とにかく時間が足りません。
ときには何も考えずにゆっくりしたいな、と思うわけですが、そうは言っても死ねばゆっくりできるのだから何もしない時間はもったいない。
そんなわけで今日も今日とて真剣にボクシングを考える。
日本時間6/16は多くの興行があったので、しっかりと情報遮断の上で視聴。
まずはPBC興行、メイン2試合の観戦記。
6/15(日本時間6/16)アメリカ・ラスベガス
WBC世界ライトヘビー級暫定王座決定戦
デビッド・ベナビデス(アメリカ)28勝(24KO)無敗
vs
オレクサンドル・グヴォジク(ウクライナ)20勝(16KO)1敗
グヴォジクの出来が良く、かつベナビデスが勝ってしまうのならば、ベテルビエフvsビボルの勝者ともクローズアップされそうな一戦です。
そして、果たしてライトヘビー級初戦となるベナビデスのパフォーマンスにも注目ですね。
初回、まずはコンビネーションで攻め込んだグヴォジク。その後はベナビデスがプレス、グヴォジクはサークリングしつつ、機動力を活かして速いジャブ。どちらも早々に被弾があり、いきなりのハイペースです。
これは好試合の予感しかしませんね。
2R、ここまでですでにベナビデスのパワーがこの階級でも通用しそうだということがわかります。非常に力強い左フック、強いプレスでグヴォジクを下がらせます。
素晴らしいフットワークを見せるグヴォジク、さらにいくつかのコンビネーションをヒットさせていますが、後手に回っている感は否めません。これはベナビデス、ここまで強いのかという感じ。
3R、グヴォジクが軽いコンビネーションでの波状攻撃。これは良い。しかしベナビデスは強気で左のボディ、この力強いボディショットでグヴォジクは嫌がっているように見えます。
後半、ベナビデスの左フック強打でグヴォジクの頭が揺れます。これは、グヴォジクにとってはかなりまずい展開。
4R、グヴォジクが細かく動き、ベナビデスが追っていくという展開。比較的これまで以上に右に左に動き回り、的を絞らせないグヴォジクが良い。
しかし後半にはベナビデスが左フックをヒットするとその後にパンチをまとめ、グヴォジクに流れを渡さず。
5R、グヴォジクは細かなコンビネーションでベナビデスを引き離そうと試みますが、ベナビデスは全く怯むことなく歩いて近寄り、強打。
ここまでのパンチスタッツはベナビデス73/148、グヴォジク32/131という驚異的なもの。
グヴォジクの動き自体は全然悪くないですが、今日のベナビデスは非常にキレがある上にパワーもあり、パンチのセレクトもまた素晴らしい。
6R、序盤はややおとなしめに過ごしたベナビデス、中盤にはやはりプレスをかけて前進。まとめるべきところにコンビネーションをまとめるベナビデス、かなりのアクションを見せています。ただこのハイペースに若干疲れてはきているか。
7R、かなり打たれてもいるし、かなりの運動量をこなしているも動きが落ちないグヴォジク。年齢も考慮して流石のものです。
ベナビデスは若干手数が落ちているようにも見えますが、要所でパンチをまとめています。
後半にはベナビデスがロープを背にする場面もあり、ちょっと序盤からのハイペースでやはり疲れたか、ペース配分をし出したイメージ。
しかし終盤にはまた力強い左フックをヒットしています。
8R、グヴォジクが攻め込む場面が増えます。ベナビデスはペース配分を考えてか下がる場面が出てきており、変わらず強いプレスをかける場面こそあるものの、前半のような圧倒はしていません。
しかし後半はベナビデスが強いプレスをコンビネーション、こうなるグヴォジクにとって良い展開にはなりません。こういう戦いもできるんですね。
9R、やはり前半はディフェンシブなベナビデス。このラウンドは前ラウンドよりも早く攻撃に転じ、グイグイとプレスして速いコンビネーション。
グヴォジクを相手にこのパフォーマンス、やはり伊達ではありませんね。
10R、今までのベナビデスは結構力で圧し潰してきた感じではありますが、今日は距離感やスピード、技術の素晴らしさも見せていますね。
特にこの日はジャブがよく、このグヴォジクを相手に素晴らしいジャブを幾度もヒットしています。後半ラウンドに入っては前半ディフェンシブに戦い、後半にはパンチをまとめてしっかりとヒットを奪うというイメージで、意外なうまさを見せています。
11R、このラウンドも非常にスムーズなコンビネーションのグヴォジクに対し、ベナビデスは強打を織り交ぜたコンビネーション。
ラストラウンドも展開は変わりません。
先手を取るのはグヴォジク、それでも強打を返すベナビデスは、結局それをヒットしてポイントを稼いでいるように見えます。
アクション満載、最後までしっかりと動きつつ、素晴らしい技術を見せつけた両者。規定のラウンドを終了しました。
判定は、116-112、117-111、119-109でデビッド・ベナビデス。
おそらく前半から中盤にかけては一方的だったのではないか。後半、ベナビデスが手数を控えたところにくらいついたグヴォジクにポイントが流れたのかもしれません。
いずれにしろ、デビッド・ベナビデスがオレクサンドル・グヴォジクに快勝、メキシカンモンスターは本当にメキシカンモンスターであり、やはり今後も注目、5年後のPFPリストに名前を連ねていることも十分に考えられますね。
WBA世界ライト級タイトルマッチ
ジャーボンタ・デービス(アメリカ)29勝(27KO)無敗
vs
フランク・マーティン(アメリカ)18勝(12KO)無敗
さて、いよいよメインイベント。ジミー・レノンJrの「It's Prime Time」がMGMグランドに響き渡ります。まだ、慣れない。
大歓声の中、初回のゴング。
タンクがガードを高く掲げ、プレス。マーティンは結構下がります。
映像が幾度か乱れる中、中盤にはマーティンの鋭いリターンジャブが良い。大変に緊張感のある立ち上がりは、タンクが手数は控えめでプレスをかけ、マーティンがプレスをかけられつつも鋭いジャブを出していくという展開です。
2R、ほぼパンチを出さずに前に出るタンク。マーティンはこの固いガードの上にコンビネーションを繰り出していきます。クリーンヒットこそないものの、流石に手を出さなすぎてマーティンに流れそう。
後半、マーティンの攻撃に対してカウンターを取り始めたタンク、それでもまだポイントを取るには至らないか。
3R、若干ガードを落としてのプレスに切り替えたタンク。これによりパンチは出しやすく、カウンターは取りやすくなるはずです。
と同時にマーティンのパンチも入りやすくなると思え、かなりスリリングな展開です。
後半はまたタンクがガードを固めての前進、まだもう少し、マーティンを捕まえられていないイメージか。
4Rに入るともう若干タンクが踏み込みのタイミングを掴んできたイメージ。ロープ、コーナーに詰まることが多くなってきたマーティン、攻め込んではタンクの左ボディカウンターが待っているのはちょっと怖いか。
5R、タンクが距離を測るようなジャブを使ってプレス。またも映像が途切れるも、その時間に特に大きな動きはないようです。
マーティンは非常にうまく動き、ロープやコーナーに詰まった際も早々にエスケープしています。
6R、タンクはちょっと余裕を持っているイメージ、マーティンはうまく致命的なヒットを避けるもやはり下がらされているイメージ。
7R、後半戦に入ります。マーティンが下がりつつも積極的にコンビネーション。タンクはちょっと感情的になっているのか、右手で押さえつけて左を思いっきり打つ、というところからアングルをつけたコンビネーション。
この回のタンクは非常に手数も出て力強く、ちょっと手が出なくなるマーティン。タンクの力強い攻撃は非常に派手であり、いよいよ本気か。
8R、タンクがプレスからの力強い攻撃。マーティンもコンビネーションで反撃、これをブロッキングで受けるタンク。こうしてタンクがガードに入ればマーティンも連続的にコンビネーションを出せる状況になりますね。ただ、効果的なヒットは生めません。
中盤、ロープに詰まったマーティンに強引な右を2発3発、マーティンはこれをガードするも最終的にはタンクの左ストレートが炸裂!マーティンはダウン!!!そしてこのまま立ち上がれず、ジャーボンタ「タンク」デービス8RKO勝利!!!
画角的にわかりませんでしたが、左ストレートの前に左アッパーを当てているんですね。その左アッパーでがくんと腰を落としたマーティンに、トドメの左ストレート。時間差ほぼなく、脳を許されたマーティン、これは立てませんでした。
やはり今回も強さを見せつけたジャーボンタ・デービス、このプレスを12Rいなせるボクサーは存在するのでしょうか。
今回も快勝、さすがのタンクはこの勝ち方であればPFPランクアップも考えられますね。やっぱり今やプライムタイムと言えるジャーボンタ・デービス、今後も非常に楽しみですね。
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