年度末ですね。
今の会社では期の変わり目が10月末という非常に中途半端な時期なので、第一クォーターが1月末、半期が4月末。なので年度末とはいえあまりバタバタする感じではありません。
なので世間のバタつきよりは若干マシに思えるのですが、とにかく年度末というのは周りの環境がガラッと変わる時期。
とはいえそれは日本の話、アメリカやイギリスでは何の関係もないですから、ボクシング界は平常運転です。
ということで今回のブログは、ESPNで放送されたオスカル・バルデスvsリアム・ウィルソン、結果的にWBO世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦となった試合の観戦記。
↓プレビュー記事
WBO世界スーパーフェザー級暫定王座決定戦
オスカル・バルデス(メキシコ)31勝(23KO)2敗
vs
リアム・ウィルソン(オーストラリア)13勝(7KO)2敗
さて、アンダーカードやセミファイナルもぶっ飛ばしてのメインイベントのみの視聴。
何せ明日はボクシング三昧、ちょっと控えめにしなければいけません。(というか色々時間が足りない)
隆盛のオーストラリアボクシング界からの刺客、リアム・ウィルソンが2階級制覇王者のオスカル・バルデスと雌雄を決する一戦です。
オッズはバルデス優位ながらも、そこまで大きな差はありません。これはウィルソンがナバレッテに大善戦したこと、そしてバルデスがナバレッテに対して何もできなかったことと無関係ではないはずです。
個人的にもニューカマー、リアム・ウィルソンを応援、ということでゴング。
その前に、ESPNのテロップでの選手紹介、バルデスのところにスティーブという名前のアリゲーターを飼っている、と出ていますがその情報いる??
気を取り直して初回のゴング、まずはバルデスがジャブを突いて攻め入ります。
迎えうつウィルソン、バルデスのジャブを躱してのアッパーが良い。このアッパーは身長の低いバルデスのために用意してきたものでしょうが、初回からガンガン見せすぎているのが気になるところ。
中盤に入るとウィルソンの方からプレス、長いジャブと右ストレートを使っていきます。
素晴らしいカウンター使いであるバルデスに対して単発は危険、ラウンド後半にはバルデスはちょこちょこカウンターを取り始めています。ただ、このラウンドは手数、的確性ともにウィルソン。
2R、ウィルソンのジャブは非常に長い。バルデスはこの距離で戦われると厳しいですね。ただ、ウィルソンは手を出してきてくれるのでバルデスにとっても悪い条件ではないかもしれません。バルデスは一発で形勢を逆転できるカウンターを持っていますし、バルデスは現状ウィルソンをよく見ており、タイミングを測っているようにも見えます。
ラウンド後半にはウィルソンが打とうとする前、そして打ち終わりにバルデスのジャブが入るようになっていきます。ここでウィルソンは鼻から出血。
3R、ウィルソンは長い距離からのジャブ、ストレートを多用しますが、これはやや単発気味です。近い距離でなら結構回転力のあるウィルソンですが、この距離ではパンチが続くとは言い難い。
さらにウィルソンのハンドスピードはさほどでもなく、距離も空いていることから結構バルデスに見られてしまっているようにも感じます。
中盤、ウィルソンが踏み込んできたところにバルデスは左フックカウンターをヒットしています。
4R、流れがバルデスに傾きかけている、と感じたか、ウィルソンはプレスを強めて前進。体勢を低くし、接近戦での勝負を挑みます。
これまでストレート系のパンチを多用していたウィルソン、左右のフックとアッパーでバルデスを攻め立て、バルデスもこれにしっかりと応戦。
打撃戦の様相を呈してきましたね。
5R、プレスを強めるウィルソン、下がりながら戦うバルデス。やっぱりバルデスは下がりながらのステップワークもよく、こっちの戦い方の方が強いように思います。
この戦法を選択してしまったのはウィルソンですが、バルデスがウィルソンにこの戦法を選択せざるを得なくした、と考えれば、もはやウィルソンはバルデスの術中にハマっているともいえます。
バルデスのジャブの精度は上がり、左フックのヒット数も上がっていきます。ウィルソンの右クロスも当たってはいますが、やはり印象的にはバルですか。
6R、ギアを上げて攻め入るウィルソン。しかし勢いよく攻め入るのですが、どうしても打ち終わりにガードが空いてしまい、そこにバルデスのリターンをもらっています。
これはかなりバルデスにとって戦いやすい展開となってしまった、ウィルソンがこの戦い方を貫くのならばより圧を強めてすりつぶすしか方法はなさそうです。ただ、その可能性もなくはありません。
ラウンド後半、ウィルソンが良い攻撃を見せています。
7R、右ストレートで攻め込めばバルデスの左フックカウンターをもらってしまうウィルソン、ここでサウスポーにスイッチ。これは良い案、左フックカウンターをもらう確率は非常に下がるのではないでしょうか。
そうするとバルデスも右ストレートにパンチセレクトを変更、これを効果的に使っていきます。この辺りの対応力はさすが。
後半、サウスポースタンスからワンツーで攻め込んだウィルソンに対してバルデスは左カウンター!今までの右ストレートへの左フックカウンターとは別タイミングで合わせてウィルソンを効かせると、ここでラッシュ!
クリンチに逃げるウィルソン、距離を詰めてサバイブも明らかにダメージを溜めています!
徐々に手が出なくなるウィルソンをレフェリーが注視、力強い左右のフックを放つバルデス!
倒れそうなところを堪えるウィルソンですが、ここでレフェリーがストップ!!
オスカル・バルデス、7RTKO勝利!!!
暫定ながらもスーパーフェザー級王座へ返り咲き!!
これは素晴らしい勝利、オスカル・バルデス。
結果的に見れば完勝ですが、実際はかなり苦労したのでしょう。序盤はウィルソンのジャブがしっかりと当たっていたし、右もたくさんもらっていました。
ナバレッテ戦からの敗戦からの復帰戦のチャンスを見事に活かし、本当に見事なノックアウト勝利。やはりこの下がりながらの左フックカウンターは驚異ですね。
ウィルソンは右の打ち終わりに左フックカウンターをもらってしまう、というところからサウスポーにスイッチするという案は非常に良かったと思うのですが、それを上回る対応力を見せたのがバルデス。ここは対策をしてきたのでしょうが、通じませんでしたね。
さて、バルデスの「NEXT」。
まずはエマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)の動向次第というところでしょう。
ナバレッテが出場するWBO世界ライト級王座決定戦(vsデニス・ベリンチク)の戦いに勝てば、バルデスが自然と正式王者になるのでしょう。ただ、負けた場合にはこの階級に戻って来ることが予想され、そうなるとナバレッテvsバルデスの再戦ということになります。
ナバレッテvsバルデスは好試合だったものの、最終的にはナバレッテの完勝。
敗北したバルデスですが、再戦があるとするならばナバレッテは「一度ライト級にあげてスーパーフェザーに戻ってきた」ナバレッテであり、おそらくボクシングの幅が広く、対応力があるのがバルデス、というイメージなので、もしかしたら再戦では勝者と敗者が逆転する可能性はありますね。
いずれにしろ、まずは5月、ナバレッテvsベリンチクの結果を注目しましょう。
↓ナバレッテvsバルデスの初戦
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