今週のウィークデイはフェニックスバトルですね。
1/9(火)はFODでしたし、1/12(金)はLeminoです。ともあれ、今週の大注目興行といえばトップランク興行、ベテルビエフvsスミスです。
カナダはケベックシティで行われるこの試合の注目はメインだけではなく、セミファイナルには我らがジェイソン・マロニーと日本のリングにも上がったサウル・サンチェスが戦います。
さらにさらに、この興行をWOWOWが放映してくれる、ということはやはり日本のファンの目にもしっかりと触れるわけで、大注目興行となります。
ということで今回のブログは、1/13(日本時間1/14)に行われる、ベテルビエフvsスミスをメインに据えたトップランク興行のプレビュー記事。
1/13(日本時間1/14)カナダ・ケベック
WBC・IBF・WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ
アルツール・ベテルビエフ(カナダ)19勝(19KO)無敗
vs
カラム・スミス(イギリス)29勝(21KO)1敗
カラム・スミスというボクサーは、非常に恵まれた体躯(身長191cm、リーチ198cm)を誇っており、技術的に優れ、およそ穴の少ない非常にバランスの取れたボクシングをする、という印象です。
2012年、ロンドンオリンピック出場を目指し、ヨーロッパ予選に出場も準決勝で敗北を喫し、オリンピック出場を逃すとその半年後にはプロデビューを迎えています。
連戦連勝のカラム・スミスは早々に地域タイトルに手を伸ばし、いくつかのタイトルを獲得するとWBSSのシーズン1に出場。
初戦でWBC世界スーパーミドル級ダイヤモンド王座を獲得し、決勝戦ではジョージ・グローブス(イギリス)を破ってWBAタイトルを吸収、早々に2冠王者となりました。
その後の防衛戦では日本でもお馴染みにアッサン・エンダム(フランス)を3RKOで屠り、その後ジョン・ライダー(イギリス)を撃破。ちなみにこの時のライダー戦は「苦戦」と言われており、この時のライダーはまだ評価が高くなかったですね。
非常に体躯に恵まれたスミスですが、インサイドではやや困ることが多い。ライダーはスミスにとっても苦手なタイプであり、この次に戦うカネロにも安安と懐に入られている姿がありました。
カネロ戦で初黒星を喫し、カネロにスーパーミドル級王座を明け渡してしまったカラム・スミス。ここからカネロの快進撃が始まるわけですが、スミスはライトヘビー級で再起、そこから2連勝(2KO)を飾っています。
アルツール・ベテルビエフについてはとにかく剛腕で熊みたいな人間(?)であり、技術も持ったボクサーでもあります。
ボクシング大国ロシアに生まれ、ロシア式ボクシングで強くなったベテルビエフは、カナダへと渡りカナダ国籍を取得、現在のファンベースはカナダにあります。
カナダの興行では外から来たベテルビエフに対して大きな声援があり、ホームの利を得ることもできる環境。38歳という、いつ衰えが急に来てもおかしくないという年齢を除けば、非常に盤石な王者だと思っています。
圧倒的なパワーでジョー・スミスJr(アメリカ)を屠り、3団体王座の統一をしたベテルビエフですが、前戦のアンソニー・ヤーデ(イギリス)戦では大苦戦。一進一退となった攻防は、ポイントも非常に競っていたのもまた事実。ただ、最終的にはベテルビエフがパワーで押し切っており、もし展開が違っても同じ結果になったのでは、と思わせる内容でもありました。
さて、この試合、50-50だというファンも多いようです。
しかし、私としてはベテルビエフが圧倒的優位であり、あとは「カネロが圧倒しつつも倒せなかったカラム・スミスを、ベテルビエフが倒せるか」という戦いのように感じています。
ベテルビエフが突然衰える、ということではない限り、スミスにとってはベテルビエフのパワーは脅威であり、確かに身長やリーチに勝るスミスに体格的利点はあるものの、はっきりいってベテルビエフの桁外れのパワー、そこから滲み出るプレッシャーにスミスが耐えられるか、というと答えはNoだと思います。
ここはベテルビエフが完勝、さらにスミスが逃げ回ることがない限りはどこかで倒し切ってくれるのではないか、と期待をしています。
そしてその後に期待することは、やはりアルツール・ベテルビエフvsドミトリー・ビボル。
すでに合意がなされた、というニュースも流れていますが、こういう時は正直要注意であり、その先を見すぎて足を掬われるということは本当に多く起こることです。
ベテルビエフに限って、そんなことはないとは思いますが、ここは気合を入れて倒し切ってほしいところですね。
WBO世界バンタム級タイトルマッチ
ジェイソン・マロニー(オーストラリア)26勝(19KO)2敗
vs
サウル・サンチェス(アメリカ)20勝(12KO)2敗
前戦、ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)を破って悲願の王座初戴冠を果たしたジェイソン・マロニー。
生真面目さが伺えるオーセンティックなハイガードスタイル、ステップワークからのコンビネーションパンチを得意とするオーストラリアのボクサーは、わが国のヒーロー、井上尚弥と戦ったことと、好感の持てるインタビュー記事から日本でも大人気のボクサーです。
対してサウル・サンチェスはルディ・エルナンデスの元でトレーニングを重ねるボクサーであり、いわば中谷潤人やアンソニー・オラスクアガとはジムメイト。
サンチェスは前戦で日本のリングに立ち、RVデニエガ(フィリピン)を撃破。スピードがあり回転力のあるボクサーで、その時見た感じだとグイグイと攻める、ファイターよりのボクサーなのだと思います。
非常にスムーズなステップワークで前進し、とにかく回転力のあるサンチェス。このボクサーを懐に入れてしまうと非常に厄介なことになる、という感想を持ちますが、マロニーはステップワークにも優れた選手。そう簡単に懐に飛び込めるとも限りません。
強敵との対戦経験というのは圧倒的にマロニーが上であり、マロニーの2敗とサンチェスの2敗の重みが全く違うのも事実。この試合は、おそらくマロニーが美しいアウトボックスを披露し、サンチェスの攻撃を躱しつつポイントをピックアップしていくのではないか、と見ています。
ただ、マロニーの攻撃面ではあまり迫力がなく、アウトボックスしているときにポイントを取りづらいのは確か。前戦のアストロラビオ戦でも、アストロラビオに攻勢点が流れてしまっていた、という事実もあります。前回のアストロラビオ戦はアメリカでの戦いであり、今回はカナダ。
正直、オーストラリアでやればマロニーにポイントが流れるのでしょうが、今回もそうではありません。マロニーにとって怖いのは、やっぱり計算が狂った時。これは途中採点があるわけではないので終わってみなければわかりませんが、やはりラウンドのどこかでしっかりと攻勢に出て、ダメージを与えるなりのアピールを作っていかなければいけなそうです。
なのでこの手数が多く、アグレッシブに攻めてくるサウル・サンチェスのような対戦相手は、ジェイソン・マロニーにとっては鬼門となり得る相手。
オッズはマロニーが-350、サンチェスが+300ほどと出ており、当然二人のレジュメを比べた時にマロニー優位と出るのは当然のことながらも、アップセットは起こりうるマッチアップのようにも見えます。
一方で、この試合はサンチェス側から見るとダメモトの一戦と見ることもできる、というのもまた事実。ここでサンチェスがマロニーと戦っておくことで、その後、もしかするとあいまみえる中谷潤人との戦いの情報収集という意味合いもあるかもしれません。
いずれにしても、バンタム級はアツい。
世界最強と戦ったボクサーたちが、そしてその世界最強を追いかける日本のボクサーたちが乱戦模様。それこそこのバンタム級は、もう一度WBSSを開催してもらうか、リーグ戦のような総当たり戦を希望したいですね。
放送・配信
この興行は、アメリカではESPNが生放送。
日本ではWOWOWオンデマンドでの生配信が決まっています。
日程は日本時間1/14(日)10:00〜となっており、セミセミのクリスチャン・ムビリvsロハン・マードックからの中継かと思われます。
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