信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】2/24 LIVE BOXING!井上拓真vs「過去最強」ジェルウィン・アンカハス!!!

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2月のLIVE BOXING興行が迫ってきました。

あと2週間を切ったこの興行は、トリプル世界タイトルマッチという豪華興行。

トリプル世界戦、というの日本で幾度か行われていますが、世界戦1試合だけだと人を呼べなくなったり、視聴率が取れなくなったことを皮切りに起こり始めたように記憶しています。

ちなみにうまいことWikipediaにまとめてくれていました。

ともあれ、世界タイトルマッチを3試合も一気に見れるのは非常に贅沢であると同時に、見る側の集中力と体力も要求されますね。

さてさて、この三つの試合のうち、個人的に最も楽しみにしているのは井上拓真vsジェルウィン・アンカハスです。

この試合が最も厳しい試合であり、勝敗の行方がわからない試合だからですね。

当然井上拓真を大応援、なんですが、拓真も語るとおりジェルウィン・アンカハスは過去一番の強敵。ということで今回のブログは、LIVE BOXING 第7弾興行から、セミファイナルのWBA世界バンタム級タイトルマッチをプレビュー。

 

 

 

 

boxingcafe.hatenablog.com

 

2/24(土)両国国技館

WBA世界バンタム級タイトルマッチ

井上拓真(大橋)18勝(4KO)1敗

vs

ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)34勝(23KO)3敗2分

LIVE BOXING 第7弾興行のセミファイナルには、井上拓真が登場です。

元々LIVE BOXING 第6弾興行のメインイベントとして予定されていたこの一戦は、井上拓真の怪我により延期。10月の終わり頃流れたニュースであり、肋骨の骨折とのことでしたので、おそらく11月中くらいは安静状態だったのではないでしょうか。

推測ですが、11月の終わり頃からトレーニングを再開、そうすると約3ヶ月の調整期間ということになるので、おそらく仕上がりについては(他に怪我をしていなければ)万全に持っていけるはず。

 

 

 

さて、この試合はこの日の興行の中で個人的に「最も注目」しているのですが、それはやはり最も勝負論のある試合、と思えるからです。

まず、世界的に実績に大きく勝るのは、ジェルウィン・アンカハスで間違いがないでしょう。

つまりはこの試合、井上拓真にとっては「格上」との試合と言っても過言ではありません。

ジェルウィン・アンカハス、「プリティボーイ」というかつてのフロイド・メイウェザーJrと同じニックネームを持ち、「NEXTパッキャオ」とまで呼ばれたボクサー。

この二人のレジェンドと比べても仕方はないのですが、ともかくこのアンカハスの実績は、これまで拓真が戦ってきたボクサーの誰よりも頭抜けています。

2009年にプロデビューしたアンカハスは、2012年にマーク・アンソニー・ジェラルド(フィリピン)に初黒星を喫していますが、何しろキャリア形成期の頃、今となっては無しに等しい。

その後連戦連勝で勝ち進んだアンカハスは、2016年、当時無敗の元トップアマ、マックジョー・アローヨ(プエルトリコ)の持つIBF世界スーパーフライ級王座に挑戦、ダウンを奪っての判定勝利で見事世界王座を初戴冠しています。

 

 

 

この王座を2021年までの間に9度防衛するわけですが、この防衛戦で戦ってきた相手は強豪揃い、9度防衛のうち6KOと世界戦でも非常に高いKO率を誇っています。

日本からは帝里木下、船井龍一をノックアウト勝利で降し、この日のアンダーカードで登場するジョナス・スルタン(フィリピン)には完勝、後に石田匠に勝利してロマゴン相手に善戦するイスラエル・ゴンサレス(メキシコ)には10RTKO勝利、マイケル・コンランの兄、ジェイミー・コンラン(イギリス)を敵地イギリスで6RTKOととにかく強い挑戦者たちを次々と退けていくのです。

このアンカハスのスーパーフライ級時代の減量苦が伝えられたのは、おそらく2018年頃からではなかったか、と思います。

王座獲得以来4連続KO防衛で評価を高めたアンカハスがアメリカで戦い始めた頃、ジョナス・スルタン戦は防衛戦で初の判定勝利となり、続くアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)戦ではスプリットドローで何とか王座を防衛しています。

この頃のパフォーマンスはアンカハスにとって「よくない」と語られており、その次に挑む船井にとっては可能性を見出すものでした。結果的に船井はその頑張りも虚しく敗れてしまいますが、いずれにしろこの頃すでにアンカハスはこの階級で万全の状態ではなかったかもしれません。

いずれにしろ、スルタンは強豪であるし、サンティアゴだってのちにドネアに勝利して世界王者になるボクサー、本来はここで不安説が囁かれるべきではなかったのでしょう。

 

 

 

ともあれ、船井戦の後、8度目の防衛戦はミゲル・ゴンサレス(チリ)を6RTKOしたのが2019年12月の話であり、ここからはコロナもあって1年半のレイオフ期間。

ブランクあけの2021年4月のジョナサン・ロドリゲス(メキシコ)戦はアンカハスにとって決して良いパフォーマンスとは言えませんでしたが、ダウンを奪っての完勝。その後、井岡一翔(志成)との王座統一戦が決まるも、日本の水際対策(でしたっけ?)で来日できず、代わりにフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)を防衛戦に選んで敗北してしまい、王座陥落してしまいました。

このマルティネスというボクサーは、タイトル戦まで強豪との対戦経験がなかったが故に完全に実力を隠されていたボクサーであり、蓋を開けてみればアンカハスですら実力負け、というほどものすごいボクサー、というかファイターでしたね。

猛烈なアグレッシブネス、強弱織り交ぜた連打とコンビネーション、とにかく攻撃が最大の防御とも言わんばかりのハートの強さとそのラッシングスタミナ。これははっきり言って、中途半端にアウトボックスできないボクサーであり、中途半端に打ち合うと超危険というボクサーです。

ともあれ、マルティネスに敗北してしまったアンカハスは、おそらくオプションをつけていたのでしょう、ダイレクトリマッチに臨むもまたも完敗。

 

 

 

この「2連敗」は商品価値を下げるものではありましたが、バンタム級に転級し、今回井上拓真への挑戦が決まっています。

さて、実質ジェルウィン・アンカハスはフェルナンド・マルティネスにしか負けていない、しかもスーパーフライ級王座を9度も防衛した名王者です。

マルティネスのような特異なファイトスタイル(ゴリゴリファイター)は世界トップレベルでは多いとは言えず、純粋にアンカハスの技術を使わせてもらえなかった、ということが敗因なのではないかと思っています。

アンカハスは非常に優れたボクサーであり、フィリピン人らしくなさを持っています。

つまりは素晴らしいジャブが打てて、大きく振り回さない。

フィリピン人というと大きく振り回し、バランスを崩しながらも強打を放ってくるイメージで、あまりボクシングを組み立てておらず、比較的その場しのぎと見えます。

しかしこのアンカハス、サウスポースタイルからちゃんとジャブを突き、非常に効果的な左ボディストレートを打ち、カウンターの右フックを放ちます。フィリピン人なのに(偏見)、ちゃんとオンガードスタイルであり、攻め入る時は非常に鋭い踏み込みを持ち、何よりもストレートがまっすぐです。これは非常に完成度が高いボクシング。振り回さなくてもハードパンチを持っている、というのも強みです。

で、アンカハスはバンタム級で2戦目、というキャリアの薄さではありますが、「挑戦者」の実力は常に3割増。スーパーフライ級のアンカハスと比べ、減量苦が緩和されていると考えると、ひょっとすると「過去最強」のジェルウィン・アンカハスが出てくる可能性があります。これは日本のボクシングファンにとっては大きな不安です。

 

 

 

さて、井上拓真のスタイルというのは皆さんもよくわかっているとは思いますが、こちらも総合力で勝負するボクサーファイター。素晴らしいところは色々ありますが、特に秀でていると言われるのはディフェンススキル、ステップワークや上体を使ってディフェンスに徹した時の勘の良さ。

反面として、やはりKO率の低さは気になるところで、おそらくこれはパワーに由来しているというよりも畳み掛けるタイミングやカウンター時の力の入れ方、パンチアングルの想像力といったものが関係しているのかもしれません。あとは踏み込みのスピードやその深さ、といったところももう一歩くらい強く行きたいところで、体格、リーチに恵まれない拓真にとって、もう少し深く刺す、というところはKO勝利には必要そうなイメージです。

ともあれ、アンカハスと拓真を見てみると、双方「中間距離」で戦いたいボクサーではないでしょうか。これは接近戦が不得手とかではなく、両者はそこで本領を発揮できる、というようなイメージです。

で、そうなると、同じ「中間距離」とはいっても、おそらくアンカハスの方がその得意な距離は長い。アンカハスはかなり上体を前のめりにして打つことがあり、これは非常に長く届くストレートを打てる、ということになります。サウスポーの左ボディストレートというのは、オーソドックスにとって自然とストマックに入る軌道であり、これが長く、速いというのは実はかなりの武器になり得る、と思っています。

 

 

 

アンカハスのこの左ボディストレートを外して拓真が打ち込む、というのはなかなか難しい作業であり、この左ボディをどのように対処するのか、というのは一つのキーになってきそうです。

いずれにせよ、見合った状態からアンカハスの攻撃をかわして当てる、というのが拓真の定石となりそうで、拓真が先手を取るとするならば強い踏み込みと強い離脱、もしくはハラを決めて近接戦闘を仕掛ける、というところ。この距離はかなりの危険を伴う場所であり、果たして現在Amazonの特番で放送されている「KO」を意識するのはなんだか悪い方向に出そうだ、とも思うのです。

この戦いは騙し合いの駆け引き勝負に持っていってもらいたいところ。

真正面からぶつかるには、アンカハスのパワーは脅威であり、そのフィジカルも、タフネスも、かなり危険な相手と見ます。

海外オッズでは井上拓真の若干優位、と出てはいるものの、個人的には50-50かアンカハスがごくごく若干の優位かと思っています。

実績に勝るアンカハス、ここには僅差でも良いので勝利を手にしてほしい。そしてもし、このアンカハスに(判定で良いので)完勝するのであれば、拓真の評価はグッと上がって良いと思っています。

ということで手に汗握る駆け引きだらけのファイトを期待、その期待通りではなくとも、この危険な相手をギリギリでもドローでも良いので退けてもらいたい。

 

 

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