサイズ差、というところでエスピノサに届きません。結構な時間を強心で過ごしたラミレス、やや打ち疲れもあるか、中盤にはエスピノサの反撃を許します。

しかし後半、また強く出たラミレスは強く攻め入ります。エスピノサも右アッパーを繰り出して譲らず。

7R、やや落ち着いた展開の中で、リング中央を陣取るのはエスピノサ。エスピノサのジャブは数が多く、さらに非常に長い分厄介デリ、時折飛んでくる右のストレートも軌道が良い。

このラウンドもややエスピノサ、という時間でしたが、後半、ラミレスはカウンターをヒットしてエスピノサを下がらせます。

ラミレスはここをチャンスとしてエスピノサに打ち込み、攻勢をアピールしています。

8R、ロベイシー・ラミレスは底が知れません。このラウンドの序盤も右フックや左ストレートをエスピノサにヒット、この的が遠いエスピノサに、このように簡単に当てられるボクサーはどれくらいいるのでしょうか。

と、ここでサラッと宣伝が入ります。内容は、2つのフェザー級タイトルについてです。空位のWBAフェザー級タイトルマッチは、オタベク・クルマトフvsレイモンド・フォード。そしてIBFフェザー級タイトルマッチ、ルイス・アルベルト・ロペスvsレイヤ・アベ、この2試合は3/2、ESPN放送となっています。阿部麗也(KG大和)はESPNでのファイトになりそうですね。

 

9R、ここでまたESPNの非公式採点が出ます。前半4つのラウンドは明確にエスピノサ、ダウンのあった5R以降はラミレス、ダウンポイントを含めると1Pだけラミレスが優勢じゃないか、とのこと。そんなイメージですね。

ラミレスは左のタイミングを掴んだか、この利き手のパワーパンチをよく当てているイメージで、エスピノサは前にでて強い左右を振るっていきますがやや的中率は悪い。

ちょっとラミレスは戦いやすくなっていそうで、ここから突き放すか。

10R、ここでパンチスタッツ。ラミレス86/284、エスピノサ119/686ということで、パンチの数は倍以上。それでもやはりラミレスの的中率はこの長身ボクサー相手としては高い。

このラウンドもプレスをかけて手を出し続けるのはエスピノサで、このラウンドにきても特にパンチが雑になるわけでもなく、本当によく戦っています。このラウンドも中盤にラミレスの的確なカウンターショット。

ただ、このラウンドに来ても手数が衰えないどころか増えているイメージさえあるエスピノサ、執拗なボディショットを連発してラミレスを下がらせる場面も。これはまだまだ分かりません。決戦は、チャンピオンシップラウンドへ。

 

11R、おそらくどちらもまだ勝利の確信を持てていないはずで、こうなってくるともう気持ちの勝負。エスピノサはとにかく3分間に渡って攻め続け、後半に入ってから細かいパンチでラッシュを仕掛けるなどそのスタミナは異常です。

相手の攻撃の終わりどころが分からなければ、なかなか手を出せないラミレス。

ラストラウンド、ここまでのESPN非公式採点は104-104のドロー。ラストラウンド勝負です。

相変わらず左右、縦横、頭腹とさまざまに打ち分け攻撃し続けるエスピノサ。そこに稀にラミレスのカウンターが入り、これは非常にクリーンに入っているものだと思いますが、ちょっと攻撃の時間を考えるとややアピール不足か。

中盤、強引に攻め入ったエスピノサ、ラミレスのカウンターを浴びてさえも打ち続けます。ちょっとラミレスのパンチにもぱwーあが感じられなくなってきたか、というところなんですが、驚くべきことにこのエスピノサは全く手数も落ちません。

打たれながらも手を止めず、前進し続けるエスピノサ。ここまでくると、もうあとは「気持ちだぞ」と送り込まれているような感じで、この気持ちでラミレスを押し切っていきます。とてつもないタイミングで当たったパンチでもなんでもなく、ここでラミレスがダウン!!!文字通り、これはエスピノサのハートが奪ったダウンです。

立ち上がったラミレスに対し、容赦無くパンチの雨霰を浴びせるエスピノサ!!

ここでゴング、勝負は判定へともつれ込みます。

 

これはエスピノサに勝たせてあげたい。エスピノサが勝つべき試合です。何せあのダウンで、すでにラミレスは折れていました。

果たして採点は、113-113、114-112、115-111。

「And New!!!!!!」いやーこれはなんとも素晴らしい勝利で、ラファエル・エスピノサ!!

下馬評圧倒的不利、ながらも初回から堂々と戦い、自分のボクシングを貫徹した形での戴冠、これは全くもってフロックではない、自力の強さを物語る勝利です。

オッズの開きは、実力差ではありません。その選手がまだ名を獲得していなければ、例えば今回のように評価の高いロベイシー・ラミレスにベットせざるを得ません。

素晴らしい勝利だったラファエル・エスピノサ。

このボクシングには、ボクシングへの献身と、反復練習で培ったコンビネーション、そして何よりも限界を超えたトレーニングで獲得したであろう圧倒的なスタミナを見て取れます。

井上尚弥との対戦も取り沙汰されていて、「井上尚弥にとってのラスボス」という評価を得ていたラミレスはここで後退。でも良いじゃないか、こんなにも素晴らしいボクサーが「無敗」という看板を引っ提げ、ベルトを腰に巻き、待っていてくれるのかも知れませんから。

 

 

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