信太のボクシングカフェ

信太のボクシングカフェ

ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】エマヌエル・ナバレッテ、4階級目に挑む。vsデニス・ベリンチク!セミにはクロフォードの後釜、WBO世界ウェルター級暫定王座決定戦!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

5月も中旬。

今月はシンコ・デ・マヨ、そして日本のビッグイベント、さらにはオーストラリアのビッグイベントがあり、怒涛の5月前半でした。

今週においてはウィークデイにも日本ではフェニックスバトル、5/14(火)はFODで、5/16(木)はLeminoでそれぞれ生配信。週末にもダイナミックグローブがU-NEXTで生配信されるという状況で、5/18(土)にはいよいよサウジアラビアでのヘビー級の4団体統一戦までありますね。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

このサウジアラビア興行、「Ring of Fire」は日本時間の夜中に始まり、おそらく夜が開ける前に終わるのでしょう。

そしてその数時間後、アメリカのカリフォルニアでトップランク興行、こちらも注目です。

ということで今回のブログは、ナバレッテvsベリンチクをメインに据えたトップランク興行のプレビュー記事。

 

 

 

5/18(日本時間5/19)アメリカ・カリフォルニア

WBO世界ライト級王座決定戦

エマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)36勝(31KO)1敗1分

vs

デニス・ベリンチク(ウクライナ)18勝(9KO)無敗

元スーパーバンタム級王者、というところからついにはライト級まで来てしまった、エマニュエル「バケロ」ナバレッテ。しかもまだ29歳という若さでの4階級目というのは、とんでもない才能です。

2018年12月、当時のWBO世界スーパーバンタム級王者、アイザック・ドグボエに勝利、再戦ではTKO勝利で返り討ちにしてから5年半、ほぼ休むことなく戦い続けてきた素晴らしいキャリアの持ち主ですね。

意味不明なタイミング、角度から放たれる強打で勝ち星を積み上げてきたナバレッテは、現在WBO世界スーパーフェザー級王者です。

WBOでは「王者が王座を返上して階級を変更する場合、その階級の1位にランクインする」という決まりがあるため、特にこのナバレッテがWBO世界ライト級の王座決定戦に出場することには違和感を覚えません。この規則は、複数階級を制覇したい王者にとっては非常に都合の良い制度であり、それを利用して複数階級を制覇してきた王者も多い。問題は、ナバレッテがスーパーフェザー級のタイトルを保持したままであり、負ければスーパーフェザーに戻るという逃げ道を作っていることです。

 

 

 

そんなことをしなくても、もしライト級王座決定戦で敗北し、スーパーフェザー級に戻るにしてもすぐに王座挑戦できそうなものですが。

ともあれ、この奇怪なメキシカンは4階級目、ライト級王座にその食指を伸ばしています。

さて、このナバレッテと王座を争うのはウクライナのデニス・ベリンチク。

ライト級のウクライナ人、といえばすでにワシル・ロマチェンコが王座に返り咲き済み。ベリンチクは二人目のウクライナ人ライト級世界王者となれるか。

ロマチェンコの偉業に隠れてはいるものの、このベリンチクも元トップアマで、元オリンピアン、もっと言えば元シルバーメダリストです。

もう10年以上も経ってしまったのか、と愕然とするわけですが、2012年のロンドン五輪に出場、本戦でアンソニー・イギットやジェフ・ホーンを破り、決勝でロニエル・イグレシアスに敗北しています。この時は今のようにネット配信がなかったと記憶していますが、決勝はTVで流れていたように思います。だから、見ていたはず。流石に覚えてはいない。

 

 

 

ともあれ、このボクサーはロマチェンコのような異次元の動きこそないものの、しっかりとボクシングを組み立てるタイプのボクサー。右でも左でもボックスするスキルを磨いている、というようなボクサーで、非常に穴の少ないタイプのボクサーですね。

ともすればナバレッテが得意とするタイプであり、正統派すぎるベリンチクからすると変則的なナバレッテは不得手なタイプのようにも思えます。

ナバレッテが右構えも左構えもないようなパンチを打ち、ベリンチクが右構えでも左構えでもボックスを試みる、出したパンチが左なのか右なのか、ジャブなのかストレートなのか、よくよく目を凝らさないといけない試合になりそうです。

さて、ここで焦点になるのは階級の壁と、ここ最近のナバレッテのパフォーマンス。

ナバレッテは前戦で技術力に定評のある元ゴールドメダリスト、ロブソン・コンセイサン(ブラジル)に大苦戦のドロー。その前にはオスカー・バルデス(メキシコ)に快勝も、その前にはリアム・ウィルソン(オーストラリア)にダウンを奪われる大苦戦。

この3戦がスーパーフェザー級の戦いであり、良いパフォーマンスを見せられているのはフェザー級上がりのバルデス戦のみ。

 

 

 

そこからさらに一つ階級を上げ、これまでのフィジカル面やパワー面、そして体格という優位性はかなり薄まってしまっていると言っても過言ではないでしょう。

かたやベリンチクは根っからのライト級、アマチュアでも64kgのウェイトで銀メダリスト。これはナバレッテ危うし、と見られてもおかしくはない戦いのように思いますが、オッズはナバレッテ大きく優位と出ているようです。

36歳、決して若いとは言えないベリンチクですが、ここでそろそろナバレッテの暴挙を止めて欲しいというのが正直なところ。

さて、デビン・ヘイニーの後釜を決める戦いもいよいよ大詰め。その数時間前には同じウクライナ人、しかも同年代であるオレクサンドル・ウシクが偉業を成し遂げているかもしれません。

ロマチェンコ、ウシク、そしてベリンチク。ウクライナ人ボクサーたちの大一番、勝ってここを締められるか。

↓ライト級について

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

 

WBO世界ウェルター級暫定王座決定戦

ジョバニ・サンティリャン(アメリカ)32勝(17KO)無敗

vs

ブライアン・ノーマンJr(アメリカ)25勝(19KO)無敗

そのメインだけ見れば良いかな、と思っていました。アンダーカードにはリチャード・トーレスJr(アメリカ)やチャーリー・シーヒー(アメリカ)、この辺りのボクサーたちもそろそろ対戦相手のレベルも上がってきたと言えますが、まだまだ求められる試合レベルまではあと少しという印象。ちなみにあとは大人気、エミリアーノ・バルガスも出場予定ですね。

さて、そんな(いつも通り)トップランク・プロスペクトたちが競演するこの興行のco-mainイベントは、サンティリャンvsノーマンJrによるWBO世界ウェルター級暫定王座決定戦、テレンス・クロフォードの後釜を決める戦いの一つです。

32勝17KO、というのは立派な戦績ではありますがさほどKO率は高くなく、かといってスピードとタイミングがあるというわけではないボクサー。「Gallo de Oro」という大仰なニックネームを持つこのボクサーを、私個人としてはあまり注目していませんでした。

 

 

 

そのボクシングは非常に泥臭く、ストロングスタイルと言えるものであり、要はブロッキングで相手を押していき、頭をつけて左右のフックを振り回すみたいなスタイルです。

こういうボクシングを極めていくとティム・チューや若干違うかもしれませんがサブリエル・マティアス、日本人では村田諒太や最近ではユーリ阿久井、というスタイルになるという認識でいるのですが、このサンティリャンはパンチングパワーとして大きく秀でているわけではありません。なので「ストロングスタイル」と呼ぶには若干破綻しているような気がします。

それでもこのサウスポーの利点を活かすことを全くしないボクサーに注目したのは、前戦、アレクシス・ロチャ(アメリカ)を圧倒的な6RKOで屠ったことです。

ボリュームパンチャー、ウィリアム・セペダがノンストップアクションで相手を痛めつける時によくつけられる言葉ですが、この言葉がよく似合うのがこのジョバニ・サンティリャン。

ディフェンスを億劫に感じるのか、というほどブロッキングで詰め寄り、とにかく手をだす。相手が止まれば強打を見舞うというスタイルは、ヒスパニック系のアメリカ人らしいと言えばらしいですね。

ロチャ戦以来、このサンティリャンにようやく注目したわけですが、あっという間にチャンスが巡ってきたことに少々びっくりしています。

 

 

 

相手のブライアン・ノーマンJrというボクサーは、映像をつまみ見た感じスピードがあり、ステップがよく、カウンターが打てるタイプのパンチャーです。KO率は70%を超え、これらはおそらくカウンターで奪い取ってきたものなのでしょう。

前戦はバッティングでのノーコンテストからいきなりの世界タイトル戦、実績的にはサンティリャンが大きく上回っているのですが、ボクシングセンス、スキルはおそらくノーマンの方が上なのではないでしょうか。

ただし、スキルがとかセンスがとか、そういうものをただの手数が超越するのもまたボクシング。

おそらくここはスキルが愚直な前進と旺盛な手数に飲み込まれるような試合になる、と思われます。

個人的にはウィリアム・セペダ、そしてこのジョバニ・サンティリャン、ハートの強さとフィジカルの強さ、豊富な練習量を組み立ててきたボクシングは大好きです。そういうボクサーたちが、素早く動くボクサーたちを捉え、膝まづかせる戦いを期待しています。

ところでサンティリャンはWBOのトップコンテンダー、指名挑戦者なわけですが、このノーマンはなんと10位。下位と呼んでも良いランキング。

 

 

 

ちなみに2位にシャフラム・ギヤソフ(ウズベキスタン)がこの勝者に挑む指名挑戦者になるとして、3位のエロール・スペンスJr(アメリカ)の動向が不明とするならば、4位にはなんと佐々木尽がきているのです。

先日のジョー・ノイナイ戦の出来では。。。とは思うものの、あの一発が世界に通用するのかどうなのかは現時点でも非常に興味深い。サンティリャンならば確実に打ち合ってくれるのだから、相性だって良いでしょう。

まさかウェルター級の世界戦線の行方が、「日本人がらみで」気になるなんて思いもしませんでしたね。さてさて、WBO世界ウェルター級暫定王座決定戦、期待してみましょう。

 

 

 

モンスター井上尚弥5・6東京ドーム速報号 (COSMIC MOOK)

 

 

 

【宣伝】

ストック品(在庫があるもので即納できるもの)のセールやってます!

珍しいボクシンググローブが揃うBoxingCafe、ぜひ見てみてください。

boxingcafe.base.shop

 

 

 

プライバシーポリシー お問い合わせ