内山高志と三浦隆司。
ともに日本ボクシング界の2010年代を代表するボクサーです。そしてともにスーパーフェザー級。
同世代ともいえるこの二人のボクサーには、私は特別な感情を持っています。
これまでのプロボクサーで、誰が1番好きか、と問われれば内山高志と名を挙げ、その対抗王者として君臨し、アメリカで闘うという、内山が叶えられなかった夢を叶えた三浦隆司。
実は私は、この二人の名前をここ数日、毎日の様に見ました。
このコロナ禍の中で、私自身も試合映像以外でもYoutubeを見るようになり、ライターさんもこれまでよりも総括的な記事が増えたりと、今までを振り返るような事が増えているからかもしれません。
気になった記事や映像をまとめてみました。
少し前ですが、スポーツライター、二宮さんのNumberの記事です。
大変に読み応えのあるおもしろい記事で、全3回に分けて三浦隆司が内山高志に挑戦した時のことが書かれています。(以下のリンクを追っていけば全て読めます)
ここでは両者の試合にかける意気込みや、試合の内容、試合中に考えていたことをインタビューを交えて書いてくれています。
ここで心に残ったのは、「『もう無理です』って自分から言ったんです」という見出し。
はじめての日本タイトルに挑んだ小堀戦でも、タイトルを掴んだ矢代戦でも、そして勿論その後の数多の激闘の中においても、三浦の心が折れたのはただこの1戦だけだったのではないでしょうか。
フランシスコ・バルガスにも、ミゲル・ベルチェルトにも敗北はしていますが、気持ちは折れてはいませんでした。
ダウンを奪いはしたものの、技術で敵わず、目を塞がれて心が折れてしまった三浦。その後の活躍はご存知の通りではありますが、内山戦の敗戦があってこそ、より心身を鍛え上げ、アメリカでのキャリアを築くことができたのでしょう。
↓試合の映像はこちら
さて、そんな三浦隆司は帝拳ジムに移籍してから世界王者となりましたが、この内山戦までは横浜光ジム所属。
同ジムに所属した石井一太郎現会長、赤穂亮が三浦隆司について語った動画がアップされていました。
↑このA-SIGNのチャンネルは毎回非常におもしろいです。
石井会長にとっては後輩、赤穂にとっては先輩にあたる三浦に対し、忖度なしに語っています。 ふたりが口を揃えて言うのはやはり三浦の「気持ちの強さ」。特に横浜光ジム所属当時の日本タイトル奪取戦、矢代戦については必見。 ちなみに三浦隆司のキャリアはこちらのブログでも振り返っています。(全2回)
そして内山高志、以前にも書きましたが私が大好きなボクサー。私がリアルタイムで見てきたボクサーの中で、国内海外含めて1番好きと言っても過言ではありません。
個人的なことをいうと私は内山高志と同い年です。(1979年生まれ)
私がアマチュアボクシングの選手だった頃、ライト級には飯田育夫という絶対王者がいました。その絶対王者を破ったのが内山高志。自分の階級の王者くらいは、(まったく手がとどく地位にいなくても)目標とするものです。
内山高志が少々のブランクを経てプロデビューという報を聞いた時には、どうなっても応援しようと心に決めていました。
↓勿論内山高志についてもブログを書いています。(全3回)
そして、先日内山高志のYoutubeで公開された八重樫東(大橋)とのスパーリング。
これはかなり度肝を抜かれた方も多かったのではないでしょうか。
2016年末のジェスレル・コラレス戦を最後に引退した内山。現役時代とほぼ体重は変わらず、62kgだそうです。
そして3階級制覇王者の八重樫東。現在の体重は60kgぐらいだそうです。
階級は4階級〜5階級ほど違いますが、ナチュラルウェイトでは2kgの違いしかない両者。内山は引退して3年半以上、八重樫は現役。「真剣スパーリング」という見出しではありましたが、そこまで真剣にはやらないでしょう。。。と思って見てみました。
↓見ていない方は見てみて下さい。衝撃です。
本当に「超」真剣スパーリングでありましたし、結末も衝撃的でした。
内山のジャブが機能し、相手の右ストレートにあわせる左ボディフックがヒット。1R目から八重樫にボディを効かせ、3Rには2度のダウンを奪う圧勝。
田口良一の引退式でのスパーリングでも、圧倒していましたもんね。
今年41歳になるとは思えない動きと、実戦勘。
この内山高志のKOチャンネルを見た後に見たYoutubeでも、内山高志の名前が。
↓KG大和ジムのボクサー3人がボクシングについて語るYoutube
そういうわけで、最近読んだNumberの二宮氏の記事で感動し、A-SIGNチャンネルから内山高志のチャンネル、(八重樫東のYoutubeチャンネルもみました)KG大和ジムのチャンネルとたまたま続けてみる機会があったので、またあの頃の感動を思い出してしまいました。
美しいジャブを突き、巧みな試合運びでKOを量産した安定王者内山、よく伸びる左ストレートを武器に、海外でも闘ったサムライ三浦。
好対照の王者二人は、再戦することなくともに同時期にグローブを吊るしました。
しかし双方、私たちに本当に夢を与えてくれた存在です。
現在、コロナウィルスの猛威が更に強くなってきており、国内外ともにボクシング興行は不安を抱えながらも何とか開催してくれています。
また大勢の観客の前で、熱狂的なボクシングが帰って来てくれることを望んでいますが、今はただ国内外の興行が無事、安全に挙行されることを願っています。