信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

キング・オブ・キングス、内山高志。KOダイナマイトの追憶にふける。Part2

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遅咲きのチャンピオン、内山高志。

WBA世界スーパーフェザー級王者、内山高志。ここまでの戦績は14戦全勝(11KO)。KO率80%近くを誇る無敗の強打者。

アマチュア経験はありましたが、一度引退し、復帰しての25歳でのプロデビュー

世界チャンピオンになったのは30歳の頃でした。

昔でいうと30歳のボクサーは完全にピークを過ぎた後でした。

しかし、内山高志の場合、日頃からの節制と、厳しく自身を律していたことから、そのピークが長く続いたのだと思います。

衝撃的なKOで世界チャンピオンに登り詰めた内山高志、その防衛記録です。

 ↓世界チャンピオンになるまでの経緯

boxingcafe.hatenablog.com

2010.5.17初防衛戦

アンヘル・グラナドス(ベネズエラ)

初防衛戦は、ランキング下位(挑戦当時13位)の挑戦者。無難な挑戦者ではありましたが、185cmの長身は不気味でした。かなりの長身だけに、打たれ弱そうな雰囲気。ハードパンチャー、内山の相手は荷が重いだろうとの予想。

初回からプレッシャーをかける内山。身長が高い分、いきなり顔面を狙っても当たらない、とばかりに右ストレートをボディにもっていきます。そのボディーが効いて、徐々に腰が折れてくるグラナドス。そして6R、ボディーへの右、というフェイントからの右スイング!その右スイングがグラナドスを捉え、グラナドスはダウン!そしてレフェリーはカウントアウト!

最後の右スイング、メキシカンが得意ないわゆる「ボラード」とも言っていいパンチです。

まっすぐの右ストレートとは違い、少しタイミングをずらしたパンチ。

結局は一発KO、という圧巻の初防衛でした。

内山の6RTKO勝利

2010.9.20二度目の防衛戦

ロイ・ムクリス(インドネシア)

ムクリスは22勝(18KO)2敗2分という好戦績のハードパンチャー。しかし、なかなか地域タイトルの域を出ないというイメージの選手。この選手相手にも、初回からペースを握り、内山はやりたい放題。若い挑戦者に、おもしろいようにパンチを当てる内山ですが、攻め急ぐこともせず、じっくりと弱らせます。5R終盤、右をヒットしたところで連打、ムクリスはダウン!そして、カウント途中でレフェリーがストップ!

ムクリスは担架でリングを後にしました。頬骨が折れており、入院したそうです。。。相当ですね。世界戦3連続KO勝利という記録を打ち立てた内山。そして、その記録はまだ続きます!

内山の5RTKO勝利

 

2011.1.31三度目の防衛戦

三浦隆司(横浜光)

サウスポーの日本人挑戦者を迎えた内山。強打に定評のある「ボンバーレフト」三浦隆司。

この三浦に対し、初回からジャブをビシビシと決めていく内山。サウスポーに対して、左ジャブは非常に当たりにくい(はず)なんですが、本当に難なく決める。技術的には内山の方が1枚も2枚も上。

姿勢を低くし、左強打を振るう三浦ですが、超一流のジャブに近づけない!しかし思いっきり振る左右は空振りでも危険なニオイがプンプンします。

早くも三浦の顔面が赤くなり始めた3R、偶然のバッティングで内山が右目上をカット。ここで、抜群のタイミングで三浦の左ストレートが内山を捉える!ボンバーレフト炸裂!内山ダウン!!!内山は明らかに効いている!会場は大歓声に包まれます!!

大ピンチの内山、三浦は低い姿勢から勝負をかける!内山は踏ん張るためにかいつもよりスタンスを広くし、サークリング。接近戦では危ない場面も!内山、なかなか足が動かないか?

しかし三浦をストップするためのジャブ、左ボディーはここでもよく出ます。三浦は左を振るいながら前進、踏み込んでまた左!!内山も負けじとワンツーを当てます。大ピンチの場面でもしっかりと打ち返す内山、気持ちの強さがすごい!

5R、内山は少しダメージから回復してきたのか、早いジャブを多用。打ち終わりや入り際に伸びてくる三浦の左ストレートはかなり怖い。とにかく一発目の左ストレートを外してくれ!

6R、三浦は内山のジャブを外すために、頭を振って中に入ろうとします。距離がつまるとすぐに飛んでくる三浦の左ストレート!スリリングな展開ながら、内山のジャブが再度三浦を捉え始めます。

7R、三浦が更にプレッシャーを強める!ジャブをもらいすぎて右目がふさがりかけている三浦、もしかしたら勝負をかけているのかもしれません。内山は打ち終わりガードが低くなってしまうので、近づいたところの連打をもらってしまうのが怖いところです。

バッティングの傷をドクターがチェックします。この名勝負、負傷判定は避けてほしい。。。

8R、三浦はほとんど見えていないのかもしれません。内山が踏み込むと、打ち終わりに乱打!という戦法。内山、ジャブの距離で強い左、時折強い左ボディー!三浦の右目は完全に塞がります。そして、ラウンド終了後、三浦陣営がレフェリーを通じてドクターに要請、ドクターストップにより棄権。

内山の8R終了TKO勝利。

効かされた状態から、いつも通りの素晴らしいボクシングを展開した内山。試合後、右拳を骨折していたことを明かしました。う〜ん、完璧なボクサーですね。

2011.12.31四度目の防衛戦(王座統一戦)

ホルヘ・ソリス(メキシコ)

ソリスはWBA世界スーパーフェザー級暫定王者。正規王者に内山が君臨する中、暫定王座が突如設けられたのは2010.2.16のことでした。内山が正規王者になった直後。謎です。

そしてもっと謎なのが、スーパーフェザー級の暫定王者でありながら、前戦でWBA・IBF世界フェザー級王者のユリオルキス・ガンボア(キューバ)に挑んだソリス。更に、2011.11.3にはブライアン・バスケス(コスタリカ)とサントス・べナビデス(ニカラグア)との間でWBAスーパーフェザー級の暫定王座戦があり、WBAスーパーフェザー級には暫定王者が2人に!!前代未聞のやりたい放題です。

それはそれとして、実力者であるソリスを迎えての4度目の防衛戦。前戦のあと、右手にメスを入れたため1年10ヶ月ぶりの試合となった内山。長期ブランク、相手が実力者のソリスである事で、一抹の不安を覚える一戦でした。

しかしブランクが逆に功を奏したのか、この日の内山は出色の出来。序盤からペースを掌握、今日もジャブがよく当たる!しかしソリスも打たれた後には必ず打ち返す。そしてそのパンチは多彩!かなりの強敵です。内山ペースで進む試合の中、5Rには左フックでソリスをぐらつかせます。

その後も少しずつダメージを与える内山。そして10R、右ストレートをカウンターでヒット!下がるソリス、詰める内山!勝負に出る内山ですが、ソリスも反撃!残り時間わずかのところで今度はカウンターで左ボディー!!効いたところでゴング!

そして続く11R、開始早々で内山の左フックがヒット!!!ダウン!!!!危険な倒れ方をしたソリス、レフェリーはそのままストップ!!

10Rの左ボディーが効いて、左フックのモーションがフェイントとなったのでしょう。内山が踏み込んだところでソリスのガードが下がったところに叩き込んだ閃光のような左フック。恐ろしいパンチ。これで世界戦5連続KO勝利、向かう所敵なし。

↓対ソリス戦、KOラウンド

https://www.youtube.com/watch?v=7RlOygk5QQo&t=18s

内山の11RTKO勝利

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2012.7.16五度目の防衛戦

マイケル・ファレナス(フィリピン)

初防衛戦、2度目の防衛戦を地元埼玉のさいたまスーパーアリーナで行った内山、5度目の防衛戦は出身地(出生地は長崎)の埼玉県春日部市にて挙行。

しかしこの試合は、3Rに偶然のバッティングがおこり、内山が右目上を負傷、試合続行不可とみなされ負傷引き分けに終わります。

世界戦6連続KO勝利が期待された試合だっただけに、残念。

どの選手もそうですが、凱旋防衛戦というのはなかなか良いイメージがないですね。何かしらのアクシデントが起きやすいのはなぜでしょうか。

3R負傷判定引き分けにより防衛

 

2012.12.31六度目の防衛戦

ブライアン・バスケス(コスタリカ)

4度目の防衛戦で暫定王者のひとり、ソリスを退けた内山、次なる暫定王者(笑)はブライアン・バスケス!内山が拳の怪我で長期離脱中に設けられた暫定王座ですので、こちらの方が説得力があるかも。

バスケスはかなり体が厚い。打たれ強く、パワーがありそうな体つき。(あくまでも見た目基準で)コスタリカ初の世界王者、バスケスはここまで無敗。序盤から内山が今日も絶好調に突き刺すようなジャブを飛ばす。おそらく近寄りたいと思われるバスケスですが、ジャブが邪魔でなかなか中に入れない。サークリングしながら入る隙を伺うL字ガードのバスケス。

しかしL字ガードの相手には、内山はいつも以上にジャブを打ちやすいのでしょう。序盤からしっかり握ったペースを離しません。

中盤以降、左ボディーも効果的。バスケスはボディーをかなり嫌がっている感じがあります。この年、ロンドンオリンピックで金メダルを獲得した村田諒太に伝授したという左ボディー、芸術的な角度とタイミングで入ります。

バスケスも内山の左フックや左ボディーにあわせ、相打ち覚悟で左を打ち抜きます。内山は決して打たれ強くはないので、少し心配。

7Rにはかなり疲れをみせてきたバスケス。そろそろ終わりが近いか?

8R、ボディを効かされ、口も開いてきたかバスケス。しかし逆転を狙って力強いパンチを返してきます。両者の距離が近くなってきた残り40秒、左フックがバスケスを襲う!その後右ストレートをヒット、そこから連打!連打!!追いかけて連打連打連打!!!!意地か倒れないバスケス!しかしラウンド終了のゴングと同時に、レフェリーがストップ!!!!

内山、またもKO勝利!!連打も半端ない!!

↓対バスケス、KOラウンド

https://www.youtube.com/watch?v=HAS-DW16ymw

内山の8RTKO勝利

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ここまで内山高志は20戦19勝(16KO)1分。世界戦の戦績は7勝(6KO)と無類の強さを誇ります。タイトルを奪ったサルガド、暫定とはいえソリス、バスケスという王者ふたり、後にアメリカを熱狂させることになる後のWBC王者、三浦。

そしてまだまだ続く、内山高志の防衛ロード。

Part3はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

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