井上尚弥がBWAAの授賞式のために渡米。
今週末にビッグマッチがあればそちらに足を運んだのでしょうが、今週末は全米が注目するような大きな試合はなく。
そんなわけで、井上尚弥は自身が所属するトップランク興行にお呼ばれをしたようですね。
ということで今回のブログは、井上尚弥も生観戦、トップランク興行の観戦記。
6/8(日本時間6/9)アメリカ・ニューヨーク
ブルース・キャリントン(アメリカ)11勝(7KO)無敗
vs
ブライアン・デ・ガルシア(パナマ)29勝(25KO)3敗1分
そもそも対戦相手変わっとるやん。。。
いつ変わったのか、を調べることも面倒ですが、プロスペクトブルース「シュシュ」キャリントンの相手はガルシアというボクサーに変更となっています。戦績はめちゃくちゃ立派、KO率は素晴らしいものですね。
初回、リング中央で睨み合う両者、ジャブの差し合いからスタート。キャリントンのスピードが1段階、いや2段階くらい速い。
右のオーバーハンドを使い始めるガルシア、空振りながらもそのパンチは非常にパワーがありそうです。
ただ、あんまりショートは得意じゃなさそうで、キャリントンはガルシアの攻撃にブロッキングで対応、ブロッキングで大丈夫、ということなのでしょう。
ただキャリントンがブロッキングで受ける分、ガルシアもパンチを出しやすくなっているのか、終盤には回転力が上がってきた感じ。
2R、ガルシアの攻撃は力強さを増していき、左ガードが低いキャリントンに対しての右クロスが非常に有効。これは結構やばいんじゃないか。。。
しかし後半に入るとキャリントンは丁寧なブロッキング、バックステップで被弾を回避し始め、終盤には見事な左フックカウンターをヒット。
3R、強気で攻めるガルシア。ガルシアとしては手数で攻め続けていく必要があり、キャリントンにパンチを出すいとまを与えたくありません。
キャリントンはフィリーシェルのスタイルから中間距離で多くのパンチを外し、距離が詰まればブロッキング。
ガルシアの強い踏み込みに揉み合いも若干多くなるも、近い距離でキャリントンのショートのカウンターが冴えます!しかしガルシアも闇雲なパンチの雨の中でヒットを奪う展開、試合は打撃戦です。
その中でもキャリントンの左フックは非常に印象的ですね。
4R、手数は多いも的中率の低いガルシア、単発ながらも的確なカウンターを放つキャリントン。ラウンド途中で井上尚弥の姿が映し出されます。
ちょっとガルシアはここまでのハイペースで疲れてきたのか、ちょっとペースダウンしたように見えます。
5R、キャリントンのボディムーブが良い。中間距離においてガルシアのパンチは空をきり、近い距離でもブロッキングとボディムーブによりヒットを生まず。
キャリンとんの手数は多くないですが、要所で軽めのカウンターを入れ、かなり余裕を持ってきたようです。ガルシアのパワーも目減りしてきていることから、キャリントンは距離を詰めて右のショートカウンター、これでガルシアはダウン。
立ち上がったガルシアにキャリントンは明らかにKOを狙うムーブ、じっくりとコンビネーションを放つもこのラウンドでの決着はつかず。
6R、スタミナ切れ感もあるガルシア、反応も遅れています。ここは印象的なノックアウト勝利をしたいキャリントン、コツコツとジャブを当てつつ右を狙っています。
ダメージと疲労でフラフラに見えるガルシアもオーバーハンドを狙っているように見えますね。
7R、ここでガルシアは大きくサークリング。キャリントンはジリジリと追いかけ、執拗なボディショット。
サバイバルモードに突入したようなガルシアの武器はもはやキャリントンが打ち込んできた時に狙う右のオーバーハンドぐらいか、それでもこの大振りのパンチが当たるようには思えませんね。
終盤、強い踏み込みからコンビネーションを見せたキャリントン。右のショートフックでこの試合2度目のダウンをゲット。
8R、そろそろ決めたいキャリントン、大きな左フックをヒット。ジリジリと追い詰めて強いパンチを狙いますが、ガルシアはとにかく大きくエスケープして時間稼ぎ。
ややだれてきた雰囲気の中、終盤に一気にパンチをまとめたところでレフェリーがストップ。
ブルース・キャリントン、8RTKO勝利!!
序盤はアッと思わせたガルシアでしたが、蓋を開けてみればすぐに対応され、実力差はありましたね。
ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)18勝(12KO)無敗
vs
パトリック・ティシエイラ(ブラジル)34勝(25KO)4敗
さて、期待のプロスペクト、ザンダー・ザヤス。
今回はステップアップファイトともいうべきパトリック・ティシエイラ戦です。
いつの間にかかなり体つきもがっしりとしてきたプエルトリカン、どのような戦いを見せてくれるのか。リングコール時のジョイマンステップは相変わらずです。
初回、フェイントをかけながら早々にプレスしていくのはザヤス。
ジャブから右ボディストレート、距離が詰まったところでアッパーをヒット。ティシエイラはまずこのスピードについていけないか、まずは下がりながらのディフェンシブな戦いを強いられます。おそらくティシエイラのパンチは一発も当たらず、ザヤスのアッパーがヒットしたというラウンド。
2R、引き続きプレスをかけるのはザヤス、右のオーバーハンドを使っていきます。ザヤスは右ボディから左フックを変えしてヒットを奪い、右ボディかと思ったら上に右を返し、とやりたい放題。
ティシエイラの攻撃はブロッキングの上、それも力強いパンチを当てられているわけでもなく、易々とダメージを逃されています。
これはえらく実力差が見えます。
3R、このラウンドもプレスをかけるのはザヤス、そこは変わりません。ただ、ティシエイラも流石に手数が出てきたラウンドですね。それでもやはり的確さに勝るのはザヤスであり、ティシエイラの攻撃はほぼ無効化されています。
4R、ここまでのパンチスタッツはザヤス61/195、ティシエイラ13/152。
ジャブ、同じモーションからの左フック、そして右ボディストレート。面白いようにパンチを当てるザヤス、まるでミットでコンビネーションの確認をしているかのよう。
5R、ガッチリとガードを固めたティシエイラ、まるでピーカブーのような構えです。そこを自在に攻め立てるザンダー・ザヤス、これはフルラウンドいかなそうな展開です。
6R、それでも決して攻め急ぐことのないザヤス。早くも半分が過ぎ、逆転の一発を狙うしかないティシエイラですが、とにかくティシエイラの左は当たりません。
代わりにザヤスの右、特にボディは打ち込むそのほとんどがヒットしているように見え、顔面への攻撃も含めて明らかにダメージが溜まってきているように見えます。
唯一ショートであれば連続的にパンチが出るティシエイラ、もはやくっついて乱戦に持ち込むしかないのではないでしょうか。ただ、このショートの距離でもザヤスの方が圧倒的に力強く、ティシエイラはかなり厳しい。
7R、このラウンドも手数、的中率、パワー共に全てがザンダー・ザヤス。ティシエイラはもはや何もできない状態で、自ら攻撃をするにもザヤスのコンビネーションが止まず、攻撃する糸口すらも掴めない状況。
8R、限界が近そうなティシエイラですが、前半は手数を出して頑張ります。さすがは元タイトルチャレンジャー。
しかし中盤、ザヤスの力強い右がヒットすると後退、ザヤスはここぞとばかりにチャージ。ここをディフェンシブに凌いだティシエイラ、ロシアンフックのような左フックを使い始めますが、これも効果はほぼありません。
なんとかこのラウンドをサバイブ、ミドル級で戦っているとは思えないほどパワーを感じないのは、ダメージによるものなのか、それとも久々のスーパーウェルター級戦だからなのか。
9R、ラウンド開始前にティシエイラにドクターチェックが入ります。ここまでのESPNの非公式採点はもちろんザヤスのフルマーク。
フィニッシュを狙うであろうザヤス、ティシエイラはサバイバルモードか。
左目付近から流血のあるティシエイラ、かなり大きく足を使って逃げ回ります。こうなった、というよりも早々にファイトできなくなっていたのかもしれないティシエイラを仕留めるのはなかなか骨が折れそうな仕事です。このティシエイラのパフォーマンスは、ブーイングが起こってもおかしくありませんね。
ラストラウンド、明らかにチャージを行うザヤス。力強いコンビネーションを放ち、ティシエイラを休ませません。
なんとかエスケープを試みるティシエイラ、ジャブをついて距離を取ろうとするもそこに右ストレートを合わされ、顔面が大きく後ろに弾けます。
最後もザヤスのジャブで顔を弾かれたティシエイラ、ここで規定のラウンドが終了。
判定前、リングサイドにホルへ・リナレスの姿を見つけ、握手を求めにいきます。
判定は、3者ともにフルマークでザンダー・ザヤス。これは当然の結果でしょう。
素晴らしい安定感とスキルを見せつけたザンダー・ザヤス。タイトルチャレンジャーを相手に圧倒し、もはやタイトルは目の前というところでしょう。
次が世界タイトル、というよりも、次あたりは元王者クラスか。いずれにしろ、来年くらいには世界タイトルへの絡みがありそうです。
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