信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】圧巻の4団体統一戦、井上尚弥vsマーロン・タパレス!!FOTY候補のセミ!堤聖也vs穴口一輝

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

さあさあ、本日は自宅、そして珍しくリアルタイム観戦なので、観戦記のアップが早い。

武居由樹、平岡アンディがそれぞれメキシカン(たぶん兄弟)と戦った後、ESPNではとにかく井上尚弥のハイライト映像が流れまくっています。

そして時折スタジオに戻り、めっちゃ顔の濃い実況アナとジャメル・ヘリングが喋ってますが、当然何を言っているのかわかりません。しかし、おそらくLeminoで繰り広げられている茶番劇を見るよりはよっぽど良いでしょう。

こういうアイドル時間はいらないんだよな、とか思いつつ、アメリカの人たちが早起きしてみてくれるかもしれない、と考えるとやっぱり時間合わせ的なものは必要なのか。

ともあれ、今回のブログは前回に引き続きの観戦記。いよいよセミファイナルを含んだメインイベントです。

↓アンダーカードはこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

 

12/26(火)有明アリーナ

日本バンタム級タイトルマッチ

堤聖也(角海老宝石)9勝(7KO)無敗2分

vs

穴口一輝(真正)6勝(2KO)無敗

「モンスタートーナメント」と言ってもアメリカの人々には何のこっちゃ、でしょう。

しかしある種、「次期挑戦者決定戦」を内包しているこの戦いは、日本のボクシングファンにとって非常に興味深いものであり、個人的予想は堤優位としながらも、穴口は速く、上手く、アンダードッグにはなり得ないボクサー。

特に序盤、そのスピードでやり込めるという可能性も高く、堤としては前戦のカットもあってかなり危険な相手とも言えます。

できれば堤に勝利してもらい、世界タイトルに挑戦してほしい。そして欲を言えば、WBAではないタイトルを取って、井上拓真とは王座統一戦でぶつかってほしい、とか贅沢に思っています。

それほどに日本のバンタムは充実しており、指名戦として決まってしまっている井上vs石田匠というのは仕方ないにしろ、できれば日本人同士でタイトルマッチでぶつかって欲しくない気持ちがありますね。

さて、Co-main eventが始まりますよ、からLeminoの映像が流れます。ゴリゴリの日本語VTR、せっかく海外で流すなら英語字幕でもつけてほしい。そうすれば、堤にしろ穴口にしろ、アメリカ人の目に留まるかもしれないのに。

 

 

 

さて、ともあれゴング。

初回、まず堤が大きくサークリング、遠い距離からボディで攻め入ります。それに対応する穴吹はリング中央に陣取り、こちらは非常に長いジャブ。

堤のエンジのグローブ、かっこいいすね。

ともにサウスポースタンス、穴口のジャブの打ち終わりに堤は左を狙っているような感じ。

様子見段階は出ないまでも、穴口のワンツーは非常に鋭く、スピードにおいては0.5テンポくらい穴口が速いイメージ。堤もそのスピードに遅れをとるわけでもなく、好試合の予感しかしません。

2R、堤がプレスをかけていきます。このガチャガチャとしたプレスが堤の持ち味だと思いますが、穴口は小さなステップで見事に対応、堤の入り際に左を狙います。これをもかわす堤も素晴らしい。ただ、思うように距離を詰められていないのも事実でしょう。

中盤、仕切り直した堤はほぼ揉み合いの展開から良いアングルからのフック。穴口はリードをストッピング気味に使いつつ距離をキープしようとしています。

3R、ここで接近戦!穴口はこの序盤で受けて立ちます!これはかなり気が強い。

ここで穴口は回転力を活かした連打、途中スリップダウンが挟まれるも堤は右目付近から出血!

 

 

 

絶妙な距離感を有する穴口がちょっと近い距離でも勝ってきたか、2分が経つ前に堤の傷をドクターがチェック。瞼がざっくりいっています。。。これはピンチ。。。!

堤の得意のオーバーハンドは距離で外されることが多く、穴口のリードが良い中で左カウンターはまっすぐ飛んできます。中間距離がうますぎる穴口、堤はなかなか乱戦に持っていくことができません。

4R、穴口のジャブが邪魔、それを外して入っても2の矢が飛んできて、それをかわしても3の矢が飛んでくるようなイメージ。素直にインサイドに入らせてくれない穴口、入ったとしても回転力のある連打が待っているし、入り際のカウンターも怖い。

穴口が良いボクサーだという認識はありましたが、まさかここまでとは思いませんでした。

堤に一発があるのは重々承知ながらも、穴口はフィジカルも強く、堤の攻めにガッチリと耐えられる分、ちょっと難しいのかも。

と思った瞬間!!!!堤の左オーバーハンドがヒット、これでぐらりときた穴口は堤のフォローを受けてダウン!!!!何という!!!素晴らしいオーバーハンド!ここにきて、これが当たるとは!

 

 

 

5R、ちょっとダメージがありそうな穴口は接近戦を選択!

穴口は回転力に勝りますが、この距離は堤の距離です!!

頭を付けて、意地と意地を押し付けるように打ち合う両者、互いのボディを打ち合うとその内容はやはり堤が優勢になってきているように見えます!!

しかし終盤、穴口のカウンターで堤の動きが一瞬止まったようにも見えました。全体的には堤が上手くパンチをコネクトしていたように見えましたが。。

6R、途中採点はよく聞こえませんでしたが、穴口が優勢とのこと。これまで以上に行くしかない堤、心なしか動きが戻った穴口。

堤の左オーバーハンドを十二分に警戒している穴口、この相手にオーバーハンドを当てるのは至難ですが、やっぱり一発が欲しい。

序盤のように距離をキープしてのカウンター戦法に戻ってきた穴口は、完全に調子を取り戻しています。

後半、ここで堤に対して2度目のドクターチェック。これは。。。止めてくれるな!!

会場は大きな拍手で再開、穴口は右フックで堤の傷を狙います。足の素早さは完全に戻っており、堤にとっては厳しさは増すばかり。

7R、いつ止められるともしれない傷を抱え、堤が猛チャージ!!ここでいけるか行けないか、というのはボクサーの魅力というものに反映されます。

堤のものすごい(語彙力)チャージで、なんと穴口がこの試合2度目のダウン!!!今度は右ストレート!!!

 

 

 

ここが逆転のチャンス!穴口はダメージもあるか、接近戦を選択!!

堤はがむしゃらに、それこそ我武者羅に攻め立て、穴口も力を込めて応戦!!!!

だんだんと遅くなっていく両者の回転力、疲れもダメージも、堤のカットも、全てが臨界点を突破していく中で、とてつもない打撃戦が展開されます!!

いつの間にか息を止めていた、それぐらいの試合。。。

8R、変わらず、行くしかないのは堤。ただ、やはりラウンド前半の穴口は速い。

特にジャブ、そして飛び込んでの右フックは、カットのこともあるので非常い怖いですね。

ラウンド後半、穴口は小さなバックステップを使ってのカウンターが冴え、パワフルではないもののここは優勢か。

9R、ガードを固めて全身、なりふり構わない連打を浴びせる堤!まさに右も左もなく、歩きながら打つというこのボクシングはある種美しい。

ここで何のパンチかわからないが穴口がダメージを打って後退!!堤は連打、連打、連打!!たまりかねた穴口はダウン!!!

立ち上がった穴口に対して、とてつもない手数で押し切る堤!穴口は応戦、しかし手数では堤!!押し切れるか、と思ったところで穴口が距離をとってワンツー!!!

これはまだわからない、というところから今度は堤が距離を詰めて連打!!!!

なんだこの!!!とんでもない試合は!!!

 

 

 

ラストラウンド!ここは互いに手を出すしかない展開、穴口が元気です。穴口はもともと回転力がありますが、堤ほど出し続けられない。堤は出し続けることこそできますが、スピードにおいて穴口に劣る。

互いに良いところを相手に押し付けるようなとてつもない打撃戦が展開される中、終了間際に穴口がまたもダウン!!!!ここで試合が終了です!!!

これは。。。!堤の出血を見れば、途中で止められてもおかしくないほど。

ポイントでは4つのダウンを奪った堤のはずですが、はっきりいって両者ともが勝者です。

もう、立っていられないほどのダメージの穴口。足が痙攣しており、これは心配です。担架とか必要なレベルでは??

果たして判定は、94-92が2人、95-91、堤が勝利!!

いや本当に、国内ファイト・オブ・ザ・イヤー、でしょう。

セコンドの肩を借りなければ歩くことすらままならない敗者穴口、最後の最後までよく立ち上がりました。本当に天晴れです。

応援していた堤が勝ってくれて本当に安心しましたが、穴口にも非常に可能性を感じる戦い。本当に良いものを見せてもらいました。これがメインでも良いくらい。

日本王座を、しかも強豪相手に4度も防衛した王者、堤。来年の世界奪取に期待するとともに、井上尚弥のあと、ニッポンのバンタム級はもしかして黄金期を迎えているのかもしれません。

来年早々、中谷潤人が王座を獲得して、もし西田がロドリゲスに勝てば、残るはジェイソン・マロニーのみ。このマロニーに堤が勝てば、日本のみでWBSSが開催できる算段となります。

そして今、軽量級ファイトのメッカは日本。これは期待しても良いのではないでしょうか。

 

 

 

世界スーパーバンタム級4団体統一戦

井上尚弥(大橋)25勝(22KO)無敗

vs

マーロン・タパレス(フィリピン)37勝(19KO)3敗

さて、何だかあっという間に来てしまった、スーパーバンタム級の4団体統一戦。

昨年の今頃、バンタム級の4団体統一戦があったことを思うと、本当に「あっという間」という言葉に全く齟齬がありません。

なんかどうでも良いことですが、WOWOWとかだと海外映像が流れている時、実況、解説が結構お喋りしている(情報を与えてくれている)イメージですが、ここでは全然ないですね。メインは良いとしても、アンダーカードとかは全然情報ないのでしょうか?

ともあれ、ここまで空き時間があればとにかくイノエのハイライトを流していたESPNも、いよいよタパレスのこともピックアップ。

さて、ここで妻が晩御飯食べろ、と来たが追い返します。これから入場なので。セミファイナルの途中できたら怒鳴ってました。(本当はそんな度胸はありません。)

さて、モンスターvsナイトメアの煽りVが流れる途中、一瞬宣伝を挟んでくるESPN。どうかしてる。別に良いけど。

タパレスの入場。そして、モンスターの入場は、Departure!!!

からのやっぱりコミッショナー宣言はいらん!!

 

 

 

井上コーナーがフィリピンカラー、というのはなかなかに微妙に感じますが、これは果たしてアウェーの地に立つフィリピン人ファイターに敬意を表してのものなのか、それとも何も考えていないのか。

とかどうでも良いことを考えていると、いつの間にやらゴング間際。

並んでみるとタパレスはだいぶ分厚く見えます。

ゴング。

まずは互いに当たらない距離のジャブで探り、早速井上がジャブからボディストレートで攻め込みます。

タパレスもワンツーを返すと、その後すぐさま井上もワンツー。

高いガードポジションから、タパレスが左で攻め込む場面をつくり、その後も左から入るパターン。ちょっとタイミングが読みづらいかもしれません。ただ、井上は3度目の左ストレートにはしっかり対応しています。

互いにどっしりとした構えからフェイントをかけ合いつつ、一気に攻め入るというスタイルを選択、タパレスのジャブも良いですね。

2R、タパレスが小刻みに体を振り、強い踏み込みを見せます。しかし井上はそれをバックステップでかわしてリターン、これがまた強い。

タパレスはもともとですが、井上もやや後ろ荷重になりつつ、前足のスタンスの奪い合い。先に動いた方にパンチを合わせようとする、非常に緊張感のある時間帯が続きます。

 

 

 

タパレスはやっぱり逃げ回ることがなくて良い。井上を恐れるそぶりも見せていません。

ただ、タパレスが打てば井上がそれ以上に強いリターンを返すので、ここから先、手が出づらくなっても仕方ないかもしれません。

3R、先に仕掛けつつ、相手の出方を見る井上。力強い攻めを見せてタパレスを煽ると、ボディストレート。

タパレスもお返しとばかりにボディストレートを打つと井上はオープンガードにしてタパレスを誘います。タパレスはガードが非常に固い。前半、と思っていましたが、これは後半まで行くという展開もあり得ますね。

後半、タパレスが打ったところに井上の右カウンター。これは一瞬タパレスの動きが止まったようにも見えました。

4R、井上はタパレスの固いガードもお構いなしにワンツー。近距離まで攻め入って、とてつもないタイミングでバックステップしてタパレスの反撃をかわします。

タパレスのパンチ、というのは非常に危険ですが、井上が先に打つ。これがガードの上からどれくらいの効果があるのでしょうか。

中盤、井上が左ボディを入れるとタパレスは嫌がるそぶり。右フックを振るって体を押し付けてきますが、井上に打ち勝てるはずもなく、井上に左フックカウンターを効かせられて動きた止まると、その後のラッシュでダウン!!!

立ち上がったところでゴング!

 

 

 

5R、もはや振りかぶって打つ、というぐらい力を込めて右を打つ井上。この辺の仕留める力はとんでもない。

しかしタパレスはまだ両手を合わせて頑張り、井上に右フックをヒットしています。

タパレスの攻撃はブロッキング、そしてリターンする井上。タフなタパレスはそれでも打ち返し、井上にアッパーをヒット。これは素晴らしい、タパレス!

力を込めた、単発気味の力比べ!!!

おそらくダメージを負いながらも向かってくるタパレス!

6R、まだ出てくるタパレス!タパレスにとっては井上にアウトボックスされるよりも可能性があるという展開、しかしそれでも井上尚弥という壁は高い。

ただ、井上としてもハイガードでさらにガードの固いタパレスを倒すのは容易ではなく、強引にはいきません。

7R、MJ戦を経ていつの間にか素晴らしいジャバーになったタパレス、このラウンドでジャブで井上の顔を跳ね上げます。

攻めあぐねている、というよりも倒しあぐねている雰囲気の井上。これはやはり、タパレスが後ろ荷重で上体が非常に柔らかい、ということに起因しているのかもしれません。

それでも後半、井上は追いかけて追いかけての右をヒットしています。このラウンドはタパレスにとってこれまでのベストラウンド、ジャッジがポイントをつけた可能性もあります。

 

 

 

8R、やっぱりタパレスのノーモーションで飛んでくるジャブは良いですね。井上は追いかける場面が増えていますが、前足を置いて後ろに逃げるタパレスへは、あまり追いかけ続けてもよくないかもしれません。

やっぱりタパレスが出てくるところを狙う、というのが定石のような気がしますが、さほどタパレスが強く出てくることはない分、難しい相手なのかもしれません。

9R、後ろ荷重、バックステップを使いつつもカウンターを狙うタパレス。井上の右のダブルの攻め方は非常に素晴らしいですが、タパレスもさすが歴戦の雄、気持ちよく攻め入らせてはくれませんね。

ガードの固いタパレス、幾度も押されてはいるもののよく耐え、勝負を投げません。

10R、まさかここまでくるとは思いませんでした。多くのファンが「勝負は序盤」と考えた試合は、もう二桁ラウンドまで来ています。

序盤、タパレスが攻撃的に攻めてきます。しかしここを凌いだ井上尚弥は、ワンツーで反撃!ここまでのダメージが溜まっていたのか、それともタパレスのファイナルアタックだったのか、タパレスは吹っ飛ばされて力無くダウン!

これはそのままカウントアウトでしょうか、ともかく井上尚弥の勝利!!

井上尚弥、10RKOで2階級に渡る4団体統一を達成!!!

 

 

 

想像以上に頑張ったマーロン・タパレスに拍手。

なるほど、ここまで長引いたのはタパレスのディフェンス力にありそうで、比較的ワンツーで攻め入ることが多い井上にとって、上体の柔らかさとかは天敵となりうるのかもしれませんね。タパレスは非常にガードが固かったですが、ガードの上からでもダメージを被っているようにも見えるので「勝つために」というよりも「12Rを生き延びるために」必要なスキルなのかもしれませんが。(じゃあフルトンは?とかいうツッコミは無しで。前提として、井上を相手に恐れない心が必要です。)

おそらく井上相手に最も相性の悪いスタイルは、正統派のボクシングじゃないでしょうか。例えば、サム・グッドマンとか。

ともあれ、次はどんな相手に、どのような勝ち方を見せてくれるのか。

今後も日本のボクシング界は安泰、次戦も期待しましょう。

 

 

 

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