3150FIGHT、これもまたピックアップ視聴。
3150FIGHTの公式サイトからは国本vs可兒はリストアップされていませんでしたが、結局あったんですね。せめて公式はヌケモレなく情報を流してほしいものです。
但馬ミツロはダウンを奪われての判定負けで初黒星。2団体しか参加していないブリッジャー級とはいえ、やはり重量級は難しい。
かつて福井国体で見た但馬ミツロは重量級の本格派でした。実際はもっと絞れるのでしょうから、もっと下の階級で勝負してもらいたいですね。
さてさて、今回のブログは重岡兄弟のW世界タイトルマッチの観戦記。
↓プレビュー記事
3/31(日)3150FIGHT
IBF世界ミニマム級タイトルマッチ
重岡銀次朗(ワタナベ)10勝(8KO)無敗
vs
ジェイク・アンパロ(フィリピン)14勝(3KO)5敗1分
元々タイトルマッチに出場予定だった挑戦者、アルアル・アンダレスが体調不良により出場不可能となり、代役挑戦者としてジェイク・アンパロとなりました。
これがほんの数日前の出来事なので、アンパロの準備不足は否めませんが、ウェイトをしっかり作ってきましたね。たった数日で作れるものなのかは謎ですし、挑戦者決定戦にも負けているボクサーなので、挑戦資格という面においてはなかなか難しいところ。しかも相手は重岡銀次朗とあれば、このワンチャンスを掴むのは相当に難しいところでしょう。
初回、非常に静かな立ち上がり。重岡がリードを少し前目に突き出し、距離を測ります。ジリジリとプレスをかける重岡、右フックを振るったところにアンパロが右ストレートをリターン。これはちょっと危ないタイミング。
アンパロは結構右を狙ってきており、さらにそこから左に繋げるという回転力もなかなかです。
2R、ちょっと初回は固かったのか、重岡が鋭いワンツー。右フックまでフォローしていますがこれは当たらず。ただ、この素早すぎる踏み込みにちょっとアンパロは反応できていません。
そしてその後、重岡がまた鋭い踏み込み、ジャブから今度は左をボディに持って行って、これがヒット。ABEMAの画質が悪く、どこに当たったのかはわかりませんでしたが、軌道的にはレバーにヒットしたのではないでしょうか。
これで一拍置いて膝をついたアンパロ、このまま立つことはできず。
重岡銀次朗、2RTKO勝利!!
初回、なかなかやるなと思われたアンパロでしたが、初回は重岡が固かっただけなのかもしれません。
とにかく踏み込みが鋭すぎて、瞬間移動のようでした。
アングルも完璧、やっぱり強い重岡銀次朗。ミニマム級にはボクサーが少ないですが、ライバルが欲しいですね。
WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
重岡優大(ワタナベ)8勝(5KO)無敗
vs
メルビン・ジェルサレム(フィリピン)21勝(12KO)3敗
銀次朗もそうですが、優大の方もなかなか負けが想像できない相手であるジェルサレム。
弟が強さを見せつけただけに、兄としてもここはパフォーマンスで負けてはいられないでしょう。弟よりもやや荒々しいイメージ(あくまでもイメージです)の兄優大は、それでも前戦は冷静そのものの試合運びでした。前戦は警戒心もあったかと思うので、今回は豪快なKOを期待したいところ。
ただ、世界王者経験者であるジェルサェムは、もともと銀次朗の相手だったアンダレスや実際に戦ったアンパロよりも2段階くらい強い相手。世界タイトル戦らしい戦いを期待。
初回、こちらもリードを前に突き出してのファイティングポーズの重岡。さほど慎重にはいかず、忙しくジャブをついて早々に左ストレートをボディに持っていきます。
ジェルサレムはかなり慎重で重岡の動きをよく見てバックステップで対応。
中盤、今度はジェルサレムが右ボディストレート、これが効いてしまったか、重岡がなんと後退!
ここはチャンスと攻め立てるジェルサレム、重岡は早々のピンチ!!これはなんという意外な展開!鳩尾か、少々の時間をおくと少し回復はしているようです。
2R、互いにボディストレートを狙う、という展開。重岡は明らかにやり返したい気持ちが強く、さらに攻撃的な性格が非常によく出ています。このわかりやすい性格を逆手に取られなければ良いですが。
ボディを打ちたすぎて単発気味の重岡、ジェルサレムは谷口戦同様、右ストレートが非常に伸びてくるようですね。ヒリヒリした展開になってきました。
3R、重岡がジャブから左ボディ。これを外したジェルサレムはその後の重岡の右フックにあわせて右カウンター!これでなんと重岡がダウン!!
ちょっとかなりまずい展開になってしまっています。
重岡はまだイケイケで攻め立てていますが、ジェルサレムも気が強く、しっかりと打ち返してきます。
ポイントはかなりのビハインド、そして初回に右ボディを効かせられているだけに、どうしてもボディを警戒して左ガードは下がってしまう状態。
終盤にもジェルサレムの長い右を数発喰らってしまう重岡。
4R、ダウンを喫し、ポイントビハインドでも強気の重岡はプレス。ジェルサレムはかなり余裕を持っているか、基本的には迎えうつスタイルを貫きます。
攻撃すればその分隙が大きくなるスタイルのジェルサレムですが、リターンであればその隙は少なめです。
両者ともに力のこもったパンチを交換しています。重岡としては、ちょっとペースを変えてみるのも良いのではないでしょうか。
途中採点は48-47×3でジェルサレム。
5R、重岡が強い左ボディ。これをダブルで打つと、ジェルサレムはかなり嫌がります。サウスポーの左ボディは鳩尾もレバーも狙える必殺ブロー、これはジェルサレムも重岡同様に警戒せざるを得ません。
ただ、ちょっと攻撃に逸る重岡、攻撃がオープン気味。これを待ってましたと合わせにくるジェルサレム、戦い方としてはジェルサレムの方が賢い。
6R、ジェルサレムは右からの攻撃を多用。中盤にはそこからパンチをつなげ、重岡を下がらせる場面も。
ちょっと一発で決めようとしている重岡よりも柔軟で、強引に攻める重岡に比べてちゃんと合わせるというボクシングをしています。
このラウンドも連続攻撃の中で重岡の右に右を合わせてダウンを奪取したジェルサレム、これは重岡はドツボにハマってしまいそう。
明らかに力が入りすぎている重岡、やはり狙いすぎです。
7R、ジェルサレムはあくまでも冷静。強引に見える重岡の攻めに対して右をリターンして重岡の動きがまた止まります。
倒そう、倒そうという意識が強すぎて攻撃にほぼ全振りの重岡、攻撃後のケアが足りません。
ジェルサレムはどんどん冷静に、さらに動きが良くなってきており、かなりまずいペースです。
8R、先に仕掛けるのは重岡、ジェルサレムはそれにしっかりとリターン。ジェルサレムは自ら踏み込むとその後クリンチ、重岡のリターンを封じます。
ジェルサレムは本当にナチュラルに右が出る分、サウスポーは得意なのかもしれません。もしかしたらオーソドックスよりもサウスポーの方が得意なのかも。
ジェルサレムは後半、右ボディストレートを中心に攻め、重岡を下がらせます。
途中採点は77-73×2でジェルサレム。一人は75-75のドロー。
9R、重岡がワンツーで攻め込むとそれを外したジェルサレムはリターン。かなり動きが良くなったジェルサレム、余裕ができて動きが良くなっています。
これは苦しい展開の重岡優大。ただ、これこそが逆転KO勝利への布石だと信じたい。力石がマグネッシに勝利したような奇跡は、まだ起こり得ます。
10R、この疲れる後半で、休むラウンドを作れるのは精神的にはかなり楽でしょう。前半、ジェルサレムはサークリングしてあまり手を出さず。重岡は終始プレスをかけて攻め続け、ジェルサレムは重岡が来たら打ち返すという展開、当然重岡のアタックはきついものの、ジェルサレムとしては省エネよりのボクシングです。
終盤、右を思いっきり振るうジェルサレム。これが非常に見栄えが良い。
11R、ステップワークが冴えるメルビン・ジェルサレム。重岡の外側へ外側へサークリングしつつ、重岡が攻めてきたところにパンチをまとめて返します。
このラウンドの重岡はやはり気合が入っており、しっかりとコンビネーションを出しせてもいますし、危険な相打ちもありますが良い攻撃を見せています。
後半に入ったところで長い左ストレートをヒット、中間距離での打撃戦、非常にテンポの速い、ミニマム級らしい戦いです。
ラストラウンド、もはや倒さなければ勝つことはできない重岡。
野球は2アウトから、ボクシングはファイナルラウンドからです。
重岡は強いプレスをかけてジェルサレムを追っていきますが、ジェルサレムは余裕のアリ・シャッフル。からの突然攻撃に転じるなど自由自在で、完全に勝利を確信しています。
危険な行為を避けるジェルサレム、頭を下げて右から入れば重岡が対応しづらいことがよくわかっているようで、この攻撃を繰り返します。
ラストラウンド終了のゴングが鳴ると、大きく両手を掲げたメルビン・ジェルサレム!途中採点がしっかりと発表されているだけに、ジェルサレムの勝利は固いでしょう。。。
果たして採点は、114-112ジェルサレム、114-113重岡、114-112ジェルサレム。
メルビン・ジェルサレムはお見事、王座返り咲き。
敵地で見事なボクシングを披露、なんとなんと評価の高い重岡銀次朗を降し、世界再体感です。
これは悔しい、重岡優大。決して勝てない相手ではなかっただけに、(というとジェルサレムにも重岡にも失礼になってしまうのかもしれませんが)これは見ている側としても非常に悔しい敗戦。
勝手な想像をすると、重岡が目指していたのはこのさらに先であり、ちょっと足元を見れていなかったのではないか、と思ってしまいます。その理由は、ジェルサレムの対策というものがやや足りなかったと思わざるを得ません。
あの伸びてくる右ストレート、谷口とコミュニケーションをとり、これをしっかりと警戒していれば結果は違ったのではないか、と思ってしまいます。
いずれにせよ、重岡優大はこんなものではないはず。目指すべきところを目指し、再起に期待したいところです。
【宣伝】
ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!
珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。