信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

ラスベガスで爆発したボンバーレフト、三浦隆司の軌跡。〜Part1〜

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「ボンバーレフト」

三浦隆司が「ボンバーレフト」と言われはじめたのは、2度目の世界挑戦、ガマリエル・ディアス戦からです。それまでサウスポースタイルから思い切り打ち込む左強打を武器に、爆発力のあるパンチを叩き込んでKOを量産してきた三浦にとって、ぴったりのニックネームだと思いました。

KOアーティスト、という言葉は似合わない。

三浦の強打は、ボンバーというに相応しい。

泥臭くも自ら前に出て、左強打を叩き込む。その左ストレートは、まっすぐも伸びるし、弧を描いて相手の顎を捉えることも。いずれにしろ、力のこもった、渾身の一撃。

チャンスと見るや、獰猛な獣のように距離を詰め、左右のパンチを振るう。

そんなワイルドな三浦隆司は、ボクシングの聖地「ラスベガス」でも大いに認知されることとなります。そんな三浦隆司のキャリアを振り返っていきます。

ラスベガスへの道のりを切り開いた先駆者、西岡利晃についてはこちら↓

boxingcafe.hatenablog.com

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三浦隆司、世界までの道のり。

器用には見えないボクサーでしたが、実はアマチュア経験があり、高校時代には国体優勝等の実績があります。横浜光ジムからプロデビュー。

もともとプロのスタイルのようなボクシングで、そのパワーを武器に連戦連勝。

13戦12勝(10KO)1分無敗のまま日本タイトルマッチに臨みます。

当時の日本王者で後のWBA世界ライト級王者、小堀佑介(角海老宝石)の牙城を崩せず、判定負け。

その後、小堀が返上したタイトルを決定戦で獲得した矢代義光(帝拳)に挑戦、1戦目を引き分けた再戦で見事7RTKOで勝利。

1戦目は5R、7Rと矢代からダウンを奪ったにも関わらず、ドロー。非常に物議を呼ぶ採点でしたが、10ポイントマストシステムの特性上、なくはない採点結果です。微妙なラウンドも多かったので、それが全て(又はほとんど)矢代に流れていれば、そうなりそう。

さて、その再戦、長い距離で闘いたいであろう矢代、低い姿勢から中に入って闘いたい三浦。

2R、三浦の左ストレートが炸裂し、ダウンを奪う。しかし続く3R、今度は矢代がダウンを奪い返す。三浦の闘志は衰えず、6Rに2度のダウンを奪い、結果7Rに矢代陣営がタオル投入、三浦の TKO勝利!!

タオル投入がわかっていなかった三浦は、勝利したことがわからず手を出し続ける。三浦に覆いかぶさるようにして攻撃を止めさせるレフェリー。これ、非常に印象深いシーンです。

チャンスにおいて一呼吸もおかずに攻め続ける、その嗅覚と感性、そこに三浦の真骨頂を見た気がしました。

その後、日本タイトルを4度防衛し、いよいよ世界へ挑みます。

当時WBA世界スーパーフェザー級王者として君臨していたのは、内山高志(ワタナベ)。

前年に王座奪取し、今回が3度目の防衛戦でした。

ここでも三浦は、持ち前の闘争心と左ストレートを武器に攻め続けます。不器用そうに見えても、左ストレートの当て勘は類稀なものがある、と思うのですが、この頃既に熟練の域に達していた内山にも左ストレートが当たります。

3R、左ストレートで内山からダウンを奪います!

内山はノックアウト・ダイナマイトと呼ばれる強打者ですが、三浦と違い闘志を前面に押しだしたファイトスタイルではありません。ジャブをつき、距離を測って、左ボディー、右ストレートを武器に戦う、スタンダードなスキルがかなりハイレベルでまとまっているボクサーです。私は実は1番好きなボクサー。。。

なので、私はこの時、内山を応援してましたから、三浦ヤバイ、内山逃げろ!と思っていました。

内山は、決して打たれ強くはないですが、その後の三浦の攻撃を何とかはぐらかし、自らのペースに持っていきます。まっすぐ伸びるジャブを突き、ディフェンスに少々難のある三浦はそのジャブを数多もらい、右目が完全に塞がってしまいます。

三浦隆司、8R終了後、無念の棄権TKO敗け。

一発当たればどう転ぶかわからない、強打者同士の対決は、スキルの差で内山に転びました。

その半年後、帝拳ジムに移籍し、世界再挑戦を目指します。

 

再び世界タイトルへ。

再起戦を判定勝利で飾ると、元日本ライト級王者で元OPBF同級王者でもある三垣龍次(M.T)とのハードパンチャー同士の一戦を迎えます。

少々打たれて脆いところもある三垣、しかし三浦も腫れやすい面があります。

注目の一戦は、プレスをかける三浦、足をつかいつつ強打を狙う三垣という、予想通りの展開。しかし、結末は突然に。

1R1分すぎ、三浦の左ストレートが炸裂。辛くも立ち上がった三垣でしたが、足元はおぼつかず、三浦がチャンスとばかりにラッシュ、レフェリーは三垣を救う。あっという間のKO劇。

2013年4月8日、両国国技館。

三浦隆司に世界再挑戦のチャンスが巡ってきました。

前年、粟生隆寛(帝拳)からタイトルを奪ったガマリエル・ディアス(メキシコ)。

粟生戦でみたディアスは、頭から突っ込んでくる、非常にやりづらさのあるファイター。センスあふれるボクサーである粟生にとっては苦手なタイプだと思いますが、三浦にとっては距離が近くなり、やりづらさはあるとしても新チャンピオン誕生の期待が持てる一戦でした。

1R、バッティングの減点を取られるという幸先の悪いスタートとなりましたが、3Rに左ストレートでディアスがダウン!

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その後、ディアスのクリンチワークやダーティーテクニックに若干翻弄される面はあるものの、得意の左ストレートを当てる三浦。惜しむらくは若干狙いすぎて手数が減ること。

ディアスのフック気味の右も怖い部分はあるものの、6R、7Rにもダウンを追加し、迎えた9Rに2度目のダウンを奪い、そのまま10カウント!

「世界チャンピオン」という幼い頃からの夢を叶えた三浦。

ただ、ガマリエル・ディアスは老獪な面がありましたが難攻不落のチャンピオンとは程遠く、そのディアスから序盤にダウンを奪ったものの詰めきれず、被弾も多かった三浦、課題も多いタイトル奪取でした。果たして世界的に強豪の多いこのスーパーフェザー級でやっていけるのか・・・?

しかし、そのディフェンス面の課題や、一発に頼りすぎる傾向のあるファイトスタイルは、この後世界中を熱狂させる事になっていきます。

Part2はこちら↓

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