今週末は、小休止か。
いや、そんなことはありません。
日本では見る術のないファイトではありますが、トップランク興行は注目に値するファイトが並んでいます。
どうにかトップランク興行を安定的に見ることができるプラットフォームが日本にもできないものか。逆もまた然りで、ABEMAやU-NEXTを海外で安定的にみられるプラットフォームもあったら良い。
これだけ世界の距離が近くなっているのだから、いつでもどこでも誰でも色々な情報を得られるようになれば良いですね。
ということで今回のブログは、ESPNで放送されるトップランク興行について。
6/8(日本時間6/9)アメリカ・ニューヨーク
ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)18勝(12KO)無敗
vs
パトリック・ティシエイラ(ブラジル)34勝(25KO)4敗
21歳のプエルトリカン・プロスペクト、ザンダー・ザヤス。もはやこの印象的な名前を知らないボクシングファンはいないでしょう。
10代の頃からそのスキルは群を抜いており、敗北どころか苦戦すらない戦いを積み上げてここまで18戦全勝、それでもまだ21歳という若さです。
トップランク式の「とにかく経験を積ませる」というキャリアながらも、2019年にプロデビューしたザヤスは2022年頃から地域タイトルに関わり始め、それでもなお精力的にリングに上がり続けています。
誰もが認める大器であり、よほどのことがなければ崩れないであろうザンダー・ザヤス。
スーパーウェルター級という階級にいながらも、シャクール・スティーブンソンのようなボックスもできるし、その気になれば右のパワーパンチも持っています。まだまだ底が見えない21歳は、この先一体どこまでいくのか。
そのザヤスは、ここ最近20勝以上はしているベテランのボクサーたちとの対戦を経験していますが、スキルや試合運びで劣ることは一切なし。ただ、今回のティシエイラはこれまでの相手よりも1段上のボクサーかもしれません。
何せ、「暫定」という文字はつくものの、元世界王者。
キャリアの中で3連敗(一つは反則負け)を喫しているものの、現WBC世界ミドル級王者のカルロス・アダメス(ドミニカ共和国)を僅差の判定で下したこともあるボクサーです。
幾度もミドル級超で戦ってきたティシエイラにとって、21歳のスーパーウェルター級とはデカさがかなり違うのではないでしょうか。
フィジカル面の強さ、キャリアという名の反則まがいのずる賢さ、この辺りは間違いなくティシエイラに分があるところではないでしょうか。(ティエシエイラがしょっちゅう反則をするボクサー、ということではありません。悪しからず。)
2016年によく知らないボクサーにTKO負けを喫しているティシエイラですが、それはもうずいぶん昔の話。ここ最近の3連敗は、ブライアン・カスターノ(アルゼンチン)、マゴメド・クルバノフ(ロシア)と強豪であり(あと一つが反則負け)、世界トップレベルとは行かないまでもそれに準ずる実力を持っているボクサーです。
ティシエイラが体躯の利を活かして強く踏み込んでくれば、ザヤスは下がりながらのカウンター戦法を取るでしょう。
正直、それですり潰されるザヤスの姿はあまりイメージはできませんが、展開によってはかなり苦労する戦いになるかもしれません。
まだもう少し、覚醒前夜という雰囲気のあるザンダー・ザヤス。この戦いは大きな分岐点になり得、もしティシエイラを圧倒するようであれば世界タイトルは近いかもしれません。
あ、そういえばザヤスはいよいよ初のメインイベント。気合いが空回りさえしなければ良いですね。
ブルース・キャリントン(アメリカ)11勝(7KO)無敗
vs
エンリケ・ビバス(メキシコ)23勝(12KO)3敗
co-mainも機体のプロスペクト、ブルース・キャリントンの登場です。
173cmの身長に対して183cmのリーチ(BoxRecより)を持つキャリントン、ファイティングポーズを取ると短い胴はすっかりと覆われ、その身体的なバランスはかつてのトーマス・ハーンズを思わせるようです。
このキャリントンの真実の姿は、カウンターパンチャーであるように思います。
カウンターを狙う、というのは勿論のこと、攻めながらでもカウンターを取れるセンスの持ち主で、間違いなく次の世代のフェザー級を背負って立つような逸材です。
今回の対戦相手のエンリケ・ビバスはなかなかの強豪で、対戦相手のレベルとしてはザヤス同様、一段レベルが高い相手かもしれません。
なにしろビバスはスバらいいキャリアを持っており、そのキャリアの中で3敗を喫しているもののその相手はルーベン・ビラ、エドゥアルド・バエス、ジョエト・ゴンサレスとよく聞こえたボクサーであり、その相手と戦えるレベルにある、ということです。まあ、映像を見たことはないんですが。
170cm、メキシカン、KO率50%程度、「El Ejecutor」(執行人)というニックネーム、非常にスタンダードなメキシカンファイターだということが容易に想像できます。
とかくボラードを振ってくるであろうこのメキシカンを相手に、キャリントンはその勢いに飲まれることなくカウンターショットを決め、その強さを世界に見せつけることができるか。
いずれにしろ、キャリントンが来年以降のタイトルショットを狙うならば、ここは当然負けられない相手であり、できればビラやバエス、ジョエトがなし得なかったこのタフ(だと勝手に思っている)なメキシカンをノックアウトすることが求められます。
とんでもない強さを見せつければ、将来的に井上尚弥戦が見えてくるかもしれないブルース・キャリントン。そのパフォーマンスに期待しましょう。
配信情報
この興行はアメリカではESPNの通常放送でオンエア。
日本での放送はありませんね。
この他のアンダーカードにはデランテ「タイガー」ジョンソン(アメリカ)も登場、とにかくプロスペクトたちを集めたような興行ですね。
トップランク興行として、このように若手だけで構成される興行というのは結構珍しいかもしれません。
今週末はここ最近で一番時間がありそうなので、久しぶりにESPNのライブ配信を見てみようかな、とも思います。
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