「MEGA」Mayが始まります。
日本で、ラスベガスで、オーストラリアで、そしてサウジアラビアで行われる多くの興行が終わった後、世界のボクシング界はどのようになっているのでしょうか。
AサイドとBサイド、たった二人で戦うボクシングという競技において、これだけの興行数、試合数があればいくつかのアップセットを経験するはずで、全ての試合が順当に勝者と敗者が別れるなんてことは考えづらい。
アップセットを起こすのは、果たしてルイス・ネリなのか、ハイメ・ムンギアなのか、それともジョージ・カンボソスJrだったりするのか。
様々な思いを掻き立てられるMEGA-May、今回のブログはその前半、ゴールデンウィークに関わるいくつかのニュースをピックアップ。(というかプレビューに入れられなかったものを捕捉的に羅列)
エマヌエル・ロドリゲスが考える「西田戦後」
↓プレビュー記事
5/4、エディオンアリーナで指名挑戦者を迎えるIBF王者、エマヌエル・ロドリゲス。
天才的とも言えるカウンターセンスを持つこのロドリゲスは、コンビネーションパンチャーでもあり、西田の地元大阪で戦うことを考えれば、アグレッシブに出ていくのは王者の方でしょう。
この戦いの半月前のロドリゲスのインタビューはこちら。
この記事では、ロドリゲスは西田戦の2日後に行われる東京ドーム興行を見に行きたい、と語っています。チケットが手に入ればということなので、ここは誰か奢ってあてほしい。
やはり興味深いのは井上拓真(大橋)やジェイソン・マロニー(オーストラリア)との王座統一戦に言及していることで、試合時期がずれるためかここにははっきりと言及されていない中谷潤人(M.T)戦も非常に興味深いですね。
ロドリゲスが王座統一戦を戦うとなると、やはりプエルトリコでは難しく、日本人との対戦であれば日本で、そしてマロニーとの対戦であればオーストラリアとなる可能性が非常に高い。
そのあたりはロドリゲスもわかっているでしょうから、敵地に赴く気概は満々でしょう。
まず、その前に西田戦。
オッズは思った以上に拮抗しており、西田凌佑(六島)の世界的評価が思った以上に高いというのは嬉しいことですね。
ハイレベルな技術戦に期待しましょう。
日本だけじゃない「黄金時代」
オーストラリアという国は、ボクシングが盛んとは言い難い。
ただ、スーパースター、ティム・チューが先導することにより、今現在を「黄金時代」と呼ぶオーストラリアのボクシングファンは多いようです。
その中で現在唯一のタイトルホルダーは、ジェイソン・マロニーです。
ティム・チューは先日不運も重なり王座陥落してしまったし、ジャイ・オペタイアは謎の王座剥奪を経験しています。
しかしこの「MEGA」Mayを過ぎると、もしかするとオーストラリア人が保持する世界タイトルはもっともっと増えるかもしれません。
一つはまず確実にジェイソン・マロニーがタイトルを持ち帰ること。
二つ目はその弟、アンドリュー・マロニーが5/12の決戦でペドロ・ゲバラ(メキシコ)に勝ち、暫定王座を獲得すること。
三つ目はジョージ・カンボソスJrが待望のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)戦をクリアし、王座に返り咲くこと。
そして四つ目に、ジャイ・オペタイアがマイリス・ブリエディス(ラトビア)を返り討ちにし、剥奪されたIBF王座を再び手中に収めること。
オーストラリアという国は、島国ということもあるのか、そのルーツというよりも自国の選手を応援するのが自然なのかもしれません。
ジェイソン・マロニーは5月の終わりに世界王者が4人になっていると良いな、と語っています。
↓インタビュー記事
https://www.boxingscene.com/jason-moloney-hopeful-australia-four-world-champions-by-end-mega--183199
この記事の中でも、ジェイソンは非常にクレバー。
おそらく弟アンドリューの勝利は信じて疑っていませんが、ジョージ・カンボソスJrについては厳しい戦いになる、と語っています。
ただし、タイミング的にはおそらく衰えの見えるロマチェンコに対して、プライムタイムを迎えるカンボソスという認識でおり、チャンスがないわけではないことも語っています。数年前ならまだしも、このタイミングならばもしかするとチャンスはあるのかもしれません。
交流があるのかないのかはわかりませんが、ちゃんと他のボクサーをリスペクトできるというのはやはり人格的に優れたボクサーですね。
Lower Weight Fighters
トップランクが公開したYoutube。
Lower Weight Fightersと題された動画は、ランキング形式で軽量級のボクサーたちを紹介しています。
もちろんこれは井上尚弥のための企画でしょうが、現役ボクサーだけでなく過去のボクサーたち、例えばチキータ・ゴンサレスやマイケル・カルバハル等のレジェンドたちもフィーチャーされています。
原液だけで作ってくれても良いのに。
ともあれ、これは大変興味深いハイライト動画になっているので、過去のレジェンドたちのノックアウトシーンも是非。
なお、トップランクのYoutubeチャンネルではこのほかにも井上尚弥特集的な動画がアップされています。
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フルトンの復帰戦はタンクvsマーティンのアンダー!
さて、上記の動画でも登場している元スーパーバンタム級統一王者のスティーブン・フルトン。
リングマガジンの独占記事では、スティーブン・フルトンの復帰戦が6/15(日本時間6/16)のジャーボンタ・デービスvsフランク・マーティンという大注目のパンチャー対決のアンダーカードにセットされた、と書かれています。
この対戦相手がルイス・ヌニェス(ドミニカ共和国)、19勝(13KO)無敗という強敵ですね。
テクニシャン、特にディフェンスが良いと感じるヌニェスですが、KO率が示す通りパンチャーでいて、非常にリズムも良いボクサー。これはフルトンにとっても超強敵ではないでしょうか。
復帰戦で相手は強豪、とはかなり勇気のあるマッチアップですが、フルトンはこれまでもとてつもないマッチアップを潜り抜けてきたボクサーです。そしてこの試合は、もしかすると王座決定戦になる可能性も孕んでいるようなので、モチベーションも保たれるでしょう。
調べたら2度、ヌニェスの観戦記は書いていました。
この大注目のPPVファイトのアンダーカード、これはきっとWOWOWで見せてくれるはず。井上尚弥と戦ったボクサーたちの顛末は非常に気になるところ、6月の楽しみがまたひとつ増えましたね。
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