信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】3/18フェニックスバトル。井上岳志vsウェイド・ライアン。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

3/18(月)フェニックスバトル。

元々全8試合、16名のボクサーが登場する中で、大橋ジムのボクサーはたった一人。

興行主としては大橋ジム、フェニックスプロモーションなわけですが、こうして他ジムのボクサーたちが出場するというのはなんだか良いものです。潤沢な大橋ジムだからこそ、できることかもしれませんが。

という前置きを書くと、自分自身が避けている話題がありありとわかります。

今日戦うボクサーたち、特にワールドスポーツジムのボクサーたちは一体何を背負って戦うのか。

どんなに辛いことが起こっても、いや、起こるからこそボクシングの灯を絶やしてはいけない。それがこの競技に賭けたボクサーたちに対する礼儀であり、彼らの望むことだと思います。そして去っていった彼らを忘れないようにするために、この競技がさらに広まっていくことも必要だと感じます。

今回のブログは、なんとも言えない切なさを背負った3/18フェニックスバトルの観戦記。

 

 

 

3/18(月)フェニックスバトル

日本ユース・フライ級王座決定戦

富岡浩介(RE:BOOT)7勝(6KO)3敗

vs

野上翔(RK蒲田)2勝(2KO)無敗

UJで無双、早々にプロデビューした富岡は、類まれなセンスを持ちつつもハードマッチメイクで揉まれてきました。

対して野上は元アマエリート、アマ戦績は40勝23敗。

21歳と23歳、2000年代に生まれた才能あふれるボクサー同士、これこそがユースタイトル戦です。

初回、サウスポー同士、右ジャブをついてのサークリング。30秒、富岡のジャブを躱した野上の右フックがヒット。

野上が攻め入るタイミングが多くなってきたか、頭をよく動かして鋭い踏み込み。距離が詰まりすぎてしまうことも多いですね。

2R、野上がかなりガツガツ攻めます。富岡は時に距離で外し、時に逆に距離を潰します。野上は左のオーバーハンドから入り、富岡はかなり嫌がっているように見えます。

 

 

 

組みついた状態からもパンチを繰り出す野上、アグレッシブに攻め入ったところで二人の左が交錯。ここで当たったのは野上の左のように見えました。

3R、スタートから野上のジャブが良い。しかしこのラウンドは野上の攻めに対して富岡がしっかりと迎え撃ち、下がらない分の神の強い踏み込みをストップできています。

必然的に接近戦でのファイト、富岡も懸命にコンビネーションを振るいますが野上のパンチの方が的確にヒットしているか。

4R、ここも近い距離。野上がポジショニングを変えながらうまくコンビネーションを放っていきます。野上は頭の位置も良く、ポンポンとストレートの連打が出せるところが素晴らしい。

このままでは富岡はちょっと焦りもあるか、大きなアッパーを振ったところに野上のジャブをカウンターでもらっています。これは見栄えが良くありません。

5R、野上がワンツーをヒットすれば富岡も左をお返し。接近戦、中間距離での攻防は、中間距離で富岡のジャブがよく、接近戦では野上のタイミングが良いというイメージ。

 

 

 

6R、序盤はこれまで通り低くインサイドに入っていった野上ですが、ここからサークリング。ボクシングの幅を見せつけるかのような動きで、近接戦闘とアウトボックスを使い分けます。

富岡は得意のカウンター、この出入りのボクシングをされる方が富岡にとってはやりやすいのではないでしょうか。

後半はまたグイグイと攻める場面を作った野上。ここはやはり野上の方がフィジカルに勝るか、富岡は押されていってしまいますね。

しかし終盤、野上の入り際に富岡の左アッパー!!これで野上はダウン!!なんとこれは大逆転の兆し!ここにきてドラマが待っていました!

7R、それでも野上は強気に出ます。素晴らしいハートです。

グッとくっついてのボクシングの方が野上にとっては良いでしょうから、良い選択だと思います。

ここにきてほぼ揉み合いのない打撃戦、からの後半、左と左の相打ち!!これでダメージを受けたのは富岡!そのままもつれ込んでスリップダウンも、明らかなダメージがあります!

 

 

 

再開後、クリンチに逃げる富岡!足に力が入らないか、幾度もスリップダウンを繰り返し、なんとかサバイブ!

ラストラウンド、野上はガンガン行きます。富岡は大きく足を使いつつ、長いジャブとアッパー!

互いに一発を狙いながら、気持ちを前面に押し出してのファイト。ここでは組み合いも多いですが、最後まで強打を出し続けました。

判定は、76-74富岡、77-74野上、76-75野上。2-1のスプリットデシジョンで、野上が新王者に!

個人的には富岡の勝利は難しいかな、と思いました。髪型のせいなのかもしれませんが、打たれて見栄えが悪いところもあったと感じますし、全体的に野上の的確なヒットが上回ったように見えていました。それが軽打だったこと、富岡のカウンターが有効だったラウンドも多かったのでしょう。

やっぱりユースタイトル戦はアツいですね。

 

 

 

OPBF東洋太平洋・WBO-AP スーパーウェルター級タイトルマッチ

井上岳志(ワールドスポーツ)20勝(12KO)2敗2分

vs

ウェイド・ライアン(オーストラリア)22勝(8KO)11敗

ベテラン同士の戦いは、ある種のサバイバルマッチ。

スーパーウェルター級という階級では、アジア、オセアニア最強を証明したとしてもなかなか世界は遠い。

今をときめくティム・チューに負けたもの同士の敗者復活戦とも言える戦いです。

初回、オーソドックスの井上、サウスポーのライアン。まずは中間距離でのジャブの差し合い。井上は前に前に行くスタイルはちょっと封印か。

静かな立ち上がりの初回です。

 

 

 

2R、右回りに回りながら、時折右を捩じ込んでいくというイメージの井上。これにライアンは危険な左アッパーを合わせようとしています。井上の右の打ち終わりを狙うこのアッパーは超危険。

後半、井上の右オーバーハンドの後にもライアンの左オーバーハンド。

3R、互いに警戒しながらのボクシング、さまざまを試しつつも強いヒットは生まれません。このラウンド、後半には井上が踏み込んで距離が詰まる場面もしばしば。しかしその距離で戦い続けようとしない井上、やはり中間距離で長い右を当てようということでしょうか。

4R、やや足を使う井上に対し、ライアンは手数で攻めてきます。井上も攻め込む場面を作りますが、ライアンが軽打のコンビネーションを放ってくる分、ちょっと手数で負けているイメージ。

このラウンド終了後の途中採点は、38-38×3、どちらも何とかしないといけない状態。

 

 

 

5R、ウェイド・ライアンは軽めの速いパンチで手数重視。井上はドンと入って強打。

ライアンは遠い距離ではガードを下げつつあり、ブロッキング主体の井上はインサイドに入らなければいけない状態になっていきます。

6R、展開は変わらず。井上の左ボディがドスンと入りますが、ライアンは手数で応戦。ライアンが軽打のコンビネーションを繰り出すとブロッキングに頼ってしまい手が出なくなるのが井上のよくないところ。

このコンビネーションの終わりに強打を一発、良いボディを打てているだけにもっと手数が欲しい。

7R、井上の頭をずらしながらの右オーバーハンドは、入り方として良いですね。これでライアンのアッパー封じにもなるはず。しかしそのあとがなかなか続かないのが良くないところ。

井上はライアンの前足に引っかかることが多いのか、ちょっと右を打ち込んだ後のバランスが不安。バランスを崩したところにパンチをもらってしまうと、ダウン判定になる可能性も出てきます。

 

 

 

8R、頭を下げながら右を振りつつ、攻め入る井上。これで良いと思います。

これを一発で終わらせず、そこからくっついて乱打戦に持ち込めればより良い、とも思いますが、さすがライアンも歴戦の雄、近くなればクリンチ、アッパーで井上の後続打を阻みます。

76-76、77-75×2で井上。

9R、井上はやはり右から入ると調子が良さそうですが、この攻撃が続かないのが良くありません。ポイント差も安心できるほどではないので、このラウンドは結構勝負では。

しかし互いに戦い方を変えず、または変えられず、またもどっちつかずのラウンド。

10R、井上もこの微妙な差で乗り切ろうというところなのか、ちょっと効果的な策は見えません。

ライアンもライアンでいっときよりもコンビネーションは減っているように思い、互いに決定的なチャンスを作れず。

 

 

 

11R、井上が右から攻め込むと、その打ち終わりにライアンは左アッパー。初回からずっと続いているこの展開は、変わることはありません。

井上が近づけばライアンはピボットするかクリンチでエスケープ、それでも少しライアンには疲れが見えます。

終盤、井上の右のダブルがヒットしたように見えます。

ラストラウンド、井上が強い右を使って攻め込むと、ライアンは2-3発のコンビネーションをお返し。

最後の最後まで展開の変わらない戦い、ライアンはかなり疲弊しているように見えますが、それでも意外と手を出してはきます。

そのライアンに対して攻めきれない井上、終盤にバランスを崩してロープに吹っ飛ばされる場面。

規定の12ラウンズを終了し、判定は115-113井上、114-114×2、ドロー。

井上岳志、防衛とはいえこの結果はかなり厳しい。

果たしてこれは次につながる試合と言えたのでしょうか。

ともあれ、おそらくワールドスポーツジムとしてはかなり精神的に厳しい状態での興行。そして見る方にとっても、「本当はここに」と思わざるを得ない、気持ち的には厳しい興行でしたね。。。

それでも、平常運転でいきましょう。

 

 

 

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