2月に入りましたね。
今年の2月はうるう年で29日までありますが、なんと3連休が2度もあり、平日としてはたった19日。これで月の目標は変わらないから、営業マンにとっては辛いものです。
2月、最初の土日にもボクシング興行はありますが、それを飛び越えた木曜日にこそ、注目興行。
アメリカ、ラスベガス開催の平日興行、テオフィモ・ロペス(アメリカ)vsジャーメイン・オルティス(アメリカ)によるWBO世界スーパーライト級タイトルマッチです。
しかもセミファイナルはキーショーン・デービス(アメリカ)vsホセ・ペドラサ(プエルトリコ)。これは大注目ですね。
と言うことで今回のブログは、ロペスvsオルティスをメインに据えた、トップランク興行のプレビュー記事。
2/8(日本時間2/9)アメリカ・ラスベガス
WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ
テオフィモ・ロペス(アメリカ)19勝(13KO)1敗
vs
ジャーメイン・オルティス(アメリカ)17勝(8KO)1敗1分
テオフィモ・ロペスは今、非常に楽しみなボクサーです。2020年10月、時の絶対王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に勝利。
このロマチェンコ戦の前はリチャード・コミー(ガーナ)に素晴らしい2RTKO勝利を収めていながらも、ロマチェンコ戦は時期尚早と言われていましたね。
しかしロマチェンコ戦ではサイズが勝るロペスに対し、ロマチェンコはなかなか手が出ず、これはロマチェンコの作戦負けのような雰囲気の試合でもありました。
勝利したロペスは3団体統一王者となり、一躍時の人に。
しかし好事魔多し、初防衛戦でジョージ・カンボソスJrに判定負けを喫し、全てのタイトルを失いました。
なんともジェットコースターのようなボクシングキャリアを過ごしていたロペスですが、スーパーライト級での3戦、特にここ最近の2戦は強豪を相手にしっかりと結果を残しています。
スーパーライト級初戦となったペドロ・カンパ(メキシコ)戦は調整試合の色が濃かったかもしれませんが、2戦目はサンドール・マーティン(スペイン)。マイキー・ガルシア(アメリカ)を破って名を上げたこのマーティンを相手に、薄氷ながらもスプリットの判定勝利。判定は非常に難しかったかもしれませんが、個人的には常にアグレッシブだったロペスの勝利を疑うべくはありません。あの内容でロペスの負けはないかなーという感じ。
そして極め付けは前戦、元世界スーパーライト級4団体統一王者、ジョシュ・テイラー(イギリス)への挑戦です。
テイラーは4団体を統一後、初防衛戦でジャック・キャトラル(イギリス)に疑惑の判定で勝利。その後は次戦の情報がなかなか出てこない中で、一つ一つタイトルを剥奪され、最後に残ったWBOタイトルの防衛戦でロペスを迎えました。
↓観戦記
この試合は、ポイントは競っていましたが、結果的にはロペスの鑑賞だったように思います。
テイラーは当時1つのタイトルしか持っていませんでしたが、誰かに負けて奪われていたわけではなかったので、この階級唯一のLineal王者。つまりこのLineal王者に勝利したロペスこそが、この階級の「直系」王者となりますね。
そんなロペスの迎える初防衛戦の相手が、ジャーメイン・オルティス。
判定型、とも言えるテクニックのあるボクサーですが、攻防のバランスは非常に良いように思います。さらにジャブがよく、運動量も豊富であり、さすがアンダードッグとはいえロマチェンコ戦を叶えたプロスペクト。
このオルティスというボクサーの男気はなかなかのもので、ロマチェンコ戦の前にはジャメル・ヘリング(アメリカ)と戦い判定勝ちしているし、リスクをとって上がってきたボクサーだと言えます。
リスクをとってタイトルもかかっていない試合でロマチェンコに挑み、敗れはしたものの大きく評価を上げたジャーメイン・オルティス。だからこそ、今回のような戦いを手に入れられたのでしょう。
さて、ロマチェンコ戦のオルティスは、明らかにデカかった。ちなみにロマチェンコ戦のロペスも、非常にデカかった。
これはロマチェンコがライト級において小柄、ということに起因しているわけですが、このロペスとオルティスの体格さがどうかというと、二人とも173cmと身長は同じ。
ともにロマチェンコと戦った時は、かなり体格に助けられている感があったのですが、今回は互いにそれは使えず、純粋にどちらが強いのか、という戦いとなりそうです。
オッズは結構開いており、ロペスが-600、オルティスが+550、ロペスの圧倒的優位。
2階級制覇王者で実績に勝るロペス優位と出るのは当然のことではありますが、ホンジュラスの血が色濃く残っていそうなロペスは、やはり試合のパフォーマンスムラが気になるところ。とりわけ、この「格下」相手の試合の時こそ、それは顕著に出るのではないでしょうか。
果たして、これは面白い試合になりそうです。
キーショーン・デービス(アメリカ)9勝(6KO)無敗
vs
ホセ・ペドラサ(プエルトリコ)29勝(14KO)5敗1分
東京オリンピックで銀メダルを獲得したアメリカン・ホープ、キーショーン・デービスがいよいよステップアップファイトに臨みます。
相手は「スナイパー」ホセ・ペドラサ、これもまた非常に注目試合です。
キーショーンは9勝6敗、という戦績ですが、実は10戦。前戦、ナヒール・オルブライト(アメリカ)戦で判定勝利も、試合後の薬物検査でマリファナが検出され、ノーコンテストとなっているようです。
別に身体能力を高める効果があるわけではないマリファナくらいでガタガタ言わんでも。。。とも思いますが、州の法律に則ったものであり、こればかりは致し方ありません。
そこから4ヶ月、今回の相手は今までの相手とは一味や二味どころではなく、四〜五味くらい違う相手のはず。
ここ5戦の戦績は2勝2敗1分となっているペドラサですが、戦った相手はアーノルド・バルボサJr(アメリカ)、リチャード・コミー(ガーナ)、ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)といった世界トップレベルのボクサーたちです。
紛れもない2階級制覇王者は、34歳となり、すでに後進に道をゆずる役割を担っているものの、結局はここまでの5敗の中でストップ負けはたった一つ、2017年に行われたジャーボンタ・デービス(アメリカ)戦のみとなっています。
もちろんペドラサに不安要素はあります。
一つは年齢であり、そしてもう一つはこの戦いがここ最近ペドラサが戦っているスーパーライト級の戦いではなくライト級で行われるマッチアップだということ。さらにもう一つ言うと、10回戦であると言うこと。
Aサイドのキーショーンに合わせた格好ではありますが、今回はキーショーン・デービスが主戦場とするライト級でのマッチアップ。さらに、10回戦というのはまだキャリアの浅いキーショーン寄り、といって良いでしょう。
前戦、キーショーンはラウンドが進むにつれて追い上げを許した経緯もあります。もし12Rの戦いであれば、ペドラサの勝つ確率は上がったのではないか、と邪推するわけです。
ともあれ、今回の戦いはライト級10回戦。
比較的キーショーン・デービスに有利な条件、とはいえ、やはりそれでもペドラサは一流のベテランであり、キーショーンが圧勝するなんて口が裂けても言えないはずです。
それでもオッズはキーショーン-700、ペドラサ+550という開き。
ここはペドラサにまだやれるところを見せてもらいたいものの、ライト級をより面白くしてくれるかもしれないキーショーンがここで土がつくと痛い、とも思える、いったいどっちを応援していいのやら、という試合ですね。
ともあれ、試合は技術戦となるでしょう。もしかすると全く盛り上がらない試合になるかもしれませんが、ボクシングファンにとっては非常に興味深い一戦となりそうですね。
↓ライト級についての記事
配信情報は??
アメリカではESPNが放映するこの興行、なんと日本での放送の予定がございません!!
WOWOWさん、そこはオンデマンドのライブ配信からのタイムリーオンエアでしょう、と言いたくなるのですが、2月は井上尚弥vsタパレスを放映して予算が底をつくのか、この試合の放送は2/26(月)のレギュラー放送となっています。
ここはU-NEXTが拾うところでもないと思うので、今回日本でのライブ配信は諦めた方が良さそうですね。
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