信太のボクシングカフェ

信太のボクシングカフェ

ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ベナドvs阿部麗也!ホルマトフvsフォード!NYのフェザー級ダブルヘッダー!!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

アメリカ、ニューヨーク。

現在のフェザー級最強と目される王者、ルイス・アルベルト「ベナド」ロペスに挑むは、大和の雷神「天才」阿部麗也。

キコ・マルティネス(スペイン)を破った指名挑戦者阿部に対して、現地のオッズは圧倒的にベナドが優位と出ており、ベナド・ロペスの人気とその無手勝流への信頼を窺い知れます。

攻防分離型のロペスに対しては、先に仕掛け、その攻撃のターンをなるべく少なくする、というのが必要なように感じていますが、基本的には仕掛けてのカウンターを得意とする阿部が、どのようにロペスを攻略するのか。

ということで今回のブログは、ロペスvs阿部、そしてホルマトフvsフォードという二つの世界フェザー級戦をダブルヘッダーとした、トップランク興行の観戦記。

 

 

 

 

3/2(日本時間3/3)アメリカ・ニューヨーク

IBF世界フェザー級タイトルマッチ

ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)29勝(16KO)2敗

vs

阿部麗也(KG大和)25勝(10KO)3敗1分

癖になっていた右目のカット傷を手術、そして平常心で非常に調子は良さそうです。前日の計量の状態を見ても何の問題もなさそうで、あとは当日リングでどう出るか。ロペスも同じくリラックスしており、調子は非常に良さそうですね。

試合当日、ちょっと表情が固いように思う阿部。気合いは十分です。

ゴングがなって向かい合うと、ロペスの分厚さがエグい。いきなりグイグイとくるロペス、左右のフックを強振。この勢いよく攻めてくることがロペスの特徴でもありますが、パワーの差は大きそうです。

かつてフレディ・ノーウッドが日本のリングにたった時、日本人ボクサーたちとの体格さを思い知らされましたが、そういうレベル。

 

 

 

右をボディに持っていって顔面への左フック、これが強い前進を伴っているので怖い。ほぼノーガードで打ってくるロペスに対して、カウンターが取れれば良いですが、ちょっと勢いに押されているか、阿部は下がる場面が非常に多い状態。

悪くはないかもしれないが、良くはない。どちらかというと細かいパンチで先手を打って欲しいところです。

2R、リングを大きく使う阿部。ジャブを打つとそのタイミングでロペスが出てきます。ただ、阿部のワンツーについてはバックステップ。だからこれで良い。しっかりとパンチを打ってロペスをなるべく前に出させないことが必要です。

しかし阿部が下がりでもすると走って追いかけてくる勢い。これこそが「ベナド=鹿」の所以なのかもしれません。

中盤、ロペスの左フックと阿部の左が相打ち!これでダメージを受けたのは阿部の方!この一発で阿部の右目下が大きく腫れているようです!これはもしや眼下底骨折か?

阿部はかなり苦しい展開、ロペスの激しい攻めになんとかエスケープ。

 

 

 

インターバル中に阿部の顔が映りますが、すでにかなりの腫れ。もはや次のラウンドが勝負となる可能性もあります。

3R、ラウンド前にドクターチェック。再開。

どちらかというともう阿部は勝負に行った方が良いと思いますが、ロペスの強い攻撃に対して大きくエスケープ。ロペスの大きな左フックは、現在の阿部の右目では見えない可能性があるので、もうくっついてしまった方が良いのではないでしょうか。

ロペスは完全に決めるつもりでチャージ、中盤以降はもう歩きながら距離を詰めて強打を放つ、というスタイルに変わっていきます。

このロペスに対して阿部はいくつかの左ストレートをヒットしていますが、ロペスは全く動じず。

4Rも開始前にドクターチェック。距離を大切にするサウスポーにとって、前側の目は非常に大事。この状態でロペスのでかい左フックが見えない、というのはかなり怖いところ。

 

 

 

ロペスは相変わらず歩いてきて大きなパンチ、これはロペスの詰めの常套手段。

阿部としてはどうにか先手を取りたいところですが、基本的にはロペスが先に動いています。

5R、阿部の雰囲気がちょっと変わります。フェイントをかけて若干プレス、このフェイントこそが先手であり、良い戦い方。

このフェイントによりロペスもちょっと見る時間ができますが、阿部の動きに怖さがないとまた大きく振ってきます。

この大きな振りに対しての阿部のもらい方、というか受け方があんまりよくありません。

6R、ロペスの荒々しい攻撃に対して大きなフットワークの阿部。前半に阿部の左がヒット、ここでロペスもガードを上げます。

その後も無造作に距離を詰めてくるロペスに阿部は左をヒット、ロペスは雑すぎますが、阿部もちょっと後退が前提となっている分、ちょっと浅いのか。

後半、ロペスがジャブから入ったところをかわして左カウンター!これはヒットしたように見えましたが、ピンポイントでは当たっていなかったのか、ロペスはあいかわらずケロリ。

 

 

7R、ロペスがプレス。阿部は大きく足を使いつつ、足を止めてコンビネーションを出す場面もあり、肝は座って来たか。打ち合いの中でカウンターを取らなければ勝利は難しく、パワー差もあって近い距離では苦しいとは思いますが、ここはとにかく手数で勝負して星ところ。

終盤にも阿部は左カウンターをヒット、しかしロペスの方が手数が多く、またワイルで見栄えが良い。

8R、阿部はこれまでよりもちょっとどっしり目に構えているように見えます。しかし相変わらずロープ、コーナーを背にしています。

30秒ほどが過ぎたところで会場から「ベナド」コール。

これに右手をぐるぐる回して答えたロペスは、ここから猛烈なチャージ。

押すようなパンチを交えて回転力の連打で攻め入り、阿部が防戦となったところでレフェリーが割って入り、試合がストップ。

ルイス・アルベルト・ロペス、8RTKO勝利。

阿部麗也は世界初挑戦に失敗。。。!!

結果は残念。しかも全てを出し切れたわけでもなかった、というのが感想です。フルタイムのサラリーマンとして勤務しながら世界まで漕ぎ着けた阿部、まだまだ世界への道は諦めてほしくはない。

 

 

WBA世界フェザー級王座決定戦

オタベク・ホルマトフ(ウズベキスタン)12勝(11KO)無敗

vs

レイモンド・フォード(アメリカ)14勝(7KO)無敗1分

トップランク所属のホルマトフ、マッチルームのフォード。

思惑としてはホルマトフに勝ってもらい、とにかくトップランク内でフェザー級王者たちを囲い込みたい作戦。そこで統一戦を進めて、来るべきモンスター襲来に備えるというのが理想でしょう。

トップランクは帝拳プロモーションを通じて日本とのパイプが強いため、日本のボクシングファンとしてもトップランクがフェザー級王座を独占してくれることはありがたいことでもありますね。

サウスポー同士の初回。まずは互いにリードの差し合い。やや後ろ荷重で構えた同士、鋭いジャブを持ってもいます。

先に左を放ったのはホルマトフ、強い踏み込みのショートの左です。終盤にもホルマトフは左のオーバーハンド、いずれもグレイトなヒットは生み出せていません。

2R、ホルマトフのアクションが多め。フェイントをかけて鋭いジャブで攻め込みますが、そこにフォードがジャブのカウンター。ホルマトフは左まで繋げられることが少ない。

 

 

 

中盤、ホルマトフは左のオーバーハンドから攻め入りますが、フォードもコンビネーションをリターンして譲りません。

後半も同様のパターンからホルマトフの右で押されてフォードが大きくバランスを崩す場面。やはりパワーではホルマトフが抜けています。

3R、ホルマトフは左のオーバーハンドに光明を見つけたのか、かなり振っていきます。これが大ぶりになったところにフォードの右クロスもヒットしますが、この迫力にちょっとフォードも押される印象。

この大振りの左の後にまっすぐのジャブが出るあたりがさすがウズベクスタイル、そして後半にホルマトフの左フックがヒット、これでフォードはちょっと動きが止まり、ダメージを感じさせます。

4R、ホルマトフの左オーバーハンドを警戒してか、右ガードを上げ始めたフォード。さらにこのホルマトフの左に対して左カウンターを狙うそぶりも見せています。あの左に左カウンターなんて成功しても失敗しても死人が出そう。

中盤、フォードがプレス、ホルマトフは大きく足を使いながらボディ。空いているところをよく見ています。終盤、クリーンヒットは多くないですが近い距離での打撃戦。

5R、引き続きフォードがプレス。プレスをかけるとホルマトフが下がるためなのかもしれません。

このラウンドも後半は比較的近めの距離での打撃戦、ホルマトフのパワーに怯まずに接近戦を仕掛けるフォード、これは良い戦い方なのかもしれません。

 

 

 

6R、展開は変わらずフォードがプレス。近い距離でアッパーを交えたコンビネーションが素晴らしい。

パンチのアングルとしてはフォードが多彩か、ホルマトフは比較的ワンパターンとも言えますが、このボディショットは評価されそうなものです。

7R。もう折り返しなんですね。

ラウンド前半はフォードがプレスをかけようとしたところにホルマトフが先手のコンビネーション。ガッチリとブロッキングのフォードですが、ちょっと手が出ず前にも出れません。

かなりハイペースな波状攻撃を仕掛けるホルマトフ、このラウンドは下がることはありません。

後半には頭をつけるタイミングもあるほど近い距離での戦い、ホルマトフの執拗なボディ攻撃によりちょっとフォードはしんどいか。

8R、フォードがプレスも思ったより距離を詰められない状態。ホルマトフが上手く距離を作ってのジャブ。

からのリターンでフォードの右がヒット、ホルマトフは大きくバランスを崩します!ここで一気にフォードがいく!ホルマトフは一旦大きく下がり、その後体を寄せてフォードを迎撃、この近い距離でフォードはアッパーでホルマトフの顔を跳ね上げます。

ちょっとホルマトフのパンチにキレがなくなって来たように思うのは気のせいでしょうか。

 

 

 

9R、ホルマトフがアグレッシブに攻め入ります。近い距離でのボクシング、互いにあたる距離、ホルマトフはボディからのアタック。

かなり旺盛な手数のホルマトフ、しかも強振も含んでいるので、ここで大きくスタミナを使っているイメージ。

10R、リズムをとってジャブで攻め入るホルマトフ。しかしここでフォードはジャブカウンター、顔が上がるのは攻め入った方のホルマトフです。

ガードがルーズなこともあるし、ステップを踏みながらなので、ということもあるでしょうが、どっしりとプレスをかけるフォードの方が余裕のあるボクシングをしているように見えます。

後半、ホルマトフの打ち終わりにフォードが左から右をフォロー!

11R、ホルマトフは明らかにこのラウンドを取りにいきます。ホルマトフがかなり攻撃的に攻め入り、その左オーバーハンドはかなり荒いですがまだまだ力強い。ここにフォードもリターンを返しますが、手数では大きく劣勢。

ホルマトフはこのラウンド結構強引目に攻め入り、フォードは時折印象的なパンチをヒットするも数が少ない。後半にはフォードがバランスを崩す場面も散見されます。

ラストラウンド、やはりホルマトフは空振りも多いですが、空振った後も逆の手でパンチを返してバランスを整えるなどして、とにかく手を繋げています。

 

 

 

前半アクション多く攻め入ったホルマトフは中盤に距離を置いて休憩。

後半、フォードのワンツーをダックしてかわしたホルマトフ、ここでフォードがアッパー!これでぐらりときたホルマトフ、クリンチにエスケープ!ここでフォードはホルマトフを投げ飛ばしてしまいスリップ。

しかし明らかなダメージを負っているホルマトフに対して、再開後にフォードがチャージ!!このチャージに対し、ホルマトフは背中を向けてしまい、ここでレフェリーがストップのコール!!

なんと!!!レイモンド・フォード、最終回TKO勝利でWBA世界フェザー級王座獲得!!!

「背中をむける」=「戦う意志なし」なので、このストップは完全に妥当なものです。何せ背中を向けた状態で続けたとすれば、ターゲットエリアがなく、相手からするとボクシングができないからです。

結果的には、最終回2分53秒、逆転KO。11Rまでの採点は、2者が106-103でホルマトフ、1者が105-104でフォードだったようです。

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

 

プライバシーポリシー お問い合わせ