ライアン・ガルシア(アメリカ)がまたもやってくれました。
昨年4月、ジャーボンタ・デービス(アメリカ)とのプロモーター、プラットフォームの垣根を超えたメガマッチを実現させたライアン・ガルシア(とオスカー・デ・ラ・ホーヤ)は、おそらく今年の目玉となり得るマッチアップ、デビン・ヘイニー(アメリカ)との対戦の契約合意に至った、というニュース。
ボクシング界きってのスターが、このようにビッグマッチを求めるのは当たり前とも言えることですが、それに対する障壁が多いのも事実。
ただ、このライアン・ガルシアなるボクサーは、自分の力量が掴めていないのか、それとも自分のスター性を良い餌としているのか、ともかく難しい戦いに挑むことが本当に好きなようです。はっきり言って、私がガルシアのプロモーターであったならば、この茨の道は歩ませはしないでしょう。それはおそらくデラホーヤにとっても同様で、ドル箱スターのガルシアにはもう少しちょうど良い相手をあてがいたいところだと思われます。
それでもこの試合が実現するのは、おそらくライアン・ガルシアの我儘とも言える強者を求める欲でもあり、自分自身への絶対的な自信なのかもしれません。
ということで今回のブログは、この度「SIGNED」とのことなの契約合意ということで良いのでしょう、デビン・ヘイニーvsライアン・ガルシアの一戦について。
4/20 (日本時間4/21)、ラスベガス!!
すでに日程も決定しており、場所はラスベガス。当然詳しい会場まではまだ、というところなのですが、おそらくアタリはついているのでしょう。
すでに噂のあったこの戦いは、交渉が開始されたのは12月、とのことです。
そこから一度はガルシアがロリー・ロメロ戦にむかい、この交渉は「オフ」との報道。
その後ロリーはイサック・クルスを相手にAmazon Prime 第一弾興行に出場という報道がなされると、ロリーにフラれたガルシアはヘイニーともう一度交渉し、この度契約合意、という流れとなったようです。
振り回されている風にも感じるこのガルシアの動きではありますが、要は元サヤ。とはいえ、最近のライアン・ガルシアは「タイトルが欲しい」という発言をしており、そう考えるとWBC王者のデビン・ヘイニーへの挑戦よりもWBA王者ロランド・ロメロへの挑戦の方がタイトル奪取の可能性は非常に高い。本音ではもしかすると、ロメロに挑戦したかったけど叶わず、というところなのかもしれません。
ロメロ戦にしても、ヘイニー戦にしても、アメリカ人対決であり周りも盛り上がるでしょうから、どちらにせよ大歓迎。ヘイニーとの試合はおそらくまたDAZN PPVで放映されることとなり、両者は大金を得ることになるのでしょう。
↓ヘイニーvsガルシアの前報
このPPVの売れ行きはどうか、というと流石にタンク戦よりは売れないでしょう。
それでも120万件もの数を売り上げたこの試合の、半分でも1/4でも大ヒットであり、プログレイスvsヘイニーがたった5万件だったことを考えると、ヘイニーにとってこの試合を受けない理由はありません。
ライアン・ガルシア
昨年4月、ジャーボンタ・デービスとのキャッチウェイトでの戦いは、大方の予想通りデービスのKO勝利。ジャーボンタ・デービスに負けることは決してガルシアの評価を落とすことはなかったし、今回のヘイニー戦でも不利予想と出るであろうガルシア、おそらく敗北を喫したとしても評価を落とすことはなく、まだまだ商品価値は高いものと推察されます。
↓デービスvsガルシアの観戦記
ガルシアの本当に素晴らしいところは、その顔面偏差値ではなく、素晴らしい左フックでもなく、まさに敗北を恐れないこころ、だと思います。
やや傲慢に見えるのもその強敵と戦いたいという信念がそうさせるものだ、と思っています。いや本当はカネになるとかかも知れませんが、それでもこのようなメガマッチを提供してくれることはシンプルに嬉しいですし、このマッチアップに負けじと他のプロモーターやボクサーたちもこぞってビッグマッチを求めていけば、ボクシング界はファンにとってより良くなっていくと思うのです。
ライト級で4つのベルトを束ね、あのワシル・ロマチェンコにも勝利したデビン・ヘイニー。スーパーライト級に転級して早々に階級最強の一角であるプログレイスに対して完勝したヘイニーに、もしガルシアが勝利すればこの階級はものすごく面白くなりますね。
ボクシング人気に直結か?
この階級を盛り上げるためには、正直ヘイニーよりもガルシアが適任。
やはり元々の人気の土台は大きな差があり、さらにファイトスタイルとしてもエキサイティングかそうでないか、今後どのようにボクシング競技として人気を獲得していくか、と問われた時、明らかにライアン・ガルシアはエキサイティングです。
「Sportico」のアスリート長者番付(100 Highest-Paid Athletes in the World)には6名のボクサーがリストアップされています。
カネロ(17位)、ジョシュア(24位)、ジェイク・ポール(37位)、タンク・デービス(54位)、そしてライアン・ガルシア(58位)、そしてタイソン・フューリー(64位)。
「いくら稼いだか」とその強さは全く比例している、というわけではありませんが、ある切り口で見るとやはりこの6名のボクサー(1人のYoutuberを含むが、最近のジェイク・ポールはなかなか立派に戦っているらしい)はボクシング界の「顔」です。
果たしてこれらのボクサーはよく見られている、PPVファイトが売れる、と考えるのが普通のことであり、これらのボクサーが誰と戦うか、というのは、ボクシング人気に直結する出来事と言えそうです。
たった5万件しかPPVが売れなかったヘイニーでは、ボクシングを牽引することはできません。ちなみにヘイニーvsロマチェンコが15万件だったことを考えると、10万以上はロマチェコ目当てだったことがわかりますね。
今回ガルシアに助けられてPPVの購買数はヘイニーにとって過去最高額となると思いますし、報酬としても過去最高額になるとは思うのですが、はっきり言ってそれは続くことはないでしょう。
デビン・ヘイニーは現在フリーエージェント。
この試合を組むのに、いつも言われるプロモーターの壁とか、プラットフォームの壁とか、そういったものは無関係だったはずです。
そのやりづらいスタイル、そしてプロモーターが対戦相手を連れてきてくれないということから、誰からも対戦相手に選ばれそうにないヘイニーは、大きく稼ぐ唯一のチャンスを手に入れました。
ともかく、今後のスーパーライト級戦線のためにも、頑張れライアン・ガルシア。(別に何かヘイニーに恨みがあるわけではありません。念のため。)
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