プエルトリコのDAZN放映興行。
20,000人近くが集まった、ということなので、現地のボクシング人気というのは高いのでしょう。
プエルトリコの人口は326万人程度だそうなので、そのうちの20,000人弱というのはとんでもない割合。日本では20,000人集められるボクサーは井上尚弥くらいなのに、羨ましいものですね。
全員プエルトリコ人か、と問われればそうではないとは思いますが、今回の興行はプエルトリコ人世界王者同士の団体内王座統一戦、メインもプエルトリコレジェンドのアマンダ・セラノが出場。対戦相手のニーナ・メインケはドイツ人なので、ドイツからの応援はそこそこ多いかもしれませんが、アメリカからこぞってこの興行を観にくるか、というとあまりそうとも思えません。
ということで今回はボクシングが盛んなプエルト-リコ、DAZNで放映された興行の観戦記です。
3/2(日本時間3/3)プエルトリコ
WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ
ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)27勝(14KO)3敗1分
vs
レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)12勝(9KO)3敗
DAZNて昔は「PPVは死んだ」みたいに言ってましたけど結局PPVに落ち着きましたね。以前は(ボクシング人気の高い)北米や欧州だけだったPPVファイトは全国に広がり、今度の週末のサウジアラビア興行も日本でもPPV。3,000円で超豪華興行なので別に文句もありませんけど。
ヘイニーvsガルシアとかも日本でもPPVになるんでしょうか?多分直前にならないとわからないのでしょうけど、続報を待ちましょう。
さて、プエリトリカン対決。
メインがアマンダ・セラノの顔見せ試合と考えると、本当のメインはこちらでしょうか。
ただ、前戦を見る限り、レネ・サンティアゴに「ボンバ」ゴンサレスが捕まるイメージはありません。ただ、ゴンサレスも1年以上のブランク、この辺りのパフォーマンスは気になるところ。最初に暫定王者サンティアゴが入場、続いてゴンサレスが入場です。ゴンサレスの方が歓声がでかいか。
国内のライバル対決、それも団体内とはいえ王座統一戦というのは非常に盛り上がります。
さて、初回のゴング。
まずリング中央を陣取ったのはゴンサレス。ハイガードのポジション、サウスポースタンスからの右ジャブ、まっすぐの左ストレート。
サンティアゴは体を振ってジャブをリターン、まずはジャブの差し合い、中間距離での主導権争いです。
互いに比較的ゆっくりなペースから、攻撃に転じると素早い。意外と好試合になりそうな雰囲気。(もっとアクションの少ない塩試合になるかと思ってました。)
2R、意外にもゴンサレスがハッスル。ハイガードからのプレス、サンティアゴに殴りかかります。
12勝中9KO、というとこの階級で思いっきりハードパンチャーの部類のはずですが、戦ってきた相手を考えるとそうでもないのかもしれません。とにかくゴンサレスは被弾を恐れず前に出て行きます。
ただ、慣れない戦い方だからなのか、結構入り際にもらっています。これは大丈夫なのか?
3Rも引き続きゴンサレスがプレス。前に出ながら左を結構思いっきり振っています。自国興行(これはどちらにとってもですが)ということでKOを意識しているのか、力んでのフック系のパンチが多いですね。
もっとまっすぐ出す左とかが得意なボクサーのはずですが。
4R、低く入るゴンサレス、とにかく今日の勢いはこれまでで観たことがないものです。
揉み合いも多く(これはアウトボクシング時も多いですが)、見応えのある世界タイトルマッチとはいえない雰囲気。
このラウンド1分切ったところくらいから突然距離を取り始めたゴンサレス、こうなると体を目一杯使って打つジャブ、ステップワークとボディムーブも出始めます。終盤は打ち合い。
5R、やっぱりプレッシャーをかけて左を強振、からの揉み合い。これは結構見るのがキツくなる戦いです。
ゴンサレスは上体の動きがかなり大きく、頭も大きく動くのでバッティングの危険性を孕んでいますね。
6R、心なしか、リングサイドにも他所を向いている人やシャベル人、立ち上がって移動している人も多いように思います。
前に出て打つゴンサレスは明らかにバランスが悪く、上体の動きが極端に大きくてスタンスのうちに収まっていません。逃げるときはその崩したバランスを逆手にとってまで移動を行うゴンサレスですが、攻撃の時はそうもいかずなのでそのまま相手にクリンチ。
7R、前半、ゴンサレスがグローブをリングにタッチしましたがレフェリーは見ておらず。スリップですが、触る直前にサンティアゴのパンチが当たっていたかもしれず、ダウン取られてもおかしくはない感じ。
その後もグイグイと体を寄せていくゴンサレス、これはもしかするとサンティアゴのパワー封じなのかもしれない。サンティアゴもそこまでパワーがあるとは思えませんが。
ラウンド序盤のスローが流れますが、サンティアゴのパンチは当たっていなかったようです。スリップですね。まあ、いずれにしろ一旦流れを止めないといけないところだとは思いますが。
8R、序盤に比べるとゴンサレスから力みは少なくなっており、スムーズな左ストレートから入るパターンがヒット。このまっすぐ出しながらも体ごとぶつけてくるような左ストレートがゴンサレスの真骨頂。この後体を寄せて相手の後続打を封じる、というのがパターンだと思いますが、そろそろこのパターンにはまってきましたかね。
それでもゴンサレスは相変わらず前に出続けています。やっぱり倒し切りたいのでしょう。
9R、ゴンサレスは元々スタミナのあるアウトボクサーであり、組み合いにも強い(というか慣れてる)。ここまでの流れで消耗しているのはサンティアゴの方か、とにかくゴンサレスが出てきたら下がります。
ゴンサレスが逃げれば追うサンティアゴ、こうなった時のゴンサレスには当たらず。
10R、ここまできても打ち合い、というか揉み合い。これで最後まで行くみたいですね。
11R、グイグイ押していくゴンサレス。ゴンサレスが攻撃→クリンチというのはいつものパターンですが、どちらかというとサンティアゴの方からクリンチに行っているようにも見えます。ちょっと疲労が溜まっているか。
とにかく二人を分け合うレフェリーが大変。
ラストラウンドも近い距離でスタート。最後だからとサンティアゴも懸命にパンチを繰り出します。しかしその多くは空を切ります。ここでもクリーンにヒットするのは若干の距離を伴ったところからのゴンサレスのノーモーションの左ストレート。
そのほかはやっぱり揉み合い。
36分間のうち、半分ぐらい揉み合っていたんじゃないかと思う戦い。
判定は116-112、115-113、117-111、3-0の判定でゴンサレス。
判定のポイントがコールされている途中からサンティアゴはゴンサレスに向かって拍手。負けを認めていたようです。
この疲れる展開で終始攻め続けたゴンサレス、スタミナは大したものです。ただまあ、このボクシングに怖さはなく、いわゆる泥試合でした。
塩試合も泥試合もお手のもの、ジョナサン・ゴンサレス。これも強さか。
次は日本に来てほしいですね!
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