※何の内容も伴わない記事のため、本当に暇な方だけ読んでください。
ローレンス・オコーリー(イギリス)、初回TKO勝利で無敗のルーカス・ロザンスキ(ポーランド)を撃破、WBC世界ブリッジャー級世界タイトルを獲得して2階級制覇(?)を達成。
オコーリーはかつて注目していたボクサーで、クリストフ・グロワキ(ポーランド)とのWBO世界クルーザー級王座決定戦をへてタイトルを獲得、この頃は「ウシク後」のクルーザー級を背負ってたつボクサーだと期待していました。
しかし3度の防衛を果たした後、2023年5月にクリス・ビラム-スミス(イギリス)に敗れてタイトルを失い、さらにこの戦いが酷いものだったので多くのファンが離れてしまったという印象。
それでも復帰戦でブリッジャー級とはいえ世界タイトル戦、というのはまだまだ期待されているということなのでしょうか。
さて、さほど盛り上がりのないクルーザー級に加え、もっと盛り上がらないブリッジャー級。
今回のブログは、多くのファンが「不要」と捉えるブリッジャー級について。
2代王者、ルーカス・ロザンスキ
今回、オコーリーに初回に3度のダウンを奪われてあっという間にTKO負けを喫してしまったルーカス・ロザンスキ。
このボクサーはWBC世界ブリッジャー級の2代目王者として君臨していました。
タイトル獲得は2023年4月のことで、今回は13ヶ月ぶりの初防衛戦ということでしたね。
このタイトル戴冠戦は初回TKOで飾っており、対戦相手は無敗のアレン・バビック(クロアチア)というボクサーで、当時は無敗。このタイトル戦は初代王者のオスカル・リバス(コロンビア)が網膜剥離により引退、空位の王座をかけての決定戦でした。
初代王座決定戦(オスカル・リバスvsライアン・ロジッキー)こそなかなか白熱した戦いだったものの、2代目王座決定戦は初回TKO、そしてその初防衛戦も初回TKO。なんだか良いのか悪いのか。
いずれにしろこの2代目王者のロザンスキは、そのキャリアを見るに本来であれば王座決定戦に出れるキャリアの持ち主ではなく、この結果は目に見えたものだった、と言わざるを得ませんね。後出しですけど。
今のブリッジャー級に、クルーザー級のタイトル経験者が出てくることがあればはっきり言ってひとたまりもないほどでしょう。
ブリッジャー級
さて、言うまでもなくボクシングは階級制の競技です。
下限がないのはミニマム級、上限がないのがヘビー級であり、ミニマム級には上限があり、ヘビー級には下限があります。
例えば日本人に馴染みの深いバンタム級は115lbs〜1181lbsであり、井上尚弥が戦うスーパーバンタム級は118lbs〜122lbsです。
118lbsぴったりに仕上げればどちらの階級でも戦える、といえばそうなのですが、流石に下限に合わせてくるボクサーなんていないわけで。
ちなみにクルーザ級は175lbs〜200lbs、ブリッジャー級は200lbs〜224lbsとなっており、224lbs〜上限なしがヘビー級となっています。
ブリッジャー級を設定している団体
創設早々、というか創設前から意味不明と罵られてきたこのブリッジャー級を立ち上げたのはWBC。今やWBAを抜いて王座乱立をオハコとしているビバメヒコ団体です。
これに追随したのがWBAであり、WBAは当初違う名前で発表するも現在はブリッジャー級に改名し、これによりWBA、WBCが「ブリッジャー級」を制定しています。
WBOとIBFはどうかこれに倣わないでもらいたいものです。
ブリッジャー級の「大」問題
さて、この意味不明なブリッジャー級をより意味不明なものにしているのが、何を隠そう先日行われたオレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリーです。
フューリーの前日計量のウェイトは262lbsとなっていますが、このフューリーに勝利したウシクの前日計量時のウェイトは223.5lbsとなっており、これがなんとブリッジャー級のウェイトリミットにしっかりと収まっているのです。
そして皆さんもご存知の通り、オレクサンドル・ウシクというボクサーは、現代最高のボクサーの一人であると同時に、「ヘビー級」の4団体統一王者でもあります。ヘビー級はあくまでも「無差別級」ではなく、WBAとWBCでは224lbs以上の、IBFとWBOでは200lbs以上のウェイト部門での戦いであるべき、というのが通常の階級制競技の考え方ではないでしょうか。
オレクサンドル・ウシク
ウシクは、200lbs以下のクルーザー級の4団体統一王者であり、このクルーザー級を過去一番盛り上げたボクサーである、ということは言うまでもありません。
創設してから40年が経つクルーザー級ですが、その戦いが盛り上がった例は過去にほとんどなく、誰しもがヘビー級への通り道的な階級だと思っていると思います。
それでもクルーザー級上がりのボクサーは小さく、現在のようにヘビー級の大型化が進む中では「通用しない」が世間一般の見方でした。しかし、その常識を覆したのが、オレクサンドル・ウシクです。
モハメド・アリがヘビー級にスピードやコンビネーションを持ち込んだように、ウシクはそのテクニックと運動量を持ち込みました。
そしてヘビー級を制してしまったのだから何も言うことがありません。私たちは今、時代の変化を目の当たりにしたのです。
それでも、WBAやWBCからするとウシクはブリッジャー級のボクサー、となりはしないのか。いや、本来はそうなるべきなのですが、その辺りの不都合な真実には目を瞑っているだけなのです。
ちなみに、ウシクのウェイト遍歴を見てみると、前日計量でのウェイトがそもそも224lbsを超えたことは一度としてありません。ウィザースプーン戦、チゾラ戦はそれぞれ210lbs台で戦っているし、ジョシュア戦は2戦とも221lbsと少し、デュボア戦は221lbs、今回のフューリー戦が最重で223.5lbs。これを、WBCやWBAは一体どのように説明するのか。
ブリッジャー級により階級性崩壊?
一体何が言いたいか、というと、ここ10年くらい(いや、もっと前からなのか)の認定団体による王座乱立問題に加え、階級の定義すらあやふやになっているのではないか、との懸念です。
結局220lbsで戦うには、ヘビー級◯回戦なのか、それともブリッジャー級◯回戦なのか、という問題が生じてきて然るべきという状況にあります。
117lbsでスーパーバンタム級戦に出られないのと同様に、本来は(WBAやWBCのタイトルがかかる場合に限り)220lbsでヘビー級タイトルマッチに出てしまっては問題が起こるはずなのです。
ちなみにこれはウシクの大偉業に異議を唱えているわけでは全くない、ということはご理解ください。
各認定団体が勝手に様々な王座を認定する、というのは各団体の金稼ぎと考えれば理解できなくもないことではあるものの、このウェイトという根底にあるものを覆してはならないものではないでしょうか。
王座乱立問題も含め、「メジャー」と呼ばれる団体が4つもあるのだから、それ相応にルールを定め、しっかりと運用していってもらいたいところ。
こういうところを見ると、この競技がファンからそっぽをむかれる日はそう遠くないのではないか、とも思ってしまいますね。
思いつきで書き始めたから、つらつらと妙な方向にいってしまいました。なので最初に警告文を付け足しておきました(笑)。
ともあれ、マニー・パッキャオが実質8階級制覇、と言われるのならば、ウシクは実質3階級制覇ですね、と訳のわからないことを言ってとりあえず締めときます。たぶん、忙しくて私の頭がおかしくなっているのだと思われます。
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