信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】井上尚弥vsルイス・ネリ!ネリのビッグアップセットの可能性とフィニッシュシーンを考える。

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さて、いよいよ井上尚弥vsルイス・ネリ、東京ドーム決戦が目前です。

日本ボクシング界の歴史を知る者にとっては「過去最高の盛り上がり」とは言えないまでも、ここ数年どころか四半世紀レベルで見ても過去最高の盛り上がりであることは間違いありません。

その立役者は「モンスター」井上尚弥であり、過度なメディア露出もなし、己の拳とその拳の使い方を他者に見せることでのみ、その人気を掴み取ったボクサーは、世界的に見ても稀有なボクサーと言えるでしょう。

これまでにもWBSSという世界的トーナメント優勝、世界タイトル4団体制覇、4階級制覇と2階級4団体制覇と数々のレガシーを築き上げてきた井上尚弥が挑むのは、マイク・タイソン以来という東京ドームでのボクシング興行です。

ということで今回のブログは、井上尚弥vsルイス・ネリの一戦をプレビュー。

 

 

 

5/6(月・祝)東京ドーム

世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチ

井上尚弥(大橋)26勝(23KO)無敗

vs

ルイス・ネリ(メキシコ)35勝(27KO)1敗

もはや日本を飛び越えて世界のボクシングの顔役である、井上尚弥。

2022年末にバンタム級の4団体を制覇し、2023年にスーパーバンタム級へ進出。統一王者だったスティーブン・フルトン(アメリカ)を破り、初防衛戦で同じく統一王者のマーロン・タパレス(フィリピン)を破ってスーパーバンタム級でも4団体を統一。

このスーパーバンタム級での戦いは、初戦が最強王者と謳われたフルトンだったがために、すでに敵はいないという状態。そんな中でタパレスは勝ち目が薄い中非常によく頑張り、見応えのある戦いを見せてくれました。

フルトンとタパレスが戦えば、おそらく十中八九フルトンが勝つでしょう。

それでも、井上尚弥がどちらに苦労したか、と考えればどちらかというとタパレスに見えます。

 

 

 

ボクシングに三段論法は通用しない、このように全く当たり前のことを噛み締めつつ、今回の対戦相手ルイス・ネリはどうか。

ネリの過去の薬物疑惑、ウェイトオーバーはもうすでに語られ尽くしているので置いておきます。もはやこの段階では瑣末なこと、と言えば怒る人もいるのでしょうが、この段階にくればそこを気にする必要もないでしょう。

さて、話を戻してルイス・ネリ。

メキシコ、ティファナ出身のネリは、井上尚弥の一つ下の年齢で、現在29歳。

この戦いを制した後にムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と戦い、レジェンドのまま引退するとインタビューで語っています。

ただ、その可能性は非常に低い、というのはすでに全世界がわかりきっていることで、世間の評価はネリも陣営も理解していること。だからこそ、ビッグアップセットを起こすというモチベーションにもつながっているのだと思います。

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

ネリのインタビューを見聞きすると、しっかりと世間の評価を受け入れた上でこの戦いに挑むのだということがわかります。

下馬評では圧倒的不利、だからこそ失うものはなく、いきいきと戦えるのでしょう。

ネリのストロングポイントは、その回転力とパンチングパワー。ただのフッカーではなく、当て勘も良いように見え、およそコンビネーションと呼べる代物ではないからこそ怖さがあるボクサーだと思います。

この連打に巻き込まれて無事なボクサーはまあ、そうはいないでしょう。

ルイス・ネリ、アップセットの可能性

さて、まずはこのルイス・ネリの序列というとどうでしょうか。

例えばフルトンは距離をとってこの厄介なトルネードを躱すことができれば勝利することができると思います。井上戦では臆病にも映ったフルトンですが、通常は非常に勇敢なボクサーで、タフであり、ネリの勢いに怯まずにボックスアウトできるのではないかと思っています。

タパレスはこのネリの連打への対応として、自らも打ち合い、打ち勝つことができればネリに勝利できるでしょう。ただ、個人的にはネリの連打に巻き込まれてしまいそうな感じがします。

 

 

 

現状、直接戦ったと考えれば私の中の序列はフルトン>ネリ>タパレスなわけですが、対井上尚弥戦となればネリ>タパレス>フルトンとなります。

フルトンにあまり期待できなかったのは、やはり一発で倒せるパワーがなかったことです。

かといって井上尚弥が12ラウンズにわたりアウトボックスされるか、というと難しい。

タパレスは大いに頑張って評価を高めたように思いましたが、あのディフェンシブなカウンター狙いの戦法では判定勝利は望めず、打ち終わりの一発さえ気をつけていれば井上の勝利は固かったはず。リスクを取らずに判定勝利という道筋もあったはずですが、あの試合でスリリングな場面が訪れたことは、井上尚弥がタパレスを倒そうと打ちにいったことが非常に大きなことであるように思います。

さて、ルイス・ネリは井上を相手にどう戦うか。

もともとがフッカーであるネリにとって、まず井上尚弥を相手にジャブの差し合いから始めるなんていうことはあってはいけません。

 

 

 

様子を見るときは距離を大きくとって、井上が強く踏み込んでも当たらないポジションで様子を見るべきですし、それ以上にやはり初回のゴング直後からダッシュして強引に行くべきで、またそれを緩めることなく一気に押し切ってしまう、という戦法が適していると思われます。

ゴングと同時の特攻、というのが理想ですが、さすがにPFPファイターを相手にそれは難しく、ある程度自分が通用するのでは?と思っていたら尚のこと難しいでしょう。

この戦法は弱者の戦法であり、実行するにはまず普通に戦った場合における敗北を認め、それでもなお勝利を手にしようという気概が必要です。この前半部分、「戦う前から勝てないことを悟る」ということに関してはほぼ無理なことで、特に初顔合わせでこの戦法を取ることができる、というボクサーはほとんどいないはず。

実際は井上陣営の考えの上をいかなければ勝利をもぎ取れない、というのがルイス・ネリの現状。かなり厳しい現実です。しかしそれでも、ネリは攻撃力に秀でたボクサー。これは一発で倒すパワーパンチャー、というよりも、勢いがあり、回転力のある連打で仕留めるパンチャーであり、一発を警戒すれば良いだけのボクサーよりも難易度は非常に高い。

 

 

 

空振りしても気にせず振り回せる、というのは大きな長所であり、それが必然的にディフェンスにつながっている節もあります。

このルイス・ネリのボクシングを、なるべく早い段階で、スタミナ度外視で出していくことが、ネリの勝ち筋に他ならないのではないでしょうか。

フィニッシュシーンを考察

とはいえ、ネリが勝負を早くかけたら勝てるか、というとそれも難しいのが現状。

まずネリが攻めてきた時に、そのアクションを容易に躱すことができるステップワークを井上尚弥が持っている、ということがその理由の一つ。

井上尚弥はあまり攻め込まれることがないために、大きくバックステップを踏む姿をあまり試合で見せていません。何しろ「下がった」ということだけで話題になるボクサーです。

ドネア戦、ドネアの強い攻めに対してバックステップとサークリングで躱した井上尚弥のボックスは、既知のことながらも素晴らしかったことを覚えています。井上尚弥がネリのことを警戒しているのであれば、ネリのステップインに対してしっかりとバックステップを踏むことができ、たとえネリがパンチを打ちながら突進してきたとしてもしっかりと距離で外すことが可能でしょう。

 

 

 

さらにネリは打ち込む時にオープンガードになりがちであり、そこを井上に突かれる可能性は非常に高いと見ます。なのでネリは例えばタパレスやフルトン、バトラーのようにガード状態やディフェンスの状態で倒される、というよりも、打ちに行ったところ、つまりは井上のカウターショットで沈む可能性が高いのではないか、という仮説が成り立ちます。

ここで井上尚弥に必要なのは、ややモーションを伴って強引に打ちに行くようなパワーパンチではなく、従来の、力のこもっていないように見えるシャープなカウンター。それも、ネリのフック系のパンチにドンピシャでで合わせる左フックや左ボディ、もしくは右のショートストレートも良い。もしかすると前に出ながら打ってくるネリに対して、下がりながらのカウンターというものかもしれません。

今回のノックアウトシーンは、世界が痺れるようなハイライトシーンになりそうです。

この一発のカウンターで試合が終わる。近しいのはノニト・ドネア第二戦やエマヌエル・ロドリゲス戦、そしてジェイソン・マロニー戦あたりのカウンターか。

ドネアやロドリゲスは序盤から井上を本気で倒しに来ていたボクサーたちであり、マロニーは器用に戦って見せたボクサーです。

それらのボクサー以外は基本的に逃げの一手、その先にある「何か」を探し求めて結局その影を見ることもできずに敗れ去ったボクサーでもあると言えます。

だからこそネリには、少ない可能性にかけて、井上尚弥をしっかりと倒しにきて欲しいものです。

 

 

 

アンダーカードのプレビュー

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