毎日毎日が一瞬で過ぎていく今月。
勉強したいことは山ほどあるし、やらなければならないことも山ほどあるし、観たい試合も山ほどあるのですが、1日は24時間しかなく、なんとこれは老若男女平等だそうです。
思えば随分の期間、体を動かしていないなと思いつつ、もう夜。
人間なんてものは生まれた瞬間から死に向かって一直線なわけで、そこをどう楽しむのかがキモになってくるわけですが、おそらくこのあっという間に過ぎる時間のことを充実とも言うのでしょう。暇よりよっぽど良い。
さて、というわけで12/17(日)はWOWOW、DAZNで海外のボクシング中継があり、U-NEXTでダイナミックグローブ。ひと昔前、ほどでなくとも3〜4年前だったらこれを「贅沢」と呼ぶのでしょうが、大配信時代となってからはもう当たり前になっているという事実も面白い。
2024年はダイナミックグローブもその放送枠を増やすようですから、ここからまだまだ配信興行は増え、私たち視聴者が「選ぶ」時代になってくるのだから、興行主たち、配信会社はさらに競争が激化していきますね。
とまあ、長くなりましたが、今回のブログは12/16(日本時間12/17)に行われるShowtimeのラスト興行のプレビュー記事。
↓同日はDAZNでも「Showtime」の興行が。
12/16(日本時間12/17)アメリカ・ミネアポリス
WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ
デビッド・モレル(キューバ)9勝(8KO)無敗
vs
セナ・アグベコ(ガーナ)28勝(22KO)2敗
37年にわたりボクシング中継をしてくれたShowtimeが放映するラスト興行、そのメインはキューバン・ボクサー。
このデビッド・モレルはPBCファイトにお世話になったボクサーではありますが、どうしても同階級のカネロと比べると知名度において随分劣る。
アマ大国キューバ出身のそのボクシングは、非常に総合力にすぐれ、まさになんでもできるタイプであり、ここまでの戦いでは9戦中全勝、KOを逃したのはわずかに1試合(暫定王座を獲得した際の決定戦のみ)と無類の強さを誇示し続けています。
スピード、パワー、ボクシング技術、どれをとってもまさに非の打ち所のないモレルは、もしかするとスーパーミドル級最強なのかもしれませんが、カネロ・アルバレス(メキシコ)やデビッド・ベナビデス(メキシコ)と戦えるほどの知名度、バックグラウンドを持っていないというのもまた事実。
今までの戦いではピンチを経験したことも苦戦したこともなく、ポイントを取られることもほとんどありませんでしたから、「強敵と戦っていない」と言われれば同意せざるを得ないところもあります。いや、強敵というよりも「名のある相手と戦っていない」というべきなのでしょう。きっと強敵はいたはずです。
さて、このセナ・アグベコというボクサーもそんな「名のある相手」とは呼べない選手です。
ガーナ人らしく、非常に身体能力の高いタイプであり、スピード、パワーに優れて反応速度も非常に良い。危険なファイターの一人だと言うことはできますね。
ただ、2021年にウラディミール・シシュキン(カザフスタン)に敗北しており、これはフルマークの敗北だったことから、ある程度底が知れる相手でもあります。もし、このアグベコにモレルが苦戦するようなことがあれば、シシュキンはすぐさまモレルへ挑戦状を叩きつけるかもしれませんね。と、思ったらシシュキンはWBAランク外でしたね。
ともあれ、当然この試合はモレルが圧倒的優位。順当にいけば、モレルの勝利は固いでしょうから、ここに勝ってそろそろ名のある相手との対戦を見たいところですね。
クリス・コルバート(アメリカ)17勝(6KO)1敗
vs
ホセ・バレンズエラ(アメリカ)12勝(8KO)2敗
「Showtime」ではなく「Primetime」。これはジミー・レノンJrのアマプラ興行のコールの話ではなく、クリス・コルバートのニックネームの話。
この「Primetime」と名付けられたコルバートは、PBCの寵愛を受け、かなり担がれてきたボクサーです。非常に華麗なボクシング、スピード、スキル、ディフェンステクニックに優れ、リングIQが高い。言うなれば、「塩」の権化。ただ、そのコンビネーションは速く、勢いもあり、ステップインも速いものですから、多分ハイライトで見るとほとんど別の、非常にアグレッシブなボクサーに見えるはずです。普通の塩ボクサーのように、単発で終わらないのが彼の良いところ。
私はこのコルバートのことを応援していて、その出自も含めて好きなボクサーの一人です。
どうにか頑張ってほしい。
が、このバレンズエラ相手にはそのプレッシャーを持て余す部分は多く、前戦は「疑惑の判定」と呼ばれています。
今年3月、コルバートはエクトル・ルイス・ガルシア(ドミニカ共和国)に敗れて以来、そしてホセ・バレンズエラはエドウィン・デ・ロス・サントス(ドミニカ共和国)に敗れて以来、それぞれが復帰戦というサバイバルマッチの舞台で激突。奇しくも二人ともドミニカンに初黒星をなすりつけられたボクサー同士でしたね。
この戦いは初回からバレンズエラがコルバートからダウンを奪うスタートで、その後も幾度かコルバートがダメージを被るという場面がありました。だからなのか、3-0のユナニマス判定(3者ともに95-94)という判定が出た時はブーイングがすごかった。
ただ、これはボクシングでよくある出来事であり、明らかに優勢のラウンドでなくても10-9と振り分けなければいけないラウンドマストシステムの弊害と言えるもので、明らかにコルバートがダメージ受けていたとしても、ラウンドを終えればリセットされてしまうので、この判定は見方によって変ではないと思います。
ともあれ、だからこその再戦、ダイレクトリマッチです。
勝敗の行方は、というと、メインイベントよりもこちらの方が興味をそそるわけですが、これは前戦を見ればどちらが勝ってもおかしくない一戦です。
コルバートがまたギリギリでポイントをピックアップしていく、ということも考えられますが、バレンズエラがまたどこかでコルバートにダメージを与える場面も想像できます。
そして、前回ジャッジングに対して批判があった、という一戦では、もしかすると今度はバレンズエラの攻勢の方にポイントが流れていきそうな気配もあります。
なので今回の予想としてはバレンズエラがやや優位か、と思いますが、オッズを調べるとバレンズエラが-115、コルバートが+115くらいで、賭けが成立しないくらいのレベルで拮抗していました。
両者ともに負けられない一戦だけに、好ファイトが期待できそうです。
そのほかのアンダーカードと配信
その他のアンダーカードとしては、ロバート・ゲレロ(アメリカ)vsアンドレ・ベルト(アメリカ)が話題の一戦となりますね。
両者は2012年11月に戦いゲレロが勝利、これがなんと11年ぶりの再戦となるようです。
互いに歳をとり、今年40歳を迎えたところ。半分引退状態だったところでのこの戦いは、エキシビジョンでも良いレベルかもしれませんね。
あとは元WBA世界スーパーライト級王者、アルベルト・プエリョ(ドミニカ共和国)も登場、ドーピング違反からの復帰戦に臨みます。
この興行はアメリカではもちろんShowtimeですが、日本ではWOWOWがオンデマンドでライブ配信してくれます。はっきり言ってカード的にはWOWOWがライブ配信を決意するのに物足りないカードではありますが、Showtime放映の最終興行ということで「今までありがとう」という意味を込めてのライブ配信(の権利を購入した)ようにも感じます。
ということでこのShowtime配信最終興行、是非WOWOWで!!
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